歴史決議で習氏譲歩 江沢民氏らの実績強調、長老ら説得

歴史決議で習氏譲歩 江沢民氏らの実績強調、長老ら説得
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM11E6G0R11C21A1000000/

 ※ 毛沢東、鄧小平、習近平…、と並ぶわけだから、そりゃあ、「長老」はじめ「他の有力党員」の反対論は、あったろう…。

 ※ そこを「押し切った」わけだ…。

 ※ 習氏の「手腕」と言うよりも、むしろ、「他の有力党員」の「このままでは、党は”瓦解”しかねない!」という「危機意識」の方が、強かったんだろう…。

 ※ しかし、「この手」は「最後の手段」で、もう「次の一手」は、無いような気がする…。

 ※ そういう意味じゃ、「背水の陣」を敷いてしまった…、とも言えると思う…。

『【北京=羽田野主】11日の中国共産党の重要会議で採決した第3の「歴史決議」には、それに至る党内での攻防の痕跡が随所に見て取れる。決議採択に対する慎重論を抑えるため、習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)が党内調整に腐心したとの見方が広がっている。

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複数の党関係者によると、歴史決議の草案作りが本格化したのは今年春だ。この草案をもとに7月1日の党創立100年の習氏の演説内容を作り込んだという。

歴史決議がおぼろげながらも輪郭を表したのは8月31日の政治局会議だった。中国国営の新華社が11月に開く第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)で「百年の奮闘の重大成果と歴史経験の問題を重点的に検討」し「総括する」と伝えた。

この時期に「歴史決議」と明記せず、「総括」とぼかしたのは党内で慎重論が多く、調整に時間がかかっていたためだ。北京市の大学教授は「歴史の転換点となる歴史決議をなぜいまやる必要があるのか、いまも改革開放を進めた鄧小平路線の延長だという声は多かった」と明かす。中国分析に定評のある香港紙、明報も「歴史決議に準じる扱い」にとどまると伝えた。

党内のもう一つの懸念は歴史決議が習氏の「終身制」につながるとの見方だった。1945年に第1の歴史決議を指導した毛沢東は82歳で死去するまで党トップの党主席だった。第2の歴史決議をした鄧小平も97年に亡くなるまで「最高実力者」としてカリスマを誇った。歴史決議が毛、鄧の権威を大幅に高めた影響が大きかった。

党内の懸念に応えるように、習氏は10月13~14日に開いた人民代表大会の工作会議で「一国の政治制度が民主的かは、国家の指導者が法に基づいて整然と交代できるかどうかで決まる」と発言した。

中国では現在、党トップの総書記や国家主席に任期はなく、終身制をさえぎる明示されたルールはない。習氏は国家指導者層の交代にあえて言及することで終身制の可能性についてはぐらかすあいまい戦略をとり、党内の警戒心を緩めようとした可能性がある。

正式に歴史決議を審議すると決まったのはこの発言の直後の10月18日だった。第1、第2の歴史決議は過去を「問題」としたのに対し、習氏の歴史決議は100年の歴史の「奮闘の重大成果」に焦点を当てた。これまでの路線を否定せず「習氏をひたすら賛美する」(党関係者)内容に徹した。

6中全会後に発表されたコミュニケ(公報)による歴史決議の概要をみると、毛、鄧、江沢民(ジアン・ズォーミン)元総書記、胡錦濤(フー・ジンタオ)前総書記、習氏の5人の指導者の業績をそれぞれ列挙した。

鄧の業績に言及するくだりでは「新中国成立以来の正反両面の経験を深く総括する」として、中国を大混乱に陥れた文化大革命を「誤り」とする鄧の判断を維持すると示唆した。

江氏は「社会主義市場経済体制」を確立し、胡氏は「全面的なつり合いをとって持続可能な発展に取り組むことを強調した」と指摘した。江氏らの実績を盛り込み、党内の長老らを説得したとみられる。』