日本、石油国家備蓄の余剰分放出へ

日本、石油国家備蓄の余剰分放出へ 1~2日分相当
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA233R70T21C21A1000000/

※ ある種の、「アナウンスメント効果」を狙ったものだろう…。

※ それと、「消費国の”断固たる”意思」を示した形だ…。

※ そういう動きを受けて、OPEC及びOPECプラスが、どういう「行動」を取るのか…が、次の注目点だ…。

※ 「増産に出ない」場合、「二の矢、三の矢」も予想される…。

『米国が戦略石油備蓄の放出を公表したことを受け、日本政府は24日に国家備蓄の放出を発表する。必要な備蓄量を上回る余剰分のうち国内需要の1~2日分に相当する約420万バレルを目安に放出する。年内にも売却に向けた入札を実施する。国家備蓄の放出は初めて。米国の要請に応じて各国との協調姿勢を示した形だが、原油価格に与える影響は未知数だ。

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日本の石油備蓄は9月末時点で国内需要の240日分程度ある。内訳は国家備蓄が145日分、石油会社などに義務付ける備蓄が90日分、産油国共同備蓄が6日分で、このうち国家備蓄を放出する。まずは1~2日分を放出し、必要があれば追加も検討する。

放出する石油を販売するための入札を年内にも実施し、2022年3月までに売り渡す。国庫に入る売却収入を年内の開始をめざすガソリン価格の高騰を抑える補助金の財源にする案もある。

原油の国内需要の減少で1日あたり必要な備蓄量は減っている。余剰が生まれているため、タンク内の古い原油を新しいものに入れ替えるときに備蓄量を減らす。需要見直し後の備蓄日数はこれまで通り240日分程度を維持する。

石油備蓄法が放出を認めるのは供給が途絶する恐れがある場合や災害時に限られる。余剰分なら法律の縛りに関係なく機動的に放出できると判断した。

過去には1991年の湾岸戦争や2011年の東日本大震災やリビア情勢悪化時などに民間備蓄を放出したことがあるが、国家備蓄の放出は前例がない。原油価格の高騰抑制へ国際協調を求めるバイデン米政権からの要請を受けた異例の判断といえるが、本来は供給不安に備えるための国家備蓄を価格調整目的で取り崩すことには異論が出る可能性もある。

数日分の備蓄を放出しても国内での需給に与える影響は限定的とみられ、原油価格の抑制につながるかは見通せない。

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説

政府は米国の要請を受けて余剰分国家石油備蓄放出を決断した。

石油備蓄使用は緊急時対応に限定し価格引下げのための備蓄放出はしないという日本の従来方針からの大転換だ。

余剰分放出ということで放出数量は限定的で、石油市場への供給増という点では米国など協調体制全体での放出数量も含めどの程度の効果を持つか読み切れない。

ただ85ドルまで上昇した原油価格の動きには行き過ぎの面があり局面転換の切掛けを待つ流れもあった。

その意味で先週から備蓄放出のニュースはアナウンス効果を示し70ドル台まで価格を押し下げた。

次はOPECプラスがこの動きにどう対応するかが問題だ。増産を絞るようであれば油価は再び上昇しかねない。

2021年11月24日 8:48 』