〔日本の「医療提供体制」は、「民間病院」が主流となっている〕

 ※ 今日も雑用に見舞われたんで、こんなところで…。

 ※ このコロナ対策の問題については、語っておきたいことがある…。

 ※ それは、日本の「医療提供体制」は、「民間病院」が主流となっている…、ということだ。

 ※ 民間病院に対しては、公的機関・公的権力と言えども、「公権力」を直接に行使することは、限定される…。

 ※ まず、一国において、「医者になる能力・資格がある人材」の数は限られている…。

 ※ そういう「人材」を前提に、その周辺に看護師・看護助手を配置し、医療事務関係職員も配置し、医療機器を備えた「病院」「診療所」を建築し、その「総体」がいわゆる「医療提供体制」となっているわけだ…。

 ※ 当然、そういうものの維持・運営には、「お金」がかかる…。

 ※ それを捻出するための一つの仕組みが、「健康保険」とかであるわけだ…。

 ※ 患者視点から見れば、「病気に罹った」ときは、「医者に診てもらいたい。」ということしか考えない…。

 ※ その先の、「病院」とか「医者」「その他の医療従事者」それら全体を包摂する、「一国の医療提供体制全体のシステム」とかということは、まず考えない…。

 ※ オレだって、このコロナ騒ぎになる前は、全く考えなかった…。

 ※ コロナ騒ぎになって、そういう関係の情報が数多く流通するようになったんで、断片的なものを繋ぎ合わせて、「こういうことなんだな…。」と一応把握したという程度のものだ…。

公立病院改革は、病院の経営効率性を高めたか

大阪大学 山内直人研究会 医療分科会
市後彩夏 櫻川京
鳰泰明 大林雅希
水津佐英子
2016 年 11 月

http://www.isfj.net/articles/2016/%E3%80%90%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%80%91%E3%80%90%E5%B1%B1%E5%86%85%E7%9B%B4%E4%BA%BA%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A%E3%80%91%E3%80%90%E6%AB%BB%E5%B7%9D%E4%BA%AC%E3%80%91%EF%BC%88%E5%85%AC%E7%AB%8B%E7%97%85%E9%99%A2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AF%E7%97%85%E9%99%A2%E3%81%AE%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%8A%B9%E7%8E%87%E6%80%A7%E3%82%92%E9%AB%98%E3%82%81%E3%81%9F%E3%81%8B%EF%BC%89.pdf 

 ※ そういうわけで、「公立病院」は、「非効率」「不採算」の極みで、どんどん「統合・廃止」、「民間でできることは、民間で!」という「制度改革」の流れがあったわけだ…。

 ※ そういう「医療提供体制」も、「平時」には、上手く回ってた…。「国民皆保険」に近い仕組みも、機能した…。みなさん、真面目に「保険料」を納付する「国民性」だからな…。

 ※ しかし、このたびの「コロナ事態」みたいな「非常時」には、上手く機能できないんだよ…。

 ※ 民間の「病院」「診療所」は、「自分たちの”食いぶち”」を確保しながら、「コロナへの対応」を迫られた…。

 ※ 「ウイルスによる感染症」が相手だから、通常の「医療の対応」とは、勝手が違う…。

 ※ まず、「一般患者の診療」と、「動線」自体を分離しなくちゃならない…。

 ※ 医者の先生、直接患者と接触する看護師、看護助手のみなさん自身を「防護」するための「防護服」「医療用マスク」「使い捨ての手袋」なんかも、潤沢に準備しなくちゃならない…。

 ※ 「ウイルス対策の知識」を学ぶ「研修」も、必要だ…。

 ※ そういう「非常時の対応」が、ワーっと押し寄せて来たわけだ…。

 ※ だから、「初期段階」では上手く対応できず、「○○病院で、クラスター発生!」となって、世間を驚かせることになったわけだ…。

 ※ 結局、「治にいて、乱を忘れず。」ということだ…。

 ※ 一旦確立したシステムに安住すること無く、常に「先のこと」を考え、「最悪の事態を想定して」システムの不断の改良に取り組んでいく…。

 ※ 非常時にも、ある程度対応できる「伸びたり、縮んだりするシステム」を構築する…。

 ※ まあ、「言うは易く、行うは難し。」だ…。

コロナ第6波対策、月内に病床3.7万人分確保 政府が決定

コロナ第6波対策、月内に病床3.7万人分確保 政府が決定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA11BLL0R11C21A1000000/

『政府は12日午前、首相官邸で新型コロナウイルスの対策本部を開き「第6波」対策をまとめた「全体像」を決定した。今夏の「第5波」と比べて感染力が倍になる事態を想定し、11月末までに3万7千人分の病床を確保する。12月から3回目のワクチン接種を始め、飲み薬の年内実用化をめざす。

岸田文雄首相は対策本部で「まず重要なことは最悪の事態を想定し、次の感染拡大への備えを固めていくことだ」と語った。

全体像は①医療提供体制の強化②ワクチン接種の促進③治療薬の確保④日常生活の回復――の4本柱で構成した。

今夏の「第5波」は感染力の強いデルタ型が流行し、最大で2万8千人の入院が必要になった。第6波でさらに3割増える場合を想定し、3万7千人分の病床を用意する。

重症になるリスクのある患者向けの臨時の医療施設や入院待機施設は今夏と比べ4倍弱の3400人が入れる体制を築く。全ての自宅・宿泊療養者について陽性が判明した翌日までに連絡をとる。迅速に健康観察や診療ができる体制を整える。

全国3万2千カ所の医療機関などと連携してオンライン診療や訪問看護を実施する。これまで保健所の対応に頼っていた。血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターを全自宅療養者に配れるよう計69万個を確保する。

第5波では確保していたはずのコロナ病床に患者を受け入れない「幽霊病床」の存在が指摘された。病院ごとの病床稼働状況を12月から毎月公表し、ピーク時の使用率を8割以上に高める。軽症者の宿泊療養施設も今夏より3割多い6万1千室を準備する。

