「習近平は毛沢東になりたがっており、しかもアメリカを甘く見ている」

ラッド元豪首相の警告「習近平は毛沢東になりたがっており、しかもアメリカを甘く見ている」──米外交誌
Xi Wants To Emulate Mao, Thinks U.S. Will Back Down on Taiwan: Kevin Rudd
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/02/post-95654_1.php

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ 非常に重要な視点を、出している…。

 ※ 『「中国は習近平の下でより独裁的になった。厳しい国家安全保障法が施行され、野党政治家が逮捕され、メディアの自由が制限された香港を見て、台湾を『一国二制度』の形で中国に再統一するという楽観論も消え失せた」と、ラッドは指摘する。』

 ※ まず、「香港事態」を見て、「台湾の平和的な統一」の楽観論は、消滅してしまった…、と分析する。

 ※ 次に、『だが、中国政府に最大の誤算があるとすれば、台湾有事の際のアメリカの出方だろう。中国はそれを予測できずにいる。

勝てないと思ったらアメリカ政府は戦わないだろうと予測することは、中国政府の「体にしみこんだ独自の戦略的リアリズムの投影」だとラッドは述べ、軍事作戦が失敗するとアメリカの威信と地位が失われる可能性があると、中国政府幹部は信じている、という点を指摘した。』

 ※ 『「中国が計算に入れていないのは、その逆の可能性だ。第2次大戦以来アメリカが支持してきた民主主義国のために戦わなければ、アメリカも自滅しかねない。特にアジアにおけるアメリカの同盟国が、長い間信頼してきたアメリカの安全保障があてにならないと認識すれば、今度はそれぞれが中国と独自に取り決めをしようとするかもしれない」』…。

 ※ まさに、ここだ…。

 ※ 「陣営国」は、雪崩を打って、中国との妥協に走るだろう…。

 ※ 「台湾有事」を救済しないことは、「パクス・アメリカーナ」の瓦解に直結する…。

 ※ 別に、「台湾事態」に限った話しじゃ無い…。

 ※ 「ウクライナ事態」でも、構図は同じだ…。

 ※ 他国からの「武力の行使」を、阻止できないならば、「陣営」とか「同盟」とかの意味は、相当に低下する…。各国において、「親玉」中心に結束するというベクトルは無くなり、それぞれが「てんで勝手に」自衛策に走るだろう…。

 ※ 人は、「完全に”他人の頭”になること」は、できない…。

 ※ 生まれてこの方、「”自分の頭”以外になったこと」は無いからだ…。

 ※ 「読み間違えて、悲惨な事態に」ならないことを、祈るよ…。

 ※ まあ、そういう「事態」になったとしても、素早く立ち上がって、冷静に情勢を読んで、「次の一手」を考えて、実行していけばいいだけの話しだ…。

 ※ 重要なのは、あくまで、「冷静で精度の高い情勢分析」と、それに基づく「次の一手」を淡々粛々と実行して行く「胆力」だ…。

 ※ それを、磨くために、今日も励もう…。「昨日の我に、今日は勝つべし。」…。

『<米中両国が危機管理に失敗すれば、台湾をめぐる軍事衝突が10年以内に起こる可能性があると、ラッドは言う>

中国の習近平国家主席は、台湾との再統一を果たすことで故毛沢東国家主席並みの地位を中国共産党内で獲得することをめざしており、そのために今後10年で米軍を上回るほどの軍事力を手に入れようとするだろう、とオーストラリアのケビン・ラッド元首相は述べた
現在、ニューヨークでアジア・ソサエティー政策研究所長を務めるラッドは、外交問題専門誌フォーリン・アフェアーズの3月・4月合併号に自説を発表。これからの10年を「危険な10年」と呼んだ。

台湾はアジア太平洋地域における紛争の火種のひとつであり、2020年代にアメリカと中国が台湾をめぐって衝突する可能性は高い。ラッドによれば、中国政府指導部がアメリカを「衰退の一途をたどる」超大国と見なす一方で、中国の最高指導者である習は自信を深めている。

米国防総省はその報告書で、今後数十年にわたる中国政府の軍事的野心を明らかにした、とラッドは指摘。そこには、2027年までに人民解放軍(PLA)を米軍に匹敵する「世界クラス」の近代的な戦闘部隊に増強するという中国政府の計画があることも明記されている。
台湾政府独自のセキュリティ分析によると、PLAは、海上軍事戦略「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」を目的とした兵器の大量使用によって台湾海峡紛争から米軍を締め出そうとしている。東シナ海と南シナ海における中国政府の領有権の主張と軍事行動は、その戦略の一環だ。

台湾海峡から米軍を排除

習をはじめ中国政府当局者は、台湾の本土への「統一」を中国の中核的な目標の一つであると唱えてきた。だが、中国指導部は「台湾問題」に対する平和的解決が過去70年のどの時点よりも可能性が低いことを知っていると、1980年代に外交官として北京に駐在したラッドは述べる。

「中国は習近平の下でより独裁的になった。厳しい国家安全保障法が施行され、野党政治家が逮捕され、メディアの自由が制限された香港を見て、台湾を『一国二制度』の形で中国に再統一するという楽観論も消え失せた」と、ラッドは指摘する。

中国は、少なくともアジア地域においては、米軍に代わる存在となり、台湾海峡において圧倒的な軍事力を誇示することで、米軍に手を引かせることに成功するかもしれない。

「アメリカの支援がなければ、台湾は降伏するか、自力で戦って負けるだろうと習は考えている」とラッドは書き、台湾を制圧するという「最も重要な目標」を達成すれば、「習は毛沢東と同じレベルにのぼりつめるだろう」と付け加えた。』

