日本から「雑務」がなくならないのはなぜ?

日本から「雑務」がなくならないのはなぜ? 震源地は“東京のど真ん中”
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2111/04/news048.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

『とにかくこの国は雑務が多い。「事務作業大国日本」と言っても過言ではないだろう。
 何かにつけて書類を記入・提出させたり、紙やハンコ、製本などを求めたりするビジネス慣習や業務プロセス。それらのビジネス文書の作文が不適切なら差戻し(国語の授業ですか)。

 おまけに証書の切り貼りを求め(図工の授業ですか)、ご丁寧に「書留で送れ」などと指示してくるものだから、目も当てられない。

 その依頼文書は行政機関や取引先から、ある日突然、郵送またはメールで送られてくる。添付ファイルはお約束のように「PPAP」(添付ファイルzip圧縮、パスワード別送)。もはや様式美である。

 こうした雑務は全てコストだ。何の付加価値もキャッシュも生まない。ともすれば、相手(取引先や申請者など)にタダ働きを強いるだけの悪しき慣習である。国のGDPも生産性も下がる。

悪しき慣習、事務作業(提供:ゲッティイメージズ)

働き手のエンゲージメントを下げる雑務

 最近、日本の組織の雑務の多さを指摘する記事を目にした。

日本人は「テレワークだと仕事がはかどらない」 7カ国調査で唯一
 アドビが日本や米国など7カ国で行った働き方に関する調査を紹介する記事で、タイトルだけで日本の後進国っぷりが情けなく悲しくなるが、筆者が最も気になったのは最後のこのくだりである。

 「業務時間中に雑務にかける時間の割合を聞いたところ、日本が35.5%と7カ国中最多だった。来年転職したいかどうか尋ねたところ、日本では39%が転職を考えていた」

 残念ながら、やはり日本の組織は雑務まみれの事務作業大国であると認めざるを得ないようだ。なおかつ、雑務は組織の生産性の足を引っ張るのはもちろん、専門性の高い人や成長意欲のある人のエンゲージメント(組織や仕事に対するロイヤリティーや帰属意識)を無駄に低くし、退職に誘う。

 それにしても、なぜこの国はこんなにもひどい事務作業大国になってしまったのであろうか?』

『はびこる雑務、“震源地”は霞が関か

 筆者は、350以上の企業・自治体などで「働き方改革」「DX」「組織変革」「ダイバーシティー推進」の支援をしてきた。これらを阻害する要因はなにか?

 掘りまくって最終的に行き着く先は、必ず霞が関なのである。

 政府や中央省庁の仕事の流儀や組織カルチャー、税制や法制度、「生真面目かつ思考停止している」官僚や担当者の気質。これらが、日本の働き方やビジネスモデルが変わらない、DXや破壊的イノベーションを阻害する元凶であるのは間違いない。

 筆者は2020年、「深夜閉庁を求める国民の会」に共同発起人の一人として名を連ねた。ワーク・ライフバランス社の代表・小室淑恵氏の呼びかけで発足した会で、霞が関の旧態依然の働き方の改善を求めるものだ。

 深夜にわたる議会運営や、そのためのアナログな資料作成などの補助業務が、官僚や関係者の過酷な労働を強制する。タクシー代など多大な税金の無駄使い、国全体のデジタル政策の遅れ、民間企業の雑務や残業の増大、国家を担う人材の流出・質の低下など──霞が関が「日本のブラック労働の震源地」であることを強く指摘し、政府に改善を要求する活動である。

 これまで筆者は、本当に改革したい熱意ある方々の講演依頼を除き、霞が関にはなるべく関わらないようにしていた。変えるには相手が大きすぎ、かつ闇深すぎるし、なおかつ仕事として関わろうにも報酬が話にならないくらい低い。

 その割に、超煩雑でアナログな事務手続き(タダ働き)が多すぎる。賽の河原の石積みのごとし。関われば関わるほど無駄にHPとMP(体力と精神力)を消耗する。それに耐える寛容さと余力がある人でなければ、とてもでないとやっていられない。

 ある意味、ボランティア活動なのだ。だったら、民間企業相手に仕事をしていた方が健康的だ。

 しかし、それではやはりこの国の働き方もデジタル後進国ぶりもいつまでたっても好転しない。よって、せめてこうして声を挙げる活動をしている次第である。

 霞が関ゆえのお作法や旧態依然のルールは、関わる民間企業や個人の働き方改革の邪魔をする。いくつか例を挙げよう。』

『(1)IT企業に印刷や製本をさせる
 例えばITシステムの開発業務。受託企業に、設計書・納品書・報告書などを製本して納品させる慣習が、IT企業や現場のエンジニアを無駄に苦しめている。その声の一部を紹介しよう。

「私たちは印刷屋でも製本屋でもない。ITの仕事に専念したい」
「官公庁が指定する印刷および製本のために、SEが専従で7営業日60時間稼働する。本当にばかばかしい」
「紙の端からXミリ空いてること、など細かく指定がある。パンチはこのフロアのこの器具を使うこと、などのルールを聞いた時に、頭が真っ白になりそうだった」
「どうしてそんなに形や様式美にこだわるのか。頭が悪いとしか思えない」

 その背景には、会計検査院が監査の際に紙の納品物にこだわるなる話も聞く。DXや働き方改革の発想のかけらもまるでない。

 ハードウェアからソフトウェアへ、ものづくりからサービス提供へ。世界的に、このビジネスモデル変革とパラダイムシフトが求められている。にもかかわらず、税務や監査の発想も、いまだに旧態依然の「ものづくり」主義、現物主義の呪縛から抜け切れていない。こうして、無駄な雑務が一向になくならない。

 研究者やエンジニアが育たない日本。その一端は、処遇の低さのみならず、このような雑務をなくそうとしない(むしろ増やす)霞が関や大企業の姿勢やこだわりやわがままにもあると捉えている。

(2)議事録を受注者側にとらせて提出させる
 この慣習も腑に落ちない。もちろん、受注者が「自分たちを守る」ために自己責任において議事録を取るのは合理的である。しかし、そもそも発注者が議事録を取らないのはいかがなものか? 発注者の管理責任を放棄しているとも受け取れる。

 こうして、システム開発業務を請け負ったIT企業のエンジニア、デザイン業務を請け負ったデザイナー、研修業務を請け負った人材育成企業の育成のプロなどが、議事録作成などの間接業務で時間と神経をすり減らす。

(3)注文請書の提出を求める
 これまた悩ましい間接業務である。注文を受けた証跡として、注文請書の発行を義務付ける。しかも、紙とハンコなおかつ印紙まで求められることがあるから目も当てられない。紙を印刷して押印して、さらに印紙を貼って郵送する手間も発生させる。体力と事務リソースが豊富な大企業ならさておき、中小零細企業やフリーランスにとってはたまったものではない。