感染力が2倍を超えて医療逼迫が見込まれる場合には、国の責任で通常医療を制限して病床を確保する。大都市など感染拡大リスクが高い地域に医療人材を派遣するよう、それ以外の地域の病院に国が要求・要請をする。

薬事承認されれば12歳未満へのワクチン接種も始める。米製薬大手ファイザーは5~11歳を対象にした接種を厚生労働省に承認申請している。3回目接種は医療従事者を対象に12月から着手し、2022年3月をめどに企業や大学などの職場接種を始める。

治療薬の開発を後押しするため、1つの薬剤あたり最大20億円を援助する。飲み薬の年内実用化を目指す。これまでに160万回分の飲み薬を確保している。このうち21年度中に60万回分を医療現場に供給できるようにする。

日常生活の回復に向けた方策も示す。海外渡航用に限定して発行していたワクチン接種証明書を国内でも利用できるようにする。年内にデジタル発行を開始する。感染拡大時には不安のある無症状者が無料で検査を受けられるようにする。

中長期的な感染症対策として、国や自治体が病床や医療人材を確保しやすくするための迅速な要請や指示ができる法的措置を検討すると明記した。』

中国の倒産制度

中国の倒産制度
https://www.city-yuwa.com/explain/ex_glossary/detail/china_tousan.html

 ※ 全国レベルの「個人破産制度」は無いが、深セン市のみに適用される「深セン経済特区個人破産条例」というものは、あるようだ…。

 ※ これが適用されたんだろう…。

『現行の中国の「企業破産法」は、国有企業のみを念頭に置いていた旧法(「企業破産法(試行)」(1988年11月1日施行))に代わり、2007年6月1日に施行された。中国語の「破産」のニュアンスは日本の「倒産」に近く、「企業破産法」において、企業に係る清算型の倒産手続のみならず、再建型の倒産手続が併せて規定されている。このうち、日本の破産に相当する手続は「破産清算」と呼ばれ、再建型倒産手続は「重整」、和議手続は「和解」とそれぞれ呼称される。このように日本語の漢字と中国語の漢字とで意味が似て非なるため、誤解が生じないよう注意する必要がある。

中国における企業の倒産制度は、基本的には、申立て要件、申立て受理決定の効果、管財人(中国語では「管理人」)の権限、再建型手続の進行、担保付き債権の処遇、一般債権者の取扱い、株主の取扱い、M&Aの利用などにおいて、日本における倒産制度と共通する仕組みの下に立法されていると評価することができる。他方で、日本の制度との比較の観点からの特色として、清算型と再建型が同一法典において規律されていることのほか、全ての倒産手続に管財人(管理人)制度が適用されること(例外的にDIP型が設けられており、債務者の申立てにより人民法院が認可することを条件に、管財人(管理人)の監督の下で自ら管理することも可能となる。もっとも、実務上、必ずしも採用される例は多くはない。)、否認事由が日本と異なり当事者の主観を考慮しないこと、無償行為否認の期間が受理前1年間であるなど債権者にやや厳しいことなどが挙げられる。

なお、2004年6月に全国人民代表大会に提出された「破産法(草案)」で個人破産制度の導入が見送られるなど、従前、中国において個人に係る破産制度はなかったが、2021年3月1日から深セン市において、初めて個人に係る破産制度が導入された(「深セン経済特区個人破産条例」)。

(弁護士 藤田直佑/2021年10月28日更新)』

中国で初めての自己破産者が出る。

中国で初めての自己破産者が出る。 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/27448683.html

『中国の深センで、中国史上初めての自己破産者が出ました。今更と我々は感じてしまいますが、中国では共産主義という建前上、自己破産という制度が無かったのです。実際、国法としては、未だに存在しておらず、今回の自己破産は、深セン独自の条例によるものです。

中国の経済は、バリバリの資本主義で動いていますが、法律面で見ると、建前上で存在しては困る、いくつかの法律が不備になっています。例えば、金融機関が破綻した時に、整理・救済する法律がありませんでした。あくまで個別に特別処置として処理してきました。今までは、金融機関の背後にいる共産党幹部が、権力で意地でも潰さなかったのですが、それも限界にきています。

これからは、金融機関の破綻も前提として社会の仕組みを作らないと、やっていけないので、建前を捨てて備えていくのが、前回の全体会議のテーマでした。個人破産も、そうした都合の悪い法律の一つで、共産主義の国で、個人破産者を認めるのは、思想的に矛盾する為に放置されてきたのです。

この方は、中国のモールで、テナントで入って、学習塾を経営していたとの事です。そのモールが潰れて、7千万円の借金を背負い、自宅の売却などの金策で、4千万円を返し、掛け持ちで仕事をして、9万円/月の収入の中から、借金の返済をしていました。しかし、武漢肺炎のパンデミックで、ロックダウンが入り、収入がゼロとなり、裁判所に対して自己破産の申立を行いました。それが、認められたという事です。

当然ながら、制度として自己破産者がいなかっただけで、借金でクビの回らない債務者は中国中にいます。特にクレジットカード、街金系の債務者が多く、法律が無いので、いつまで経っても不良債権としして残り続け、特に銀行は業務的に頭痛の種になっていました。もちろん、正確な金額は不明ですが、全体で100兆円ほどあると言われています。

不良債権の割合が一定のレベルを超えると、その金融機関の信用不安を引き起こすので、銀行側としても回収の見込みの無い債権は、整理して、精算をしたいのです。よく言われる、企業に対する貸付額からの一部債権放棄などが相当します。しかし、今までは、返済できない債務は、永遠に残り続けるしかありませんでした。

自己破産をすると、債務者の財産が全て管理下に入り、現金化できるものは返済に回し、収入の中から生活費として認められた金額を除く残りを返済にあてます。3年間続けた後に、返済できなかった分が、返済義務を免除されます。

