カンボジア36年間統治のフン・セン首相が世襲宣言…「日本にも安倍王朝ある…」言及

カンボジア36年間統治のフン・セン首相が世襲宣言…「日本にも安倍王朝ある…」言及https://japanese.joins.com/JArticle/285397

 ※ 中央日報日本語版の記事だ…。

 ※ なるほど、「安部王朝」への言及か…。

 ※ 対外的には、鳩山、福田よりも、「安部さん」の方がインパクトが強いと見える…。

 ※ 鳩山、福田が「王朝」呼ばわりされないのは、なぜなんだろう…。

 ※ どこに、その「線引き」があるのか…。ちょっと、分からんな…。

 ※ やはり、「三代くらい続かないと、ダメ」なのか…。しかし、福田家は、達夫氏で三代目だろう…。鳩山家は、由紀夫氏の長男は、確かモスクワ在住じゃなかったか…。邦夫氏の息子は、相当”アレ”(選挙が、からっきし)らしい…。

 ※ 大体、安部さんは「子ども」がいないんで(アッキーと、随分話し合ったようだが、「私は、養子はムリ。」だったらしい…)、「お家断絶」は、もう確定なんだが…。

 ※ なお、例の「頭が割れて、血を流すだろう!」脅しへの返しは、「一国会議員たる私の発言に注目してくれて、名誉に思う。」だったらしい…。かっけーな…。

『カンボジアを36年間統治してきたフン・セン首相(69)が事実上の権力世襲を宣言した。長男のフン・マネット軍参謀次長(44)を自身の後任として支持すると明らかにしながらだ。

3日のロイター通信など海外メディアによると、フン・セン首相は前日、南部シアヌークビルで演説し、「息子が後任首相になることを支持する」とし「しかしこれは選挙を通さなければいけない」と述べた。

特に、日本の安倍首相の家系に言及しながら自身の世襲宣言を正当化したりもした。フン・セン首相は「日本にも安倍前首相一家のような『王朝』がある」とし「彼の祖父は首相を、父は外相を務めた」と話した。

フン・セン首相の息子マネット氏は1999年に米陸軍士官学校ウェストポイントを卒業し、英ブリストル大学で経済学博士学位を取得した。現在はカンボジア軍副司令官を務める。2018年12月には執権カンボジア人民党(CPP)の最高意思決定機構である中央委員会の常任委員に選出され、国際社会は権力継承の本格化を予想してきた。

フン・セン首相は昨年6月にも「カンボジア人民党が一世紀の間は執権するだろう」と述べ、強い権力意志を表した。カンボジア人民党は79年から執権してきた。

85年に就任してカンボジアを統治してきたフン・セン首相は、93年5月の総選挙ではシアヌーク国王の息子ラナリット氏の超党派政党フンシンペックに敗れ、連立政権を構成して第2首相になったこともある。

しかし98年の総選挙でカンボジア人民党を率いて勝利し、また全権を握った。2017年11月には全体125議席のうち55議席の第1野党カンボジア救国党(CNRP)を反逆容疑で強制解散させ、翌年の総選挙では全体125議席を占めて事実上の「一党独裁」体制を構築した。 』

習近平、「台湾統一」は2035年まで待つ

習近平、「台湾統一」は2035年まで待つ
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20211203-00270958

『中国の台湾武力攻撃が近づいていると思う人が多いが、習近平は実は2035年まで動かない。それまでに福州と台北を高速鉄道でつなぐ計画を進めている。中国では≪2035年に(高速鉄道で)台湾に行こう≫という歌が大流行だ。

◆2035年までに「福州―台北」高速鉄道を含めた公路を完成

 2021年2月、中共中央と国務院は「国家総合立体交通網計画綱要」(以下「綱要」)を発布した。「綱要」では、2021年から2035年までの国家総合立体交通網の布陣が書いてある。それによれば、2035年までに「(福建省)福州市から台北市」をつなぐ高速鉄道を含めた公路が完成することになっている。

 2020年12月30日、中国政府の通信社である新華社の電子版「新華網」は、福建省で建設中の鉄道・公道併用の平潭(へいたん)海峡公鉄大橋が正式に開通したと報道した。これは中国初の公共鉄道による海を渡る橋となる。この建設工事は2013年10月30日から始まっており、上層は時速100キロの高速道路6車線、下層は時速200キロの高速鉄道で福平鉄道(福州‐平潭県)の重要プロジェクトとなっている。

 平潭は台湾と中国大陸との間では、台湾に最も近い海壇島を含む島嶼から成る県で、もともと橋梁を建築する計画があった。習近平はそれを含めて「綱要」を作成し、台湾統一の足掛かりとする戦略を動かしている。

 大陸と台湾を結ぶ計画は、北ルート、中ルート、南ルートなどがあるが、今般の「福州-台北」ルートは北ルートに分類される。南ルートは、長年議論されてきた「金門-厦門(アモイ)跨線橋」を含む「厦門-金門」、「金門-澎湖-嘉義」のルートを指す。

 これらのルート開通によって何をするかのヒントの一つとして、南ルートの場合を説明すると、金門と福建省には「新4通」(水、天然ガス、電気、橋)という課題がある。インフラ整備は生活と交易に直接関係しており、たとえば孤立した小さな離島などは「真水」を必要としているため、金門と福建はすでに「水」ではつながっている。天然ガスに関しては金門の酒造工場蒸留所の発電に重要な役割を果たすことなどから一定の交易関係があり、両地の住民が船に乗って相手側の商品を買いに行くなど庶民レベルの交流もある。
 しかし電気や橋梁の建設となると、台湾政府が承諾しなければ成立するものではない。それでも「綱要」は「台湾通道(台湾海峡回廊)」を「やれる限りのギリギリのところまで」着々と進めていくつもりだ。

 今年11月24日になると、大陸側の国務院台湾弁公室の朱鳳蓮報道官は、定例記者会見で記者の質問に答える形で「綱要」の進捗状況に関して発表した。

 それによれば、「台湾通道」プロジェクトに関してさらなる進展があり、平潭海峡における公道鉄道両用大橋の平潭区間は、公道鉄道ともに既に完全に開通したとのこと。また、福建省の関係部門は(台湾の)金門・馬祖との橋梁の初歩的技術計画を完成させており、「綱要」の「福州-台北間の支線建設」は既に計画段階を終えたようだ。

 これは何を意味しているかというと、2035年にはおそらく確実に中国のGDPがアメリカを抜いているので、その時なら「統一」を図ってもアメリカは抵抗できまいという、習近平の長期的戦略を示している。

 経済的にアメリカを凌駕していれば国防費もその分だけ多く注ぐことができ、少なくとも東アジア領域では中国の軍事力もまたアメリカを凌駕していることになると構えているのだ。

 習近平はその日まで待つつもりでいることを、この「綱要」は語っている。

◆台湾企業への締め付け

 この「綱要」を完遂するには台湾側の同意が必要だが、そのための準備も着々と進めている。もともと台湾の交易の多くは中国大陸が相手だが、さらに最近では台湾独立を叫ぶ政治家への政治献金などをした企業に関しては罰則を科し、大陸寄りの台湾企業や個人は支援するという戦略で動いている。香港で結局のところ国家安全維持法を通して民主党派を追い出したのと同じように、じわじわと真綿で絞めるようなやり方を実行しているわけだ。