 メールなど電子的なやりとりで済ませればいいものを、平安時代の遺産のような雅な歴史的作業が無駄なコストと稼働を生む。

(4)補助金や助成金の申請
 このコロナ禍においても、苦境に立たされた零細事業者や飲食店などを支援すべくさまざまな補助金や助成金が創設された。それ自体は素晴らしいことだが、申請承認のプロセスは大いに改善の余地がある。

 霞が関や行政特有の複雑怪奇な申請書類の数々に、多くの事業主は固まる。複雑怪奇で、記入方法が分からない。さらに、「あれも出せ」「これも出せ」とさまざまな書類や証跡を求められる。

「忙しくて、書類を書いたり証跡をかき集める暇がない」
「申請書類を作成するために、深夜労働や休日を返上しなければならない」
「申請するために役所に出頭しなければならない。平日日中時間帯に役所に行くヒマがあったら、1円でも本業の稼ぎを上げたい」

 霞が関で制度設計した官僚は、現場の人たちの悲痛な叫びを聞いたことがあるのだろうか? 提出書類を審査する行政職員にとってもたまったものではない。本来優秀なはずの公務員が、書類の抜け漏れチェックと差戻しで忙殺される。これこそリソースの無駄遣いである。』

『事務作業は「タダでやって当然」か?
 どうもこの国の政治家や官僚は、事務作業や間接業務を「タダでやって当然」と思っている節があるような気がしてならない。体育会系の気合・根性論で乗り切れとでも言うつもりだろうか。

 あるいは、自分で事業を興して稼いだこともなければ、自分で事務作業をやったことがない、常に秘書や部下や家族に自分の知らないところで雑務を代行してもらえる身分だから、雑務の苦しさに気付かないのだろうか?

 悪気なく、無駄な事務作業や雑務を増やす。あるいは改善せず放置する。それが日本の働き方をブラックにし、働き方改革やビジネスモデル変革の邪魔をしているのは間違いない。

 また、これらの事務作業を事務方が設計するからタチが悪い。事務のプロが設計する事務作業は、悪気なく複雑怪奇である。玄人による玄人仕様の難解な事務手続き。分かりやすいはずがない。一方で、その作業をする申請者や実施者の多くは、一般ピープル(素人)や一見さんなのである。

「事務作業はタダでやって当たり前」
「事務作業くらいできて当然」

 このような、事務畑の人たちによる意味不明かつ一方的な常識が、事務が苦手な、あるいは「価値を出すところが、そこではない」プロフェッショナルの活躍を邪魔する。

 研究者が、エンジニアが、クリエーターが、建築家が、芸術家が、料理人が、作家が──あらゆるプロが雑務や事務作業にカロリーを奪われて削られる。そんな社会が健全といえるだろうか? ダイバーシティー&インクルージョンって何でしたっけ?

 中央省庁はいわば国のバックオフィスである。バックオフィスは最強のNo.2であるべきであり、No.1であろうとするから世の中がおかしなことになるのだ。プロが余計なことを考えず、プロの仕事にフルコミットするための環境を整える。制約条件を取り除く。それこそが、バックオフィスの役割であり価値であろう。

 官僚や行政職員は、そのためのファシリテーターとして正しく活躍してほしい。その一歩が、雑務削減、事務作業など間接業務のスリム化である。なんちゃらナンバー制度や、なんちゃらボイス制度のような、特定の省庁の自己満足かつ、表向きのイメージを取り繕うために横文字を並べ無駄にイラっとさせる制度を乱発している場合ではない。

 無駄なタダ働き、無駄な事務手続き、無駄な間接業務を国民や民間企業に強いる、筋悪な制度を増やすのはやめてもらえますか? 時代の空気を読んでくれともいいたくなるのである。

 デジタル庁が発足した。しかし、私はデジタル庁以前に、「脱アナログ庁」や「事務作業撲滅庁」のほうがむしろ必要ではないかと思う。

 事務作業大国日本。このままでは、アナログな事務作業や雑務で日本が沈む。』

仕事ごっこ ~その“あたりまえ”、いまどき必要ですか?
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TNP45T3?tag=itmedia-business-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た

中露艦隊が堂々と通過、国辱の「特定海域」を見直すべき時が来た
https://news.yahoo.co.jp/articles/d10ced69ec15934466e7f5802f4839362bb3544b?page=1

『(北村 淳:軍事社会学者)

 日本海で合同訓練を実施していたロシア海軍と中国海軍の軍艦10隻が、2021年10月18日に津軽海峡を太平洋に抜け、西太平洋での合同艦隊訓練を実施した。

 中国やロシアの軍艦とりわけ今回のような強力な艦隊が津軽海峡を抜けると、日本の一部の政治家や反中・反露勢力から、「特定海域」の設定に対する非難の声があがる。

 日本政府は津軽海峡などの5つの海峡を「領海及び接続水域に関する法律」(1977年5月2日公布、以下「領海法」)で「特定海域」に設定している。特定海域という制度が存在するがゆえに、中国やロシアの軍艦が大手を振って津軽海峡を通過し軍事的威嚇を加えているのだから、このような制度は廃止してしまえ、と領海法の不備を指摘するわけである。

 それに対して、「特定海域」制度を廃止する必要はないという声もある。日本も参加している「国連海洋法条約」(1994年11月16日発効、日本は1996年に批准し同年7月20日に日本につき発効)には「国際海峡」という規定が存在する。津軽海峡に関しては、特定海域の制度を廃止しても国際海峡に該当することになるため、中国やロシアの軍艦通過に関しては実質的相違は生じない。むしろ潜水艦の潜航通過に関しては現状の制度のほうが日本にとっては都合が良い、といった反論がなされている。

■ 世界的にも稀な海峡概念

 しかし、問題はこのような表面的な法制度の問題に存するのではない。日本政府がそもそも「特定海域」を制定した動機と、この制度をいまだに維持している姿勢が、アメリカに阿(おもね)る卑屈な国家としての象徴的事例の1つに他ならない。要するに特定海域を存続させるかどうかは国家主権の問題として捉えるべきである。

 日本政府は領海法制定の過程においてアメリカ軍・アメリカ政府からの圧力に屈して、日本自身の主権を自ら制限して「特定海域」という世界的にも稀な海峡概念を生み出した。

 当時のアメリカ軍が保持していた対ソ連あるいは対中国先制攻撃作戦計画において、核弾頭装着弾道ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が北太平洋から津軽海峡を抜けて日本海に展開することが想定されていた。