中国では、文化大革命の時代に、密告が推奨された為、他人に対して警戒心が強いです。その為、何かしらの事業を始めようとした場合、親戚中から借金をして、自己資金で事業を起こすケースが多かったのです。信用できるのは、血のつながった家族だけという事です。その為、事業に失敗して返済に行き詰まると、自殺するケースが多かったのです。身の回りの人からの借金は、こういう点で厄介です。

しかし、経済が発展すると、事業開始に必要な初期投資の金額もハードルが上がり、銀行からの借り入れは、必須になってきました。しかし、制度上の建前として、破産者を認めたくない中国共産党は、破産や事業が失敗した時に整理・精算する法律を、明確に規定していませんでした。あくまで、個別に特別に処置してきました。

こういう制度の不備が見直されて始めたのは、成功・発展するのが当たり前の社会が終わった事を意味します。』

自民は公明頼みの選挙から目覚めよ

自民は公明頼みの選挙から目覚めよ 有元隆志(産経新聞月刊正論発行人兼国基研企画委員)
https://jinf.jp/feedback/archives/36026

 ※ 『だが、甘利氏自身は言及しなかったものの、自民党の選対関係者は「公明党とその支持母体である創価学会からの支援が十分に得られなかったことも敗北の大きな要因だ」』…。

 ※ 『前述の選対関係者によると、甘利氏と公明・学会との対立は、甘利氏が安倍晋三政権下で選挙対策委員長を務めていた時に深まった。甘利氏は当時、周辺に「学会は選挙協力という〝美名〟の下に、自民党支持層を侵食している」と語っていたという。』…。
 ※ 『甘利氏の危機意識を示したのが令和元年7月の参院選だった。自民党は公明党と選挙協力の合意文書を交わしたが、その中には「与党としての支持層拡大を目的とし、結果的に与党内部での集票活動の競合につながるような行為を互いに慎む」との文言が入った。

公明党幹部も認めるように、公明・学会は自民党候補を一律に支援するわけではない。選挙区内での地方選への協力の度合いなどを勘案し、選別している。その結果、特に公明党が強い都市部を中心に、選挙に弱い自民党候補ほど公明・学会への依存度が高くなっていく。甘利氏はそのことに警鐘を鳴らしたのだった。』…。

 ※ これが本当だとしたら、「獅子身中の虫」「大木を内部から浸食するシロアリ」だな…。

 ※ 自民党の各有力者の「勢力」を測る場合、「公明党との距離感」という視点も当てる必要があるだろう…。

 ※ それと、その選挙区が「都市部なのか、そうでないのか。」という視点も必要か…。

 ※ 甘利さん、公明党の「落選させる力」を見せつける「標的」にされた…、という側面もあるんだろう…。

 ※ その結果が、「18歳未満への一律10万円」だとしたら、本末転倒だ…。

 ※ それよりも、「思わぬ落選になったケース」が、こういう「力学」が働いた結果じゃないのかの「点検」が必要なのでは…。

 ※ 前記の記事の岸田さんが示した、菅さんへの「異例の気遣い」も、この文脈から見た方がいいかもしれないな…。

『自民党の現職幹事長だった甘利明氏が10月31日投開票の衆院選小選挙区神奈川13区(大和市・海老名市・綾瀬市・座間市の一部)で敗れた衝撃は大きい。甘利氏は比例代表で復活当選し、自民党も絶対安定多数(261)を上回ったが、油断は禁物である。それどころか、与党・公明党の支援なしに勝ち抜ける地力をつけないと、次回以降の選挙で勝ち続けるのは危うくなるだろう。

現職幹事長敗退の衝撃と背景

甘利氏が小選挙区で敗れた原因としては、自身の金銭授受問題への批判がメディアで大きく取り上げられたことが挙げられる。甘利氏を対象とした「落選運動」も展開され、本人も31日夜のテレビ東京の選挙特番で「ここまで苦戦するとは思っていませんでした」と語った。甘利氏はこのほか、野党の候補者一本化や新型コロナウイルスの感染拡大が影響したと指摘した。

だが、甘利氏自身は言及しなかったものの、自民党の選対関係者は「公明党とその支持母体である創価学会からの支援が十分に得られなかったことも敗北の大きな要因だ」と語る。

公明党は10月14日の中央幹事会で衆院選の第1次推薦を決定したが、その中に甘利氏の名前はなかった。岸田文雄首相をはじめとして自民党公認候補225人を推薦したにもかかわらずだ。自民党幹事長が第1次推薦に入らなかったのは異例だ。甘利氏は第2次推薦でも入らず、16日の第3次推薦でようやく入った。

前述の選対関係者によると、甘利氏と公明・学会との対立は、甘利氏が安倍晋三政権下で選挙対策委員長を務めていた時に深まった。甘利氏は当時、周辺に「学会は選挙協力という〝美名〟の下に、自民党支持層を侵食している」と語っていたという。

小が大を呑むことへの危惧

甘利氏の危機意識を示したのが令和元年7月の参院選だった。自民党は公明党と選挙協力の合意文書を交わしたが、その中には「与党としての支持層拡大を目的とし、結果的に与党内部での集票活動の競合につながるような行為を互いに慎む」との文言が入った。

公明党幹部も認めるように、公明・学会は自民党候補を一律に支援するわけではない。選挙区内での地方選への協力の度合いなどを勘案し、選別している。その結果、特に公明党が強い都市部を中心に、選挙に弱い自民党候補ほど公明・学会への依存度が高くなっていく。甘利氏はそのことに警鐘を鳴らしたのだった。

甘利氏の認識は正しい。自民党は公明党よりもはるかに多くの議席数を有しているにもかかわらず、選挙で頼っていると、「いつの間にか小が大を呑む形となり、公明党の意向を受け入れるようになってしまうとの危惧を甘利氏は抱いた」(同選対関係者)という。