 たとえば11月24日、国務院台湾弁公室は記者会見で、中国大陸に複数の拠点を持つ台湾企業「遠東集団」に対し、上海市、江蘇省、江西省、湖北省、四川省などの関係部門が、4.74億元(約85億円)の罰金と追徴金を科したと報じた。遠東集団が台湾の一部の与党議員(たとえば蘇貞昌行政院長=首相)に対して過去に政治献金をしていたことを「独立分子を支援した」とみなしたからだ。

 それに対して遠東集団の徐旭東会長は11月29日、台湾メディアの「聯合報」に対し「台湾の独立に反対し、“一つの中国”原則を支持する」との声明を送付している。中国はこのような形で「台湾独立勢力」への制裁を行い、中国寄りの台湾企業を増やそうとしている。

◆≪2035台湾へ行こう≫という歌が大流行

 こういった流れを作るのに、歌を利用するのは中国の常套手段だ。

 「綱要」が発布されたのは今年の2月だが、9月18日には≪2035去台湾(2035年には台湾へ行こう)≫という歌が出てきて、いま中国で大流行している(作詞作曲は孟煦東)。歌詞の冒頭は以下のようなものだ(翻訳は筆者)。

     あの高速鉄道に乗って台湾に行こう

     あの2035年の年に

     あのおばあちゃんの澎湖湾を見に行こう

     あの二組半の足跡がきっとあるよ

 この歌詞には説明が必要で、二組半の足跡は、「自分とおばあちゃんと、おばあちゃんがついていた杖」の「5つの足跡」のことを指す。

 実は1979年に台湾で流行った≪おばあちゃんの澎湖湾≫という歌が大陸でも大流行したことがある。いわゆる1980以降に生まれた「80后(バーリンホウ)」たちが小さい頃に盛んに聞いた曲だ。今は30を過ぎた青年たちが、深い郷愁を以て聞くことができるように、今般の≪2035台湾に行こう≫の歌詞が創られている。

 台湾で生まれた若者にとっては「おじいちゃん」や「おばあちゃん」は1949年に解放戦争で共産党軍に敗れて台湾に逃げてきた国民党軍の兵士とその家族が多い。大陸は、おじいちゃんやおばあちゃんにとって故郷で、「中国は一つ」ということを表したいために出てきた歌だった。当時の中国共産党は台湾の親中派としっかり連携していたので、1979年1月の米中国交正常化の一環として作曲されたものだ。

 この≪2035台湾へ行こう≫という歌は、今年11月に入るとウェイボー(微博)やTikTokに掲載されて一気に広がっていった。

 果たして当局の依頼を受けてプロパガンダのために作詞作曲されたのか、それとも2月に発布された「綱要」を見て、「これはいける」と判断した作者(孟煦東)がビジネスチャンスと捉えて作詞作曲したのかは定かでないが、少なくとも孟煦東は、「綱要」に刺激されたと語っている。

◆習近平にはいま台湾武力攻撃の意思はない

 今年7月10日のコラム<「バイデン・習近平」会談への準備か?――台湾問題で軟化するアメリカ>にも書いたように、6月17日、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は米議会下院軍事委員会の公聴会で「近い将来に台湾武力侵攻が起きる可能性は低い」と述べた。これは今年3月9日にアメリカのインド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官が米議会公聴会で、「中国(大陸)は6年以内に台湾を武力攻撃する」と指摘していたことを否定した発言である。

 しかし日本の一部のチャイナ・ウォッチャーが、デービッドソンの「6年以内台湾武力攻撃説」に飛びついたまま情報刷新を行っておらず、未だに「2027年には中国大陸は台湾を武力攻撃するだろう」と主張したりするものだから、日本の政界の一部も多少の影響を受けて一回り遅れの言動をしている。

 中国(大陸)は今、台湾の独立派に対する威嚇をするために軍事演習を活発化させているだけで、武力攻撃をする気などない。なぜなら、戦争になどなったら、逆に中国国内における社会不安を招き、一党支配体制が危うくなるからだ。また国際社会からも強烈な非難を受けるのを知っているので、そういう選択はしない。

 もっとも、台湾政府が独立を宣言した場合は別だ。国際関係など考慮しておられず、2005年に制定した「反国家分裂法」が火を噴くだろう。

 しかし台湾も、政府として独立を宣言することは避けており、バイデン政権も「台湾の独立は支持しない」と中国側との対話で明言しているので、結局は習近平の思惑通り「2035」まで待つことになるだろう。2035年には「満を持して」という戦略が実現しているにちがいない。

 日本が警戒すべきはむしろこの長期戦略なのに、そのようなことに全く気付かない岸田内閣は、習近平がこの上なく喜ぶ方向にしか動いていない。

 そこには日本のメディアや中国研究者の責任もある。日本の読者や視聴者に迎合して真相を見ることを避け怠慢しているからだ。

 岸田内閣の対中姿勢に関しては別途論じたい。』

極秘文書から見えた 新しい“山本五十六”

極秘文書から見えた 新しい“山本五十六”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013366201000.html?utm_int=news_contents_tokushu_001

 ※ 感想を言わせてもらえば、そういう「偉人伝」は、いくら読んでも、あまり役には立たないと思う…。

 ※ それよりも、「今現在の情勢分析」の精度を上げることの方が、ずっと大事だと思う…。

 ※ 山本五十六は、もういない…。

 ※ 彼の頭脳は、失われて、もう戻っては来ない…。

『その結果明らかになったのは、太平洋戦争が始まる7年前に、山本五十六が携わったある外交交渉の舞台裏でした。

当時、世界では第一次世界大戦の反省から、各国が保有する軍艦の数を制限する条約を締結。

ところが日本は、アメリカやイギリスより持てる軍艦の数が少なかったために、「国家の威信に関わる」として、「条約破棄も辞さない」強気の姿勢を示していました。
特集ドラマ「倫敦ノ山本五十六」より ロンドン軍縮会議予備交渉
そうしたなかで、1934(昭和9)年、ロンドンで行われたのが軍縮会議の予備交渉。

