オミクロンが欧米で猛威 オランダが都市封鎖、休暇直撃

オミクロンが欧米で猛威 オランダが都市封鎖、休暇直撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB191VY0Z11C21A2000000/

 ※ 医療提供体制側での感染者が増加すると、「逼迫する」ことになってしまう…。

 ※ たとえ、「重症化」しなくても、「感染者」を現場に立たせるわけにはいかず、一定期間「自宅待機」させ、完全な「陰性」を確認するまでは、「戦力外」となってしまうからだ…。

 ※ 特に、この変異株は、「ブレークスルー感染」が多いとも言われているんで、心配なところだ…。

『【ブリュッセル=竹内康雄、ロンドン=佐竹実】新型コロナウイルスの新変異型「オミクロン型」が欧米で猛威を振るっている。感染者の急増でオランダは19日からロックダウン(都市封鎖)を決めた。英国では新規のオミクロン感染者が1万人を超え、ドイツは英国からの旅行者の受け入れ停止を決めた。重症者や死者の数は落ち着いているが、各国とも医療体制の逼迫を懸念し、規制強化に動いている。

オランダのルッテ首相は18日、新型コロナの感染拡大の阻止に向けて厳しい制限措置を導入すると発表した。スーパーなどを除いた店舗、レストランや学校の閉鎖などが含まれ、事実上のロックダウンとなる。

閉鎖されるのは、レストランやバーのほか、映画館や美術館、スポーツジム。クリスマスを除き、自宅に招けるゲストの数も2人に制限する。措置は19日以降に適用され、学校は1月9日まで、そのほかは同14日まで続く。ルッテ氏は記者会見で「第5波に対応するために避けられない措置だ」と説明した。

英保健安全局は19日、オミクロン型を新たに1万2133人確認したと発表した。1万人超えは2日連続。累計では3万7101人で、コロナの新規感染者全体は9万人規模の日が続いている。英スカイニュースは政府内に行動規制を強化する案もあると報じた。首都ロンドンのカーン市長は18日、「重大事態」を宣言した。行政や警察など公的機関の態勢強化を求めるもので、1月の流行時にも宣言した。

英国でのオミクロン型急増を受け、ドイツは18日、英国からの旅行者の受け入れを停止すると発表した。フランスも英国からの旅行やビジネスでの渡航を禁止している。ロイター通信が現地報道として伝えた内容によると、イタリアのドラギ首相は23日にも屋外でのマスク着用義務やスタジアムなどの入場時に陰性証明の提示を求める新たな行動規制を発表する可能性がある。

行動規制はクリスマスや年末年始の消費、人の移動を抑制する。経済再開の重荷となることは避けられない。オミクロン型は世界89カ国で確認されている。

欧州各国が神経をとがらせるのは、オミクロン型は重症化率が低いとの指摘もある一方で感染拡大ペースが速く、医療体制が逼迫する恐れがあるためだ。

世界保健機関(WHO)は18日、オミクロン型の感染が「1.5~3日で倍増している」との見方を示した。入院患者が増え「多くの医療機関が対応できなくなることがあり得る」と警告した。

英メディアによると、カーン市長は「新規入院が増えているだけでなく、医療スタッフの欠員がかなり増えていることから重大事態の宣言を決めた」と話した。ロイター通信によると、オランダでは専門家がアムステルダム市内の足元の感染者の14%がオミクロン型とみている。保健当局はクリスマスから年始にかけて感染の中心がオミクロン型になるとみる。

各国ともワクチン接種率の底上げを急ぐ。フランスではレストランや長距離鉄道利用時などに、ワクチン接種証明が必要となる新法の制定をカステックス首相が17日、示唆した。事実上の義務化で、600万人近くいる未接種者に強く接種を促した。オランダ政府は1月上旬までに18歳以上のすべての対象者に連絡してブースター接種の予約を促す。

米国ではロックダウンなどの厳格な措置は取られていないが、イベントの自粛が相次いでいる。

米プロフットボールNFLは17日、新型コロナの米国内の感染者の急増を受け、週末の3試合を週明けに延期すると発表した。北米プロアイスホッケーNHLも同様に複数の試合の延期を発表した。米ニューヨークでは劇場街ブロードウェーで休演が増えている。

米NBCテレビによると、バイデン米大統領は21日に演説し、オミクロン型への新たな対策を打ち出す。ワクチン未接種者に対して「冬がどういうものになるか厳しく警告する」見込みだという。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

この記事のポイントは「欧州各国が神経をとがらせるのは、オミクロン型は重症化率が低いとの指摘もある一方で感染拡大ペースが速く、医療体制が逼迫する恐れがあるためだ」という部分。

オミクロン型の感染拡大は「1.5~3日で倍増」との見方をWHOは示している。報道機関によっては「2日で倍増」と形容しているところもあり、この方がイメージをつかみやすいだろう。倍々ゲームで感染者が増えるわけである。

当然、診察にあたる医療関係者の側にも感染者が出る。需要が急増する一方で、供給側の人員は減るから、医療体制は急ピッチでひっ迫する。重症化リスクが小さい変異株だから大丈夫だろうといった楽観論は否定された感が強い。

2021年12月20日 11:31』