大手銀5行、コロナ禍でも最高益へ 倒産が歴史的低水準

大手銀5行、コロナ禍でも最高益へ 倒産が歴史的低水準
5グループの4~9月期純利益 大幅増益に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD125R10S1A111C2000000/

 ※ ちょっと意外な話しだ…。

 ※ 『最大の増益要因は与信費用の少なさだ。融資が焦げ付く危険性があると見て、あらかじめ費用として積み増していた貸倒引当金を使わずに済んだ。三井住友と三井住友トラストは引当金を取り崩し、傘下銀行が「戻り益」を計上した。4グループ合計の与信費用(傘下銀行合算)は8割強減少の332億円で、前年同期と比べ2000億円近く利益を押し上げた。』ということなんだが…。

 ※ 飲食、宿泊、航空業界なんかは、「需要の消失」で大打撃なのは確かのハズだ…。
 ※ 政府の「手厚い保護策」が奏功した…、ということなんだろうか…。

『大手銀行5グループの連結純利益が新型コロナウイルス禍で不透明感が漂う中、最高益を更新する勢いだ。4グループの4~9月期の合計額は前年同期比66%の大幅増益。コロナ禍に伴い経済活動が停滞したものの、倒産件数が歴史的な低水準だった結果、損失計上を回避した。海外や個人分野で事業が復調し始め、15日に発表する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も最高益を更新する見通しだ。

【関連記事】

・三井住友FGの4~9月、純利益69%増 与信費用が減少
・みずほ、純利益8割増も障害重荷 新サービス投入できず

三井住友FG、みずほFG、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)、りそなHDの決算が12日に出そろった。4グループ合計の4~9月期の純利益は前年同期比66%増の1兆335億円で、コロナ禍前の19年4~9月期(9026億円)を上回った。

MUFGの4~9月期決算も前年同期(4008億円)を大きく上回る見込み。与信費用が減り、持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの業績好調が寄与したもよう。上半期で過去最高だったのは米モルガン出資に伴う負ののれんが生じた11年4~9月期(6960億円)。負ののれんをのぞいた実質ベースでは18年4~9月期(6507億円)。今中間期はいずれも超えそうで、通期で最高だった15年3月期(1兆337億円)を超えるかが注目点になりそうだ。

5グループ合計で上半期に過去最高だったのは18年4~9月期(1兆6964億円)。三井住友トラストが発足し11年3月期に今の5グループ体制になったが、メガバンク体制が整った03年3月期までさかのぼっても最高だった。今回、MUFGが最高益を更新すれば、リーマン・ショック前の最高値(06年4~9月期の1兆6712億円)を再び超えることになる。

最大の増益要因は与信費用の少なさだ。融資が焦げ付く危険性があると見て、あらかじめ費用として積み増していた貸倒引当金を使わずに済んだ。三井住友と三井住友トラストは引当金を取り崩し、傘下銀行が「戻り益」を計上した。4グループ合計の与信費用(傘下銀行合算)は8割強減少の332億円で、前年同期と比べ2000億円近く利益を押し上げた。

東京商工リサーチによると、4~9月の倒産件数は57年ぶりの少なさ。歴史的な低水準が銀行業績を押し上げる構図だ。

一方、成長を見込める分野で事業が回復し始めていることも大きい。その象徴が海外の投資銀行部門だ。

増益率が4グループ中、最高だったみずほは米国でのM&A(合併・買収)の助言や株式・債券の引き受け業務が好調だった。関連部門の業務純益は2割増えた。

各国中央銀行の積極的な金融緩和策を背景にカネあまりの様相が強まっている。ファンドによるM&A(合併・買収)や新規株式公開(IPO)、株式や社債の調達が活発になっており、追い風が吹いた。

米国勢も大幅増益基調で、7~9月期の最終増益率はゴールドマン・サックスが6割、モルガン・スタンレーが約4割に上った。

もう一つが国内における個人や中小企業向けリテール事業だ。

資産運用や不動産仲介が好調で、本業のもうけを示す業務純益が2割超増えた三井住友トラストの高倉透社長は「かなり手応えのある決算だった」と語る。

三井住友は中小企業の再編や不動産売買に伴う収入が増加。株高を背景に金融商品の販売も好調で、りそなも個人向けの投信販売やファンドラップが伸びた。「ずっと種をまいてきたストック型の収益が実ってきた」(りそなHDの南昌宏社長)という。

4グループ合計の連結業務純益は6%増の1兆3159億円。純利益と比べ伸び率が低調なのは、本業の稼ぐ力に課題が残っているからだ。

みずほは顧客部門で大幅に伸びたが市場部門の反動減で連結の業務純益はほぼ横ばいだった。みずほの場合、店舗統廃合などを進め採算確保を目指しているものの、国内の銀行単体の総資金利ざやはマイナスのまま。度重なるシステム障害の対策投資枠として通期で130億円も計上した。

22年3月期の通期の純利益見通しは、4グループ合計で1兆5000億円。18年3月期以来、4年ぶりの高水準を予想するものの、通期業績見通しを上方修正した三井住友とみずほの4~9月期の進捗率は約7割におよぶ。「足元の業績に比べて上方修正幅が慎重と言わざるをえない」(国内証券アナリスト)

慎重姿勢で構えているのはなお漂う不透明材料だ。

「半導体をはじめ供給網の寸断やエネルギー価格の高騰など不確定要素があるので十分注意しなければならない」。三井住友FGの太田純社長は警戒する。

「このまま回復に向かっていくとみるのは時期尚早」。みずほFGの坂井辰史社長は世界的な供給制約による取引先企業の業績悪化に備え、与信コストを積み増している。コロナ禍が一本調子で終息するか、なお半信半疑で見ている。

コロナ禍で支援した企業が再生できるか見極めるには時間がかかる。倒産が歴史的な水準で推移しているのは銀行が資金繰りを支援している成果だが、損失リスクがなくなったわけではない。』