EUなど32ヶ国が中国をGSP(一般特恵関税)対象国から外す

EUなど32ヶ国が中国をGSP(一般特恵関税)対象国から外す

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)12月3日(金曜日)
通巻第7144号  <前日発行>
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 ※ こりゃ、大変だ…。

 ※ 爆弾、炸裂だ…。

 EUなど32ヶ国が中国をGSP対象国から外す
  中国の輸出特典を剥奪、関税が高くなって輸出競争力は失われる
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 EU諸国にトルコ、ウクライナ、リヒテンシュタイン。くわえて英国、カナダなど32ヶ国は、中国に適用してきたGSPの対象国から排除するとした。12月1日から適用され、中国の輸出港にはコンテナが積み上がっている。

 これにともなって中国当局は上記32ヶ国向けの「原産地証明」の発行を取りやめる措置を取った。

 第一にWTO加盟以来、15年間、中国が特恵関税の対象とされたが、期限が切れても中国は優遇措置を辞退せず、このときばかりは「中国は未だ発展途上国です」と開き直ってきた。

 第二にIMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)通貨に人民元が加わっても、中国人民元は世界貿易でなにほども利用されておらず、人民元決裁はラオス、カンボジアなど中国の経済植民地に限定されている。そのうえ昨今の人民元高によって輸出競争力を大幅に失っていた。

 第三にトランプ前政権の中国からの輸入品への高関税適用で、中国の輸出産業は打撃を受け、くわえて最低賃金の上昇、物価高、エネルギー不足、電力不足などコロナ災禍以外のマイナス要素が加わって、中国の輸出力は低迷していたから、このEUの措置により致命傷になる怖れが強いと関係筋は分析している。

 (NOTE)GSPとは、「一般特恵関税制度」(Generalized System of Preferences)を意味し、JETROの定義によれば、「開発途上国・地域を
原産地とする鉱工業産品および農水産品の輸入については、一般の関税率よりも低い税率を適用することにより、開発途上国・地域の輸出所得の増大、工業化の促進と経済発展を支援するという先進国による国際的途上国支援制度のことです。わが国は1971年から同制度の適用を開始し、現行法の下では、2021年3月31日までの適用が定められています。わが国は、2017年4月1日現在、135カ国5地域を特恵受益国・地域として指定し、このうちさらに47カ国・地域を特別特恵受益国・地域に指定しています」となる。

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