『習近平はあくまでも強気だが、中国政府中枢の意思決定者は重大な課題に直面しているとラッドは見る。ドナルド・トランプ前大統領の下でアメリカから武器を購入することによって台湾自身の防衛能力が底上げされている。民主的な台湾を軍事力で占領することから生じる中国支配の正統性に対する「取り返しのつかない損害」も問題だ。

だが、中国政府に最大の誤算があるとすれば、台湾有事の際のアメリカの出方だろう。中国はそれを予測できずにいる。

勝てないと思ったらアメリカ政府は戦わないだろうと予測することは、中国政府の「体にしみこんだ独自の戦略的リアリズムの投影」だとラッドは述べ、軍事作戦が失敗するとアメリカの威信と地位が失われる可能性があると、中国政府幹部は信じている、という点を指摘した。

「中国が計算に入れていないのは、その逆の可能性だ。第2次大戦以来アメリカが支持してきた民主主義国のために戦わなければ、アメリカも自滅しかねない。特にアジアにおけるアメリカの同盟国が、長い間信頼してきたアメリカの安全保障があてにならないと認識すれば、今度はそれぞれが中国と独自に取り決めをしようとするかもしれない」

立ちはだかるバイデン政権

ラッドの議論に関連するが、アメリカがアジアの安全保障に介入することに対するアメリカの有権者の認識は、戦略国際研究センター(CSIS)による2020年夏の世論調査で明らかになっている。同調査では、台湾、日本、韓国を含むインド太平洋の同盟国に対するアメリカによる安全保障をどの程度支持するかを問いかけた。

その結果、台湾の安全保障を支持する割合は10段階評価で6.69、日本と韓国はそれぞれ6.88、6.92となった。

国家主席の任期の制限を撤廃した習近平は2035年まで政権を維持するつもりだ、とラッドは予測した。任期の終わりには82歳になり、毛沢東の没年齢と同じになる。

習の野望を妨げる最大の問題は、アメリカと短期的にはジョー・バイデン政権だろう。国務省と国防総省だけでなく、情報機関にも経験豊富な中国専門家がいる、とラッドは言う。国際機関、貿易、テクノロジーに対する中国の脅威に対抗するために、世界の主要な民主主義国家を団結させるというバイデンの主張の説得力も、中国政府にとっては脅威となる。

中国指導部がトランプの再選を望んでいたのはまさにこのためだと、ラッドは言う。トランプなら、とくに外交におけるその失敗を習は利用することができたはずだった。』

『アメリカと中国両政府の最近の発言からすると、中国が戦術としてアメリカとの緊張関係を緩和しようとしても、バイデン政権が世界の2大経済大国間の戦略的競争を減速させる可能性は低いことが明らかだ、とラッドは見る。

「アメリカが衰退に向かい、復活の目はないという中国政府の評価が間違っていることをバイデンは証明するつもりだ」

ラッドは結論として、アメリカと中国が「管理された戦略競争」の枠組みを策定することを求めた。それは現在の情勢では難しいが不可能ではない、と彼は言う。

このような合意は「世界秩序に対するきわめて現実主義的な方法」といえるが、米中両政府の最高レベルでの同意を必要とするだろう、とラッドは述べた。

そのためには、双方が譲れない線を主張しつつも、ある程度の譲歩は認めるとこになる。たとえばアメリカ政府は中国政府の「一つの中国」の立場を厳密に順守し、台北への外交的訪問を止めるべきだと示唆した。

その見返りとして、中国政府は台湾海峡における軍事活動を減らし、南シナ海の島々の軍事拠点化を中止すべきだ。そうすればアメリカの「航行の自由作戦」も縮小する可能性がある、と述べた。

紛争回避の賭け

多くの人はこのような取り決めの実現可能性を疑うかもしれないが、それは紛争や戦争を防ぐために必要なことだと、ラッドは言う。

「このような枠組みを構築するのは難しいが、それはまだ可能であり、これに代わる案は最悪の結果を招く可能性がある」と、彼は書いた。「まったくルールがないよりは、両国が管理された競争という共同の枠組みの中で活動する方がよい」

2030年までに台湾海峡での軍事衝突が起きなければ,それは成功を期待できる兆候になるだろう、とラッドは予想する。その反対であれば、「失敗したアプローチの最も明らかな例」となる。

<参考記事>米爆撃機2機が中国の防空識別圏に異例の進入
<参考記事>中国の傲慢が生んだ「嫌中」オーストラリア 』

「自国の安全守る権利ある」 ウクライナ情勢でロシア大統領

「自国の安全守る権利ある」 ウクライナ情勢でロシア大統領
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120900015&g=int

『【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は8日、ロシアがウクライナに侵攻する可能性について問われ、「ロシアは平和的な外交政策を行っているが、中長期的には自国の安全を確保する権利がある」と答えた。南部ソチで行われたギリシャのミツォタキス首相との会談後の記者会見で語った。

 プーチン氏は「(質問は)挑発的だ」とも指摘。ロシアの安全保障上の懸念については、7日のバイデン米大統領とのオンライン会談でも協議したと述べた。

 ロシアの隣国のウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟方針には「懸念を抱かざるを得ない」と強調。繰り返し懸念を示しているにもかかわらず、「NATOの軍事インフラは徐々にわれわれとの国境に接近してきた」と不満を示した。その上でバイデン氏との会談では、今後こうした問題を協議することで合意しており、近くロシア側の考えを提示すると述べた。 』

バイデン大統領、ウクライナに米軍派遣せず

バイデン大統領、ウクライナに米軍派遣せず ロシア・NATOと高官協議へ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120900211&g=int

『【ワシントン時事】バイデン米大統領は8日、緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、ロシア軍がウクライナに侵攻した場合の米軍派遣の可能性について「米国が単独で軍事力を使うことは検討していない」と否定した。ホワイトハウスで記者団に語った。