その海軍代表を命じられたのが、世界に名前が知られる前の山本五十六だったのです。

今回見つかった資料には、山本五十六がどんな言葉で交渉を進めたのか、つぶさに記されていました。
一言一句が明らかになるのは初めてのことです。』

『意外なことに、山本がアメリカやイギリスに対して、あわよくば妥協案を出して歩み寄ろうとしていたことがわかってきました。

山本は日本海軍の代表でありながら、いったいなぜ、その方針とは異なる行動をとろうとしていたのでしょうか。』

『「備忘録」のなかで私たちが最も注目したのは、“心構”と題されたメモ書き。
山本五十六が軍縮交渉に臨むにあたって、心に決めた7つのことが列挙されていました。

「日本の根本主張は曲げない」というあくまで日本の主張を重視する姿勢。
と、同時に「できる限り協調する」として、英米と協調することの大切さも記していました。

そして、“心構”の最後に書かれていたのは「自分の責任感」という言葉でした。
国家の命運、そして国民の命を背負う責任感。

交渉の進め方次第では、日本という国の運命が、大きく変わってしまうと考えていたのではないかと感じさせる言葉でした。

組織の一員としての任務を背負いながら、心に抱える自分自身の信念を密かに記した“心構”。

遺族はそこに伝わる思いを感じ取り、丁寧に装丁し、長年手元に置き続けてきたといいます。

研究者たちもはじめて触れる、山本五十六の等身大の心情でした。

防衛大学校名誉教授 田中宏巳さん

「日本の国際的な立場を少しでも良くするところまで、考えたうえでの行動を取っていることが見てとれる第一級史料。これまでの見方を変えなければならないかと思う」

『しかし、山本五十六の思いとは裏腹に、軍縮交渉は、最後まで日本と英米の溝が埋まることはなく決裂。

日本は2年後、正式に軍縮体制から脱退し、国際的孤立をさらに深めていくことになります。』

カンボジアのフン・セン首相、長男を後継に指名

カンボジアのフン・セン首相、長男を後継に指名
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0389D0T01C21A2000000/

カンボジア フン・セン首相 長男に首相の座引き継ぐ考え示す
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013372341000.html

 ※ まあ、確かに、鳩山一郎の息子が首相になったり、福田赳夫の息子が首相になったりはしている…。

 ※ しかし、それは「権力の世襲」と言うのか…。「後継指名」はあったのか…。

 ※ 「牽強付会」の極みだな…。

『 カンボジアで30年以上にわたって長期政権を続けるフン・セン首相は2日、陸軍司令官を務める長男に首相の座を引き継ぎたいという考えを明らかにしました。一方、引き継ぐ時期についての言及はありませんでした。

カンボジアのフン・セン首相は、2日、南部シアヌークビルで演説し、後継の首相候補について「選挙で選ばれれば、長男を全力で支援することを表明する」と述べ、自身の長男で陸軍司令官のフン・マネット氏(44)に首相の座を引き継ぎたいという考えを明らかにしました。

そのうえで、フン・セン首相は日本を引き合いに出して、ほかの国でも権力の世襲が行われているとして自身の考えを正当化しました。

一方、引き継ぐ時期についての言及はありませんでした。

フン・セン氏は、来月で首相に就任してから37年を迎え、在任期間が長期化する中、後継者として誰を指名するかに注目が集まっていました。

一方、長期政権を維持するフン・セン首相をめぐっては、武力衝突で政敵を解任したり、野党勢力を分裂に追い込んだりするなど、強権的な手法に対して欧米諸国や人権団体から批判の声もあがっています。』

フンマネがカンボジアの次のリーダーになる道が設定されています
(7月 18, 2020)
https://http476386114.com/2020/07/18/%e3%83%95%e3%83%b3%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%81%8c%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%9c%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%81%ae%e6%ac%a1%e3%81%ae%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e9%81%93%e3%81%8c/

『※ ここで出てきている「フンマネ」とは、「フン・マネト」氏のことで、現指導者である「フン・セン」氏の長男だそうだ…。

 宮崎正弘さんの情報によれば、既に習近平氏と会見も済ませ、かの国の「お墨付き」も得ているらしい…。

  下記でも記述があるように、「ウエストポイント(米国陸軍士官学校)」をも卒業しており、「経済学」のエキスパートでもあるようだ…。

  こういう辺りを読むと、中国ー東南アジア諸国ー英米仏…は、「地下水脈」みたいなものでつながっている…、ようだな…。

※ 記事を書いてる人は、フン・セン氏の政党と対立する党の、副代表みたいな人のようだ…。』

 ※ この記事書いてた「ムソチュア氏(女性)」、どうしているんだろうな…。

 ※ 無事でいるんだろうか…。

The weaponisation of the Cambodian justice system must stop

The Cambodian government continues to persecute members of the opposition who criticise its corrupt policies.
(27 Jan 2021)
https://www.aljazeera.com/opinions/2021/1/27/the-weaponisation-of-the-cambodian-justice-system-must-stop

 ※ 今年の1月までは、アルジャジーラに記事を寄稿していたようだが…。

イラン ザーヤンデルード川をめぐる水危機と人びとの暮らし

イラン ザーヤンデルード川をめぐる水危機と人びとの暮らし
西川優花
http://www.law.osaka-u.ac.jp/~c-forum/box5/vol6/nishikawa.pdf

 ※ 良い資料に当たった…。大阪大の西川優花という人のリポートだ…。

 ※ 日本学術振興会というところから、研究助成費をもらって行った研究成果らしい…。特別研究員ということで、教授とか准教授とかでは無いようだ…。現地に在住して、実地調査をやっているという感じか…。

 ※ 画像で出て来るが、ここは国内が「乾燥地域」と「湿潤地域」に分かれているらしい…。

 ※ まあ、水争いや紛争のタネになりやすいわけだ…。

※ こういう風に、年間降水量が、地域によってハッキリ違っている…。

※ 山岳国家で風向きの関係で、湿った空気が「高山地帯」に当たって「降水」となって落ちる地域と、「落ちた後の、乾燥した大気が流れて行く地域」に、分かれてしまうんだろう…。

※ ちょっと分かりにくいが、「緑の部分」が標高2000メートル地帯だ…。黄色の部分が、1500メートルから1000メートルの「それよりは低い部分」…。

〔イランのイスファハーンの水資源の状況〕

ザーヤンデルード川
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E5%B7%9D

『地理

ザーヤンデルード川は、チャハール=マハール・バフティヤーリー州にあるザグロス山脈の支脈ザルドクーフ(英語版)に源を発する。そこから東方へ400キロメートル (249 mi)流れ、エスファハーンの南東に位置する、季節によって現れる塩湖であるガーヴフーニー(英語版)の沼地に至る。かつては、季節的にしか流れがない大多数のイランの河川とは異なり、年間を通して相当の流量があったが、現代ではエスファハーンに到達する以前に取水によって流れが枯れてしまう時期もある。2010年代前半には、強い乾期が何年も続いたため、下流部が完全に干上がってしまった[4] 。

ザーヤンデルード川の流域は、41,500平方キロメートル (16,000 sq mi)、標高は3,974メートル (13,038 ft)から1,466メートル (4,810 ft)の範囲であり、年平均の降水量は130ミリメートル (5 in)、月平均気温は3 °C (37 °F)から29 °C (84 °F)の間で変動する。流域には、2,700平方キロメートル (1,000 sq mi)の灌漑地が広がっており、ザーヤンデルード川に9か所設けられたおもだった利水施設や、横方向から川に向かう谷筋にある井戸、カナート、湧水などから水を得ている。ザーヤンデルード川の水は、イラン中央部、特にエスファハーンやヤズド一帯の住民たちの生活を支えている。渇水が起こる前、人口一人あたり1日あたりの供給水量は、都市部で240リットル(63米ガロン/53英ガロン)、農村部で150リットル(44米ガロン/33英ガロン)であった[5]。1970年代には、年間1.2立方キロメートル (0.3 cu mi)、1秒あたり38立方メートル (1,340 cu ft)と見積もられていた[6]。 』