 もし、日本政府が領海法で採択する領海幅12海里を津軽海峡にもそのまま適用した場合、日本にとっては外国軍艦である米海軍潜水艦が津軽海峡を通過する際には海面に浮上して米国旗を掲揚しつつ航行しなければならなくなる。

 もちろんアメリカ海軍はそのような規定は無視することになるのだが、できれば合法的に津軽海峡の海中を潜航したまま通過するに越したことはない。』

『また、日本政府が米海軍の核ミサイル搭載原潜の日本領海内通過を認めた場合には、野党や反米勢力などからの激しい突き上げに直面することになる。

 そこで日本政府が考え出したのが特定海域の概念である。つまり、日本の領海幅は12海里とするが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬西水道、対馬東水道、大隅海峡に関しては3海里に制限し、海峡の中央部は日本の主権が及ばない公海とする、という規定である。

 これによって、領海法が施行された後にも津軽海峡の中央海域には公海帯が存在することになり、核ミサイルを搭載したアメリカ海軍潜水艦が潜航状態を保って津軽海峡を通過しても、領海法にも非核三原則にも抵触しない状態が確保されたのである。

■ 激変した日本の海峡を巡る海軍情勢

 特定海域の制度が生み出された当時においては、中国海軍はアメリカ海軍から見ればガラクタの寄せ集めのようなレベルであり、海上自衛隊にも全く対抗しうる存在ではなかった。また、当時強力であったソ連海軍も、日本海からオホーツク海や太平洋に進出するのはウラジオストクを本拠地にする水上戦闘艦艇が主戦力であり、米海軍にとって強敵であったソ連潜水艦は主としてカムチャツカ半島を本拠地としていたため、日本の「特定海域」である公海帯をソ連軍艦が航行してもさしたる脅威とはならなかった。

 ところが現在、中国海洋戦力は海上自衛隊を圧倒し、アメリカ海軍にも大いなる脅威を与えるに至っている。また、一時低調になってしまったロシア海軍も復活しつつある。そして、韓国海軍の戦力強化にも目覚ましいものがある。したがって、特定海域が制度化された35年前とは、日本の海峡を巡る海軍情勢は激変しているのである。特定海域の概念は情勢の変化に対応させねばならない。

 領海法の特定海域の規定を廃止した場合、宗谷海峡と対馬西水道の場合、海峡の対岸がそれぞれロシアと韓国であるため、両国との調整が必要となる。そして、対馬西水道と大隅海峡に関してはそれぞれ代替ルートが近接しているため、国際海峡に指定させないことも可能だ。

 再び問題となるのは、津軽海峡である。津軽海峡には、日本海の公海と太平洋の公海を結ぶ代替ルートが近接していないため、特定海域の概念を廃止すると国連海洋法条約によって国際海峡に指定せざるを得なくなる。この場合、あらゆる国のあらゆる船舶に「通過通航権」が与えられるため、アメリカ潜水艦も中国潜水艦も津軽海峡を潜航したまま通航することが可能になる。

 しかしながら国際海峡沿岸国は当該海峡における航路を管制する権利も有している。そのため、日本は潜水艦や軍艦だけでなくあらゆる船舶に対して津軽海峡内での航路を設定することも可能である。

 そしてなによりも冒頭で述べたように、日本政府がアメリカの圧力に屈し、アメリカに媚びへつらうためにいまだに継続している、まさに自主防衛の気概を自ら捨て去っている象徴の1つである特定海域の概念は、アメリカの属国から独立する意志があるのならば、即刻廃止すべきであろう。』

特定海域

特定海域
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/tokutei/tokutei.html

昭和52年に制定された「領海法」により領海は基線からその外側12海里までとされましたが、 国際航行に使用されるいわゆる国際海峡である 宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡西・東水道、大隅海峡 の五海峡は特定海域として、同海域に係る領海は基線からその外側3海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域とされました。

平成8年に制定された「領海及び接続水域に関する法律」により直線基線が採用されたことによって、 特定海域内の領海の限界線は若干の修正が加えられました。

以下の図は、特定海域での領海の限界線を表示したものです(濃青色は内水を、青色は領海を表しています)。

〝日本一周〟した中露艦隊の脅威 これからもやってくる

〝日本一周〟した中露艦隊の脅威 これからもやってくる
日本はどう対抗すべきか
小谷哲男 (明海大学外国語学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24748

『10月下旬、日本海で合同演習を行った中国海軍とロシア海軍の艦艇合計10隻が、津軽海峡から太平洋に出て、伊豆諸島沖を経由して鹿児島県・大隅海峡から東シナ海に入った。これまで、両国海軍それぞれが日本を周航することはあったが、合同で巡航を行ったのは初めてである。

 近年深まっている中露の軍事協力の実態をふまえれば、このような動きは驚くべきことではなく、これからも繰り返されていくであろう。以下では、西太平洋における中露の軍事協力がどのように広がってきたのかを振り返り、日本が取るべき対応について考察する。

画像はイメージ(Dovapi/gettyimages)

冷戦前後に揺れ動く中露関係

 冷戦時代、当初協力関係にあった中国とソ連は次第に敵対するようになり、国境線沿いで武力衝突を繰り返すようになった。このため、1970年代以降、中国は米国と「暗黙の同盟」を結び、ソ連を牽制する道を選んだ。一方、ソ連はウラジオストクを拠点とする太平洋海艦隊の増強を進めていたため、日米は対馬、津軽、宗谷の3海峡を封鎖できる能力を高め、ソ連の艦隊を日本海に封じ込める戦略を取った。

 このため、欧州で戦端を開けば、ソ連は極東でも日米そして中国とも戦わなければならなかった。ソ連はこの二正面作戦に備えるだけの経済力を維持できず、冷戦は熱戦になることなく終結したのである。

 冷戦の終結により、中国とソ連(後にロシア)の敵対関係は緩和され、天安門事件後に西側諸国から経済制裁を受けた中国はロシア製の武器を購入し、軍事力の近代化を図るようになった。しかし、中露はやがて中国によるロシア製武器の模倣やロシア産原油の価格をめぐって対立するようになり、両者の軍事協力は2005年をピークに停滞するようになった。

中国にロシアの優位性を見せつけることも
 その後、ロシアは中国の軍事力増強への懸念を強めるようになり、08年に中国艦隊が津軽海峡を初めて通航したことはロシア軍には強い衝撃を与えたという。12年に中露は「海上連合(Joint Sea)」という年次海軍演習を開始したが、ロシア側には自らの優位性を中国側に見せつけるという意図もあったと考えられている。』