 また、10日までにロシアや北大西洋条約機構(NATO)加盟国を交えた高官協議を開催する方向で調整していることを明らかにした。NATOから少なくとも4カ国が参加し、「NATOの(東方)拡大に関するロシアの懸念」やウクライナ国境の緊張緩和について議論するという。』

【中国ウォッチ】安倍氏の台湾有事発言に異例の強硬対応

【中国ウォッチ】安倍氏の台湾有事発言に異例の強硬対応─中国高官「火遊びで焼け死ぬ」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120800645&g=int

 ※ そんなに「大ごと」になっているとは、知らんかった…。

 ※ それが、国内向けの「から騒ぎ」なのか、真に安部さんの「政権への影響力」を慮っての「釘刺し」なのか、その両方なのか…。

 ※ いずれ、時の政権が、日本国の「存立危機事態」だと認定すれば、「自衛力」は発動される…。そのために作った「法律」だからな…。

 ※ まあ、武力攻撃事態 武力攻撃予測事態 存立危機事態 緊急対処事態
  と、いろいろあるようだ…。

 ※ 別に、安倍さんが判断するわけのものでも無い…。「時の政権」の判断するところのものだ…。

平成十五年法律第七十九号
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415AC0000000079

『安倍晋三元首相が講演で「台湾有事は日本有事だ。日米同盟有事でもある」と述べたことに対して、中国側は強く反発し、外務省が北京駐在の日本大使を呼びつけ、主要公式メディアが安倍氏を名指しで非難するなど強硬な対応を示した。日本の政府高官ではない政治家の言動について、中国側がこれほど大げさな抗議をするのは異例だ。(時事通信解説委員・西村哲也)

台湾有事なら「恐ろしい結果」 現状変更企てと中国非難―米長官

◇夜に日本大使呼び出す

 中国外務省の発表によると、華春瑩外務次官補は安倍氏が講演した12月1日の夜に垂秀夫大使を呼んで「厳正な申し入れ」を行い、安倍氏の発言について「中国の内政に対して粗暴に干渉し、中国の主権に公然と挑戦し、はばかることなく『台独』(台湾独立)勢力を後押しした」と批判した上で、日中間の四つの政治文書の原則に反すると主張した。
 実際には、安倍氏は台湾独立を支持する発言をしておらず、1972年の日中共同声明などで示された2国間関係の原則から外れたことを言ったわけではない。

 華次官補はさらに、日中戦争の歴史を取り上げて、日本側に「歴史を深く反省し、歴史の教訓をくみ取る」よう促し、中国の主権を侵害したり、台独勢力に誤ったシグナルを送ったりしないよう要求。日本が誤った道を進んでいけば、「必ず火遊びで焼け死ぬだろう」と警告した。

 「火遊びで焼け死ぬ」は、習近平国家主席(共産党総書記)が11月16日のバイデン米大統領とのオンライン会談でも使った言い回しで、「台湾問題に介入する者は、自分が火だるまになって滅びる」という意味だ。

 中国外務省報道官も12月1日の定例記者会見で安倍氏の発言にコメントし、「大胆にも軍国主義の古い道を再び歩み、中国人民のレッドライン(譲れない一線)を越えようとする者は、誰であっても必ず頭を割られて血を流すことになろう」と語った。

 また、国務院(内閣)台湾事務弁公室の報道官は同2日、安倍氏を批判するとともに、民進党政権が「外部勢力」と結託して、台湾独立を図るのは非常に危険だと警告した。

 安倍氏は今も有力政治家だが、政府を代表する立場にはないので、中国側が日本政府に文句を言うのはお門違いだ。北京の日本大使館によれば、垂大使は華次官補に「政府を離れた方の発言の一つ一つについて、政府として説明する立場にない」「中国側の一方的な主張は受け入れられない」と強く反論。同時に「台湾をめぐる状況について、日本国内にこうした考え方があることは中国として理解する必要がある」と伝えた。

◇日本の軍事介入警戒論も

 国営通信社の新華社や党機関紙・人民日報系の環球時報なども次々と批判の論評を発表。新華社は、日本には「戦後の束縛を打破し、軍事的拡張の古い道を再び歩む」ことを考えている政治家がいると決めつけた。

 また、環球時報は岸田内閣について「(安倍氏の発言内容を事前に)知っていながら黙認したに違いない」「安倍氏の影響から脱していない」といった中国の日本研究者たちのコメントを紹介した。

 新華社のベテラン記者が開設したといわれる微信(中国版LINE)アカウント「牛弾琴」も、安倍氏の発言は中国への挑発であると同時に、岸田文雄首相との主導権争いだと指摘した。中国の日本ウオッチャーに、安倍氏が岸田内閣の対中政策を左右するほど大きな影響力を持っているとの見方が多いことが分かる。

 今春以降、日米首脳会談などの共同文書に相次いで「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことから、中国では台湾問題について日本の介入に対する警戒が強まった。
 11月18日には、公式シンクタンクである社会科学院日本研究所の研究員が台湾海峡情勢に日本が軍事介入する可能性について分析し、警戒を訴える異例の論文を発表。その中で、中国側が台湾問題に関連して特に注意すべき人物として、安倍氏と弟の岸信夫防衛相を挙げていた。

 しかも、習主席はバイデン大統領とのオンライン会談で、中国の「核心的利益」とされる台湾問題に関して「断固たる措置」を取る可能性に言及するなど厳しい姿勢を示し、政権首脳としての外交力をアピール。異例の総書記・国家主席3選を果たすため、自画自賛の新歴史決議(同16日全文公表)と合わせて、自分の政治的威信を高める宣伝工作を展開していた。

 中国側としては、習主席は台湾問題に対する外国の介入を許さない強力なトップリーダーだと宣伝している中で、安倍氏の台湾有事発言が飛び出したことから、あえて大騒ぎして日本側にくぎを刺そうとしたとみられる。 』