『歴史

ザーヤンデルード川の川岸には、何千年にもわたって人々が定住していた。川沿いに人間が居住していたことを示す最も古い痕跡は、エスファハーン南西のディーズィーチェ(英語版)に近いガルエ・ボズィー洞窟遺跡(英語版)で見つかる。4万年以上前、旧石器時代の狩猟民たち(ネアンデルタール人)がガルエ・ボズィー洞窟を季節的ないし一時的住居として使用し、動物を狩猟した痕跡である、石器や獣骨が見つかっている。 先史時代の文化のひとつであるザーヤンデ川文化(英語版)は、ザーヤンデルード川に沿った川岸で紀元前6千年紀に栄えた。

ザーヤンデルード川は、イランにおいて文化的にも経済的にも重要な都市であるエスファハーンを通って流れている。17世紀には、影響料の大きい学者で、サファヴィー朝の顧問を務めていたシェイフ・バハーイー(英語版)が 、マーディ (maadi) という水路網を設計して建設し、エスファハーンの郊外にもザーヤンデルード川の水を給水した。ザーヤンデルード川の水は人口と経済の成長を促し、エスファハーンが影響力のある中心地となることを支え、砂漠の只中にあるエスファハーンの景観に緑の植栽をもたらした。

ザーヤンデルード川には、数多くのサファヴィー朝時代からの橋が架かっており、川は数多くの公園の中を流れていく。

ペルシア美術を専門とするアメリカ合衆国の考古学者、歴史学者であったアーサー・アッパム・ポープ(英語版)と、その妻フィリス・アッカーマン (Phyllis Ackerman) は、河岸の美しい場所に設けられた小さな墓に埋葬されている。イランや中央アジアの研究者であったアメリカ合衆国の学者リチャード・N・フライ(英語版)も、その同じ場所に埋葬されることを望んだ[7]。 』

『利水と分配
夕暮れのザーヤンデルード川。
エスファハーンのスィー・オ・セ橋の下を流れるザーヤンデルード川。

1960年代まで、エスファハーン州では、水の分配に「トマール (Tomar)」が用いられており、文献資料によるとその起源は16世紀に遡るとされる。「トマール」はザーヤンデルード川の流れを33に分け、この地方の8つの主要な地区に分配していた[8]。各地区では、水の流れを時間によって、あるいは、可変式の堰堤を用いて、水流の高さの変化に関わらず適切な比率で分配できるようにしている[8]。

何世紀にもわたって、エスファハーンは周辺の肥沃な土地と繁栄ぶりで知られたオアシス都市であった。1960年代まで、工業用水の需要はごくわずかであり、限られた水資源は主に農業のために使われていた。流域における人口の増加と特にエスファハーン市内における生活水準の向上によって、水資源への圧力は着実に高まり、「トマール」による水の分配は維持できなくなっていった。大規模な製鉄所やその他の新しい産業の勃興によって、水需要は拡大した[6]。

1972年のチャーデガーン(英語版)貯水池ダム計画は、水流の安定化に役立つ大規模な水力発電の計画であった。当初このダムは、サファヴィー朝の最大の影響力をもった王、シャー・アッバース1世にちなんでシャー・アッバース・ダム (Shah Abbas Dam) と名付けられたが、1979年のイラン革命後にはザーヤンデルード・ダム(英語版)と改称された。1972年、チャーデガーン貯水池は、ザーヤンデルード川の季節ごとの氾濫を防ぐ役に立っている。イラン暦の新年の時期には、放流量が増やされ、休日の時期にエスファハーンに川の流れが確保されるようになっている。

ザーヤンデルード川から取水された用水の80%は農業用水となり、10%は人間による消費(飲料水など、人口450万人の家庭の需要)、7%は工業用水としてエスファハーン製鉄会社(英語版)やモバーラケ製鉄会社(英語版)、エスファハーンの石油化学産業、製油所、発電所で使用され、3%はその他の用途で使われている。ザーヤンデルード川と同じくザグロス山脈に源を発するイラン最長の河川であるカールーン川から、数多くのトンネルを介してザーヤンデルード川へ導水する取り組み(クーフラング川(英語版)計画)が進められてきた。これによって、エスファハーン県やヤズド県における人口増加や新たな産業へ水を供給することを可能にしてきた.[9]。 』

(※ 以下、省略)

[FT]水不足のイラン 政府を突き上げる古都の農民

[FT]水不足のイラン 政府を突き上げる古都の農民
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB025430S1A201C2000000/

 ※ イランで、「水争い」が勃発だ…。

 ※ これも、気候変動の影響なのか…。

『作物を育てる水を要求する農民、顔から血を流すデモ参加者、解散しろと叫ぶ武装警察――。この数週間、イラン中部にある古都イスファハンの中心に位置する干上がった川が、同国史上最大の環境デモの舞台となっている。

水不足への対応としてダムからの放流を求める農民らのデモ(11月19日、イスファハン)=AP

武装警官はこの週末、水が完全に干上がったザーヤンデルード川でテントを張っていた数千人のデモ隊を排除したのを受けてイスファハンの街中をパトロールした。「独裁者に死を」「我々の警察は我々の不名誉」といったスローガンを叫んでいた数十人のデモ参加者が逮捕されたと地元メディアは報じた。

乾燥地帯と半乾燥地帯からなるイランは数十年続く干ばつと急激な水資源の枯渇に苦しめられており、人口の増加によって問題は一段と悪化している。イスファハン近郊の農家が特に大きな打撃を受けており、政府が都市と産業への水供給を優先したために自分たちが犠牲を強いられたと訴えている。

イスファハンのベテラン実業家、マスード・サラミ氏は「農民は今は川に流れ込む水がないことを知っているが、このデモは当局に短期的、長期的な解決策を考えるよう迫る警告だ」と話す。

ダムの貯水量は14%に

イスファハンの抗議は経済制裁で大きな打撃を受けているイランの体制を揺るがしている一連のデモの一つで、同国が直面する環境問題の大きさを浮き彫りにしている。抗議運動が拡大すると、ライシ大統領はザーヤンデルード川の再生を検証する委員会の設置を命じた。モフベル第1副大統領は「いかなる手段、あらゆる方法」を駆使してでも水問題を解決すると語った。メフラビアン・エネルギー相は先週、イスファハンの農民に謝罪し、解決策を約束した。

イスファハンは極限の状況にある。

ザーヤンデルード川流域を研究しているヘシュマトラ・エンテハビ氏は、川は過去14カ月間でほぼ干上がったと話す。これまでに2度、それぞれ10日間にわたってダムから水が川に放流された。

地元当局は、通常は雨水と近くの山から流れ込む水で満たされているザーヤンデルードダムの貯水量が今は14%しかないと話す。ザーヤンデルード川流域の500万人の住民のうち、およそ200万人が深刻な影響を受けている。多くの農民が玉ねぎやジャガイモ、メロンのほか、飼料用トウモロコシ、ムラサキウマゴヤシといった作物を育てて生計を立てている。