『しかし、14年にクリミアを併合したことでロシアは国際的に孤立し、中国も米国が構築を目指す対中包囲網に懸念を強めたため、両者の軍事協力は本格化することになった。海上連合演習も両海軍が水上戦、防空戦、対潜戦、上陸戦、捜索救難などの能力を高める場となり、演習を行う場所もクリミア併合後は地中海、南シナ海仲裁判断後は南シナ海が選ばれ、両国が国際社会と対立を深める中で互いの立場を支持する姿勢を見せるようになった。制裁と原油安で苦しむロシアは中国に最新鋭のSu-35戦闘機やS-400地対空ミサイルを提供することを躊躇しなくなり、両軍幹部の交流も深まるようになった。

時を追うごとに拡大していく軍事協力
 そのような中、中露が日本周辺で共同作戦を行うことも増えてきた。最初にそのような事例が確認されたのは、16年6月にロシアと中国の艦艇が同時に尖閣諸島の接続水域に入った時である。

 この時の両者の意図は依然として不明であるが、中露とも日本と領土問題を抱える中、尖閣諸島沖で連携を示すことで日本側を牽制した可能性がある。その後、17年8月にはロシア機が日本海から東シナ海に入り東回りで日本を周回飛行した翌日に、中国機が同様のルートで紀伊半島沖まで飛行し、両国が連携している可能性を示した。

 また、18年2月にも、両国の軍用機が日本海でやはり連携しているかのような飛行を行った。そして、19年7月と20年12月には、両国の戦略爆撃機が日本海から東シナ海で「共同飛行」を実施したことを公式に発表した。

予測できた中露海軍の日本一周
 今回、中露海軍が日本を1周したのは、以上のような両国の軍事協力の拡大をみれば、十分予測できたことであるし、今後も続いていくとみるべきである。

 13年にウラジオストク沖で海上連合を行った後、ロシア艦艇16隻に続いて中国艦艇5隻が宗谷海峡を抜けてオホーツク海に入った。この時は中露が同時に海峡を通航しなかったし、艦艇の数もロシアの方が圧倒的に多かった。しかし、今回の事例では同時に津軽海峡と大隅海峡を通航しており、艦艇の数もそれぞれ5隻と対等で、両国とも「合同巡行」と公式に位置づけている。爆撃機による「共同飛行」が複数回実施されたことを考えれば、海軍による「合同巡行」も一度で終わるとは考えにくい。

頭の片隅にはAUKUSも
 もっとも、中露の「合同巡航」には、近年米海軍が台湾海峡の通航頻度を増やしていることや、英国やフランス、カナダなどの域外諸国も同海峡を通航するようになったこと、また英空母打撃群の極東展開に合わせて大規模な海軍演習が西太平洋で頻繁に行われたことに対抗するという意味もあったであろう。

 英艦船は西太平洋に来る前にクリミア沖の領海で航行の自由作戦を行っており、ロシアも西側諸国の海軍が連携を深めることに憂慮していると考えられる。英米豪が新たな安全保障の枠組みであるAUKUS(オーカス)の下、原子力潜水艦など軍事技術で協力を深めることへの牽制の意味も込められていたかもしれない。』

『日本は公海を〝活用〟し、監視体制の強化を
 今後も中露海軍が日本の海峡を通航することが増えるとすれば、日本はこれにどのように対応するべきであろうか。端的に答えるなら、国際法上問題のない限り何もするべきではない。

 対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡、大隅海峡は「特定海域」と指定されており、国連海洋法条約で許される12海里(約22㌔メートル)の領海を宣言せず、3海里(約5・5㌔メートル)に留めているため、中央に狭い公海が存在する。

 今回、中露艦隊はそこで公海の自由を実践したに過ぎない。ただし、監視は必要であるし、実際に自衛隊はしっかりと監視をしていた。平時には「監視」し、有事には「封鎖」できる能力を維持していれば問題はない。

 一部には、これら特定海域をすべて領海にするべきとの議論があるが、仮にそうした場合、これらの海峡は「国際海峡」と位置づけられ、狭い公海部分が消滅し、外国艦船は海峡のどこでも潜水艦の潜航や上空飛行が認められることになる。それは、平時の監視を難しくしてしまう。

 そもそも「特定海峡」が設定されたのは、冷戦時代に米ソの核搭載艦船がこれらの海峡を通航しても非核三原則の「(領海に)持ち込ませない」に抵触することを回避するためだったと考えられている。しかし、現代でも国際航行の自由を促進するという観点から公海部分を残しておくことには意味はある。そうであれば、中露艦隊の自由な航行も認めるべきなのである。

日本も航行権を行使し、中露の「二重基準」阻止を
 一方、中露が日本周辺で航行の自由を実践できるのであれば、日本も中露の周辺海域で航行権を行使するべきである。中露が「特定海峡」のような狭い海域を通るのであれば、海上自衛隊がより広い台湾海峡を通航することを躊躇する理由はない。また、ロシアはウラジオストク沖のピョートル大帝湾を内水と位置づけ、外国艦船の航行を制限しているが、国際法上の根拠は認められない。海上自衛隊はピョートル大帝湾でも航行の権利を行使するべきである。

 海洋国家である日本にとって、航行の自由は死活的に重要な利益である。中露のように自らの近海では外国軍艦の航行の権利を妨害しながら、他国の海域では航行の自由を満喫するような二重基準を認めてはならない。日本は米国やその他の海洋国家と連携して中露の二重基準を否定し、自由な海を守っていくべきなのである。』

国民、野党国対の枠組み離脱へ

国民、野党国対の枠組み離脱へ
維新との連携念頭
https://nordot.app/828843851965415424?c=39546741839462401

 ※ 共産党と組んだ結果の、「ハレーション」だ…。

 ※ 立憲民主は、中道左派で、その中でも枝野氏は、さらに「左寄り」(ネットでは、ずっと”中核派”との親和性が噂されていた…)と見られていた…。

 ※ それで、「共産党と組む」という「禁じ手」を、使ったわけだ…。

 ※ 確かに、「共産党独自候補を立てないでもらう」というメリットはあったんだろう…。「左翼票の1万~5千票は、獲得できる」「当選させる力は無いが、野党候補を”落選させる”力はある…。」と言われてきたからな…。

 ※ しかし、その結果はどうだった…。

 ※ 頼みの連合は、離れ、組合の組織票も「また裂き」になって、四部五裂した…。

 ※ 自身も、「辞任」せざるを得なくなって、散々な結果に終わった…。

 ※ 根本は、この内外情勢が緊迫している状況で、国の外交・安全保障政策の方向性すら定まらない体たらくを、すっかり「国民」「有権者」に見透かされてしまったところにある…。

 ※ そこが改善されない限り、参院選も同じような結果となるだろう…。

『国民民主党は4日、これまで参加していた野党国対委員長会談の枠組みから離脱する方針を決めた。立憲民主、共産両党などの野党とは一線を画し、政策提言を中心とする独自路線を目指す。政権と是々非々の立場を取る日本維新の会との連携が念頭にあるとみられる。

