日本にコロナ飲み薬160万回分供給 米メルクと政府合意

日本にコロナ飲み薬160万回分供給 米メルクと政府合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC109YC0Q1A111C2000000/

『米製薬大手メルクは10日、開発中の新型コロナウイルス治療薬「モルヌピラビル」の供給について、日本政府と合意したと発表した。160万回分を約12億㌦(約1300億円)で供給する。近く承認申請する見通しで、認められれば軽症・中等症の患者向け飲み薬としては日本で初めてとなる。自宅で治療しやすくなり、医療逼迫の抑制が見込まれる。

岸田文雄首相は同日の記者会見で、飲み薬について承認されることを前提に「速やかに60万回分を医療現場に提供する」と述べ、さらに100万回分を確保する姿勢も示していた。政府は実用化した際にすぐに確保できるよう、承認審査に先行して供給を取り付けた。

後藤茂之厚生労働相も同日、記者団に対し、承認された場合は年内にまず20万回分が納入されるとの見通しを明らかにした。続いて来年2月と3月に20万回分ずつ納入され、「さらに追加の100万回分も確保している」と述べた。

モルヌピラビルはメルクと米リッジバック・バイオセラピューティクスが共同開発した抗ウイルス薬。臨床試験(治験)の中間解析データでは、重症化リスクのある患者の入院・死亡リスクを約50%下げる効果があった。

英国では4日に世界で初めて使用が認められた。米国でも緊急使用許可を申請中だが、米政府は既に310万回分を約22億ドルで契約した。英政府とは48万回分、オーストラリア政府とも30万回分の供給で合意している。

メルクは2021年中に1000万回分の薬を生産する予定。各国の需要に対応するため、22年末までに生産体制を年間2000万回分以上に拡大する計画だ。

日本政府はコロナ治療薬の供給について、中外製薬と「抗体カクテル療法」として知られる点滴薬「ロナプリーブ」の供給契約を結んでいる。軽・中等症向けの治療薬を一定数確保したことで、感染の再拡大期に重症患者の数を抑制し、「第5波」で起きた医療逼迫を防ぐことを目指す。』