米インフラ投資法成立、バイデン氏「21世紀競争に勝利」

米インフラ投資法成立、バイデン氏「21世紀競争に勝利」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15D7S0V11C21A1000000/

 ※ やっとこ、看板政策の一つが成立したようだ…。

 ※ インフラ整備なんで、共和党も、真剣には反対しなかったんだろう…。

 ※ 今回の「コロナ騒動」は、「需要の消滅」事態なんで、「需要創出効果がある」「公共工事」は、その点では、「理に適っている」と言える…。

 ※ しかし、旧態依然の「鉄とコンクリート事業」が中心だから、「真の生産性の向上」「未来に向けての投資」になるのかは、疑問もある…。

 ※ おまけに、「旧来からの労働者」の「取り合い」になるから、「インフレ懸念」もある…。

 ※ そこいら辺について、下記の「Think!」でも語られている…。

『【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は15日、1兆ドル(約110兆円)規模の超党派インフラ投資法案に署名し、同法が成立した。道路や橋、鉄道など老朽化したインフラを刷新するほか、高速通信網を整備する。「21世紀の競争に勝利し始める瞬間だ」と看板公約の実現を誇示した。

ホワイトハウスに法案に協力した与野党の議員らを呼んで、署名式典を開いた。演説で「米国のインフラ投資が中国より早く成長する」と競争相手である中国への対抗意識を鮮明にした。

法案は5年間で新たに5500億ドルを支出し、既存の予算を含めて計1兆ドル規模を投じる。5日までに議会の上下院が可決していた。
米国ではインフラの老朽化が進む=AP

道路や橋の改修に1100億ドル、バスなど公共交通機関の刷新に390億ドルを投じる。高速通信網や電力網の整備にいずれも650億ドルをあてる。75億ドルをかけて電気自動車(EV)の充電設備を全国に50万基設け、EVの普及を促す。

与党・民主党に加え、野党・共和党の一部も賛成した。米国ではインフラの老朽化が進み、与野党から大規模な投資を求める声が長年上がっていた。バイデン氏は「ついになし遂げた。米国は再び動き出す」と超党派での成果を強調した。

バイデン氏は子育て支援や気候変動対策を盛った1.75兆ドルの歳出・歳入法案の実現にも意欲を示す。同法案はバイデン氏のもう一つの看板公約だが、民主党内の対立で成立が遅れている。

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察

バイデン政権における内政での超党派法案の成立は、これが最初で最後でしょう。下院採決で賛成した13人の共和党議員はトランプ前大統領に「自分を恥じるべき」と批判され、同氏支持者の非難の電話が殺到したといいます。

今後のバイデン政権と民主党指導部は、下院の採決が間近の歳出歳入法案を含め、重要法案は共和党の支持は皆無、党内対立を乗り越えて造反をゼロに近づけないと否決されるぎりぎりの綱渡りの政権と議会の運営が続きます。

とはいえ、バイデン政権がこの苦境を脱する可能性は低くないと思います。トランプ氏が怒ったのも、インフラ投資法案の成立からバイデン氏が実績を積み上げていく可能性を感じ取ったからです。

2021年11月16日 9:34

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ひとこと解説

この背景には、海外でマクロ経済政策の新たな見方が生まれていることがあります。

具体的には、単なる量的な景気刺激策ではなく、成長を促す分野や気候変動対策などへの効果的な財政支出による成長戦略が、新たな経済・財政運営のルールとなりつつあります。

背景には、低インフレ、低金利において財政政策の役割も重要となっており、特にコロナ禍による総需要の急減は、低成長を恒久化する恐れがあることがあります。

日本においても、財政政策によって総需要不足を解消し、緩やかなインフレを実現することは、民間投資を促し、長期の成長を実現するためにも必要といえるでしょう。

2021年11月16日 8:09

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

バイデン政権にとって3月米国救済計画成立以来の前進となった。

インフラ法案は鉄道・道路・橋や送電線の補強やEV充電ステーションの拡充につながるのでバイデン政権の主要政策のひとつである環境政策の一部も含む。

この政策は米国の資本ストックを増やし生産性向上にも寄与し長期的には米国経済に資するし今後10年間かけて実施するものだが、消費者物価が6%をこえる高インフレのもとで総需要拡大による一段のインフレ押し上げが意識され政策の重要性が過小評価されてしまった点は残念だ。

また当初予定した企業増税により財源捻出もできなかったが歳入増にもつながるため議会予算局によれば10年間0.25兆ドルの財政赤字拡大ですむ。

2021年11月16日 7:17 (2021年11月16日 9:04更新)

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員

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分析・考察

これまでバイデン政権と民主党議会指導部は、党内左派が望む子育て支援、気候変動などを含む1兆7500億ドル規模の歳出法案(BBB)との同時採決にこだわり、党内の調整能力の欠如が、無党派層や民主党支持者から不信を持たれました。

それが11月2日のバージニア州知事選の民主党候補の敗北の一つに繋がり、大慌てで方針変更して今回の単独でのインフラ法案の成立にこぎつけました。

今後、残る宿題のBBBの成立も関心事項です。先日、日本に来ていた民主党議会スタッフの友人に感触を聞いたところ、「前向きに進んでいる」と楽観的でしたが、バイデン政権はインフラ法案の成立で一息ついて、残る宿題に取り組むということです。

2021年11月16日 7:54

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菅野幹雄
日本経済新聞社 ワシントン支局長・本社コメンテーター
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分析・考察

バイデン政権や米民主党の指導層は今回のインフラ投資と、子育て支援や気候変動などBBB(Build Back Better=より良き再建)関連法案の同時決着に長くこだわりすぎました。

中道派と左派の党内対立が解けず迷走を繰り返すなかで有権者が政権の実行力に疑念を募らせてしまい、バイデン氏は政治資本を相当すり減らしました。

15日のインフラ法案署名で看板政策のひとつが「やっと」実現に移るわけですが、公共事業が各地で実行されればそれ自体が不人気な物価上昇を引き起こす要因にもなります。

米メディアで今回の法案署名をバイデン氏の「勝利」と位置付ける論説もちらほら見かけますが、それには違和感を覚えます。

2021年11月
16日 7:16』