 国民民主は、立民、共産両党と国対委員長会談を定期的に開き、国会運営に当たってきた。しかし国民幹部は、衆院選で国民前職がいる小選挙区に共産党が候補者を立てたことを問題視。「共産が参加する枠組みにはいられない」としている。維新が議員報酬の削減に向け国民との連携に意欲を示しており、足並みをそろえる狙いもありそうだ。』

外務大臣が空白である本当の理由

外務大臣が空白である本当の理由
https://www.excite.co.jp/news/article/AllNightNippon_323925/

 ※ 非常に参考になる…。

 ※ 経緯を、見守りたい…。

『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月2日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。自民党の甘利幹事長の後任に茂木外務大臣が起用されるというニュースについて解説した。

外務大臣が空白である本当の理由 ~甘利幹事長の後任に茂木外務…の画像はこちら >>
オンラインで行われた、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議に出席する茂木敏充外相=2021年8月3日午後3時39分、東京・霞が関の外務省(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

自民党の甘利幹事長の後任に茂木外務大臣起用へ
岸田総理大臣は11月1日、辞任の意向を示した甘利幹事長の後任に、茂木外務大臣を起用する方針を固め、茂木大臣に打診した。11月4日の総務会で正式に決定する見通しである。

飯田)茂木さんは外務大臣を務めていらっしゃいますが、当面は後任空席として、特別国会が召集される見通しの11月10日までは、岸田総理が外務大臣を兼任するという見込みだそうです。林芳正さんの名前が出て来ていますが。

青山)私は完全無派閥なので自由な立場から申し上げると、まず甘利幹事長が辞任せざるを得ないのではないかということは、総選挙の投開票日の3日くらい前に水面下で話はありました。どうも小選挙区で勝てないと。比例でも救われないという説があったくらいです。

大外れであった各メディアの出口調査

青山)今回、各メディアの出口調査は大外れだったでしょう。

飯田)自民党は261議席を獲得しましたけれども、各社の予想は230議席とか、単独過半数を割るとか、自公でも単独過半数が割れるかも知れないというようなことが、夜8時の段階では言われていました。

青山)かつては、出口調査はもう少し信頼性があったのですけれども、自由民主党に入れた人はなぜか言ってくれないのです。昔は公明党に入れた人が言わなかったのですけれども。

飯田)その話はありました。

青山)いまは野党に入れた人は言ってくれるけれども、自由民主党に入れた人は言ってくれないか、答えてくれないのです。そのため、怖いからNHKはものすごく幅を持たせてしまって、批判を浴びているわけですけれども。

飯田)そうですね。212~253台くらいまでと、約40も幅を持たせた。

青山)どうも幹事長は小選挙区で負けたと。比例で復活しても「幹事長は大丈夫」というわけには行かないので、これは幹事長が代わらなければいけない。

茂木外務大臣を幹事長にするということは投開票日の3日前から動き出している
青山)岸田総理は派閥政治の総理ですよね。ですので、竹下派から持って来たかった。竹下派は竹下亘さんが亡くなったため、茂木さんが仕切っているから、外務大臣を外して茂木さんを持って来ないといけないというのは、投開票日の3日くらい前から動き出しているわけです。

飯田)3日前から。

青山)外交に1日の空白があってもいけないので、「総理が兼任」と簡単に言うけれども、日本は大国なので無理です。それを考えると、なぜこんなに決定が遅いのかと。なぜ遅くなるのかと言うと、それは林芳正さんを起用しようとするからです。林芳正さんは誠に有能な人です。語学力もあるし、判断力もあるし、極めて優秀です。』

『衆院選2021投開票 席につく自民党・甘利明幹事長=2021年10月31日午後、東京・永田町の党本部(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

林芳正氏を外務大臣にすると総理も外務大臣もすべて大宏池会へ向かっての動きになる ~派閥抗争につながってしまう

青山)党内での大きな議論が2つあります。1つは「大宏池会構想」というものがあって、いまある岸田派と麻生派と谷垣グループを統合し、もとより大きな大宏池会にして、安倍さんや細田さんの派閥より、はるか上に行ってしまおうというものです。そういう派閥次元のことを岸田さんも考えているということを党内で言われていて、それで宏池会の中心人物である林芳正さんを外務大臣に持って来ると。しかし、そうすると総理も外務大臣もすべて、大宏池会に向かっての動きになるから、派閥抗争につながるわけです。そうなると、特に安倍さんは黙っていないですよね。それを警戒して、決められずにいるわけです。

ここで日中議連会長の林芳正氏を外務大臣にすると国際社会に間違ったメッセージを送ることになる

青山)もう1点として、林芳正さんは非常に優秀な人ではありますけれども、きっての親中派、親韓派で、そもそも日中議連の会長です。そういう人が現状この段階で外務大臣になると、国際社会と中国共産党に対して、間違ったメッセージを送ることになるのではないか。日本は親中路線に転換するのかと。いろいろな意見があるけれど、安倍政権の7年8ヵ月は中国に対峙して来た日々でした。その間、中国は日本に対してもおかしくなり、今回も改憲勢力が上回ったことについて、中国外交部の報道官が「日本は言動を慎むべきだ」と言っているわけです。なぜ、あなたに言われなければならないのかと。』

『飯田)君たちがよく言っている内政干渉そのものではないかと。

青山)その最中に日中議連会長の外務大臣を新たに据えるというのは、メッセージとして間違うのではないかということです。

アメリカにも誤ったメッセージに 人事の遅れは外交に空白をつくることに
飯田)中国に対してもそうですし、アメリカに対しても「おいおい、大丈夫か日本」という、そういうメッセージになってしまいませんか?

青山)アメリカの友人と暗号化されている電話で話している実感で言うと、その通りで、「おいおい、大丈夫なのか」という反応なのですよ。

飯田)「まさか喧嘩を売っているのではないだろうな」というくらいの。

青山)林芳正さん自身がアメリカに人脈を持っていらっしゃるので、多分感じていると思います。そのことも、同じ派閥なので岸田さんに伝わっているから、慎重になっているのですけれども、この人事の遅れはよくないです。外交に空白をつくるのと同じですし。

飯田)10日以上の空白になってしまいますものね。

「総理も新幹事長も、新外務大臣も全部親中か」という誤ったメッセージになる可能性も
青山)茂木さんも外務大臣時代に中国に対して、きちんとものを言っていないことがありました。一部誤解はあるけれども、日本の主権者から批判がたくさん集中しました。茂木外務大臣は堂々と「それは誤解である」と言えばいいのです。「私は中国共産党の独裁について、こういう問題を許しません」と。「ウイグルのことについても許しません」と、はっきりおっしゃるべきでしたが、現職の外務大臣では言いにくいという側面もあります。でも、主権者側からすれば疑念が残ったままですから。』

