欧米、コロナが冬の流行期へ 各国で規制復活相次ぐ

欧米、コロナが冬の流行期へ 各国で規制復活相次ぐ
オーストリアは再び都市封鎖
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DOJ0Z11C21A1000000/

『【ウィーン=細川倫太郎、ニューヨーク=山内菜穂子】欧米で新型コロナウイルスの感染が冬の流行期に入りつつある。オーストリアは再びロックダウン(都市封鎖)の導入を決めるなど、規制復活が相次ぐ。消費が盛り上がるクリスマス商戦が本格的に始まるのを前に、感染拡大を食い止められるかが焦点になる。

米ジョンズ・ホプキンス大によると、18日時点の欧州の新規感染者数(7日移動平均)は約23万8千人で1カ月前と比べると倍以上に増えた。夏季休暇が終わった頃から感染が加速している。感染力の強いデルタ型が猛威を振るうなか、ワクチン効果の低下や規制緩和、人々の気の緩みなど複数の要因が重なっているとみられる。

オーストリアは22日から最大20日間の都市封鎖に入る。仕事や食品の買い出しなどを除き原則外出禁止とし、生活必需品を販売する店以外は閉店となる。人口約890万人の同国では、新規感染者が1万5000人前後と過去最多水準となっている。ワクチン接種率は65%前後と欧州主要国に比べると低い。

「接種率を持続的に高めることが悪循環から抜け出す唯一の方法だ」。19日に記者会見したシャレンベルク首相は接種率の低さへの危機感をあらわにし、ワクチンの拒否は「医療体制への攻撃」と非難した。来年2月1日からは接種を義務づける。

ドイツも18日に規制強化策を発表した。ワクチン未接種者は感染が広がる地域で飲食店などの利用ができなくなる。ロイター通信によると、シュパーン保健相は19日、すべての人を対象にしたロックダウンを実施する可能性も「排除できない」と語った。

ベルギーは17日、週4日の在宅勤務を義務づけ、マスクの着用義務の拡大も決めた。アイルランドもパブやナイトクラブの営業時間の短縮を命じた。チェコやスロバキアもワクチン未接種者を対象にした行動規制を導入する。

米国でも感染再拡大への危機感が強まっている。

新規感染者数(同)は18日時点で約9万5千人に達し、およそ6週間ぶりに9万人を超えた。感染の中心地となっているのは中西部や北東部だ。ミシガン州の新規感染者が今夏のピークを超え、同州デトロイト市の学区は17日、12月の毎週金曜日は自宅でのオンライン授業に切り替えると発表した。国防総省は来週、中西部ミネソタ州に医療チームを派遣し、逼迫する病院を支援する。

米食品医薬品局(FDA)は19日、米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンについて18歳以上への追加接種の緊急使用許可を承認した。西部コロラド州やニューヨーク市など多くの地方政府は連邦政府の決定を待たずに追加接種を急いでいる。

バイデン政権のファウチ首席医療顧問は18日、米テレビ番組で「ワクチンの有効性は数カ月で低下する」と指摘。冬の感染者の急増を抑えるには「ワクチン未接種者が接種し、できるだけ早く接種完了者が追加接種を受けることだ」と強調した。

昨冬とは異なって、多くの国はワクチンの普及で死者や重症者を比較的抑えられている。飲み薬の実用化も近づき、新型コロナ対策の選択肢は広がっている。ただ、感染拡大に歯止めがかからなければ、重症者は増える可能性がある。どこまで踏み込んだ対策をとるべきか。各国は難しいかじ取りを迫られている。

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