イスファハンの環境活動家、ファテメ・カゼミ氏は「イスファハンの抗議デモには政治的な動機が一切ないが、農民は水がどこへ流れていったかについて細かい情報をたくさん持っている」と述べ、水の供給で地元の産業が優先されたことを示唆する。

農民の要求は正当だとエンテハビ氏は言う。「政府はどんな手段を使ってもザーヤンデルード川を復活させなければならないが、その日が来るまでは農家の損失に対して妥当な補償金を払わなければならない」と同氏は主張する。「衝突のリスクを伴う街頭デモに繰り出す代わりに農民は干上がった川を選び、イランの人々と世界に対して川が本当に乾ききっていることを見せた」

イスファハンのデモは今後エスカレートしかねない。その兆候として、ザーヤンデルード川の水源がある近隣のチャハルマハル・バフティアリ州でも数千人の住民が街頭に繰り出した。イスファハンの人々をなだめるために自分たちの水が回されるのを恐れたためだ。イスファハンの農民は南に位置するヤズド市につながる送水管を一部破壊した。

農民の支持を失う可能性

水を巡る危機はイランの経済危機で一段と悪化した。核合意が崩壊して米国から厳しい制裁を科され、イラン政府は長期的な開発計画の財源をまかなうのに苦労している。欧米の技術を手に入れることもできず、伝統的な灌漑(かんがい)システムを改良し、水をあまり必要としない作物を探すために数百億ドルの資金を必要としている。

10月末から英グラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、イランは制裁が解除されれば温暖化ガスの排出削減に取り組むと表明した。イラン環境省のトップを務めるサラジェグヘフ副大統領は会議で「国際社会から金銭的、技術的な支援を一切受けることができないのなら、イランはどうやって(温暖化対策の国際枠組みである)パリ協定での約束を果たすのか」と問いかけた。

イランの環境活動家もおおむね、これに同意する。「政府に計画を提案するたびに必ず行き詰まる。提案に対して政府は、国は制裁下にあると返答してくるからだ」。テヘランの有力活動家であるモハマド・ダルビッシュ氏は「近い将来、多くの人が住まいを追われるだろう。彼らはどこへ行けばいいのか。これは8500万人の人口を抱えるイランの問題にとどまらない。全世界に影響を与える」と語る。

今のところ、イスファハンは静かだ。ここに暮らす農民がどこまでやる覚悟なのか、はっきりしない。抗議デモの動画が何本か一気に拡散した。ある動画で高齢の農民が「(人々を殴ったのは)暴徒ではない。やったのは警察だ」と語っている。

改革派アナリストのアッバス・アブディ氏は、大規模な抗議デモがあるたびに体制は支持基盤を失うと指摘する。今は農民の支持を失う恐れがある状況だが「政界では誰も心配していないようだ」と語る。

川からデモ隊が一掃される前、参加者の動画がSNS(交流サイト)上を飛び交った。ある中年の農民が先週、動画で「当局はイスファハンで戦端が開かれたことを知るべきだ」と語った。「警告しておくが、ザーヤンデルード川の水を我々に返さなければ、おまえたちは歴史のごみ箱に入ることになる」

By Najmeh Bozorgmehr

(2021年11月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地

入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EEY0T01C21A2000000/

 ※ どこの国でも、重症化しやすいとされていた「お年寄り」から、ワクチン接種を開始したからな…。30代、40代は後回しになったハズだ…。

 ※ その影響が出ている、ということか…。

 ※ この保険相の言うには、「感染力は、強いようだが、重症化する率は低い。従来のワクチンも、重症化予防の効果はある」ということのようだ…。

 ※ まあ、だんだん各国のデータが揃って来れば、もっと「確としたこと」が、判明して来るだろう…。

『【イスタンブール=木寺もも子】新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大を巡り、南アフリカのファーラ保健相は3日、入院患者の大半が40歳以下の若年層だと明らかにした。うちほとんどがワクチン未接種だという。ファーラ氏は南アが感染「第4波」に入ったとの認識も示した。

米ブルームバーグ通信は南ア国立感染症研究所のデータとして、オミクロン型の感染が集中するハウテン州ツワネで、40歳以下が入院患者の68%を占めると報じた。今年半ばに起きた感染第3波の初期段階では、50歳超が66%を占めていたという。

一方、南アのステレンボス大の研究グループは3日、1人の感染者が何人にうつすかを示す「実効再生産数」について、オミクロン型はデルタ型の2倍を超えるとする報告を公表した。感染力自体の強さと、ワクチンなどによる免疫をすり抜ける能力がどう影響しているかはなお不明だ。

南アでは3日、新たに約1万6000人の感染が確認された。前日より39%増えた。

ファーラ氏はオミクロン型が席巻する第4波について「これまでで最も感染増加ペースが速い」としたうえで、「症状は従来より軽く、特にワクチンを受けていれば軽い」と述べた。

【関連記事】欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」』

オミクロン型の感染拡大、世界経済にまた暗雲回復減速+物価上昇、迫る「スタグフレーション」の足音

オミクロン型の感染拡大、世界経済にまた暗雲
回復減速+物価上昇、迫る「スタグフレーション」の足音
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR02F920S1A201C2000000/

『新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」が報告されてからおよそ1週間。脱コロナに向けた世界経済の再生にブレーキがかかる懸念が生じている。オミクロン型の重症化比率やワクチン効果などがはっきりしないなか、各国による渡航制限の強化などが経済の下押し要因となる。しかも昨今の急激なインフレが政府や中銀の政策決定をさらに難しくしている。

「リスクと不確定要素は大きく、回復が脅かされる」。経済協力開発機構(OECD)のコールマン事務総長は1日の経済見通しの発表で、オミクロン型の出現をこう表現した。

OECDの同日の発表では、21年の世界経済の成長率を5.6%とし、9月の予測から0.1ポイントしか下げなかった。22年は4.5%として据え置いた。ただ、このシナリオにはオミクロン型の影響を十分含めていない。

成長率下押しのリスク

各国が導入し始めている渡航禁止措置などを考えると、成長率が下押しされるリスクは大きい。英国は夏以降、感染者が1日3~4万人で推移しても規制を再導入しなかったが、オミクロン型の発生で国境管理を一気に厳しくした。南アフリカなど10カ国からの入国者の隔離を強化し、他の地域からの渡航者にもPCR検査で陰性結果が出るまでの自己隔離を求めた。イスラエルや日本は外国人の入国禁止といった一段と厳しい措置を導入している。
こうした措置は、かき入れ時のクリスマスシーズンを迎える航空や旅行、息を吹き返しつつあった飲食やレジャー産業への大きな打撃になる。さらに感染の拡大で各国がロックダウン(都市封鎖)などの国内の行動規制にまで踏み切るようなら、経済への影響はさらに大きくなる。

特に欧州ではオミクロン型の報告の前から感染の波が襲っていた。ドイツでは11月下旬に1日7万人を超すなど過去最高の感染者数を記録し、12月2日にはワクチン未接種者の店舗や飲食店の立ち入りを禁じる方針を決めた。オーストリアやスロバキアではすでに必需品以外を扱う店の営業を禁じるロックダウンに入るなど、欧州各国で行動規制は広がっている。こうした動きがさらに広がれば、休業者や事業者への支援が必要になるが、英国などは休業者の給与補塡といった非常時の支援策を「手じまい」したばかりだ。
金融政策のかじ取り難しく