『飯田)主権者からすれば。

青山)そうすると新幹事長も、新外務大臣も全部親中かということになってしまいます。もともと「宏池会は親中だ」ということは、国内だけではなく、世界の知日派から知られています。この派閥、このファンクションは全体を合わせると、相当間違ったメッセージになるのではないかと思います。

飯田)親中ということに。

青山)そうすると自由民主党の水面下では、そうではない勢力がいます。私自身も対中最強硬派です。自由民主党の現職議員としてはっきり申している通り、対中最強硬派なので黙ってはいないですよ。

外務大臣が空白である本当の理由 ~甘利幹事長の後任に茂木外務大臣起用へ
2021年10月6日、会見する岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/actions/202110/06bura.html)

決めきれずにイギリスへ行った岸田総理
青山)そういうことで、紛糾の状態にあるわけです。結局、決めきれずに飛行機に乗られたというのが本当のところだと思います。解散総選挙のあとは必ず特別国会を開かないといけないので、口実と言っては言い過ぎですけれども、理由としてあると思います。

飯田)引き延ばす口実にはなる。

新たな外務大臣は飛行機に乗る前に決めるべきであった
青山)国際社会はそのようなことまで考えてくれません。

飯田)国内事情までは知らないですよね。

青山)結果として、外務大臣が空白のままというのは、大きな問題だと思うのです。岸田総理は飛行機に乗る前に決断されるべきでしたね。』

『総選挙の最中にスキャンダルが出て来た大臣がいる
飯田)11月10日に国会召集の見通しということになっています。そこで新たに組閣される形になりますが。

青山)第2次岸田政権。

飯田)外務大臣以外のところは、このまま行くという形になるのですか?

青山)私が気になっているのは、総選挙の最中にスキャンダルが出て来た大臣がいます。私なりに情報を取っていますけれども、社会的に確認されていないので名前は言いませんが。

飯田)スキャンダルが出てしまった大臣ですか。

青山)予算委員会、特に特別国会ではなくて、臨時国会になった段階で補正予算を審議しないといけないのですが、そこでまた例によって、閣僚のスキャンダルの話ばかりになると、日本経済が行き先を失ってしまいます。

飯田)そうですね。

青山)そこは変えるべきだと思います。まずは本人の釈明を総理がお聞きになってからだと思いますけれども。COP26に数時間しかいらっしゃらず、国内政局のために帰って来られるのだから、いまはオンラインもあるし、電話も暗号化できるので、そういう協議もなさっていただく。帰って来られるまでに、すべての問題にケリをつけるべきだと思います。

岸防衛大臣はそのまま
飯田)外交や安全保障の継続性のため、外務・防衛は菅政権から交代せずに行ったのかなと思っていました。ですから、ここで外務大臣を代えてしまうことや、しかも空白があるということに驚いたのですが、岸防衛大臣は代わらずに行くのでしょうか?

青山)岸防衛大臣、岸信夫さんは代わらないですよ。

飯田)さすがにここまでは代えられない。

青山)リスナーに誤解を与えかねないので言いますが、水面下に出て来ているスキャンダルは、岸さんとは一切関係ありません。名前は言いませんが、他の人です。名前はあえて言いませんが。

radikoのタイムフリーを聴く:https://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20211102074242 』

茂木氏が自民幹事長就任、外相は10日まで首相兼任

茂木氏が自民幹事長就任、外相は10日まで首相兼任
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA034M70T01C21A1000000/

『自民党は4日午前、党本部で総務会を開き、甘利明幹事長の後任に茂木敏充外相を充てる人事を正式に決めた。外相に関しては10日に予定する第2次岸田内閣の組閣まで岸田文雄首相(党総裁)が兼務する。

幹事長の交代は甘利氏が衆院選の小選挙区で敗北し、首相に辞意を伝えたのを受けた。首相は4日午前、茂木氏が幹事長就任に伴い外相を辞めると記者団に明らかにした。「次の組閣までは私が外相を兼務する」と説明した。

福田達夫総務会長によると茂木氏は総務会で党運営について「しっかりリードしていきたい」と語った。

茂木氏は同日午後に記者会見する。衆院当選10回で、経済産業相や党政調会長、選対委員長などを歴任した。竹下派の会長代行も務める。9月の総裁選で首相を支持した。党の要となる幹事長として来夏の参院選を指揮する。

松野博一官房長官は4日の記者会見で、茂木氏の幹事長就任について「政府・与党で連携し新型コロナウイルス対策や経済対策をはじめスピード感を持って政策を進めていきたい」と述べた。

政府・与党は10日に首相指名選挙を実施する特別国会の召集を予定する。その後に開く見通しの臨時国会で、新型コロナで傷んだ経済の再生に向けた2021年度補正予算の成立をめざす。

11月中旬にまとめる経済対策の柱となる給付金の支給対象を巡っては連立を組む公明党と主張が異なる。自民党は衆院選で非正規雇用や子育て世帯など経済的な影響が大きい層に絞り込む方針を打ち出した。

公明党は高校3年生までのすべての子どもに所得制限を設けず一律10万円相当を給付すると公約に盛り込んだ。両党は衆院選で与党過半数を維持したのを踏まえ、茂木氏の就任を機に調整を本格化する。』

デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える (NHK出版新書)

デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える (NHK出版新書)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09DPPY88S?tag=maftracking272143-22&linkCode=ure&creative=6339

『コロナ禍の裏で、デジタル改革という名のもとに恐るべき「売国ビジネス」が進んでいるのをご存じだろうか?

アマゾン、グーグル、ファーウェイをはじめ米中巨大テック資本が、行政、金融、教育という、日本の“心臓部”を狙っている。

デジタル庁、スーパーシティ、キャッシュレス化、オンライン教育、マイナンバー……
そこから浮かび上がるのは、日本が丸ごと外資に支配されるXデーが、刻々と近づいている現実だ。

果たして私たちは「今だけ金だけ自分だけ」のこの強欲ゲームから抜け出すことができるのか?

