日米中関係の中長期的展望

日米中関係の中長期的展望
https://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H23_Japan_US_China/AllReports.pdf

 ※ 良い資料に当たった…。

 ※ しかし、長すぎる(260ページもある)…。とても、「通読」はしてられない…。

 ※ 目次を貼っておくんで、「役に立ちそうなところ」を摘まんで、部分部分を読んだ方がいい…。

中国安全保障レポート
2019
― アジアの秩序をめぐる戦略とその波紋 ―

 ※ こっちも、参考になったんで、リンクを貼っておく…。
http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2019_A01.pdf

『第四章 日米同盟に対する中国の認識と対応―冷戦後の展開
高木誠一郎

はじめに

日米中 3 国の関係は密接に絡み合っているが、3 組の 2 国間関係はそれぞれに特徴的であり、どの 1 国から見ても他の 2 国との関係は決して対称的なものではない。言うまでもなく日米は同盟関係にあり、時として様々な摩擦を引き起こしながらも、米国にとって対日同盟関係は東アジア戦略の「要石」であり、日本にとって唯一の同盟関係である対米同盟は安全保障政策の根幹をなしている。

また、日米関係は安全保障面に限定されるものでなく、経済的相互依存と文化的相互浸透によって深く結びついている。これに対して米中両国は冷戦後急速に経済的相互依存度を高めながらも、安全保障面では「敵でもなく味方でもない」という協力と摩擦が混在し、変転の激しい関係を展開してきた。

日中関係はやはり経済的相互依存が深化する中で、歴史認識問題、領有権問題、食品安全問題等をめぐる摩擦とその収拾努力を繰り返してきた。

2005 年の安倍晋三首相の訪中以降徐々に確立した「戦略的互恵関係」も、「戦略的利益の共通性に基づく互恵関係」というその基本定義が明示するように、戦略的利益の不一致を克服できるものでないことは、その後の展開に照らして明らかである。

したがって、3組の2国間関係を関連づけ、日米中関係の展開を論ずるに当たっての核心的問題の一つは、同盟を中核とする日米関係に対する中国の認識と対応ということになるのである。

本稿はそのような観点から、冷戦後の日米同盟関係に対する中国の認識の展開を検討し、オバマ政権による「米国」の「アジア回帰」以降の日米同盟に対する中国の対応を評価する基盤を提供しようとするものである。』

『1分析の枠組み

中国の国益の観点から一般的にどのような日米関係が望ましいかについて、1995 年秋、
1996 年春と秋、1996~1997 年の冬に中国で聞き取り調査を行ったバニング・ギャレットとボニー・グレーザーが以下のような的確かつ要領のよい概括を行っている 1。

それによると、全てを斟酌すれば、日米同盟は、以下の点で中国にとって有利に作用す
ることから、中国の国益にかなうものと判断される。すなわち、

1)日本の地域覇権に対する野望を抑制し、
2)日本の軍事力構築を制約し、日本の軍事力投射能力を限定する、
3)中国の経済的、政治的、軍事的パワーの増大を懸念する他のアジア諸国を安心させる、
4)アジア太平洋地域全体の安定に寄与する。』

『したがって、日米関係における摩擦が過度に深刻化することは、米国の対日影響力の低下をもたらし、同盟関係の破綻を招きかねず、そうなれば日本の軍事力強化の引き金を引くことになり、核武装さえももたらしかねない、という理由で中国にとっては望ましいことではない。

しかしながら、両国の関係が緊密すぎると中国にとって別の危険が生じる。

すなわち、日米中三角関係における中国の立場が弱まり、米国および日本に対する中国の影響力が低下する。

また、日米が共同して、軍事力の透明性と軍備管理、人権、貿易、南シナ海における中国の行動等について中国に圧力をかけてくる可能性もある。

最悪のシナリオは、軍事協力を含む日米合同の中国封じ込めである。

特に中国が懸念するのは、日米同盟の枠内で在日米軍と自衛隊が協力して、台湾独立阻止のための中国の武力行使に対応することである。

以上を要するに、もっとも中国の国益にかなう日米関係のあり方は「緊密すぎず、疎遠すぎず(neither too close nor too distant)」ということになる。

この概括は、冷戦後の日米関係に関する中国の判断と反応を測定する物差しとして使用
可能であり、以下の分析の枠組みとして利用することにする。

また、日米同盟に対する中国の認識は、当然のことながら、国際状況全般に対する認識
の重要な一環をなしている。したがって、以下の検討においては、日米同盟に関する認識と全般的状況認識との関連にも着目していく。』

米中関係の新展開 ―北東アジアへの影響―
松田 康博 東京大学東洋文化研究所教授

 ※ これも、参考になった。リンクを貼っておく。
https://ippjapan.org/archives/1396