各国の金融政策のかじ取りは一段と難しい。急な経済再開に伴う需要増や賃金上昇で米国では10月の消費者物価指数が前年同月比で6.2%上昇し、インフレ退治がバイデン政権の緊急課題となりつつある。物価上昇はユーロ圏も4.9%(11月)、英国も4.2%と軒並み高く、悩みの種となっている。

12月14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では11月に始めた量的緩和の縮小(テーパリング)の加速について議論される見通し。米国以外でも、12月は欧州中央銀行(ECB)が緊急買い取り制度の存廃、イングランド銀行(英中銀)が利上げの是非を議論する予定だ。ただ、オミクロン型による経済への影響を見極めつつ、政策を転換する判断は難易度が高い。

大和総研の菅野泰夫ロンドンリサーチセンター長は「オミクロン型の発生でスタグフレーション(景気後退と物価上昇の同時発生)のリスクが高まった」と分析する。「各国での渡航制限や、感染者・接触者に隔離を求める規制の強化などで労働者が減り、供給制約が深刻化する」ことで、各国中銀がインフレ退治に動いても「物価上昇はおさまらず、景気も低迷する可能性がある」との見立てだ。

オミクロン型の実態について経済の観点で最も重要なのは、既存のワクチンが重症化を抑えるかどうか。重症者で病院のベッドが埋まってしまうと、政府は経済を犠牲にしても、国内で行動規制を導入せざるを得なくなる。

主要7カ国(G7)は11月29日に緊急の保健相会合を開き、数週間情報交換したうえで12月中に次回会合を開くことを決めた。それまでにオミクロン型の実態がどこまで解明され、感染はどこまで広がるのか。各国政府・中銀、市場関係者は固唾をのんで見守っている。
(ロンドン=中島裕介)』

オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”

オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013373951000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_024

『 オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”

2021年12月3日 20時41分

新型コロナの新たな変異ウイルスオミクロン株の存在を最初に発表した南アフリカでは、感染が急速に拡大しています。

NHKの取材に応じた地元の医師は、オミクロン株とみられる感染者はデルタ株とみられる感染者と多くが症状が異なり、呼吸困難に陥っていない、などと証言しました。

南アフリカでは、2日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者が1万1535人とこの2週間ほどで30倍以上に増えています。

NHKの取材に応じた首都プレトリア近郊の医師、モゼセ・ポアーネさんは保健当局によるウイルスのサンプル調査で、ことし9月には全体の91%がデルタ株だったのに対し、先月には74%がオミクロン株だったことから、ことし9月以前に診察した患者はデルタ株に感染し、この1週間余りで診察した7人の患者はオミクロン株に感染していたとみています。
ポアーネさんは以前のデルタ株とみられる感染者と最近のオミクロン株とみられる感染者は多くが症状が異なると指摘し「冬の間やことしの始めごろ、患者は頭痛、めまい、食欲の減退、体力の低下、せきなどを訴えていたが、せきは肺の奥深くからだった。だから多くが酸素が必要で、入院治療が必要だった。私が今、目にしている傾向は、のどにとどまっているせきで、入院治療の必要がない」と証言しました。

また、ポアーネさんは「先週、診察した感染者のうち、何人かはワクチンを接種済みだった」と述べ、オミクロン株でいわゆるブレイクスルー感染が起きた可能性があるとしています。

一方でその感染者たちの症状は軽いと述べ、オミクロン株に感染してもワクチンが重症化を防いでいるのではないかとの見方を示しました。

オミクロン株の感染力やワクチンの効果に及ぼす影響などはまだ分かっておらず、世界各国の科学者が調査を進めています。』

欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」

欧州、オミクロンの死亡報告なし WHO「冷静対応を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03E720T01C21A2000000/

『【ロンドン=佐竹実、ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は3日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者が16カ国で109人だったと発表した。現時点では無症状か軽症が目立ち、死者の報告はない。世界保健機関(WHO)にも死亡の報告は入っておらず、冷静な対応を呼びかけている。

ECDCによると、感染が確認されたのはドイツ(13人)やポルトガル(19人)など16カ国。多くがアフリカへの渡航歴があった。ドイツやベルギーなどでは感染が確認された地域との関連がないケースもあり、市中感染が広がっている可能性がある。症状がわかったケースは全てが無症状か軽症で、死亡の報告はなかった。

世界では35カ国で486人を確認した。南アフリカの国立感染症研究所によると、11月の新型コロナ感染の74%がオミクロン型だった。10月はデルタ型が92%で、急速にオミクロン型に置き換わった。重症者の割合はこれまでの流行時よりも低く、ワクチンなどでできた免疫が一定の効果を発揮している可能性がある。

オミクロン型は症例が少ないため毒性などはまだ正確には分かっていない。重症化しやすいのかどうかが今後の調査の焦点となりそうだ。WHOの報道官は3日、オミクロン型の感染者の死亡は報告されていないことを明らかにした。

イタリア政府の諮問機関、高等保健評議会のロカテッリ会長は3日、「オミクロンは強い感染力がある。だが重症化を引き起こし、ワクチンが効かないということを意味するものではない」などと語った。

ロイター通信によると、WHOのスワミナサン首席科学者は3日、オミクロン型について「パニックになるのではなく、準備と用心が必要だ」と呼びかけた。パンデミック(世界的大流行)の1年目とは異なり、現在はワクチンや治療薬の開発が進んで、新型コロナ対策のノウハウも蓄積されているからだ。

同氏によると、現在は世界の新型コロナ感染の99%はデルタ型。オミクロンが世界で優勢になるためには、「より感染力が強くなければならない」と述べたうえで「可能性はあるが、予測はできない」と強調した。

もっとも、欧州では冬場のデルタ型の流行で医療体制が逼迫するなどしており、各国はオミクロン型の拡大には神経をとがらせている。ベルギー政府は3日、6歳以上はマスクの着用を義務づけるなどの対策を発表した。小学校が冬休みに入る時期をほぼ1週間早めるほか、200人超が参加する屋内でのイベントは禁止される。デクロー首相は記者会見で患者数が増えて医療現場が逼迫していると強調し、「現状は受け入れられない」と国民に理解を求めた。

【関連記事】

・入院患者の大半が40歳以下 南ア・オミクロン型流行地
・オミクロン型、30カ国・地域に拡散 懸念指定から1週間 』

WHO「ワクチン変えるべきとの証拠無い」 オミクロン

WHO「ワクチン変えるべきとの証拠無い」 オミクロン
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR03EGZ0T01C21A2000000/

『【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するライアン氏は3日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」について「今のワクチンを変えなければいけないという証拠はない」と語った。変異ウイルスはワクチンの効果を下げる恐れがあると指摘されるが、接種率を高める努力をやめないよう呼びかけた。