米長官、英と東南アジア歴訪 インド太平洋に焦点

米長官、英と東南アジア歴訪 インド太平洋に焦点
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120900213&g=int

 ※ インドネシア、マレーシアは「民主サミット招待国」だ…。

 ※ タイは、「非招待国」…。

 ※ 対ミャンマー関係で、「重要国」なんで、フォローアップするんだろう…。

 ※ ラオス、カンボジアは、中国の「衛星国」認定で、取り込みは諦めたか…。

 ※ ベトナムは、微妙だったが、「社会主義国」認定のようだ…。

 ※ フィリピンは、ドゥテルテ後の情勢が判然としないんで、先送りか…。

 ※ ただ、この記事によれば、G7外相会合(英のリバプールで開催)にはアセアン加盟国の外相も出席するそうなんで、そっちで括るようだな…。

『【ワシントン時事】米国務省は8日、ブリンケン国務長官が9~17日の日程で英国とインドネシア、マレーシア、タイを訪問すると発表した。いずれの訪問先でも、インド太平洋の安定と発展が主要議題になる見通し。

 ブリンケン氏は10~12日に英中部リバプールで開催される先進7カ国(G7)外相会合に出席する。会合にはオーストラリアやインド、韓国に加え、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国も出席。インド太平洋地域の発展やウクライナ危機、世界経済の回復などが協議される。』

米、対権威主義で中国揺さぶり 9日から民主サミット

米、対権威主義で中国揺さぶり 9日から民主サミット
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120800824&g=int

『【ワシントン時事】バイデン米政権は9、10の両日、台湾を含む民主的な約110の国・地域の代表を招いて「民主主義サミット」をオンライン形式で開催する。(1)対権威主義(2)汚職との闘い(3)人権尊重の促進―が主要議題。名指しこそ避けているものの、北京冬季五輪の「外交ボイコット」に続いて、経済・軍事的影響力を増す中国に対抗し、ロシアなどをけん制する狙いがある。

汚職対策で協力呼び掛け 9日から民主サミット―米

 サミットの開催はバイデン大統領の選挙公約。首脳らが出席する全体会議のほか、NGOのリーダーらが加わったテーマ別の会合も行われる。米当局者は7日、記者団に対し「民主主義が人々の暮らしを改善し、世界の直面している問題に対処できると示すことが挑戦になる」と説明した。

 招かれなかった中国が猛反発している台湾の参加も焦点の一つだ。米当局者は、歴代米政権が踏襲する「一つの中国」政策を堅持すると強調する一方で、「台湾は対権威主義、反汚職、人権尊重で有意義な取り組みができる」と明言。民主陣営と台湾との連帯強化を図る考えを示唆した。台湾からは唐鳳(オードリー・タン)政務委員(閣僚)が会合に出席する。

 サミットをめぐっては、米国が国際社会の分断を進めているとの批判がある。米政治専門紙ポリティコ(電子版)は「米中両国は気候変動対策、核不拡散、対感染症で利害を共有している。中国は冷戦時代のソ連と違って、グローバル経済と結び付いている」と論評した。

 米国では2020年の大統領選の結果をめぐって社会の分断が加速。今年1月6日にはトランプ前大統領の支持者らが連邦議会を襲撃する事件まで発生した。バイデン政権が自国の民主主義の劣化にどこまで踏み込むのかも注視される。 』

ドイツ新政権、対中姿勢修正鮮明に 「価値」重視、アジア外交多角化

ドイツ新政権、対中姿勢修正鮮明に 「価値」重視、アジア外交多角化
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120800742&g=int

『【ベルリン時事】ドイツ社会民主党(SPD)のオラフ・ショルツ氏を首相とするSPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立政権が8日、発足した。親中的とみられてきたメルケル政権の方針を修正し、人権や民主主義など「価値観の共有」を重視する外交を展開する姿勢が鮮明。アジアでは日本を含む民主主義国との連携を通じた外交の多角化を進める方針だ。

ショルツ政権、8日発足 緑の党要職、閣僚は女性半数―ドイツ

 「世界には米中ロだけでなく、多くの強力な国がある」。ショルツ氏は首相就任を翌日に控えた7日の記者会見でこう語り、日本や韓国、インドを含む国名を挙げた。先月24日に3党連立に合意した直後の記者会見でも、同様の趣旨で日韓などに言及。連立協定にも「対中政策で米国と協調し、(中国への)戦略的依存を減らすため、志を同じくする国々とも協力する」との文言が盛り込まれた。

 メルケル政権でも、終盤の4期目には軍艦を日本などインド太平洋地域の民主主義国家に派遣し、中国をけん制する動きがあった。新政権はこうした姿勢をより明確にする見通しだ。

 「民主主義サミット」を開き、中国をけん制するバイデン米政権とは共同歩調を取る。ただ、トランプ前政権時代より関係が改善したとはいえ、米軍のアフガニスタン撤退で振り回されたドイツには米国への不信感が残る。

 連立協定には「欧州連合(EU)の主権の強化」が盛り込まれ、安全保障面での米国依存を減らそうとする意欲もうかがえる。米国が参加していない核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を決めたのもその一環とみられる。ショルツ氏の初外遊先はフランス。まずは欧州の結束を固め、国際社会で存在感を強める考えだ。』

ストラテジーペイジの2021-12-8記事

ストラテジーペイジの2021-12-8記事
https://st2019.site/?p=18086

『なぜプーチンは2022年の1月か2月、すなわちよりによって厳冬期に、ウクライナで戦争を起こすだろうと見られているのか?
 それは、ウクライナ市民が生活の頼りとしている燃料である、天然ガスのパイプラインをカットするのに、とても都合がよいシーズンだからである。

