「Chinese President Xi’s “Secret Philosopher” Analyzed America And His Findings Could Reverse Our Country’s Decline」

2021-10-23の書評「Chinese President Xi’s “Secret Philosopher” Analyzed America And His Findings Could Reverse Our Country’s Decline」
https://st2019.site/?p=17804

 ※ 王滬寧氏、どうしているんだろうか…。

 ※ この記事によると、今現在も中国共産党及び習近平氏の、「精神的支柱」であり続けている…、ということなんだが…。

『習近平のチャイナドリームだとか一帯一路だとか腐敗撲滅だとか、そのすべての政治キャンペーンの趣意書は、王滬寧が書いた。王滬寧は江沢民によって抜擢された、1955年生まれの、当代中国随一の理論派政治局員である。

 習は外国人と親しくしない。だから何を考えているのか分からない。しかし王滬寧は米国の大学で客員教授をしていたことがあり、著作があり、米国を滅ぼすのは米国だという考えを持っている。王滬寧の対米観を分析することが、中共が進みつつあるコースを正しく判定する鍵だ。

 直近の半年で、習近平は、チャラいキャラクターのテレビ俳優を禁止し、有名人の子どもをTVリアリティショーで取り上げることを禁止し、美容整形医療のTVCMを禁じた。すべてその背後には、王滬寧の理論がある。

 つまりこれらは熊プーの軽々しい思いつきなどではないのだ。もっと根深い、王滬寧の前々からの世界観がストレートに出てきているのである。

 中共は一人の独裁でなければダメなんだというのが王滬寧の信念だが、さらにその独裁者には、健全なシナ社会を構築する義務もあるんだと王滬寧が焚き付けてやまないのである。

 欧米の病的社会を、中共に移入させてはならないという王滬寧の思いが、熊プーを通じて、いよいよ実際の政策に反映されているのである。

 王滬寧が何を考えているかを知るには、滞米3年の末の1991に本人が書いた『アメリカ対アメリカ』を訳して読み込まなくてはいけない。いままでこの英訳が、なかった。

  ※理由はこの書評の後半であきらかになる。米国の黒人はどの町でもどうしようもなかった――とハッキリ書きすぎているのだ。これでは大手出版社が尻込みしてしまうわけだ。

 2000年前から存在するのにパッとしない「シナ文明現象」と、建国200年にして世界をリード中である「アメリカ文明現象」の違いはどこから来ているかを解明することこそ、在米のシナ人インテリの義務じゃないかと、王滬寧は吼える。
 そこを解明することで、中共は強くなれるはずだと。

 王滬寧は、「米国の都市部」と「米国の田舎」の違いに、最も興味を持っていたようである。

 米国は、その社会の中に危機を抱え込んでいる、と王滬寧は見る。

 アメリカ合衆国は、「価値のデス・スパイラル」の渦中に在る。

 王滬寧は、アレン・ブルームが『アメリカン・マインドの終焉』の中で嘆いていたテーマに注目する。今日の西洋の大学は、西洋文明を成立させた伝統の価値を学生に伝授することができなくなっているのだ、と。

 ブルームに言わせると、1950年代の文化相対主義が、特に、有害であった。
 その風潮が、西洋を鞏固にしてきた西洋哲学および文学の主流を学生に学習させなくなった。その結果、若い西洋人は、自然と科学と人間の位置関係を自己把握できなくなり、西洋文明を未来に推し進めるパワーを持てなくなってしまった。これは文明の自己破壊である。

 ブルームが、大学で学生たちに、これまで印象を最も受けた書籍は何かと尋ねたとき、誰も古典名著の名前を挙げなかったので、衝撃を受けたそうである。

 フェミニズムが、19世紀の名作小説を貶めている。しかし1990年代のフェミニズムは19世紀の西洋文化を経た上でしか成り立たないものなのだ。そこを捨象するニヒリズムが、米国のインテリの間に蔓延している。

 王滬寧は、米国の旅行会社のシステムと、農村に、最も感銘を受けた。シナでは農家といったらそれは核家族ではあり得ない。ところが米国の農家には夫婦が2人しか住んでいない。シナと米国では「農民」「農村」の意味が全く異なるのだと気づかされた。

 そして王滬寧は気づいた。1980年代の米国では誰も農業をやりたがっていない。臭くて汚いと思っている。じっさい、そうである。息子も農家を継ぎたくない。

 米国政治の安定は、米国社会が決して食料を筆頭とする必需物資に不足することはないという下部条件によって支えられている。今後、それは崩れるかもしれない。

 こんにち、アメリカの農民の平均年齢は57.5歳であり、一部の地域では60歳を超えている。

 いま習近平がテンセントやアリババなどのテック企業をいじめているが、これも王滬寧の危機感に基づいている。王滬寧は、《社会を骨なしにするもの》を憎んでいるのである。社会の「コア」を防衛しなければならないと信じているのだ。

 ゲーテいわく。外国語をひとつも知らん者は、じぶん自身についても知ることがないと。』