SNS(交流サイト)上で質問を受け付ける方式で答えた。ライアン氏は「ワクチンは効果をあげている。重症化の危険が高い人への接種に注力しなければいけない」と強調した。ただ「やり方を変えなければいけないときに備えて、科学的な準備をすることも必要だ」と語り、ワクチンが効果をあげにくくなる時が来る可能性も論じた。

製薬各社は既にオミクロン型への対応を急いでおり、米ファイザーや米ノババックスが既に新しいワクチンを開発する意向を示している。』

中国首相「預金準備率、適時引き下げ」 景気減速に対応

中国首相「預金準備率、適時引き下げ」 景気減速に対応
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM040LD0U1A201C2000000/

『【北京=川手伊織】中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は3日、中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率について「適時引き下げる」と述べた。コスト高や景気減速で収益の悪化が続く中小零細企業の資金繰りを支援する狙いがある。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事とのオンライン協議で明らかにした。中国経済は「複雑な環境と新たな下押し圧力に直面している」と言及した。緩和的な金融政策を継続し「資金調達コストを安定的に引き下げていく」と強調した。

中国は7月に預金準備率を0.5%下げた。準備率を下げると市中銀行が人民銀行に預けるお金が減り、貸し出しなどに回すお金が増える。人民銀行によると、7月の引き下げで計1兆元(約18兆円)の長期資金が市場に放出された。』

米国務長官「台湾侵攻は悲惨な決断」 中国に警告

米国務長官「台湾侵攻は悲惨な決断」 中国に警告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040580U1A201C2000000/

『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は3日、中国が台湾を侵攻するシナリオについて「それは潜在的に悲惨な決断だ」と語った。中国が武力による中台統一を目指さないよう警告する発言だ。

ブリンケン氏がロイター通信のイベントにオンラインで参加した。台湾をめぐり「中国が数年間にわたり現状を変えようとしてきた」と指摘。「多くの人々や中国をはじめとする誰の利益にもならない恐ろしい結末につながる危機を起こさないように中国の指導者にはとても慎重に考えてほしい」と述べた。

バイデン米政権は2022年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を検討している。ブリンケン氏は各国と五輪への対応について話しているとしつつ「各国が近く判断を下すと思う」と語り、結論を各国に委ねる考えを示唆した。

11月末に再開したイラン核合意の再建交渉をめぐり「イランは現時点で(合意の)再履行に向けて必要な行動を真剣に考えていないようだ」と批判した。イランは米国に対して経済制裁の全面解除を求めるが、米国は一部を残す考えで溝が深い。

ブリンケン氏は「再履行の道が行き詰まれば別のオプションを考えると我々は主張してきた」と語り、交渉が決裂した場合にも備える考えを改めて強調した。』

【図解・社会】NHK受信料訴訟の主な争点と最高裁判決(2017年12月)

【図解・社会】NHK受信料訴訟の主な争点と最高裁判決(2017年12月)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_saiban20171206j-07-w640

 ※ 既に、「大法廷判決」が出てたんだな…。

 ※ 知らんかった、もしくは、チラッと見たが、忘れてしまっていた…。

 ※ 『大法廷は受信料制度について、「憲法の保障する国民の知る権利を実質的に充足する合理的な仕組み」と指摘。契約を強制する放送法の規定は「適正、公平な受信料徴収のために必要で憲法に違反しない」と判断した。裁判官15人中14人の多数意見。』ここが、ポイントか…。

 ※ まあ、確かに「災害列島」だから、各県に「支局」を設置して、「アナウンサー」や「職員」を置く必要はある…。天気情報、地震情報、台風情報、洪水情報、噴火情報、軽石情報なんてのは、日常生活にとって必須情報だ…。

 ※ それを「支える制度」として、「受信料強制徴収」制度も、「憲法違反じゃない。」と言うことなんだろう…。

 ※ これを全て「民放」にしてしまったのでは、「視聴率合戦」「スポンサー支配」になってしまうのは必定だ…。

 ※ 釈然としないが、「代案」出せと言われても、ちょっと困る…。

『NHK受信料「合憲」=テレビ設置時から義務-「知る権利を充足」最高裁が初判断

※記事などの内容は2017年12月6日掲載時のものです

 NHKの受信料制度をめぐり、テレビを持つ人に契約締結を義務付ける放送法の規定が憲法に反するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、「国民の知る権利を充足する」として、規定を合憲とする初判断を示した。

 大法廷は「テレビ設置時にさかのぼって受信料の支払い義務が生じる」とも判断した。判決は全国で900万世帯を超える未払いへの徴収を後押しする可能性があり、大きな影響を与えそうだ。

 放送法は、テレビなどの受信設備を置いた人は「NHKと受信契約をしなければならない」と規定している。この規定が憲法に違反しないかが最大の争点で、裁判で正面から合憲性が問われたのは、1950年のNHK設立以来初めてだった。

 大法廷は受信料制度について、「憲法の保障する国民の知る権利を実質的に充足する合理的な仕組み」と指摘。契約を強制する放送法の規定は「適正、公平な受信料徴収のために必要で憲法に違反しない」と判断した。裁判官15人中14人の多数意見。

 その上で、契約を拒んだ人に対し、NHKが承諾を求める裁判を起こし、勝訴が確定した時点で契約が成立すると判示。テレビの設置時にさかのぼって受信料の支払い義務が生じるとの初判断も示した。木内道祥裁判官は「設置時からの支払い義務はあり得ない」とする反対意見を述べた。

 裁判になったのは、2006年に自宅にテレビを設置した東京都内の男性。契約申込書を送っても応じないとしてNHKが11年に提訴した。

 男性側は、契約は視聴者の意思で結ぶべきで、規定は憲法が保障する「契約の自由」に反すると主張した。NHK側は受信料制度には十分な必要性と合理性があるとして合憲だと反論していた。

 大法廷は男性側の主張を退け、双方の上告を棄却。未払い分約20万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。』

NHKの逆転勝訴確定 映らぬテレビに契約義務

NHKの逆転勝訴確定 映らぬテレビに契約義務
https://news.yahoo.co.jp/articles/f82bde02313ebe5a8c73d8c48461818bad0aa589

 ※ スゲーな…。

 ※ NHKが映らないように「細工」「加工」したテレビでも、受信料を取られるんだぜ…。

 ※ 一体、どういう「法理」を使ったものやら…。

『 NHK放送を視聴できないよう加工したテレビを自宅に設置した東京都の女性が、受信契約を締結する義務がないことの確認を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は2日付で、女性側の上告を退ける決定をした。

【図解】各国公共放送の受信料制度

 女性勝訴とした一審判決を取り消し、NHK側の逆転勝訴とした二審判決が確定した。』

中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感

中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM303DP0Q1A131C2000000/

『【北京=川手伊織】中国で住宅価格の下落が広がり、大都市でも不動産市場の救済に乗り出す動きが出てきた。新築物件の値下げ幅を制限したり、不動産融資の規制を緩めたりする。マンションなどの価格が下がると、地方政府に入る用地の売却収入が減りかねないためだ。人口流出などで景気回復が遅れ気味の中小都市だけでなく、大都市も警戒感を強めている。

