仏大統領選、マクロン対右派3人に 主要候補出そろう

仏大統領選、マクロン対右派3人に 主要候補出そろう
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『【パリ=白石透冴】2022年4月のフランス大統領選挙の主要候補がほぼ固まった。中道右派共和党は4日、パリを含む「イルドフランス」地域圏議会のバレリー・ペクレス議長を統一候補として選出。同氏を含む右派3人と中道のマクロン大統領の計4人が支持率で優位に立っている。移民問題などで解決策を示せない左派は埋没している。

「私はたった一つのことに情熱を燃やす。それは『政策の実行』だ」。ペクレス氏は4日、パリ市内で開いた記者会見でこう語った。有力とみられた英国の欧州連合(EU)離脱交渉の元EU首席交渉官だったバルニエ元外相、北部「オードフランス」地域圏議会のベルトラン議長などを下した。

ペクレス氏は高等教育・研究相、予算・公共収支・国家改革相などを務めた。小さな政府を志向して約20万人の公務員削減を掲げるほか、移民数の上限設定やイスラム過激派の国外追放なども主張する。学生時代に日本語を学び、来日経験もある。

中道右派の統一候補が決まったことで、仏大統領選の主要な顔ぶれは4人に絞られた。仏テレビBFMによると、11月下旬時点で支持率10%以上を集める候補はマクロン氏(25%)、極右国民連合のルペン党首(18%)、極右評論家ゼムール氏(15%)、それにペクレス氏(10%)だ。いずれも中道・右派に固まり、左派の存在感は薄い。

隣国のドイツやスペインなどでは環境、格差などへの関心の高まりから左派が政権を握っている。第2次大戦後のフランスは米国のように中道右派(現共和党)と中道左派(社会党)が交互に政権を取り、仏政治のバランスを取ってきた。それだけに、ここまで左派が埋没するのは異例だ。

背景の一つが、散発するテロ事件や移民問題だ。今年4月にはパリ郊外の警察署でイスラム過激思想に染まった男が女性職員の喉を切りつけて死亡させるテロ事件が発生。15年には風刺週刊紙シャルリエブドへの襲撃テロ、130人が死亡したパリ同時テロという2つの大規模テロも起きている。

その後もテロが絶えないことから、同国では治安対策やイスラム系移民の流入規制を求める声が高まっている。警察権力の拡大に懐疑的で、移民に融和的な立場を取る左派は現実を見ていないと受け止める有権者が少なくない。

左派で大統領選に名のりをあげたのは中道左派社会党のイダルゴ・パリ市長、環境政党欧州エコロジー・緑の党(EELV)のジャド党首、急進左派「不服従のフランス」のメランション党首などだ。3人合わせた支持率は約22%で共闘すれば右派に対抗できそうだが、互いに自己主張するばかりで共闘する兆しはない。

仏大統領選は2回投票制で実施。1回目で勝ち上がった2人による決選投票で勝者を決める。前回17年選挙ではマクロン氏が史上最年少の39歳で勝ち、今回も再出馬が確実視されている。仏経済誌シャランジュが報じた世論調査によると、今回も決選投票にマクロン氏が進んだ場合、どの候補者と戦っても勝つとの予想だ。』