 以前であったら、ウクライナ行きのガスを止めると、その先の西欧へもガスは行かなくなり、西欧諸国をまとめて敵に回してしまうおそれがあった。

 しかしこのたび、北海海底パイプラインが完成したことから、プーチンは、ドイツへのガス供給は継続したまま、ウクライナに対してだけ、ガス供給を止めてやることが可能になったのである。

 露軍の侵攻は、50個の大隊(諸兵科連合の独立作戦単位)により、国境の各所から一斉になされるであろう。 ただし攻勢は3日しか続かない。それ以上の補給力を、今のロシア陸軍は、持っていないのだ。』

日米中関係の中長期的展望

日米中関係の中長期的展望
https://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H23_Japan_US_China/AllReports.pdf

 ※ 良い資料に当たった…。

 ※ しかし、長すぎる(260ページもある)…。とても、「通読」はしてられない…。

 ※ 目次を貼っておくんで、「役に立ちそうなところ」を摘まんで、部分部分を読んだ方がいい…。

中国安全保障レポート
2019
― アジアの秩序をめぐる戦略とその波紋 ―

 ※ こっちも、参考になったんで、リンクを貼っておく…。
http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2019_A01.pdf

『第四章 日米同盟に対する中国の認識と対応―冷戦後の展開
高木誠一郎

はじめに

日米中 3 国の関係は密接に絡み合っているが、3 組の 2 国間関係はそれぞれに特徴的であり、どの 1 国から見ても他の 2 国との関係は決して対称的なものではない。言うまでもなく日米は同盟関係にあり、時として様々な摩擦を引き起こしながらも、米国にとって対日同盟関係は東アジア戦略の「要石」であり、日本にとって唯一の同盟関係である対米同盟は安全保障政策の根幹をなしている。

また、日米関係は安全保障面に限定されるものでなく、経済的相互依存と文化的相互浸透によって深く結びついている。これに対して米中両国は冷戦後急速に経済的相互依存度を高めながらも、安全保障面では「敵でもなく味方でもない」という協力と摩擦が混在し、変転の激しい関係を展開してきた。

日中関係はやはり経済的相互依存が深化する中で、歴史認識問題、領有権問題、食品安全問題等をめぐる摩擦とその収拾努力を繰り返してきた。

2005 年の安倍晋三首相の訪中以降徐々に確立した「戦略的互恵関係」も、「戦略的利益の共通性に基づく互恵関係」というその基本定義が明示するように、戦略的利益の不一致を克服できるものでないことは、その後の展開に照らして明らかである。

したがって、3組の2国間関係を関連づけ、日米中関係の展開を論ずるに当たっての核心的問題の一つは、同盟を中核とする日米関係に対する中国の認識と対応ということになるのである。

本稿はそのような観点から、冷戦後の日米同盟関係に対する中国の認識の展開を検討し、オバマ政権による「米国」の「アジア回帰」以降の日米同盟に対する中国の対応を評価する基盤を提供しようとするものである。』

『1分析の枠組み

中国の国益の観点から一般的にどのような日米関係が望ましいかについて、1995 年秋、
1996 年春と秋、1996~1997 年の冬に中国で聞き取り調査を行ったバニング・ギャレットとボニー・グレーザーが以下のような的確かつ要領のよい概括を行っている 1。

それによると、全てを斟酌すれば、日米同盟は、以下の点で中国にとって有利に作用す
ることから、中国の国益にかなうものと判断される。すなわち、

1)日本の地域覇権に対する野望を抑制し、
2)日本の軍事力構築を制約し、日本の軍事力投射能力を限定する、
3)中国の経済的、政治的、軍事的パワーの増大を懸念する他のアジア諸国を安心させる、
4)アジア太平洋地域全体の安定に寄与する。』

『したがって、日米関係における摩擦が過度に深刻化することは、米国の対日影響力の低下をもたらし、同盟関係の破綻を招きかねず、そうなれば日本の軍事力強化の引き金を引くことになり、核武装さえももたらしかねない、という理由で中国にとっては望ましいことではない。

しかしながら、両国の関係が緊密すぎると中国にとって別の危険が生じる。

すなわち、日米中三角関係における中国の立場が弱まり、米国および日本に対する中国の影響力が低下する。

また、日米が共同して、軍事力の透明性と軍備管理、人権、貿易、南シナ海における中国の行動等について中国に圧力をかけてくる可能性もある。

最悪のシナリオは、軍事協力を含む日米合同の中国封じ込めである。

特に中国が懸念するのは、日米同盟の枠内で在日米軍と自衛隊が協力して、台湾独立阻止のための中国の武力行使に対応することである。

以上を要するに、もっとも中国の国益にかなう日米関係のあり方は「緊密すぎず、疎遠すぎず(neither too close nor too distant)」ということになる。

この概括は、冷戦後の日米関係に関する中国の判断と反応を測定する物差しとして使用
可能であり、以下の分析の枠組みとして利用することにする。

また、日米同盟に対する中国の認識は、当然のことながら、国際状況全般に対する認識
の重要な一環をなしている。したがって、以下の検討においては、日米同盟に関する認識と全般的状況認識との関連にも着目していく。』

米中関係の新展開 ―北東アジアへの影響―
松田 康博 東京大学東洋文化研究所教授

 ※ これも、参考になった。リンクを貼っておく。
https://ippjapan.org/archives/1396

冗談を言えない米中関係 金融にも広がる分断

冗談を言えない米中関係 金融にも広がる分断
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA081PN0Y1A201C2000000/

 ※ けっこう重要なことが、書かれている…。

 ※ 『08年秋のリーマン危機の際には、中国の金融担当副首相だった王氏が米財務長官のポールソン氏に手を差し伸べた。

米政府が危機対応で増発した国債の多くを、中国が引き受けたのだ。「彼らとの強い絆が、米国の信用を保つうえで非常に役立った」。ポールソン氏は回顧録で、王氏と何度も連絡を取り合ったと認める。』…。

