カナダも北京五輪の外交ボイコット 米豪英に続く

カナダも北京五輪の外交ボイコット 米豪英に続く
「人権侵害を憂慮」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08E8N0Y1A201C2000000/

 ※ 米英豪加の足並みは、そろったか…。

 ※ 後は、EU(欧州)の出方だな…。

 ※ たぶん、我が国は「他国の様子を窺って」最後の方になるのでは…。

『【ニューヨーク=白岩ひおな】カナダのトルドー首相は8日、2022年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない外交ボイコットを決めたと発表した。新疆ウイグル自治区などを念頭に「中国での人権侵害の報告を深く憂慮している」ことを理由に挙げ、同盟国とも協議していると述べた。

【関連記事】IOC会長、北京五輪の外交ボイコットに静観姿勢

トルドー氏は「世界の舞台で戦うために懸命に努力しているアスリートたちを引き続き支援していく」とも述べ、選手団は派遣する考えを強調した。

これに対し、在カナダ中国大使館は「イデオロギーの偏見に基づき、北京冬季五輪を妨害しようと政治的工作を講じている」と強く反発した。

カナダ下院は2月、ウイグル族などの少数民族に向けられた暴力を 「ジェノサイド(民族大量虐殺)」として非難する動議を超党派で可決しており、国内で対応を求める声が上がっていた。

北京五輪をめぐっては、米国、オーストラリア、英国がすでに外交ボイコットを決めた。中国は外交ボイコットに対抗措置をとる姿勢を示している。今後、さらに外交ボイコットの動きが広がるかが焦点となる。

 【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は8日の英議会下院の討論で、北京冬季五輪への対応について同国の閣僚や官僚を派遣しない方針を示した。ジョンソン氏は「事実上の外交ボイコットになるだろう」と語った。選手団は予定通り参加させる意向も示した。

 英首相官邸の報道官は8日、英王室の出席についても「想定されていない」と語った。北京五輪を巡っては、米国に続き、オーストラリアが8日、中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を主な理由に、外交ボイコットを決めている。

ジョンソン氏も議会で「英政府は中国に人権問題を提起することにためらいはない」と述べ、2カ国に同調する考えを示した。中国側の強い反発が予想され、外交上の摩擦も生じそうだ。

 英国では議会が7月にウイグルなどの人権問題が解決しない限りボイコットすべきだとの動議を可決している。ジョンソン氏はかつて「本能的にはスポーツボイコットに反対している」と述べ、慎重な姿勢を示していた。

だが与党・保守党の対中強硬派や閣内のトラス外相などが圧力を強めていたため、ボイコット実施を決断したもようだ。米国はボイコットは「各国の判断」として同盟国への同調は強制しない方針を示しているが、対米配慮も影響したようだ。

 10日からは英国が議長国となって主要7カ国(G7)外相会合を開く。この場でも北京五輪を巡る議論が交わされる見通し。日本も含めた他の西側諸国がさらに米英豪の動きに同調するかどうかが焦点になる。

【関連記事】

・中豪対立、五輪に波及 米に続き外交ボイコット
・五輪の外交ボイコットとは何か 開催に祝意示さず

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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別の視点

外交ボイコットを決めた国の政府は選手団は派遣すると線引きをしていますが、選手は「政治的中立」を訴えて北京五輪に参加できるのか疑問が残ります。

モスクワ五輪の時代と異なり、今は多くの選手がSDGsに積極的に取り組んでいて、自ら人権問題に対して毅然とした姿勢を示さないと辻褄が合わなくなります。

中国に人権問題はないと主張するのか、人権問題はあり中国政府に責任はあると訴えた上で北京五輪の大会組織委員会は中国の政府、人権侵害とは独立した存在だと主張するのか。今後の組織委員会の対応によっては、苦しい立場に追い込まれる選手とスポンサーが増えてしまうのではないかと思います。

2021年12月9日 14:43

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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今後の展望

日本の対応が関心の対象となるでしょうが日本はこれを機会に「中国の人権侵害について深刻な懸念を米欧カナダなどと共有している」というメッセージを出すべきだと思います。これは必須です。

ただし、その上で日本はあくまで自国の判断基準で外交使節を送るかどうか、送る場合はその規模を決めればいい思います。

先月の米中首脳会談では米政府はコミュニケーションチャンネルを維持することが目的だといっておりました。中国に地理的に近い米国の同盟国の日本が中国と独自のコミュニケーションチャンネルを維持することは、米国にとって悪いことではないはずです。そういう内容も上手くメッセージに織り込めばいいと思います。

2021年12月9日 8:25

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為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表
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ひとこと解説

五輪の歴史を紐解くと必ずしも首脳クラスが五輪に訪れていたわけではありませんでした。

このようなカードは一度切ってしまうと、毎回切るか切らないかを議論しなければならないので、五輪に政府要人が行くこと自体をやめるということも選択肢に入れるべきだと思います。

2021年12月9日 7:44

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滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説

五輪が政治対立の舞台になっている。そんな議論の前に米国や欧州で(外交的)ボイコット論がなぜ巻き起こったを踏まえておくべきでしょう。それは中国当局による新疆ウイグル自治区などでの人権抑圧は黙視できない、と感じる人が増えているからです。批判の声は人権重視のリベラル派において顕著です。

その旗頭である米紙ワシントンポストは社説でこう訴えました。「The U.S. boycott of the Genocide Olympics is only a start(ジェノサイド・オリンピックへの米国のボイコットは始まりに過ぎない)」。

https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/12/07/us-boycott-genocide-olympics-is-only-start/

普段、同紙を引用する方々は、人権問題に「沈黙は金」は禁物のはずです。

2021年12月9日 13:03 (2021年12月9日 13:34更新)

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

北京五輪の外交ボイコットが米国、豪州、英国、カナダに広がるが、これらの多くの国はウイグル・ミャンマーの人権問題への制裁措置でも協調する。

英国が2015年制定した現代奴隷法は国内外の多国籍企業に対して侵害の有無をデューディリジェンス(※ 事前のリスク審査)を通じてチェックし管理・開示を求める内容だが、高い評価を受けており欧州・豪州にも大きな影響を与える。

一方、最近では英国系企業でも開示内容が後退しているとの指摘がある。新型コロナ感染症の影響が大きいが開示による問題国からの報復を懸念する声もある。中国政府が外交ボイコットにどう対応するのか注目が集まるが、企業の人権対応が進展するかは先進国の戦略・支援にも左右される。

2021年12月9日 9:11

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北川和徳
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点

政府要人が来なくても、五輪の開催に何の影響もないです。

ただ、外交ボイコットがこんな形で使われることが、「平和の祭典」とされる五輪が政治的プロパガンダの舞台になっていることを証明しています。

IOCは政治的中立を主張したいなら、いっそのこと政治家は開会式に来ないように求めるべきではないでしょうか。五輪をプロパガンダに使いたい人たちは怒るでしょうが、とてもスッキリします。

2021年12月9日 7:27 (2021年12月9日 7:29更新)』