甘利氏の推薦が第3次まで遅れた理由は明らかにされていないが、選対委員長当時の軋轢も影響しているといえるだろう。

甘利氏は、そうした認識を持っているならば、たとえ公明党の支援が十分に受けられなくても、小選挙区で勝ち抜くべきだった。甘利氏が小選挙区で敗北したことで、公明・学会の支援がないと幹事長といえども小選挙区では勝利できないとの印象を自民党内に植え付けてしまった。その意味では、甘利氏の責任は大きい。

自民党と公明党は連立を組んでいるといっても別の政党である。公明党は公明党の利益に沿って行動してきた。大阪では自民党だけでなく日本維新の会とも住み分けをしてきた。

東京都議選で公明党は4年前は長年続いた自公連携を解消し、小池百合子都知事が率いた都民ファーストの会と手を組んだ。自民党は半分以上減らす23議席という歴史的惨敗を喫した。自民党都連はこの屈辱を忘れたのか、6月の今回都議選では再び公明党と連携した。

パーマストンの名言かみしめよ

公明党への依存度を深めれば、公明党の意向に沿わない政策を進めにくくなる。岸田首相は北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて、国家安全保障会議(NSC)で敵基地攻撃能力の保有を含め、あらゆる選択肢を検討するよう指示した。ところが、岸田首相のこの方針に対し、公明党の山口那津男代表は選挙戦で敵基地攻撃能力の保有について「昭和31年に提起された古めかしい議論の立て方だ」と否定的な見解を示した。

公明党は昭和39年の結党以来、「全党を挙げて日中友好を推進してきた」(山口氏)。隣国と良好な関係を構築することは望ましいが、軍事力を急速に拡大しているのは中国だ。その現実に目を背けて、防衛費の増額や敵基地攻撃能力の保有に公明党が反対するというなら、連立の解消も考えるべきだろう。それくらいの覚悟を自民党は持つべきだ。

国際情勢を語る上でしばしば引用されるのが19世紀中葉に英国首相を務めたパーマストンの「わが英国にとって、永遠の友人もなければ永遠の敵もない。あるのは永遠の英国の国益のみ」という有名な言葉だ。これは日本にも当てはまる。20年以上の自公連携に慣れ切っている自民党議員にはこの言葉の重みをかみしめてほしい。』

菅氏と会談、異例の気遣い 政権安定へ関係修復狙う

菅氏と会談、異例の気遣い 政権安定へ関係修復狙う―岸田首相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021111100912&g=pol

『岸田文雄首相は11日、菅義偉前首相と首相官邸で会談した。菅氏の在任中の新型コロナウイルス対応に謝意を示した上で、政権運営への協力を要請した。不仲が指摘される両氏だが、岸田氏は出迎えと見送りを自らの執務室ではなく、わざわざ階下のエントランスで行うなど異例の気遣いを見せた。政権安定に向け、関係を修復する狙いがあるとみられる。

第2次岸田内閣が本格始動 菅前首相に協力要請

 10月4日の首相交代後、2人の面会は初めて。菅氏は岸田氏の自民党総裁選出馬表明を引き金に退陣に追い込まれていった経緯があり、しこりが残っているとされる。

 会談は岸田氏が「議員会館の事務所に伺いたい」と申し入れ、菅氏が自分から出向くと応じて実現した。岸田氏はコロナ対策について「今後も協力してほしい」と求め、菅氏は「もちろんそうする」と答えた。会談時間は約20分間で、甘党の菅氏の大好物であるどら焼きを食べながらだった。岸田氏は「気になることがあったら、いつでも言ってほしい」とも語ったという。

 菅氏をめぐっては、岸田氏と距離を置く二階、石破、石原各派との連携強化の臆測が自民党内で飛び交う。政府内では、菅氏退陣後に政権批判を強める日本維新の会とのパイプ役になってもらう期待もあり、「首相は菅氏に接近を図っているのではないか」(関係者)との見方が出ている。 』

安倍政権の看板部署廃止

安倍政権の看板部署廃止
「岸田内閣の政策進める」
https://nordot.app/831743365922750464?c=39546741839462401

『松野博一官房長官は12日の記者会見で、安倍政権の看板政策を進めた四つの部署を廃止したと発表した。1億総活躍働き方改革人生100年時代統計改革を推進した4室。松野氏は統廃合の理由を「岸田内閣の政策を進めるためだ」と説明した。

 感染症対策を担う内閣官房組織も統廃合した。「新型コロナウイルス感染症対策推進室」「新型インフルエンザ等対策室」「国際感染症対策調整室」の三つを「新型コロナウイルス等感染症対策推進室」に一本化した。』

林外務大臣会見記録(令和3年11月11日(木曜日)10時27分 於:本省会見室)

林外務大臣会見記録
(令和3年11月11日(木曜日)10時27分 於:本省会見室)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken24_000076.html#topic4

 ※ こんな風に、ネットじゃ「一字一句、喋ったことのテキスト起こし文」(お役所の公認版)が載るから、「捏造」のしようが無い…。

 ※ オールド・メディアが「世論操作」(「印象操作」)できる領域は、日に日に「狭く」なって行っているわけだ…。

 ※ 外交方針の全般に渡って述べているが、ここでは特に「日韓関係」に焦点を当てて、紹介する。

『 冒頭発言

外務大臣としての抱負

【林外務大臣】外務大臣を拝命いたしました林芳正でございます。どうぞ宜しくお願いいたします。

 私(林大臣)は以前、防衛大臣、また参議院におきまして外交防衛委員長、また自民党におきまして外交経済連携調査会長、こういうものも務めておりまして、様々な機会を通じて、議員外交等も含めまして、各国との交流を進めてきたところでございます。今回、外務大臣を拝命しましたことは、大変光栄であり、身が引き締まる思いでございます。

