NZ、米英豪と連携方針 対中融和姿勢を修正か

NZ、米英豪と連携方針 対中融和姿勢を修正か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM29AJK0Z21C21A0000000/

『【シドニー=松本史】ニュージーランド(NZ)が米国、英国とオーストラリアによる安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」と連携する方針だ。豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」がNZ高官の話として報じた。人工知能(AI)やサイバー防衛が軸となる見通しだ。オーカスは中国抑制が目的だが、対中融和といわれたNZが立場を修正し始めたとの見方もある。

インタビューで、NZのアネット・キング駐豪高等弁務官(大使に相当)は、量子コンピューターや人工知能(AI)といった技術分野でオーカスに参加する意向があるかと問われた。同氏は「米英豪の3カ国でなくても(原子力潜水艦の)ほかの分野で関与を歓迎すると明確に示されている」と答えた。「サイバー(防衛)は我々が関心を持つ領域の一つだ」と述べ、連携へ意欲を示した。

NZの外務貿易省は日本経済新聞に対し「NZはオーカスには招かれていない」と強調した。そのうえで「原潜を除く安保分野で相互の利益につながる協力に向け、今後も米英豪と緊密に連携していく」との見解を示した。

NZは1980年代から非核政策を堅持する。オーカスは豪州に対する原潜の供与が軸となっている。アーダーン首相はこれを受け、「原子力を動力とする船舶が我が国の内水に入ることはできない」と指摘している。

キング氏も豪州の原潜配備にNZが関与することはないと明言したが、「地域に平和と安定をもたらし、国際的なルールに基づく制度を維持するという共通の目的」を改めて主張し、インド太平洋地域への米英の関与強化を歓迎する姿勢をみせた。

NZは米英豪カナダとともに機密情報を共有する5カ国の枠組み「ファイブ・アイズ」に加わる。米豪などが中国との対立を深めるなか、NZは最大の貿易相手国の中国に一定の配慮をみせてきた。だが、外交関係者の一人は、NZが対中姿勢の修正を目指していると指摘する。

5月の豪・NZ首脳会談ではアーダーン氏が「両国は通商や人権で完全に同じ立場だ」と述べ、中国に融和姿勢だとの見方を否定した。7月には日米豪やカナダなどと足並みをそろえ、中国政府とつながる集団によるサイバー攻撃を非難する声明を出した。』