ウクライナ巡り米ロが角逐、されどプーチンが頼む中国は動かず

ウクライナ巡り米ロが角逐、されどプーチンが頼む中国は動かず
東アジア「深層取材ノート」(第116回)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68038

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ ウクライナ情勢、緊迫しているという情報が多く流通している…。

 ※ しかし、「そうは、ならないだろう。」という方向の分析もあったんで、紹介しておく…。

 ※ 『ただ、私はまったく別の側面から、「1月開戦説」に懐疑的だ。』

 『もしロシアが開戦したなら、米欧とはもはや修復不能なほど大きな亀裂が生まれるのは自明の理だ。そのため、ロシアは「経済的保証」を、いまや「準同盟関係」とも言われる中国に求めている。

 11月30日には26回目の中ロ首相定期会合を開き、計113項目もの協力で合意した。その長文の合意文書を読むと、もはやロシア経済を中国が全面的にカバーしていることが分かる。今年の両国の貿易額は、過去最高の1300億ドル規模に達する見込みだ。

 そんな中国は、周知のように2月4日から20日まで、北京冬季オリンピックを控えている。パラリンピックは3月4日から13日だ。アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ・・・と次々に「外交的ボイコット」を宣言する中、習近平政権としては、「盟友」のプーチン大統領にだけは開会式に来てほしい。多くの欧米首脳が参加を見合わせた2014年2月7日のソチオリンピック開会式に、習近平主席は参加している。

 ところが、1月にロシアがウクライナと開戦すれば、それはIOC(国際オリンピック委員会)の本部があるヨーロッパをも直撃するから、「平和の祭典」どころではなくなる。北京オリンピックが台無しになれば、習近平主席の威信に傷がつき、来年後半に行われる第20回中国共産党大会で、習近平総書記が再選されなくなる可能性が出てくる。』

『というわけで、中国は水面下で現在、「とにかく北京オリンピックが終わるまで物騒なマネはしないでほしい」と、ロシアを説得しているはずだ。もしもロシアが中国の忠告を無視したなら、中ロ関係に亀裂が入り、いまほど中国経済の恩恵を受けられなくなる。そうなるとロシアはいよいよ四面楚歌となるから、ソ連崩壊という「30年前の悲劇」が再現するリスクが出てくる。つまりロシアとしては、オリンピック終了まで開戦を思いとどまらざるを得ないのだ。』…、というものだ…。

 ※ 『もう一つ、サリバン補佐官のブリーフィングで気になった問答があった。そこの部分の記者とのやりとりは、以下の通りだ。

記者「この会談は、中国の習近平主席を含む多くの敵対者たちが注視していたはずだ。そんな中、一部の観察者は、プーチン大統領がウクライナに侵攻し、同時に習主席が台湾を中国に再統一しようと武力行使するという悪夢を思い描いてきた。アメリカはこうしたシナリオへの準備はできているのか?」

サリバン補佐官「アメリカは抑止と外交の両面から、取れる措置は何でも取るつもりだ。そしてあなたがいま言った台湾シナリオが決して起こらないように、ウクライナへの侵攻を回避し、阻止するよう努めていく。それが現在のわれわれの政策の対象であり、取っている手順だ。バイデン大統領がプーチン大統領に送っているメッセージだ。

 また台湾について言えば、この8カ月間、インド太平洋地域において、中国が侵略を選択するシナリオを回避するため、取れる努力を積み重ねてきている」

 以上である。ウクライナ危機と台湾危機が同時に起こる「悪夢のシナリオ」については、このところ日本でも言及されるようになってきた。』 

 『だがこのシナリオにも、私は懐疑的だ。なぜなら中国の立場に立てば、ロシアが万一、ウクライナに侵攻したなら、その気に乗じて台湾侵攻に出ることはなく、むしろ沈黙するはずだからだ。』

 『21世紀初頭、当時のジョージ・W・ブッシュJr.米政権はアフガニスタン戦争、イラク戦争にのめり込んだが、その間、中国は台湾へ侵攻せず、沈黙した。沈黙したからこそ、アメリカに気兼ねすることなく経済的及び軍事的発展を果たせたのである。

 同様に、ロシアがウクライナに侵攻したなら、その間に中国は黙々と力を蓄えるはずだ。アメリカもロシアも、中国を味方につけようと必死になるから、「沈黙は金」なのだ。
 ウクライナ危機では、中国の動向も大いに注視すべきである。』