佳兆業の金融商品巡り抗議殺到

佳兆業の金融商品巡り抗議殺到 中国不動産、深まる不信
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM052RS0V01C21A1000000/

『【深圳=比奈田悠佑】中国の不動産業界に対する消費者の不信が深まっている。中堅不動産で債務不履行(デフォルト)が相次ぐなど資金繰りに窮する実態が浮き彫りになり、市民の財産に影響が及ぶのではないかとの不安が頭をもたげる。大手の中国恒大集団を震源地とした不動産問題の収束はみえない。

「この年齢ではもう働けない。私にとっての全てだ」。4日夜、広東省深圳市のホテルで60代女性の頼さんは天を仰いだ。

市内に本社を置く中堅不動産、佳兆業集団(カイサ・グループ)が保証した金融商品が一部償還できなくなったとの情報が流れ、話し合いの場として用意されたホテルに個人投資家ら数百人が押し寄せた。頼さんは投じた合計100万元(約1800万円)を案じる。「会社側が出した返済案は何の保証もなく受け入れられない。口先だけに感じる」

中国メディアによると佳兆業側は支払期限が到来した元本や利息を繰り延べて返済する案を説明したが、多くの投資家は納得しなかった。立ち会った人物によると、怒声を張り上げ「三日三晩、居座るぞ」とぶちまけた男性1人が警察に連行された。ホテル周辺は多くの警察や警備員が厳戒態勢を敷き一時騒然となった。

香港取引所は5日、佳兆業集団やグループ傘下で物件管理の佳兆業美好などの株式売買を一時停止すると発表した。一部中国メディアは金融商品を取り扱う企業の幹部が佳兆業の元幹部だと指摘し、佳兆業による保証の妥当性が問われる可能性もある。

2020年夏以降、中国当局が不動産会社の財務への監視を強め、経営の綻びが露呈する企業が出ている。中国恒大はドル建て債の利払いなどでデフォルト懸念が続く。既に花様年控股集団や新力控股など中堅ではデフォルト事例が出ている。資金難が消費者のさらなる不信を招き、物件販売を停滞させる負の連鎖が起きつつある。』