 現在、国際社会は時代を画する変化の中にあります。これまで国際社会の平和と繁栄を支えてきました普遍的な価値、また国際秩序、こういったものに対する挑戦が厳しさを増しておりまして、また、経済的要因が安全保障を大きく左右するようになってきております。

 そうした中で、岸田総理が掲げられたとおり、先輩方の努力によって、この日本への信頼というものが得られてまいりました。これを基礎にして、普遍的価値を守り抜く覚悟、日本の平和と安定を守り抜く覚悟、そして人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟、こういった三つの「覚悟」をもって、外交を展開してまいりたいと、こういうふうに思っております。

 具体的には、まず、日本の外交・安保の基軸であります日米同盟を更に深化をさせまして、その抑止力・対処力を強化することが重要であるというふうに考えております。

 そして「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けました取組を引き続き力強く進めてまいりたいというふうに思っております。

また、この法の支配を始めとする基本的価値や原則、これに基づきました自由で開かれた秩序の構築に向けて、米国豪州インドASEAN欧州、こういったところとの連携を一層強化しまして、国際社会を主導していきたいと、こういうふうに考えております。

 また、近隣諸国等との関係については、難しい問題に正面から毅然と対応しつつ、安定的な関係を築くべく取り組んでまいりたいと思っております。北朝鮮の拉致・核・ミサイル、こういった諸懸案にもしっかりと対応してまいりたいと思います。

 更に、新しい時代に対応したルール作りや国際秩序の構築に向けまして、経済外交に加えて、気候変動、コロナ、軍縮不拡散といった地球規模課題への対応に主導力を発揮いたしまして、国際社会での日本の存在感、これを高めてまいりたいと思っております。

 各国の外務大臣との間で信頼関係を構築しながら、これまで日本外交が積み上げてきた成果を土台にいたしまして、更なる日本外交のフロンティアを切り拓いていきたいと思います。私(林大臣)からは、冒頭、以上でございます。』

『 日韓関係

【韓国YTN 李記者】日本政府は、今まで慰安婦など懸案に関しまして、このまま問題を放置してはいけないと言いながらも、解決策は韓国が出すべきだという姿勢であります。
 日本政府は、今まで何の努力をしてきて、今からどんなふうに取り組むおつもりなのか、これを伺いたいと思います。そして、日本政府は受入れ可能な解決策を求めている訳ですけれども、具体的な条件は何なのでしょうか、お願いします。

【林外務大臣】日韓関係についてのお尋ねでございますが、北朝鮮への対応も含めまして、地域の安定にとって日韓、また米国を含めた日米韓、この連携は不可欠であるというふうに考えております。

 その上で、日韓関係は、今お話のありました旧朝鮮半島出身労働者問題や、いわゆる慰安婦問題よって、非常に厳しい状況にあるというふうに考えておりますが、このまま放置することはできないというふうに考えております。

 国と国との約束を守るということは、やはり国家間の関係の基本であるというふうに考えております。日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づいて、韓国側に適切な対応を強く求めていきたいというふうに思っております。

 旧朝鮮半島出身労働者問題につきましても、韓国側が日本側にとって受入れ可能な解決策、これを早期に示すように強く求めてまいりたいと思いますし、また、慰安婦訴訟判決につきましては、韓国が国家として適切な措置を講ずること、これを強く求めていきたいというふうに思っております。』

『 日韓関係

【聰合ニュース イ・セウォン記者】韓国と日本の関係についてお伺いします。2019年12月の安倍政権時代以降、両国の間で正式な首脳会談は開かれていません。そして、外務当局の間でも意思疎通がそんなに円滑に行われていないと見られます。外務大臣として、韓国との意思疎通、コミュニケーション、高位級レベルの会話をどういうふうに進めていくか、教えてください。

【林外務大臣】先ほども同趣旨のご質問があって、お答えしたとおりですが、更に、日韓関係、全般についての考え方ということで申し上げますと、韓国は重要な隣国であるということでございますので、非常に厳しい状況にある日韓関係をこのまま放置するわけにいかないというのが私(林大臣)の考え方でございます。

同時に、これも先ほどの繰り返しになりますが、国と国との約束を守るということは、やはり、国家間の関係の基本であると考えております。日韓間の難しい問題について、韓国側には適切な対応を取ってもらう必要があるというふうに考えております。

日韓関係を健全な関係に戻して、そして、その上で幅広い分野で協力すべく、外交当局間の協議や意思疎通、これを加速していきたいというふうに思っております。』

『 TPP11(韓国の参加)

【韓国世界日報 キム記者】韓国政府は、今、CPTPP参加を検討しています。韓国のCPTPP参加に対して日本政府の立場は何ですか、日韓間の政治的な、歴史的な問題がこれに壁になる可能性はありますか。そして、茂木さんは、韓国の姜(カン)大使とも会ったことがないです、提案すらなかったですけど、外務大臣は、今後、韓国の大使とも会うとか、計画があるかどうかをお聞かせください。

【林外務大臣】まずTPP、CPTPP等についてのお話がございましたが、この中国、台湾、また英国等の加入申請については承知をしておりますが、韓国については、まだ承知しておりませんので、また、情報等を把握してまいりたいというふうに思っております。

 そして大使とは、まだ私(林大臣)も就任早々でございますので、今のところまだ予定はございません。

AIが生成する「実在しない顔」 簡単に見破る方法

AIが生成する「実在しない顔」 簡単に見破る方法
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC047230U1A101C2000000/

『人工知能(AI)が生成した「実在しない人物の顔写真」を見たことがある人は多いだろう。不自然さを感じさせず、本物にしか見えない。このため一時期話題になり、「複数の顔写真から、実在しない人物を当てる」といったキャンペーンやウェブサイトも作られた。実在しない人物の顔写真を生成するウェブサイトもある。

