[FT]米国通商代表、アジアでの「軌道修正」必要

[FT]米国通商代表、アジアでの「軌道修正」必要
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1919J0Z11C21A1000000/

 ※ この人のインタビューの映像も、NHKのニュース9で視た…。

 ※ 『8年以上も前に協議された通商協定よりも、現在の課題対処に適した仕組みが他にある』と言っているんだが、その「具体像」は、さっぱり見えては来ない…。

 ※ 『来年2月頃には、お示しできるかと思う…。』とも言っていたんで、注目しよう…。

『米国が、トランプ政権による通商協定離脱を経て、経済超大国としての信任の回復を目指すなかで、米通商代表部(USTR)のタイ代表は、アジア太平洋地域において米国の「軌道修正」が必要だと認めた。

キャサリン・タイ米通商代表(左)は、林芳正外務大臣から米国をCPTPPに再び導くよう要請された=ロイター

USTRのタイ代表は訪問中の東京で、日本の林芳正外相から直接、環太平洋経済連携協定(TPP)の新協定である「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定」(CPTPP)への復帰に向け米国を導いてほしいと要請された。

しかし、18日、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙との単独インタビューに応じたタイ代表は、CPTPPには参加せずにパートナー国との関係を強化する方針を表明した。8年以上も前に協議された通商協定よりも、現在の課題対処に適した仕組みが他にあると主張した。
中国が強硬姿勢を強めるなかでタイ代表が訪日したのは、日本をはじめとするパートナー国に米国の通商政策の「永続性」を印象づけることだと同代表は語った。

アジア太平洋地域で信頼度の回復を図るのかとの質問に対し、タイ代表は「狙いは軌道修正することだ」と答えた。さらに、米国は域内の同盟国に対して「政治的に幅広い支持を得られるような通商政策の永続性」を示す義務があると語った。

同氏は「中国が取る非市場経済的な政策や産業政策によって、我々は共通の課題に直面している。米国と域内のパートナー国には連携のチャンスがある」とも続けた。

経済力と軍事力を増す中国に対抗するため、バイデン米大統領はアジアの同盟各国との関係強化を図っている。

タイ代表は訪日中、日米で新たな二カ国間通商協議の場を設けることに合意したほか、日米欧の通商協定見直しにも合意した。日米双方とも詳細は発表していないが、両政府の関係者は、貿易を巡って米国が政治的に敏感になっていることの表れだとみている。

仮にCPTPPに加盟するのが最良の選択であるとバイデン政権が判断したとしても、国内には強い圧力があり、米国が地域的な通商協定への加盟を模索するのは難しいと複数の専門家はみている。
トランプ時代に一線を画する

日本の通商当局者らによると、タイ代表の訪日はトランプ時代と明確に一線を画すことに重点が置かれていたという。日米の新しい通商協議の枠組みは、インド太平洋への米国の関与強化を求める日本政府に対する米国の回答だったと日本側は言う。

一方、タイ代表は、新しい枠組みが、新型コロナウイルス禍からの経済回復や気候危機など、従来の地域的な通商協定の範囲に収まらない問題に対処する基盤になると説明した。
「日米で取り組むべきこと、協議すべきことが山積みだ。世界経済の問題はまたたく間に我々に押し寄せる。無駄にできる時間はない。新しい枠組みは、我々の関係強化に大いに資するはずだ」

タイ代表の訪問先には韓国とインドも含まれる。米国はTPP創設で中心的役割を果たしたにもかかわらず、4年近く前に唐突にTPPから離脱した。空中分解したTPPはCPTPPに形を変え、現在では中国と台湾から加盟申請を受けている。
新たな課題に直面する世界

タイ代表は、米国を含む12カ国がTPP合意に向けて協議を重ねたのは8年以上も前であり、現在は特に環境問題や新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)後の経済回復の問題があり、世界・地域の状況は様変わりしていると言う。

「我々は今現在も、堅固な経済回復を実現し、パンデミックから脱却しようと懸命に努力している。そうした喫緊の課題への取り組みが、我々のパートナーシップや域内関与につながる」

折しも、サプライチェーンの強さや資源安全保障の問題が浮上し、それらがアジア太平洋域内で中国と他国の「デカップリング」(分断)を加速する可能性があると懸念されている。タイ氏の発言は、そうした懸念とも符合する。

By Leo Lewis and Kana Inagaki

(2021年11月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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