 ※ リーマンの時に、中国が「巨額の財政支出」をして、「世界を救った」話しは、投稿に作った…。

リーマン・ショックの時、中国は世界を救った?
https://http476386114.com/2018/09/05/%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%ae%e6%99%82%e3%80%81%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%af%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%82%92%e6%95%91%e3%81%a3%e3%81%9f%ef%bc%9f/ 

 ※ しかし、増発した米国債の多くを、中国が引き受けた話しは知らんかった…。

 ※ 金融の話しは、あまり「表面上は」見えない…。

 ※ そういう風に、世界は「水面下で」つながっている…。

『バイデン米政権が2022年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を決めた。米中の亀裂はどこまで深まるのか。経済でも気になる動きがある。

冗談ではすまなかった。

「私たちのほうが(中国共産党より)長く存続するほうに賭けたい」。11月下旬、米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が「冗談」と断ったうえで発した言葉は、たちまち中国のSNS (交流サイト)上で批判にさらされた。

中国共産党の一党支配はいつか終わる。そう取られてもおかしくない発言を、習近平(シー・ジンピン)指導部は放っておかなかった。ダイモン氏はすぐに「後悔している」と事実上の謝罪をした。

JPモルガンは中国と最も親しい関係を築いてきた米金融機関の一つとして知られる。今年8月には、中国当局から外資系として初めて証券事業の完全子会社化を認められた。

そのJPモルガンを率いるダイモン氏の「失言」である。少し前であれば、これほどの騒ぎにはならなかったかもしれない。

トランプ、バイデン両政権で米中対立が深まるなかでも、中国と米金融界の蜜月は続いてきた。国内の資本市場を整備したい中国と、巨大市場でビジネスを広げたい米金融界の利害が一致したからだ。

そんな関係が転機を迎えつつある。

習氏は夏以降、「共同富裕(ともに豊かになる)」をさかんに唱える。格差の解消を掲げ、国内市場で巨万の富を築いてきたIT(情報技術)や不動産関連の企業に矛先を向ける。中国の富裕層と結びついて事業を拡大してきた外資系の金融機関も、安泰でいられなくなった。

これまで中国側で米金融界とのパイプを一手に握ってきたのは、王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席だ。米ブッシュ政権(第43代)で財務長官を務めたヘンリー・ポールソン氏と組み、米中の金融界をつないできた。

2人が親密になったのは、王氏が1990年代末に広東省の副省長を務めていたときだ。経営危機に陥った同省傘下のノンバンク、広東国際信託投資公司(GITIC)の破綻処理で王氏に助言したのが、当時はゴールドマン・サックスにいたポールソン氏だった。

08年秋のリーマン危機の際には、中国の金融担当副首相だった王氏が米財務長官のポールソン氏に手を差し伸べた。

米政府が危機対応で増発した国債の多くを、中国が引き受けたのだ。「彼らとの強い絆が、米国の信用を保つうえで非常に役立った」。ポールソン氏は回顧録で、王氏と何度も連絡を取り合ったと認める。

リーマン危機から13年がたち、王氏に以前の影響力はない。くしくも今月3日、王氏がかつて副省長を務めた広東省政府は、経営難に陥った不動産大手の中国恒大集団に経営指導のための監督チームを派遣すると発表した。

世界が注目する恒大の経営問題に、中国政府が全面的にかかわる。そこには危機が起きるたびに動いた王氏とポールソン氏のような、水面下で手を握る米中のキーパーソンは見当たらない。

バイデン米政権の外交ボイコットで、米中を結んできた金融の地下水脈は一段と細る。危機への対応力は弱まっていないか。改めて点検する必要がある。
経済部長(経済・社会保障グループ長) 高橋哲史
大蔵省(現・財務省)を振り出しに霞が関の経済官庁や首相官邸、自民党、日銀などを取材。中国に返還される前の香港での2年間を含め、計10年以上に及ぶ中華圏での駐在経験をもつ。2017年4月からは中国総局長として北京を拠点に中国の変化を報じ、21年4月に帰国した。

日本経済新聞 経済・社会保障Twitter https://twitter.com/nikkei_keizai
吉野直也政治部長と高橋哲史経済部長が2022年夏の参院選など日本の政治と経済を大胆に予測するライブ配信イベントを22年1月12日午後6時から開きます。お申し込みはこちらです。
https://www.nikkei.com/live/event/EVT211202001 

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
コメントメニュー

別の視点

急速な経済発展を遂げた中国は、金融危機当時と比べると、相当自信をつけたように見える。

ハイテク分野で米国から制裁措置を受けても、自国の技術力向上でしのごうとしている。
実際、極超音速兵器の開発では中国が先行しているようであり、米国の軍人を震撼させている。

金融面では、ドル経済圏にこれ以上深入りするつもりはなく、援助外交などを行いながら人民元の国際化を進めていくのだろう。デジタル人民元創設にも動いている。そうした米中関係の変容に鑑みると、米中の要人が水面下で協力してグローバルな危機を防ぐというような話は、これからの時代は起こりにくいのではないか。

2021年12月9日 13:45

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
コメントメニュー

分析・考察

中国人の本性はジョークが好き。中国には日本の漫才と落語と同じ「相声」があり、とても人気がある。問題は政治などを風刺できないため、乾燥無味の作品が多い。政治を風刺することは社会不安を扇動する罪に問われる状況が続くかぎり、ユーモアが出て来ない

2021年12月9日 12:11 』

米国の抑止力弱まる ロシア、ウクライナ巡り強硬米ロ首脳協議は平行線 中国も見透かす

米国の抑止力弱まる ロシア、ウクライナ巡り強硬
米ロ首脳協議は平行線 中国も見透かす
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN083660Y1A201C2000000/