20万部超のベストセラー『日本が売られる』から3年。
気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な取材と膨大な資料をもとに暴く、「日本デジタル化計画」の恐るべき裏側!』

ストラテジーペイジ の2021-11-3記事。

ストラテジーペイジ の2021-11-3記事。
https://st2019.site/?p=17761

『北鮮で「くず鉄拾い」が推奨されており、6歳の子どもまでが、ガタロになっているという。

 じつは北鮮には「税金」がない。制度として定まっていないのだ。
 そのかわりに、現物上納や、労役奉仕をしなければならない。租庸調だ。

 財政難を埋めるため、2019からは、30~60歳の有職女性から新税を取り立てるようになった。これは田舎には適用されていなかったのだが、げんざい、地方の女性にも同様の課税をしているという。

 11月2日、中共と北鮮の間の鉄道が、ついに再開された。
 その前の週から中共国境の駅に貨物が堆積されていたので、再開の予兆であると見られていた。

 新コロ流行に応じた鉄道遮断は、22ヶ月にしておわったわけである。
 北鮮内でも新コロ流行は止まっていないけれども、背に腹はかえられなくなった。

 ※なぜ北鮮政府はいっそ紙幣を廃止して「デジタル通貨」に切り替えてしまわないのだろうかと、堤未果氏著の『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書)を読みつつ、いぶかしんでいるところだ。やはり国境の密貿易商売は、紙幣(通用するのは人民元)が媒介になるからこそ、可能なのであろう。

 2003年のイラク占領作戦のとき、米陸軍は、その車両や重装備の67%を鉄道によって輸送した。※米本土の各駐屯地から港/空港までの輸送だろう。

 しかしその後、米陸軍は鉄道貨車に投資をしてこなかったため、老朽化がいちじるしい。2015年時点で米陸軍は1300両の、自前の鉄道貨車を保有していたのである。
 今日、そうした鉄道貨車を新調しようとすれば、1両につき15万ドル以上かかる。

 米国防総省は、米本土の民間鉄道会社にカネを払い、自前の分とは別に、4500両の重量物積載可能貨車をいつでも借りることができる。それは戦車の輸送ができる無蓋車である。

 2003年にわかったこと。1個機甲旅団の動員には、600両の重量物対応貨車が必要である、と。
 また2020には陸軍は図上演習して、米本土内での鉄道動員の問題点を洗い出した。
 陸軍は、特別な貨車ではなく、ふつうにありふれて存在している、民間用のレギュラーな無蓋貨車で、M1戦車を輸送できぬかどうかを、ずっと研究し続けているところ。』

2021-11-1記事「‘Saved by coal’: Far from COP26, another reality in India」

2021-11-1記事「‘Saved by coal’: Far from COP26, another reality in India」
https://st2019.site/?p=17761

『インドのある貧民夫婦。国営炭鉱の「こぼれ石炭」を拾い集めては駕籠に背負い、仲買業者に売る。1日、歩いて2往復。それで、3ドルになる。夫婦で1日3ドルの稼ぎだ。

 また、改造自転車を使って、いちどに200kgの「こぼれ石炭」を運搬している男。夜の涼しいときに、16kmを輸送して仲買業者に届けると、2ドルになる。

 このようにして、インドの炭鉱近くでは、数千人がたつきをたてているのだ。

 げんざい、典型的な米国人は、典型的なインド人の12倍もの電力を消費している。
 そしてインドには、2700万人の、電力をまったく供給されていない貧民すら存在する。この人たちは、煮炊きに安価な石炭を使えるおかげで、生存できているのである。

 これから20年、インドにおいて、最も急激なエネルギー需要の増大が起きるであろう。

 世界最大の採掘企業体である「インド炭鉱」は、2024年までに年産10億トン以上にもっていく計画だ。

 インド全体で、400万人近くが、その生計を、石炭産業に関係して成り立たせている。

 製鉄だけでなく、「煉瓦」を造るのにも、石炭が熱源として燃やされなければならない。
 インド国鉄の収入は、半分が旅客輸送だが、残りの半分は、石炭輸送で成り立っている。』

Craig Rucker 記者による2021-11-2記事「COP26 Eco-Imperialism Threatens the World’s Poor」

Craig Rucker 記者による2021-11-2記事「COP26 Eco-Imperialism Threatens the World’s Poor」
https://st2019.site/?p=17761

 ※ 「気候終末論者」…。

 ※ ちょっと、注目しておいた方がいい「用語」だ…。

 ※ というのは、一神教においては、最終的には、人は「神の前で」「裁きを受ける」ことになるのだ…、という「思想(恐怖?)」が根底に横たわっているからだ…。

 ※ それは、生まれた時から、ずっと「刷り込まれている」ので、ある意味「潜在的な」「無意識下」にまで及んでいるものだと、考えられる…。

 ※ 人の精神の「奥底」にまで及ぶものであるので、そのストレスの「解消」は、非常に困難であろうと思われる…。

 ※ そして、その「解消」の試みは、現実世界において、様々な形で「噴出する」ことになる…。

 ※ 時には、「暴力的な」「ヒステリックな」形で…。

 ※ ただ、元記事の「Imperialism」は、「帝国主義」という意味で書いていると思われる…。

『気候終末論者たちは、世界の貧乏人民が窮乏のままに人生を終わることを望んでいる。
 COP-26に先立ってローマ法王とバイデンが会談した。そして、努力は世界人民の尊厳重視をベースとせねばならず、貧民のケアも進めなければならないと合意。

 しかるに現実には石炭敵視政策のおかげで世界中の燃料と食料品の需給が緊張し、貧乏人の生活を直撃しつつあるのだ。

 北半球が厳冬を迎えると予報されている。ますます燃料代は世界的に値上がりし、それに連れて食料品価格も暴騰するだろう。

 これまで化石燃料のおかげで先進諸国の経済は発展し、仕事が創出され、人々の健康状態が向上し、生活の水準が底上げされ、寿命が延びてきた。グラスゴーはこの進歩を、現在貧乏な集団に対して禁じようとする。

 国際エネルギー機関IEAが数字で警告している。化石燃料から、クリーンで持続可能なリニューアルなエネルギーへの転換を進めれば、これまでの数倍の、金属や鉱物の採掘・加工・流通が必要になる、と。

 すなわちEV車を1台作るには、ガソリン車の3倍の「銅」を消費せねばならない。地上設置式の風力発電塔は、天然ガス多段発電機(Coジェネ)にくらべて、同じメガワットあたり、9倍の原材料を投入しないとできあがらない。海上設置式の風力発電施設だと、その比率は14倍まで跳ね上がるのである。

 つまり化石燃料を掘らない代わりに、他の地下資源を今の十倍も掘り出すことになるのだ。その鉱山の近郷の自然はもちろん大破壊される。それにともない、おびただしい量の「不要物」が地上のどこかに堆積されねばならぬ。不要物は、採掘、加工、製品化後のすべての段階で爆増するから。
 人類がかつて体験したことのない規模の地表汚染が、これから進行するのである。気候終末論者が主導する偽善のおかげで。

 米国のアラスカ州やミネソタ州には、銅、コバルト、ニッケルといった、リニューアブルエネルギー産業が需要する地下資源が豊富である。グラスゴーまで押しかけてデモしている連中は、それらの採掘が環境汚染と撞着することにどう対応して行くつもりか、見ものだ。

