[FT]先が見えない英EU関係 修復願えば仏に歩み寄りも

[FT]先が見えない英EU関係 修復願えば仏に歩み寄りも
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 ※ 『ある欧州の外交官は英国の外交姿勢について「戦略的ではなく、常に戦術的」と評する。前に進んだと思っても程なく後戻りするからだ。』…。

 ※ ここら辺は、英米流の「帰納法」「プラグマティズム」だと思われる…。

 ※ 『英国政府が3月に公表した外交・安全保障の基本方針「統合レビュー」は欧州の安全保障にほとんど触れておらず、英国は依然、EUのシステムを考慮せずに事を進めようとしている。』…。

 ※ ここら辺は、英国が「一抜け」した「動因」を、理解していないように見受けられる…。英国の立場では、EUのための「支出」ばかり強いられて、「見返り」はさほど無い…。あまつさえ、「移民」の負担は嵩むばかりだ…。しまいには、「中東難民」まで、割り当てられそうになった…。経済は、「ドイツ一人勝ち」という状態だ…。これじゃあ、堪ったものじゃない…、というような感じなのでは…。

 ※ こういうことは、おそらく欧米人は、みんな「思っていても」、口に出しては言わないことなんだろうが、オレは「日本人」だから、言ってしまおう…。

 ※ メルケルが、「難民引き受け」宣言に出た背景には、ドイツの「○○○人虐殺の贖罪・トラウマ」が横たわっていると思われる…。

 ※ 「原罪」とか、「神との対話」とか、「一神教的」に「誠実であろう」とすると、現実との乖離が甚だしくなって、「不連続な行動」、「噴出する突発行動」に出ることがあるんだよ…。

 ※ アメリカの「禁酒法」とかにも、それが見え隠れする…。

 ※ だから、せいぜいが「解脱」「悟りを開く」くらいに留めておくのが、いいんだよ…。

 ※ それで、「インド太平洋」に軸足を移し、「グローバル・ブリテン」を追求することにした…。そのためには、米英豪が立ち上げた安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」に乗っかることにした…。そういうことで、仏をないがしろにする結果となったが、悪しからず…。

 ※ 「まあ、落ち着け」と言ってかえって傷口を広げることになったが、これも「国益」のためだ…。勘弁な…、という感じなんだろう…。

 ※ まあ、ジョンソン氏の「お人柄」もあるんだろう…。

『「願えばかなう、願い続ければ悩みは消える」。第2次世界大戦中の英軍の慰問歌手ベラ・リンさんは、この希望を抱かせる歌詞の歌で「英軍の恋人」と呼ばれた。外交の指南書ではあまり見かけない表現だが、欧州連合(EU)、とりわけフランスとの関係修復をいかにも願っているような今の英政府の心情と不思議なほど似通って見える。

Ellie Foreman-Peck/Financial Times

11月、一部の英政府高官は対EU関係をリセットする利点を認識したようだ。EUからの離脱問題を担当するフロスト内閣府担当相は、北アイルランド議定書で定められた英本土と北アイルランド間の通関手続きを停止するという強硬姿勢を少なくとも一時的に撤回した。
メディアにもフランスとの対立の解消につながった1904年の「英仏協商」の現代版を結びたいと説明があった。移民が英仏海峡を不法に渡ろうとする事態を何とかすべきだとの圧力も高まっており、英国の内政問題の解決に欧州側の協力が必要な場面は非常に多い。

ところがリセットを目標に掲げても、達成する覚悟がある人は現政権内にはなかなか見当たらない。ジョンソン首相は関係を改善したいようだが、態度を軟化させると与党保守党内の右派を刺激しかねず、国内的にはほとんどメリットがないと考えている。同氏の外交政策顧問のジョン・ビュー氏は関係改善を提言しているものの、あるベテランウオッチャーによると「孤立無援に見える」。

関係修復への動きはほとんどなく

ある欧州の外交官は英国の外交姿勢について「戦略的ではなく、常に戦術的」と評する。前に進んだと思っても程なく後戻りするからだ。直近では11月下旬、英国を目指していた不法移民27人が英仏海峡で死亡した事件への対応がある。ジョンソン氏はマクロン仏大統領に書簡を送り対応策を提案したが、英政府がその内容をツイッターなどで公開したことでフランスの不興を買った。近隣諸国の閣僚やEUの幹部らが集まって対応を協議する場に、英国はフランスの反対で出られなかった。