 ※ 米国には、もはや「二正面作戦」を遂行するだけの「余力」はないだろう…、という「情勢分析」に基づく行動だろうな…。

『【ワシントン=坂口幸裕、モスクワ=石川陽平】緊迫するウクライナ情勢を巡る米ロ首脳による7日の協議は平行線に終わった。バイデン米大統領は緊張緩和を促したが、プーチン大統領は譲歩しなかった。米国は国際問題への関与に慎重になっており、ロシアだけでなく、中国もこうした事情を見透かしている。ウクライナ問題の行方次第では米国の抑止力が一段と低下しかねない。

【関連記事】
・バイデン氏、ウクライナへの軍派遣否定 ロシア侵攻でも
・米ロ首脳協議、ウクライナ巡り応酬 平行線も対話継続へ

2時間に及んだ米ロ首脳のオンライン協議の主要議題はウクライナ情勢だった。米欧はロシアが隣国ウクライナとの国境付近に軍を集結し、2014年に続いて再び侵攻すると警戒を強める。両国は対話を続けるとしているものの溝は深い。

6月に会談したバイデン米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(ジュネーブ)=AP

ロシアはウクライナと後ろ盾の米国に軍事圧力をかけ、自らが提示する条件をのませようと狙う。その中には北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大の停止、ロシア国境近くに攻撃兵器を配備・供給しないことを含む。

ウクライナは4000万を超す人口と広大な国土を持つ旧ソ連第2の地域大国で、欧州連合(EU)とロシアに挟まれた地政学的要衝にある。

プーチン氏はロシアとウクライナの両国民が「ひとつの民族だ」と訴え、政治と経済、社会の一体性を強化すべきだと主張する。一方、ウクライナはNATO加盟を目標に掲げ、ロシアとの対立が深まっている。

米欧とロシアの相互不信は根強い。プーチン氏は1日の演説で、1990年のドイツ統一を巡る協議で、米欧がソ連にNATOの東方拡大をしないと口頭で約束したにもかかわらず「全く反対のことが行われた」と積年の恨みを口にした。

プーチン氏は、7日の首脳協議ではウクライナのNATO非加盟要求に加え、攻撃兵器をロシアの隣接地域に配備しないことも保証するよう求めた。

米欧には受け入れられない提案だ。バイデン政権は厳しい経済措置を講じると警告する。米メディアによると、世界の銀行の送金システムを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除することも選択肢にあがる。バイデン政権は安保と経済の両面から圧力をかけるが、プーチン政権が歩み寄るかは予断を許さない。

ロシアは今後も軍事圧力をかけつつ、時間をかけて打開の糸口を探るとみられる。仮に一時的に緊張緩和に応じたとしても、ロシア軍の集結や挑発行為は断続的に続くとの見方が多い。

ロシアが強気に出る背景にあるのが米国の抑止力低下だ。14年のクリミア併合を巡る日米欧による経済制裁はロシアを追い詰めるに至っていない。バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は「米国は世界の警察官ではない」と宣言し、ロシアへの軍事力行使には踏み切らなかった。

今回も、仮にロシアがウクライナに侵攻しても米軍が軍事介入するとの見方は少ない。米国がウクライナ情勢で対応が後手に回れば、世界の安全保障にも影を落とすのは間違いない。

実際、14年にロシアがクリミアを併合して以降、中国は南シナ海や東シナ海で現状変更を試みる挑発行為を加速した。20年には香港国家安全維持法の制定を強行して香港の高度な自治を保障する「一国二制度」が崩れた。台湾にも軍事威嚇を続ける。

バイデン政権は最大の競争相手と位置づける中国の抑止へインド太平洋シフトを進めている。ウクライナ情勢への積極関与は重荷だ。米紙ワシントン・ポストは3日、米情報機関の報告書などの内容としてロシアが22年初めにもウクライナ侵攻を計画していると報じている。中国の動向をにらみつつ、ウクライナ問題にどう対応するか。バイデン政権は難しいかじ取りを迫られている。

【関連記事】

・米ロ、ウクライナめぐり緊迫の理由は
・米の20年、内向く超大国に 民主主義再建へ試練
・中国、やはり目を離せない 衰退期も変わらぬ強硬路線 』

カナダも北京五輪の外交ボイコット 米豪英に続く

カナダも北京五輪の外交ボイコット 米豪英に続く
「人権侵害を憂慮」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08E8N0Y1A201C2000000/

 ※ 米英豪加の足並みは、そろったか…。

 ※ 後は、EU(欧州)の出方だな…。

 ※ たぶん、我が国は「他国の様子を窺って」最後の方になるのでは…。

『【ニューヨーク=白岩ひおな】カナダのトルドー首相は8日、2022年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない外交ボイコットを決めたと発表した。新疆ウイグル自治区などを念頭に「中国での人権侵害の報告を深く憂慮している」ことを理由に挙げ、同盟国とも協議していると述べた。

【関連記事】IOC会長、北京五輪の外交ボイコットに静観姿勢

トルドー氏は「世界の舞台で戦うために懸命に努力しているアスリートたちを引き続き支援していく」とも述べ、選手団は派遣する考えを強調した。

これに対し、在カナダ中国大使館は「イデオロギーの偏見に基づき、北京冬季五輪を妨害しようと政治的工作を講じている」と強く反発した。

カナダ下院は2月、ウイグル族などの少数民族に向けられた暴力を 「ジェノサイド(民族大量虐殺)」として非難する動議を超党派で可決しており、国内で対応を求める声が上がっていた。

北京五輪をめぐっては、米国、オーストラリア、英国がすでに外交ボイコットを決めた。中国は外交ボイコットに対抗措置をとる姿勢を示している。今後、さらに外交ボイコットの動きが広がるかが焦点となる。

