中国テニス選手・彭帥さん、性的暴行否定 海外メディア取材応じる

中国テニス選手・彭帥さん、性的暴行否定 海外メディア取材応じる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL2003J0Q1A221C2000000/

『【北京=共同】中国最高指導部の元メンバーと不倫関係にあったと告白したテニス選手、彭帥さんが19日、上海で、シンガポール紙、聯合早報の取材に応じ「誰かが私に性的暴行を加えたと言ったり書いたりしたことはない」と強調、自身は自由だと訴えた。不倫告白後に海外メディアの取材を受けるのは初めてとみられる。発言は当局の従来の主張に沿った内容で本人の意思かどうかは不明。

ロイター通信によると、女子ツアーを統括する女子テニス協会(WTA)は「重大な懸念の解消にはつながっていない」とし、性的暴行の疑いについて検閲のない、透明性のある調査を求める声明を出した。

彭さんは11月、会員制交流サイト(SNS)で、元副首相でもある張高麗氏に性行為を迫られ泣いたなどと告白。国際社会で人権問題との見方が広がった。来年の北京冬季五輪への影響を懸念する中国当局は海外メディアへの露出を一定程度容認、「無事」を演出することで問題の幕引きを急いでいるもようだ。

聯合早報が公開した動画では、彭さんはこわばった表情で「非常に重要なことを強調したい」と前置きし、性的暴行の存在を否定。「プライバシーの問題」について誤解があるとし、自身は当局の監視下に置かれていないと述べた。張氏との不倫が事実かどうかは触れなかった。

WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)に宛てて無事と説明したメールは自身の意思で送ったと強調。サイモン氏は権力者による性的暴行を疑い、調査を求めていた。WTAは問題を受け中国での大会開催見送りを発表している。

聯合早報によると、彭さんは国際スキー連盟(FIS)が主催するスポーツ大会の会場を訪れていた。

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石塚由紀夫
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説

いまさら「ない」とご本人が強調されても、容易に納得できません。

一般論ですが、セクハラなど性的被害は力を持つ者が、その力を及ぼせる弱い立場の方に対して行いがち。事があった後も、加害者の影響力の下に置かれたままだと、被害者は本音を明かせません。日本企業であっても、セクハラ被害者が会社や職場の有形無形な圧力に屈し、「被害はなかった」と泣き寝入りや前言撤回を強いられることがあります。

まして人権尊重意識が世界の中では希薄な中国での出来事。「なかった」と言うなら、以前の書き込みは何を意味し、なぜ世界に発信したのか、明確な説明がないと疑惑は晴れません。これにて幕引き…とはなりそうにありません。

2021年12月20日 11:43 (2021年12月20日 12:53更新) 』