 こうした連中の多くは、中共から北米に輸出されてくるナイキのスポーツシューズがウイグル人の強制労働の産物でないかどうかは気にしても、中共がアフリカで濫掘している地下鉱物には目をつぶる。それがクリーンエネルギー実現のためには不可欠だから。
 いやそもそもNBAは中共体制とビジネスすることに熱心なので、ウイグル人のことも本気で気にかけたりなどしてはいないのだ。』

米、核戦力も対中優位性低下 日本への「核の傘」に影

米、核戦力も対中優位性低下 日本への「核の傘」に影
米国防総省が報告書
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN032IV0T01C21A1000000/

『【ワシントン=中村亮】米国防総省は3日にまとめた中国の軍事力に関する年次報告書で中国の核開発に強い懸念を示した。米国の核戦力の優位性が下がり、中国から米本土に攻撃を受けるリスクが増す。米国が本土攻撃を恐れて日本防衛のための核使用をためらえば、米国による「核の傘」の実効性を揺るがす。

報告書は中国の核弾頭保有数だけでなく、核弾頭を攻撃目標に運ぶ運搬システムの増強にも警鐘を鳴らした。中国は米国のミサイル防衛システムを回避し、米本土の標的を確実に攻撃できる能力保有を目指す。反撃能力を示して米国が台湾海峡や南シナ海での有事に介入しにくい状況をつくろうとしている。

報告書によると、中国が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、空中発射弾道ミサイル(ALBM)による「核の3本柱」を構築した可能性がある。陸海空の全てから核攻撃が実行できれば、確実に敵を攻撃しやすくなるため抑止力が増すとされる。

中国が夏に実施したとされる核弾頭を搭載できる極超音速兵器の実験も米本土攻撃を目的とした。音速の5倍(マッハ5)以上で変則軌道で飛行する極超音速兵器は既存のミサイル防衛システムで迎撃が極めて困難との見方が多い。

中国の核戦力増強が続けば、米国の核の傘の実効性に疑念が生じかねない。日本が核攻撃を受ければ、米国が日本に代わって報復する構えを見せて日本に対する攻撃を抑止してきた。仮に米国が本土攻撃を恐れて日本を守る可能性が下がったと中国が判断すれば、抑止力が効きにくくなる。

国防総省高官は核の傘をめぐる課題について「同盟国の意見や懸念を共有するため多くの機会を設けていく」と説明した。バイデン政権は核戦略の指針である「核体制の見直し(NPR)」の作業を進めており、日本や韓国、欧州諸国と緊密に意見を交わすとみられる。

中国の核開発について国防総省高官は「中国は狙いをもっと説明すべきだ」とも強調した。米中対立が長引き、軍当局者間の対話も細って、中国側の意図や運用方針を測りかねる。疑心暗鬼が軍拡競争を招く恐れもある。

中国は通常兵器を前提とする戦闘でも米国優位を揺るがしてきた。米ランド研究所の分析によると、台湾有事の際の制空権をめぐり米軍が1996年時点で絶大な優位性を持っていたが、17年には米中が互角になったという。

国防総省が中国の脅威を強調するのは、国防予算を増やす思惑も透ける。民主党のリベラル派を中心に軍事費を減らして貧困対策や医療などに充てるべきだとの声が目立つ。』

中国、30年に核弾頭1000発 米国防総省が報告書

中国、30年に核弾頭1000発 米国防総省が報告書
昨年の5倍、台湾有事で米介入抑止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030ND0T01C21A1000000/

『【ワシントン=中村亮】米国防総省は3日、中国の軍事力に関する年次報告書(2021年版)をまとめた。中国の核弾頭保有数は30年までに少なくとも1000発と、20年時点の保有数の推計である200発から5倍に増えると見積もった。ロシアを交えた軍拡競争が一段と激しくなる恐れがある。

20年版の報告書では「(200発から)10年間で少なくとも2倍」になるとしており、わずか1年間で中国の核開発が想定を大幅に上回るペースで進むと判断したことになる。国防総省高官は核弾頭を攻撃目標まで運ぶミサイルの発射設備や爆撃機の開発計画などを踏まえ、見通しを引き上げたと説明した。

【関連記事】米、核戦力も対中優位性低下 日本への「核の傘」に影

米国務省によると、米国は20年9月時点で3750発の核弾頭を持つ。米国とロシアの核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)は、米国が実戦配備できる核弾頭数を1550発に限る。条約の適用対象外の核弾頭もあるが、今回の見通しが現実になれば実戦レベルで米中の核戦力が接近する。中国は新STARTに参加していない。

中国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)といった米本土を射程に入れる戦力を拡大している。米軍は台湾海峡や南シナ海での有事に介入した場合、戦闘が進むにつれて中国から米本土への核攻撃を受けるリスクが高まる。中国は核戦力増強で米国の介入をためらわせる狙いがあるとみられる。

報告書は台湾有事への強い危機感も示した。中国が米国を念頭に「台湾有事で第三者の介入抑止を目指す」とした。中国は多彩なミサイルを大量に配備し、米軍を中国本土に近づく艦船や戦闘機を攻撃する態勢を整える。

報告書によると、中国は極超音速兵器を搭載できる中距離ミサイル「DF17」を20年に実戦配備したと指摘した。中国による極超音速兵器の実戦配備は初めてという。主要な米軍基地がある米領グアムを射程に入れる中距離ミサイル「DF26」の在庫も増やした。

中国が中国人民解放軍の創設100年にあたる27年に向けて「軍の機械化・情報化」を加速するとした。中国は軍事分野で人工知能(AI)の活用を進め、軍民融合による技術開発を急いでいる。報告書は「27年の目標を達成すれば中国は台湾有事でいっそう信頼のおける軍事的選択肢を手に入れることになる」と強調した。

中国軍が世界での活動を拡大させようとしていることにも警鐘を鳴らした。中国軍が「世界での役割拡大」を訴え、新型コロナウイルスのワクチンを海外に輸送したと例示。「20年は主に新型コロナ関連援助を通じて海外駐留を常態化し、外国軍と緊密な関係を築いた」という。

すでに拠点を持つアフリカ東部ジブチに加え、アラブ首長国連邦(UAE)やケニア、タンザニア、タジキスタンなどで基地へのアクセスを目指していると列挙した。中国の海外拠点が増えるほど「米軍の軍事作戦を妨げる可能性が出てくる」と懸念し、西太平洋だけでなく世界で米中の競争が激しくなるシナリオに触れた。

サイバー分野では先端技術を取り込んで「今後数年間で作戦実行能力を改善させるだろう」と訴えた。軍事作戦に欠かせない人工衛星に対する攻撃能力や電子戦能力の向上も続いているという。』