[FT]アフガン退避に学ぶ危機管理

[FT]アフガン退避に学ぶ危機管理
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB135KE0T11C21A2000000/

 ※ こういう「危機事態」、「緊急事態」に紙とハンコとファックスで「立ち向かおう」としているどっかの国もある…。

 ※ まあ、かえって「効率的」かもな…。

 ※ 「デジタル化」とは、「コンピューター(電子計算機)」の「支援」を受けれるようにしよう…、という話しだ…。

 ※ しかし、どこまで行っても「支援」であって、最後は「人力」(人間の頭脳)頼みとなる…。

 ※ AIというものも、「電子計算機」に計算(演算)させるという点では、変わりは無い…。ちょっと、「並列処理」「行列演算」に長けている…、というだけの話しだ…。

内部告発した元英外務省職員のラファエル・マーシャル氏(25)によると、退避希望者からのメールにはまず、条件に該当すれば青いフラグが、該当しなければ赤いフラグが付けられ、それから詳細が一覧表にまとめられた。既読だが未対応のメールには黒いフラグが立てられた。フラグが一切付かなかったメールもある。危機に際して送られてきたメールは25万件に上り、外務省は多いときには1日1万9000件に対応しようとした。受信トレイはあふれ返り、必要な人々を救い出せなかった直接の要因となった。

マーシャル氏の報告書はマンネリ職場にはおなじみの内容だろう。危機への備えが足りなかった。2020年に新型コロナウイルスの感染拡大でメールが殺到した時の教訓が生かされなかった。部門ごとにシステムが異なり、同僚を的確にサポートできなかった。派遣された兵士らはソフトの使い方を知らなかった。現地の言語や事情に関する知識が不十分だった。3交代制で業務を回しても重要局面で人手が足りず、在宅勤務中のスタッフと連絡が取れなかったり、官僚のワークライフバランスがやたらと重視されたりした。

当時のラーブ外相や、危機が深刻化しても休暇を切り上げなかった外務省事務方トップのフィリップ・バートン氏などの不適切なリーダーシップにも批判が向けられたのはしかるべきだ。
「全てを把握する業務の複雑さとペースに圧倒」

最終的には約1万5000人を退避させることができた。それでもこの大失態は、ささいな管理上の問題も切迫した場面では大きな落とし穴になりかねないことを改めて教えてくれる。

18年に著された「巨大システム 失敗の本質」にも、アフガン危機ほどの規模ではないにせよ、類例がいくつも挙げられている。米ディスカウントストア大手のターゲットは13年、カナダ進出を狙い、非常に厳しい日程で複雑な供給網の管理システムを構築しようとして失敗した。不正確なデータが入力されて倉庫には在庫があふれる一方、店舗の陳列棚は空っぽだった。

米フォード・モーターのリコール問題も同根だ。1973年にリコールの責任者になったデニス・ジョイア氏は欠陥車「ピント」を早期に回収できなかった理由について「想定を含めたリコール件数があまりに多く、全てを把握する業務の複雑さとペースに圧倒された」と論文に記した。会社に届いた膨大な情報が機械的に処理されていたことも問題視し、そのためにピントの衝突事故に適切な倫理的対応がとれなかったと釈明した。

マーシャル氏はたとえ業務の遂行が完璧だったとしても、救出できたのは希望者の1~5%にとどまっただろうと推測する。だが肝心なのはそこではない。「確かに困難を極める判断だったが、私が気になるのは判断に至る過程がひどかったということだ」

基本的な管理ミスでマーシャル氏をはじめ職員がこのように追い込まれ、上司らは面目を失った。

By Andrew Hill

(2021年12月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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