 【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は8日の英議会下院の討論で、北京冬季五輪への対応について同国の閣僚や官僚を派遣しない方針を示した。ジョンソン氏は「事実上の外交ボイコットになるだろう」と語った。選手団は予定通り参加させる意向も示した。

 英首相官邸の報道官は8日、英王室の出席についても「想定されていない」と語った。北京五輪を巡っては、米国に続き、オーストラリアが8日、中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を主な理由に、外交ボイコットを決めている。

ジョンソン氏も議会で「英政府は中国に人権問題を提起することにためらいはない」と述べ、2カ国に同調する考えを示した。中国側の強い反発が予想され、外交上の摩擦も生じそうだ。

 英国では議会が7月にウイグルなどの人権問題が解決しない限りボイコットすべきだとの動議を可決している。ジョンソン氏はかつて「本能的にはスポーツボイコットに反対している」と述べ、慎重な姿勢を示していた。

だが与党・保守党の対中強硬派や閣内のトラス外相などが圧力を強めていたため、ボイコット実施を決断したもようだ。米国はボイコットは「各国の判断」として同盟国への同調は強制しない方針を示しているが、対米配慮も影響したようだ。

 10日からは英国が議長国となって主要7カ国(G7)外相会合を開く。この場でも北京五輪を巡る議論が交わされる見通し。日本も含めた他の西側諸国がさらに米英豪の動きに同調するかどうかが焦点になる。

【関連記事】

・中豪対立、五輪に波及 米に続き外交ボイコット
・五輪の外交ボイコットとは何か 開催に祝意示さず

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

今村卓のアバター
今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
コメントメニュー

別の視点

外交ボイコットを決めた国の政府は選手団は派遣すると線引きをしていますが、選手は「政治的中立」を訴えて北京五輪に参加できるのか疑問が残ります。

モスクワ五輪の時代と異なり、今は多くの選手がSDGsに積極的に取り組んでいて、自ら人権問題に対して毅然とした姿勢を示さないと辻褄が合わなくなります。

中国に人権問題はないと主張するのか、人権問題はあり中国政府に責任はあると訴えた上で北京五輪の大会組織委員会は中国の政府、人権侵害とは独立した存在だと主張するのか。今後の組織委員会の対応によっては、苦しい立場に追い込まれる選手とスポンサーが増えてしまうのではないかと思います。

2021年12月9日 14:43

渡部恒雄のアバター
渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
コメントメニュー

今後の展望

日本の対応が関心の対象となるでしょうが日本はこれを機会に「中国の人権侵害について深刻な懸念を米欧カナダなどと共有している」というメッセージを出すべきだと思います。これは必須です。

ただし、その上で日本はあくまで自国の判断基準で外交使節を送るかどうか、送る場合はその規模を決めればいい思います。

先月の米中首脳会談では米政府はコミュニケーションチャンネルを維持することが目的だといっておりました。中国に地理的に近い米国の同盟国の日本が中国と独自のコミュニケーションチャンネルを維持することは、米国にとって悪いことではないはずです。そういう内容も上手くメッセージに織り込めばいいと思います。

2021年12月9日 8:25

為末大のアバター
為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表
コメントメニュー

ひとこと解説

五輪の歴史を紐解くと必ずしも首脳クラスが五輪に訪れていたわけではありませんでした。

このようなカードは一度切ってしまうと、毎回切るか切らないかを議論しなければならないので、五輪に政府要人が行くこと自体をやめるということも選択肢に入れるべきだと思います。

2021年12月9日 7:44

滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員
コメントメニュー

ひとこと解説

五輪が政治対立の舞台になっている。そんな議論の前に米国や欧州で(外交的)ボイコット論がなぜ巻き起こったを踏まえておくべきでしょう。それは中国当局による新疆ウイグル自治区などでの人権抑圧は黙視できない、と感じる人が増えているからです。批判の声は人権重視のリベラル派において顕著です。

その旗頭である米紙ワシントンポストは社説でこう訴えました。「The U.S. boycott of the Genocide Olympics is only a start(ジェノサイド・オリンピックへの米国のボイコットは始まりに過ぎない)」。

https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/12/07/us-boycott-genocide-olympics-is-only-start/

普段、同紙を引用する方々は、人権問題に「沈黙は金」は禁物のはずです。

2021年12月9日 13:03 (2021年12月9日 13:34更新)

白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
コメントメニュー

ひとこと解説

北京五輪の外交ボイコットが米国、豪州、英国、カナダに広がるが、これらの多くの国はウイグル・ミャンマーの人権問題への制裁措置でも協調する。

英国が2015年制定した現代奴隷法は国内外の多国籍企業に対して侵害の有無をデューディリジェンス(※ 事前のリスク審査)を通じてチェックし管理・開示を求める内容だが、高い評価を受けており欧州・豪州にも大きな影響を与える。

一方、最近では英国系企業でも開示内容が後退しているとの指摘がある。新型コロナ感染症の影響が大きいが開示による問題国からの報復を懸念する声もある。中国政府が外交ボイコットにどう対応するのか注目が集まるが、企業の人権対応が進展するかは先進国の戦略・支援にも左右される。

2021年12月9日 9:11

北川和徳のアバター
北川和徳
日本経済新聞社 編集委員
コメントメニュー

別の視点

政府要人が来なくても、五輪の開催に何の影響もないです。

ただ、外交ボイコットがこんな形で使われることが、「平和の祭典」とされる五輪が政治的プロパガンダの舞台になっていることを証明しています。

IOCは政治的中立を主張したいなら、いっそのこと政治家は開会式に来ないように求めるべきではないでしょうか。五輪をプロパガンダに使いたい人たちは怒るでしょうが、とてもスッキリします。

2021年12月9日 7:27 (2021年12月9日 7:29更新)』