顔写真の生成には、敵対的生成ネットワーク(GAN)と呼ばれる技術が使われている。GANは2種類のAIを競わせて画像などを生成する技術である。この場合、架空の画像を生成するAIとその精度(人間らしさ)を判定するAIを競わせることで、より自然に見える画像を生成するという。

様々な可能性を感じさせる技術であるが、悪用も確認されている。その1つがSNS(交流サイト)アカウントのプロフィル画像への使用である。架空のアカウントを作成し、そのプロフィル画像に実在しない人物の顔写真を使用するのだ。そしてそのアカウントを使って詐欺を働く。

実在する人物の画像を使うと詐欺がばれやすい。例えばグーグルの画像検索などを利用されると、画像の流用に気づかれる可能性が高い。だが、AIが生成した顔写真を使えばその心配はない。

このため純粋な研究目的に加えて悪用対策としても、AIによる顔写真を見破る方法がいろいろ提案されている。米ニューヨーク州立大学オールバニ校などの研究者が2021年9月に発表した方法もその1つだ。

ただ、この方法は他の方法とは大きく異なる特徴がある。それは、驚くほどに簡単なことだ。一体、どのような方法なのだろうか。

瞳孔が円形なのは当たり前のはず

この方法を研究する出発点になったのは、「AIが生成する顔の瞳孔は、滑らかな円や楕円ではない場合がある」という観察だったという。「私たちの方法は、人間の瞳孔はほぼ円形でなければならないという単純な生理学的仮定に基づいている」と研究者らは論文の中で述べている。

論文での実験では、AIで生成した顔写真と実在する人物の顔写真をそれぞれ1600点用意し、画像処理によって瞳孔の「楕円度」を計算した。

顔写真の生成には「StyleGAN2」と呼ばれる最新のモデルを使用。実在する人物の顔写真には、実験用に収集された「Flickr-Faces-HQ」と呼ばれるデータセットを使った。

実験では、顔写真から目の場所を特定してトリミングする。そして、目の画像から抽出した瞳孔の形状が楕円形に近ければ実在する人物と判定する。

今回の研究での画像処理。(a)入力された高解像度の顔写真、(b)トリミングされた目の画像、(c)(b)から予測された目の瞳孔の形状、(d)(c)を補完した楕円形。(c)と(d)が近ければ実在する人物と判定する。この顔写真は架空の人物(出所:Eyes Tell All: Irregular Pupil Shapes Reveal GAN-generated Faces)

実験結果は、研究者らが予想した通りだった。楕円度を0から1までの数値に変換すると、AIで生成した顔写真はおよそ0.3をピークに分布。一方実在する人物の顔写真はおよそ0.7をピークに分布していた。つまり、楕円度が大きければ実在、小さければ架空の人物と判断できる。

「楕円度」の分布。横軸のBIoUが楕円度に相当する。AIが生成した顔写真が「GAN-faces」、実在する人物の顔写真が「Real」(出所:Eyes Tell All: Irregular Pupil Shapes Reveal GAN-generated Faces)

研究者らによると、画像処理をするまでもないという。顔写真を十分に拡大して瞳孔の形状をチェックすれば、実在する人物かどうかを簡単に判断できるという。

実際、論文に掲載されているサンプルを見ると、架空の人物の瞳孔は明らかにいびつな形状をしているのが分かる。

左が実在、右が架空の人物の顔写真(出所:Eyes Tell All: Irregular Pupil Shapes Reveal GAN-generated Faces)

顔写真が本物かどうか確認したい方はぜひ試していただきたい。

とはいえ、いつまで有効か分からない。あまりにも簡単な方法がゆえに、対策も容易だからだ。読者の多くの方が考えたように、顔写真の生成時に瞳孔を楕円にする処理を加えたら、この方法は通用しない。

研究者らも認識している。一部のメディアによると、顔写真を生成するプログラムに、瞳孔を丸くする機能を追加するだけで回避できると述べているという。

(日経クロステック/日経NETWORK 勝村幸博)

[日経クロステック2021年11月4日付の記事を再構成]』

宏池会の伝統、政権の行方

宏池会の伝統、政権の行方
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA275WW0X21C21A0000000/

 ※ 宏池会は、自民党の中では「リベラル寄り」で、ずっと「お行儀の良い”お公家さん”集団」と揶揄されて来た…。

 ※ 登場して、喋っている人たちも、言ってる内容も、そういう感じだな…。

 ※ しかし、「今現在の情勢」は、そういう「伝統的なリベラル」で対処できるような生易しいものじゃないだろう…。

 ※ 「新しい資本主義」「分配と成長の好循環」とか、「空虚なスローガン」を並べているだけで、問題解決するとも思えない…。

 ※ まあ、まだ「政策の中身」すらはっきりしない段階だからな…。

『自民党総裁選で岸田文雄氏が勝利し首相に就任した。宏池会(現岸田派)トップの首相は1993年まで務めた宮沢喜一氏以来、28年ぶりだ。首相が就任後すぐに断行した解散・総選挙で自民党は261議席と絶対安定多数を獲得した。宏池会の議員OBらに政権の展望と首相への注文を聞いた。

存在意義は安定と永続性 元運輸相・森田一氏

衆院選は岸田文雄首相にとっていい結果になった。あの人に任せておけば希望に反することはないという安定感が首相にある。

私が秘書官を務めた大平正芳(元首相)の安定感に通じるものがある。岸田氏が首相になる前は時折電話で連絡をとっていた。宏池会を立ち上げた池田勇人元首相、大平のあとを継ぐ首相になるよう望みたい。

新型コロナウイルスの感染拡大で経済が難しい状況にある。首相にとっては試練だと思う。大平は学者グループをブレーンにしていた。首相は「新しい資本主義実現会議」を立ち上げた。学者や言論人の知識を活用して乗り切ってほしい。

首相は国民の声をノートに書き留めていることが話題になった。大平もノートに大量にいろいろなことを書き留めていた。好き嫌いとか人物評も含めてかなり生々しいことが書いてある。

