「宮崎正弘の国際情勢解題」令和三年(2021)11月16日(火曜日)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月16日(火曜日)
通巻第7117号   <前日発行>
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 ※ こっちは、また「辛辣」だ…。

 ※ しかし、「ただ罵っている」だけでは、「分析」では無い…。

 ※ 「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず。」だ…。

 夢遊病者の悪質で幼稚な作文が習近平の六全中会報告
  マルクス・レーニン主義を構え直し、西側資本主義社会に挑戦を宣言
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 それにしても幼稚な作文としか言いようがない。
 「100年に亘る奮闘の重大な成果と歴史経験」なる決議文は、毛沢東、トウ小平と習近平を並べての自画自賛。思い上がりを周囲の誰も諫言できなかったのだ。

 曰く。
 「中央政治局は中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論にくわえて『三個代表論』(江沢民)、『科学的発展観』(胡錦涛)、そして習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を指針として堅持した」(すでに絶滅したマルクス・レーニンの亡霊が甦ったのかな。「偉大な」トカ「高く掲げて」トカの常套句は左翼特有のアジテーション語彙だ。

 また曰く。
 「科学技術の自立自強に向けた取り組みを積極的に進め、改革開放を不断に深化させた。貧困脱却の艱難攻略という戦いに予定どおり勝利した」(自立の技術なく、すべてを日米から盗み出し、貧困は深まり、一部の富裕層だけが肥ったことは『予定通り』だったけど)。

 「全党は唯物史観と正しい党史観を堅持し、過去に我々が何故勝利出来たかを見極め、初心を貫き使命を貫徹してゆく」(要するに嘘八百の党史観がただしい歴史観、つまり「正しい」という形容詞は、自己礼讃用語である)。

 「中華民族の復興を図ることは自らの初心、使命として、つねに共産主義の理想と社会主義の信念を堅持し、全国各民族を団結させ率いて、民族の独立と人民の解放を達成し、国家の富強と人民の幸福を実現するために」(団結とはほど遠い少数民族問題は看過した)。
 
 そして獅子吼した。
「過去の奮闘は『歴史における最も壮大な叙事詩』が書き上げられた」(もっとも悲惨な歴史記録を壮大な叙事詩とすり替えるのはアジテーションの芸術とも言える)。

 またまた曰く。
「旧中国の半植民地半分封建社会の歴史に完全に終止符を打ち、ごく少数の搾取者が広範な勤労人民を支配する歴史を完全に終わらせた」(この文言に行き当たると、えっと声をあげる。「極少数の搾取者」とは中国共産党幹部であり、「広範な勤労人民を支配」しているも中国共産党であるという実態を、こういう風に表現するんだ)。

 ▼香港とマカオは「愛国者の統治」とか

 そうやって「持続可能な発展」に取り組むそうだが、香港とマカオから自治を取り上げ、一国両制度の約束を踏みにじったことは「愛国者による香港統治」「愛国者によるマカオ統治」と置き換えられる。都合の悪いことはすべて「愛国」で誤魔化すわけだ。
 
 そして今後の計画は「四つの意識」「四つの自信」「二つの擁護」「五位一体」「四つの全面」という漢詩的語彙をきらびやかに並べて、まるで中味のない報告を派手な飾りをもって誤魔化した。
 ちなみに「四つの意識」とは政治、大局、核心、一致の意識だそうな。
ただし注目は「二つの擁護」であり、習近平の党中央と全党の核心としての地位を守ること。党中央の権威と集中的の徹底も擁護するとは、言葉を換えて言えば全体主義の独裁をますます強めるということである。

 結語は「中華民族の偉大な復興と中国の夢の実現であり、勝利の栄光を勝ち取った中国共産党と中国人民は、必ずや新時代の新たな道のりで勝利することが可能と確信している」となる。

 「中華民族」なる創造上の概念は存在しない。文化人類学的にも存在しないし、まともな神経の持ち主なら「中国の夢」とは悪夢であることくらい、党指導部は了解しているのではないか。
 もっとも、台湾侵略に触れていないが、この「中華民族の偉大なる復興」には、台湾を含めているから、わざわざの表記を避けたということだろう。

    ○△□◇ミ◎○△□ヤ○△□◇ザ◎○△□キ△□◇◎