中国で初めての自己破産者が出る。

中国で初めての自己破産者が出る。 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/27448683.html

『中国の深センで、中国史上初めての自己破産者が出ました。今更と我々は感じてしまいますが、中国では共産主義という建前上、自己破産という制度が無かったのです。実際、国法としては、未だに存在しておらず、今回の自己破産は、深セン独自の条例によるものです。

中国の経済は、バリバリの資本主義で動いていますが、法律面で見ると、建前上で存在しては困る、いくつかの法律が不備になっています。例えば、金融機関が破綻した時に、整理・救済する法律がありませんでした。あくまで個別に特別処置として処理してきました。今までは、金融機関の背後にいる共産党幹部が、権力で意地でも潰さなかったのですが、それも限界にきています。

これからは、金融機関の破綻も前提として社会の仕組みを作らないと、やっていけないので、建前を捨てて備えていくのが、前回の全体会議のテーマでした。個人破産も、そうした都合の悪い法律の一つで、共産主義の国で、個人破産者を認めるのは、思想的に矛盾する為に放置されてきたのです。

この方は、中国のモールで、テナントで入って、学習塾を経営していたとの事です。そのモールが潰れて、7千万円の借金を背負い、自宅の売却などの金策で、4千万円を返し、掛け持ちで仕事をして、9万円/月の収入の中から、借金の返済をしていました。しかし、武漢肺炎のパンデミックで、ロックダウンが入り、収入がゼロとなり、裁判所に対して自己破産の申立を行いました。それが、認められたという事です。

当然ながら、制度として自己破産者がいなかっただけで、借金でクビの回らない債務者は中国中にいます。特にクレジットカード、街金系の債務者が多く、法律が無いので、いつまで経っても不良債権としして残り続け、特に銀行は業務的に頭痛の種になっていました。もちろん、正確な金額は不明ですが、全体で100兆円ほどあると言われています。

不良債権の割合が一定のレベルを超えると、その金融機関の信用不安を引き起こすので、銀行側としても回収の見込みの無い債権は、整理して、精算をしたいのです。よく言われる、企業に対する貸付額からの一部債権放棄などが相当します。しかし、今までは、返済できない債務は、永遠に残り続けるしかありませんでした。

自己破産をすると、債務者の財産が全て管理下に入り、現金化できるものは返済に回し、収入の中から生活費として認められた金額を除く残りを返済にあてます。3年間続けた後に、返済できなかった分が、返済義務を免除されます。

中国では、文化大革命の時代に、密告が推奨された為、他人に対して警戒心が強いです。その為、何かしらの事業を始めようとした場合、親戚中から借金をして、自己資金で事業を起こすケースが多かったのです。信用できるのは、血のつながった家族だけという事です。その為、事業に失敗して返済に行き詰まると、自殺するケースが多かったのです。身の回りの人からの借金は、こういう点で厄介です。

しかし、経済が発展すると、事業開始に必要な初期投資の金額もハードルが上がり、銀行からの借り入れは、必須になってきました。しかし、制度上の建前として、破産者を認めたくない中国共産党は、破産や事業が失敗した時に整理・精算する法律を、明確に規定していませんでした。あくまで、個別に特別に処置してきました。

こういう制度の不備が見直されて始めたのは、成功・発展するのが当たり前の社会が終わった事を意味します。』