日本政治や自民党にとっての宏池会の存在意義とは「安定性と永続性」だと考える。自民党の派閥の歴史をたどると、トップが変わるとがらっと中身が変わってしまう派閥もあった。

その点宏池会には一本の筋がある。名前も変わらない。平和主義とか国際性とかの理念がずっと続いている。

時代とともに変わってしまったのは個々の政治家の派閥のリーダーへの忠誠心だろうか。池田氏にも大平にも、この人のためなら死んでもいいという周辺がいた。今の政治家はその心意気が乏しくなっている。

最近の政策で気になるのは財政の持続性だ。これは首相は将来への責任として目指していかないといけない。

外交では中国や北朝鮮の情勢を最も考えるべきだ。中国はこれからもどんどん大きくなる。日本の中国との付き合い方は難しくなる。

大平が田中角栄元首相と取り組んだ日中国交正常化は私も中国に随行しエキサイティングな体験だった。当時は日本は中国の先生といわれた。今は違う。

大平の遺産として忘れてほしくないことは庶民の感覚だ。エピソードを紹介すると、大平は風呂に入ったときに湯があふれると機嫌が悪くなった。もったいないだろうと。

夜に家に帰ってくる前に秘書は家中の電気を消した。首相は世界を見渡すことも大事だが、一般の人の目線を持つことも必要だと感じる。

「新自由主義」から脱却を 元厚生労働相・柳沢伯夫氏

28年ぶりに宏池会政権が誕生したのは社会が疲弊した日本を立て直してほしいという国民の期待のあらわれだろう。岸田文雄首相には宏池会の伝統と理念に基づいて日本を引っ張っていってほしい。

最も期待するのはいきすぎた規制緩和とそれに伴う非正規雇用の増加の是正だ。首相も言う「新自由主義的政策」からの脱却が不可欠になる。

労働者の派遣先として製造業も認めた法改正はよくなかった。非正規雇用が増えたことはいろいろな社会問題につながっているのではないか。

自民党が衆院選で勝ったのは首相が掲げる新自由主義からの脱却が信任を得たためだといえる。

首相自身の選挙を経た変化も衆院選での勝利につながった。かねて批判を受けた「カリスマ性がない」「力強さが足りない」という姿は見るかげもなかった。

選挙戦終盤の応援演説では創設者である池田勇人元首相の演説に見劣りしない力強さを感じた。

一方で政策にはもう少し具体性を持たせるべきではないか。例えば首相が掲げる「成長と分配の好循環」の成長について、どの分野での成長を目指しているのかが具体的に見えてこない。

首相の頭の中にはあると思うが、情報産業やプラットフォームビジネスなどに絞り経済の成長を強く打ち出すべきだ。米国の巨大IT企業、GAFAなどが猛烈に利益をあげている。日本は私が現職議員の時代から遅れたままだ。

財政再建は常に頭に置いておかなければいけない課題だ。将来に禍根を残すと意識しにくい仕組みになっていて危機感が足りない。

今すぐどこを増税したら解決するという話ではないが、最終的に頼るのは消費税になる。将来的には増税を検討していくことになるだろう。

所得税や法人税の増税も理解はできるが、他国との競争があり日本だけ高くすることはできない。

首相には宏池会らしい外交を見せてほしい。宏池会の理念は「軽武装・経済重視」だが、これは経済さえやっていれば外交や防衛を考えなくていいということではない。

大平正芳元首相が外相として活躍したのも参考にしながら、これまでのやや右派的な外交から路線をシフトすべきだろう。

首相は外相経験が長いこともあり、ややもすると外交観が外務省寄りになってしまう部分もあるかもしれない。宏池会の外交の基本は「中道」だ。

(聞き手は神保寧央)

権力の行使、抑制的に 独協大学教授・福永文夫氏

宏池会は「保守本流」とされる。米国との講和、独立で日本の基礎を築いた「吉田政治」を源流とする政治潮流が保守本流だと言われる。

政策面では対米協調、平和憲法堅持、開放経済、対中関係改善・アジア重視の外交が特徴だろう。政治行動としては寛容と忍耐、話し合いの政治を重視してきたとOBは語る。

池田勇人、大平正芳元首相らは60年安保で分断された国民を統合した。彼らが形づくった「戦後保守」は国家主義ではなく国民とともに歩む保守だと考える。

岸田文雄首相の政策には宏池会に受け継がれてきた構想のエッセンスが染み込んでいるように思える。

新自由主義に対する「新しい資本主義」の実現、成長と分配の好循環、デジタル田園都市国家構想などが一例だ。だがどのような未来図を描くかはまだ見えてこない。

リベラリズムとは他者に寛容であることだ。池田氏、大平氏らは野党や国民との対話による合意形成が政治の要諦であると知っていた。国民に寄り添う姿勢があり国民とともに歩もうとしていた。権力の行使には極めて抑制的で懐疑的だった。

首相は人の話を聞く能力には自信があるという。議会のライバルである野党だけでなく、その向こうにいる国民にどう語りかけることができるかが問われている。
記者の目 経済や外交、時代との戦い

宏池会は5人の首相を輩出してきた。創設者の池田勇人氏、大平正芳氏は自民党内の権力闘争をへて宰相になった。大平氏は田中角栄氏との盟友関係をてこに総裁選で現職首相の福田赳夫氏を破った。

鈴木善幸、宮沢喜一両氏は戦って勝ち取った首相とは言いがたい。鈴木氏は大平氏の急死を受けた裁定による選出だった。宮沢氏は当時の竹下派の支持を得た。同派の会長代行の小沢一郎氏が総裁候補を「面接」したエピソードは有名だ。

