米ロ首脳協議、ウクライナ巡り応酬 平行線も対話継続へ

米ロ首脳協議、ウクライナ巡り応酬 平行線も対話継続へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07E080X01C21A2000000/

『米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が7日、緊迫するウクライナ情勢についてオンライン形式で協議した。米欧はロシアが隣国ウクライナとの国境付近に軍を集結し、2014年に続いて再び侵攻するとの警戒を強めている。なぜウクライナ問題が国際情勢の焦点に浮上したのか、3つの視点から読み解いた。

・ウクライナはなぜ重要か
・米ロ双方の思惑は
・今後の展望は

(1)ウクライナはなぜ重要か

ウクライナは4000万を超す人口と広大な国土を持つ旧ソ連第2の地域大国で、欧州連合(EU)とロシアに挟まれた地政学的要衝にある。1991年のソ連崩壊までは構成国の1つで、ロシアと同じ東スラブ民族だ。プーチン氏は両国民が「ひとつの民族だ」と訴え、政治と経済、社会の一体性を強化すべきだと主張する。

ウクライナなしでロシアは帝国にはなれない――。ブレジンスキー元米大統領補佐官はこう述べたことがある。「大国の復活」を目指すプーチン氏にとって、ウクライナを自らの勢力圏にとどめることは絶対条件だ。だが、ウクライナでは2014年、親欧米派勢力が親ロシア派政権を打倒する政変が起きて地政学的状況が一変した。

政変に反発したロシアは、海軍基地を持つウクライナ南部クリミア半島とロシア系住民の多い東部に軍事侵攻した。クリミアを併合し、東部も事実上の支配下に置いた。ウクライナを不安定にし、いずれロシアの勢力圏に取り戻す狙いがあった。

一方、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を目標に掲げ、ロシアとの対立を深めた。欧米などから武器供給を受けて東部で軍備増強を進め、10月26日には親ロ派の軍事拠点にトルコ製無人機で初めて攻撃を加えたと明らかにした。11月初めには米第6艦隊旗艦がクリミアのある黒海に進入し、国境付近で軍事行動を活発にしたロシアとの間で一気に緊張が高まった。

(2)米ロ双方の思惑は

ロシアは今春にもウクライナ国境近くに軍を集結させ、6月の首脳会談にバイデン氏を引き出した。今回も軍事圧力をウクライナと後ろ盾の米国に対してかけ、自らの条件を飲ませようとしている。

条件は主に3つある。東部紛争の和平に向けた15年のミンスク合意の順守とNATOの東方拡大の停止、ロシア国境近くに攻撃兵器を配備、供給しないことだ。ウクライナ問題こそ最大の安全保障上の懸念であり「レッドライン(越えてはならない一線)」だと主張する。
ロシア軍部隊がウクライナとの国境近くに集まっているとされる衛星写真(11月9日撮影)=米マクサー・テクノロジーズ提供・AP

2000年のプーチン政権発足以降、ロシアと欧米の間で広がった相互不信も強い。プーチン氏は12月1日の演説で、1990年のドイツ統一を巡る協議で、米欧がソ連にNATOの東方拡大をしないと口頭で約束したにもかかわらず「全く反対のことが行われた」と積年の恨みを口にした。この演説を受け、ラブロフ外相は2日、NATOの東方拡大の停止など欧州安全保障体制に関する法的拘束力のある合意を結ぶよう米欧に提案すると表明した。プーチン大統領も7日の首脳会談でウクライナのNATO非加盟要求に加えて、攻撃兵器をロシアの隣接地域に配備しないことも「保証」に盛り込むよう求めた。

米欧やウクライナにとっては受け入れられない提案だ。バイデン氏は7日の首脳協議で、ウクライナとの国境におけるロシアの軍事活動への懸念を強調し、ウクライナの主権と領土保全への支援の意思を伝達。米欧はロシアがウクライナの東部国境に大量の兵士を動員していると主張し、武器供与も含めた同国への支援を強化している。

米国は最近のロシアの動きが2014年にウクライナ領クリミア半島の併合を宣言する前の状況に似ていると分析し、再びロシアがウクライナに軍事侵攻する事態を警戒する。

米紙ワシントン・ポストは3日、米情報機関の報告書などの内容としてロシアが22年初めにもウクライナ侵攻を計画していると報じた。最大17万5000人を動員した多正面作戦になる見通しだと指摘。独自に入手した衛星写真も掲載し、ロシア軍がウクライナ国境地帯の4カ所に集結しているという。

(3)今後の展望は

プーチン氏自身も欧州安保の新たな合意に関する交渉は難しいと認めている。今後も軍事圧力をかけつつ、時間をかけて打開の糸口を探るとみられる。このため、仮に一時的に緊張緩和に応じたとしても、ロシア軍の集結や挑発行為は断続的に続くとの見方が多い。米欧やウクライナとの話し合いに展望を見いだせないと判断すれば、軍事侵攻に踏み切る可能性が高まる。

米国は緊張が高まればNATOやウクライナへの軍事支援を強化する方針だ。ウクライナはNATOに加盟しておらず、米国は条約に基づく防衛義務を負っていない。ウクライナには武器輸出を拡大し、ロシアの脅威に対抗できる自衛力の増強を後押しする。

バイデン政権はすでにウクライナに対戦車ミサイル「ジャベリン」やパトロール艇の売却を決めた。米議会では高度なミサイル防衛システムの調達を支援すべきだとの声も出ている。2月にはトランプ前政権が決めたドイツ駐留米軍の削減計画の凍結を発表した。

一方で米国が欧州で米軍の人員や戦力を拡大するのは容易でない。バイデン政権は最大の競争相手である中国の抑止に向けてインド太平洋シフトを進めており、限られた人員や戦力をどう配置するかの最適解を探る必要がある。中国とロシアという脅威に向き合う米国は欧州や日本など同盟国との連携を強める構えだ。

バイデン氏は7日の協議でプーチン氏に、ウクライナに侵攻すれば欧州の同盟国と協調してロシア経済に深刻な打撃を与える措置を講じると伝えたが、緊張緩和の糸口になるか見通せない。

(モスクワ=石川陽平、ワシントン=坂口幸裕)

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よくわかる解説コンテンツはこちら 
https://r.nikkei.com/topics/topic_column_21100500/?n_cid=MCH997 』

NATOが11月7日まで行った、「トライデント・ジャンクチャー」ってのがある…
(11月 7, 2018)
https://http476386114.com/2018/11/07/%ef%bd%8e%ef%bd%81%ef%bd%94%ef%bd%8f%e3%81%8c%ef%bc%91%ef%bc%91%e6%9c%88%ef%bc%97%e6%97%a5%e3%81%be%e3%81%a7%e8%a1%8c%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%80%81%e3%80%8c%e3%83%88%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%87%e3%83%b3/