関係修復に向けた動きは事実上、ほとんど見られない。内部事情に詳しい英外務省関係者は「関係修復を真剣に望んでいるとは全く思えない」と語る。トラス外相が最も重視するのは米国とインド太平洋地域だ。EUへの関心も東欧諸国、特にEUの規則に従わない国へ向いている。しかも対EU政策はフロスト氏が方向性を決める。

他の閣僚にしても、官僚から一目置かれるスナク財務相はEU諸国の閣僚との折衝に興味がないという点で彼らを憤慨させている。パテル内相は個人的にはEUに友好的でも、公の場では相手を遠ざける発言をする。

リセットの土台は防衛、中でも対仏関係にあるとされる。だが英国政府が3月に公表した外交・安全保障の基本方針「統合レビュー」は欧州の安全保障にほとんど触れておらず、英国は依然、EUのシステムを考慮せずに事を進めようとしている。

幅広い分野での関係改善への期待は、米英豪が立ち上げた安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」によって深刻な打撃を受けた。米政府は急いで傷口を塞ごうとしたが、ジョンソン氏はマクロン氏に「まあ、落ち着け」と言ってかえって傷口を広げた。核実験を中心とする英仏の防衛協力は継続するが、これで緊張が和らぐわけではなく、緊張があるにもかかわらず続けるというのが実態だ。

EU離脱が問題の根底に

他のEU諸国との関係も先が案じられる。ドイツでは連立政権を組む3党が、EU諸国は対英政策で抜け駆けをせず、英とEUは離脱協定を完全順守することが必要だと合意文書で確認した。オランダのルッテ首相など以前は英国に理解のあった首脳らも、我慢の限界に近づいているといわれる。一方で欧州は先へも進んでいる。大半のEU加盟国にとって、最優先課題はドイツのショルツ新首相との関係構築だ。

英国のEU離脱がすべての問題の根底にあるのは言うまでもない。今や英国は他の欧州諸国から、合意内容を数カ月後にはほごにする信用できない国だと思われている。ジョンソン氏のことを信頼できず不真面目だと最も声高に批判するのはマクロン氏かもしれないが、だからといってマクロン氏がEU内で浮いているわけではない。

これからの英EU関係はビジネスに絡み、一段と緊迫したものになっていく。フランスは英国のEU離脱が失敗だったと示したがっており、金融街シティーの弱体化を望んでいると英国の閣僚らは嘆くだろう。そんなことは初めからではないにせよ、英国が離脱交渉で金融サービスより漁業を優先した時点でわかっていたはずだ。

より根本的な問題は、EUとの関係修復を目指すとしている今の英政府にそれを実行する力があるかどうかだ。これを疑問視する元外交官の一人は「今の首相の下で修復できるとは思わない。フランスとの関係はあまりにもこじれている」と話す。
リセットには現実主義が必要だが

打てる手はある。1つ目は北アイルランド議定書の通関手続きを停止するという脅しをやめ、EUの譲歩案を受け入れることだ。強硬な離脱派を落胆させるだろうが、彼らは遅かれ早かれ落胆することになる。

2つ目は幹部官僚の意見を聞き、外交の本質とはこちらの望むことをしてもらえるよう相手を説得することと肝に銘じることだ。それには相手の懸案や気質を考慮することが必要になる。英国は離脱協定を蒸し返し、少しでも自国に有利な方向へ持っていこうとしている。そうした際限のない「ゼロサムゲーム」の相手としてEUを捉えるのをやめなければならない。

3つ目としてフランスに英国の難民認定施設を置くという仏側の提案に乗る手がある。ただその結果、英国が受け入れる移民の数が増えるかもしれない。

もっとも、こうした手立てを挙げることで逆に問題が浮き彫りになる。首相や政権の性格を考えれば、脅しで相手より優位に立とうとする瀬戸際政策を好み、外交官を信頼せず(北アイルランド議定書の破棄をちらつかせるなど)まるで選挙時のように本能的に支持者の感情に訴えようとしていることも手伝って、リセットに欠かせない現実主義に転じるのは難しそうだ。

緊張は緩和できるが、真の関係改善には政府がいつまでも戦術にこだわるのではなく、戦略的な決定を下す必要がある。より良い関係を願うのは正しい一歩だ。しかし意志の力で達成することとは違う。

By Robert Shrimsley

(2021年12月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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