岸田文雄首相が選ばれた総裁選は派閥の合従連衡はあったが、かつての会長が経験した戦いの場面もあったように感じる。

森田氏は派閥の理念に「安定」を挙げた。安定は経済成長と確かな外交・安全保障が前提だ。池田、大平両氏とは異なる時代状況との戦いが待ち受ける。(亀真奈文)』

土石流「人災」防止へ問われる法整備

土石流「人災」防止へ問われる法整備 抜け穴対策焦点に
編集委員 谷隆徳
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD016IT0R01C21A1000000/

 ※ 『産業廃棄物ならば廃棄物処理法で処分方法が厳しく定められている。一方で、建設残土は再利用が可能な有価物という位置づけだ。その分、規制が緩く、残土を保管しているという名目で実際には産廃が不法投棄されることもある。』…。

 ※ なるほど、ここがポイントか…。

 ※ 「建設残土」ということだと、「有価物」=個人の所有財産…、という扱いだから、公的機関・公権力の「強制力」を、及ぼしにくいわけだ…。

 ※ そこいら辺を、こういう「業者」は、巧みに突いて来るんだろう…。

 ※ ちょっと疑問なのは、「建設残土」の方は業者の私有財産だとして、それを「置いた」土地の所有関係・土地利用の権利関係は、どういうことになっているんだろう…。

 ※ そっち関係の情報は、あまり出ていないようだな…。

 ※ 犠牲者が「28人」も出た大災害だ…。

 ※ しっかり、「責任追及」しないとな…。

『静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けて、政府は再発防止策の検討を始めた。都道府県を通じて全国の盛り土を総点検したうえで、12月にも対策をまとめる。既存の法律の抜け穴をなくし、危険な盛り土の造成を防ぐ総合的な法制度を打ち出せるかどうかが焦点となる。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。

7月3日に熱海市で発生した土石流は130棟に上る建物を巻き込み、多数の死傷者を出した。現地では土砂の搬出がようやく進み、被災地に近くて校舎を使えなかった地元の小学校でも11月1日から授業が再開された。

今回の災害が豪雨に伴う単なる天災ではないのは、上流部にあった盛り土が県の条例に違反していたとみられるためだ。条例が定める上限の約3倍の高さがあり、盛り土の量も届け出を大幅に上回っていた。
静岡県警が家宅捜索に入った不動産管理会社の建物(10月28日、神奈川県小田原市)=共同

雨水などを流す排水施設も不備だったもようで、木くずなどの産業廃棄物が混ざっていたことも分かっている。静岡県警が業務上過失致死などの疑いで強制捜査に踏み切ったのも、こうした点に着目したためとみられる。
10年前から危険性を認識

行政の対応にも批判が噴出している。市や県が公表した資料によると、少なくとも2010年の段階で行政も危険な状態にあると認識していたからだ。

11年には造成を続ける不動産業者に対して安全対策を求める措置命令を出す方針を固めたが、結局、見送った。この点でも「人災」といえるのだろう。熱海市議会は地方自治法100条に基づく強い調査権限がある調査特別委員会(百条委員会)を設置し、災害の経緯や市の対応などについて調べることを決めた。

土砂を人工的に固めた盛り土は適切な工法ならば強度があるが、今回のように山の斜面に沿って階段状に設ける場合、一部が崩れると連鎖的な崩落が起こりやすい。国土が急峻(きゅうしゅん)な日本は、各地で谷を埋めたり、山間の傾斜地を整地したりして利用している。これまでもしばしば盛り土の崩落事故が発生しており、広島県東広島市では09年、民家に土砂が流れ込み、死者も出ている。
静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流の起点付近(7月3日)=共同、県提供

盛り土の造成には目的や場所ごとに様々な規制がある。宅地造成の場合、面積が500平方メートルを超すと宅地造成等規制法の対象になり、盛り土の流出を防ぐ擁壁の設置が求められ、工事完了時には都道府県が検査する。1ヘクタールを超す山林開発ならば森林法、農地ならば農地法の規制がかかる。
規制の緩い建設残土

しかし、実際には個別法の適用外になるケースが多く、熱海市の事例もそうだった。自治体の条例がこの穴をある程度塞いでいるが、規制内容にはばらつきがあり、実効性に欠ける面もある。熱海市の斉藤栄市長は「人災という側面も否定できない」とする一方で、市の権限は限られていたと弁明する。

産業廃棄物ならば廃棄物処理法で処分方法が厳しく定められている。一方で、建設残土は再利用が可能な有価物という位置づけだ。その分、規制が緩く、残土を保管しているという名目で実際には産廃が不法投棄されることもある。
全国3万~4万カ所を調査

今回の災害では、発生直後に赤羽一嘉・前国土交通相が全国的な調査に乗り出すことを表明。政府は土砂災害警戒区域や大規模な造成地など全国で3万~4万カ所を対象に総点検を進めている。内閣府に9月末、有識者からなる「盛土による災害の防止に関する検討会」も設けた。年内にも対策をとりまとめる予定だ。

今後、ポイントとなるのは大きく2点ある。ひとつは点検で発覚した危険な盛り土をどうするのかだ。もちろん、所有者や造成者が対策を講じることが原則だが、熱海で盛り土を造成した業者がすでに会社清算されているように、当事者任せでは動かないことも予想される。

そうなると行政が代執行せざるを得ないが、費用が問題になる。産廃の不法投棄を行政が除去する場合、産業界と国で設置した基金から財政支援している。こうした仕組みが参考になる。
建設残土の流れ、把握する仕組みを

次に再発防止策だ。全国知事会は熱海の災害を受けて「建設残土に関する全国統一の基準・規制の早期設置」を求めた。法律の抜け穴を防ぎ、不適切な盛り土の造成をなくす法制度が要る。

建設残土の発生から活用・処分までの流れを把握することも再発防止につながる。内閣府の検討会では「(産業)廃棄物と同じように残土についても排出者がその適正処理に責任を担う必要がある」(袖野玲子芝浦工業大教授)という意見が出た。不適切な処分をした業者だけでなく、問題を引き起こす背景まで視野に入れて新たな対策を考えることが重要だ。』