【関連記事】

・中国新築マンション 主要都市7割超で値下がり
・中国、不動産バブル懸念 民間債務かつての日本超す

「不動産会社と(投機を除く)住宅購入者の相応の資金需要は(満たされるよう)保障する」。四川省の省都、成都市は11月23日、不動産金融の規制緩和を発表した。開発資金の融資や住宅ローンの上限を緩め、速やかに融資を実行する。重点企業には融資期間の延長や金利負担の軽減も認める。

中央政府が直轄する天津市は11月、不動産会社を集めた会議で、値下げ幅を制限するよう指示した。同市政府の関係者によると、新築物件を当局に事前に届け出た価格より15%超値引きすることを禁じる。大規模なセールを行う際も担当部局への報告を義務付けた。

中国メディアによると、江蘇省の省都、南京市も値引き販売をした開発業者に市場をかき乱す行為をやめるよう命じた。今年夏以降、すでに20以上の都市が値下げ制限に踏み切った。値下げ制限はこれまで、大都市に比べて経済成長の速度が鈍く、マンションの在庫が高止まりしやすい中小都市が軸だった。

政府の住宅ローン規制などをうけ、住宅価格が下落する都市はこの夏、一気に増えた。中国国家統計局がまとめた主要70都市の新築マンション価格をみると、5月に前月より下がったのは5地域だけだったが、10月には52地域と10倍以上になった。2015年2月以来の多さだ。

都市の規模別でみると、中小都市で先行して価格が下がり始め、大都市にも波及しつつある傾向がわかる。成都市、天津市、南京市は省都レベルの2級都市のなかでも規模が大きい「新1級都市」と呼ばれる。新1級都市の平均価格は10月、前月比0.1%の下落に転じた。北京市、上海市、広東省広州市、同省深圳市の1級都市は9月に上昇が止まった。このうち広州市と深圳市はすでに値下がりしている。

マンションの値下がりは、住宅ローンの審査厳格化で購入需要が落ち込んだことだけが理由ではない。政府の規制強化で不動産会社の資金繰りが悪化したことも影を落とす。開発する会社のほか、各社から代金でなく、不動産の現物を受け取った施工業者が現金化を急ぎ、値引き販売に拍車をかけた。

中国の土地は国有制で、地方政府が土地の使用権を不動産開発業者に売り渡し、業者がマンションや商業施設を建てて販売する。売却収入は地方政府の重要財源の1つだ。マンションが値下がりすれば「仕入れ」にあたる土地の価格にも響く。

底堅い需要を見込める優良な土地を売り出す動きもある。北京市は11、12月の競売で市中心の天安門から車で20分ほどの土地を売り出す。浙江省杭州市も中心市街地の区画を増やしたという。

政府は不動産バブルが金融リスクを高めていると警戒してきた。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んで経済の正常化を進めつつ、不動産規制を強めた。だが、中国恒大集団など不動産大手の経営が揺らぐと、金融監督当局の中国人民銀行(中央銀行)などは方針を微修正した。不動産融資の過度な絞り込みの是正を銀行に求めた。

人民銀は11月、10月末時点の住宅ローン残高が1カ月で3481億元(約6兆2000億円)増えたと発表した。増加幅は9月より1000億元ほど多い。四半期ごとに公表してきた住宅ローン残高を単月で示すのは異例だ。不動産規制の微修正を強調する狙いだとみられる。

それでも、1月に始めた住宅ローンなど不動産融資の総量規制は維持している。すでに融資が規制の上限に達し、新規の貸し出しを見送る銀行も目立つ。』

習指導部、情報統制を優先 中国・滴滴が米上場廃止へ

習指導部、情報統制を優先 中国・滴滴が米上場廃止へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0363G0T01C21A2000000/

『【北京=多部田俊輔】中国の配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)は3日、米国上場を廃止すると発表した。来年の共産党大会を控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は国家安全上の理由から同社に圧力をかけており、6月末の上場から異例の短期間での廃止となる。海外資金調達をテコにした技術革新よりも、国内の統制強化を優先する習指導部の姿勢が一段と鮮明になってきた。

【関連記事】

・滴滴出行、米上場廃止へ手続き 香港上場を準備
・米SECが新規則、「検査拒否」中国勢は24年上場廃止も

滴滴は3日、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」の公式アカウントで「慎重な検討の結果、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止手続きの開始と、香港での上場に向けた準備に入った」と発表した。滴滴は6月末にNYSEに上場したが、米国への情報流出の懸念を持つ中国当局が国家安全上の理由で同社を調査し、アプリの新規ダウンロードの停止を命令した。

「上場先を米国から香港に切り替えることで、米当局からの要求に基づく中国国内からの情報流出の恐れはほぼなくなる」。中国の地方政府幹部は指摘する。中国の経済情勢や個人情報にかかわるデータの流出懸念が念頭にある。

中国企業の米国上場が難しくなったとしてもマネーの流れが完全に途絶えるとの見方は少ない。「外国の投資家の資金回収を円滑にサポートするためには、香港上場への変更が落としどころだった」。北京の金融関係者は打ち明ける。パソコン大手のレノボ・グループや騰訊控股(テンセント)なども香港に上場し、海外投資家の資金を受け入れている実績がある。

習指導部が重視するのは国家や企業の競争力を左右するデータの統制だ。2017年に施行したインターネット安全法に続き、今年9月にはデータ安全法、11月には個人情報保護法を相次ぎ施行。3本の法律で中国国内の重要データの海外流出を防ぐ体制を固めた。

中国はもともと「ネットの長城」と呼ばれるネット監視システムを構築。10年までにグーグルやフェイスブックなどの米国企業の多くを排除し、アリババやテンセントなど中国の民間企業を育成してきた。新型コロナウイルス対策で監視カメラ最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)なども業容を拡大している。

習指導部は、米中で分断された自国のネット空間で中国企業を伸ばすことに自信を持つ。政府系機関によると、中国のデジタル経済の規模を25年に1000兆円規模まで引き上げる計画だ。20年比で5割以上の成長を見込んでおり、その大部分は中国企業が担う構想を描く。

習氏は指導部メンバーを刷新する5年に1度の党大会を来年に控え、異例の3期目に向けて足場固めを急ぐ。鄧小平時代の先に豊かになれるものを富ませる「先富論」から、格差縮小に向けて分配を重視する「共同富裕(共に豊かになる)」に路線転換した。

共同富裕は、巨額の収益を上げるネット大手に対して利益を還元させる圧力となる。これまでに多くのネット企業や経営者が貧困支援や「脱炭素」などの取り組みをアピール。滴滴も河南省や山西省などの被災地に寄付をして当局の意向に沿う姿勢を示していた。

アリババは約1年前に傘下の金融会社アント・グループの上場が延期になり、本業も勢いを失って1年間で時価総額の半分が吹き飛んだ。滴滴の時価総額も上場時の半分程度で推移し、政府系機関の調査でも中国の上場ネット企業の9月末時点の時価総額は3カ月前に比べ3割近く減った。

中国では巨大ネット企業などのプラットフォーマーに「データ税」を導入するとの観測も浮上している。IT(情報技術)に詳しい研究者は「海外とのつながりが減る傾向が続けば、ネット企業の長期的な技術進歩を阻害する恐れもある」と指摘する。』