自民引き締め、意外な堅調 終盤で若者取り込み

自民引き締め、意外な堅調 終盤で若者取り込み
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA012VH0R01C21A1000000/

 ※ 『日本における若年層の自由民主党の支持の高さは欧州とは対照的と言え、その背景に興味を覚えます。

9月に連邦議会選挙が行われたドイツでは若年層の票は第3党となった環境政党・緑の党、第4党となった親ビジネスのFDPへと流れ、中道右派のCDU/CSUの得票率は歴史的な低水準に沈みました。

英国で単独過半数を握る保守党のジョンソン政権への支持率も高年齢層ほど高い傾向が見られます。』

 ※ 日本では、「就職氷河期」を経験したからじゃないか…。

 ※ 誰でも、「自分の生活が、一番大事。」…。ましてや、日本社会みたいに「新卒一括採用-年功序列-定期昇給」という雇用体系が、まだまだ残存している雇用環境では、就職する時に「経済情勢が、好調か不調か」ということは、「一生を左右する」「人生の一大イベント」だ…。

 ※ それなのに、「空理空論」ばかり言っている政党に、「自分の一生」を託する気にはなれんだろう…。

 ※ あと、「ネットメディアが普及したこと」も大きいだろう…。新聞、テレビのオールド・メディアの言っていることは、「信頼するに足りるのか」、みんなが考えるようになって来たんだろう…。

『自民党は衆院選で事前の情勢調査や出口調査の予測より多い議席を確保した。党内で意外に堅調だったとの受け止めが広がる。序盤での「苦戦」情報を受け、執行部が党内を引き締めた効果とみられる。固定電話による調査の対象になりにくい若者層などの支持を得た候補が終盤にかけて浮揚した。

日本経済新聞社が10月19、20両日に実施した序盤情勢調査で与野党どちらの候補が勝ってもおかしくない「接戦区」が全289小選挙区の4割ほどあった。自民はその過半で競り勝った。

自民は序盤情勢を受けた10月21日、甘利明幹事長らの連名で「急告 情勢緊迫 一票一票の獲得に全力を!!」とする通知を全候補に送った。「全国各地で多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にある」と呼びかけた。

岸田文雄首相も終盤にかけて激戦区に集中的に応援に入った。現地入りした68小選挙区の勝敗をみると36人が競り勝ち、小選挙区での勝率は5割を超えた。51選挙区で応援した立憲民主党の枝野幸男代表は15勝で勝率は3割を切った。

引き締め効果が情勢調査で捕捉しづらい「隠れ与党支持層」を掘り起こしたとの見方はできる。

日経新聞は序盤情勢で「与党、過半数を視野」と報じた。自民は単独過半数を割り込む可能性があり、立民は公示前勢力から30議席ほど増えると予測した。

調査は固定電話と携帯電話に調査員や自動音声で実施した。調査員が固定電話向けに実施した質問への回答者は高齢者の比率が2017年衆院選より高かった。

高齢者は若年層に比べ立民などリベラルな政党を支持する比率が高い傾向がある。予測議席数を算出する際に補正をかけるものの、今回は想定以上の影響を受けたおそれはある。
一方で固定電話の調査で対象となりにくい若年層やインターネットをよく使う層は保守的な志向が強いとされる。

実際、首相が選挙戦の最終日に入った街頭演説の会場では若者や子連れの夫婦などが目立った。情勢調査で把握しきれなかったこうした層が終盤にかけて接戦区での自民の票数を押し上げた可能性はある。

接戦区の多さは開票結果が情勢調査や出口調査と食い違った一因に挙げられる。よく似ているのが2003年衆院選だ。

当時も投票日の出口調査で報道各社の獲得議席予測にばらつきがあった。自民は220~240台、民主党は170~200台までの予測があった。開票結果は自民が237議席、民主は177議席だった。

03年以来といえる接戦の多い衆院選となった今回も、全体として与党の議席予想が実際より低く出る傾向となった。

10月31日の投開票日に共同通信社が実施した出口調査の午後3時ごろまでの集計をもとにした日経新聞の分析で、自民の予想獲得議席は単独で過半数の233をわずかに超える程度が軸だった。立民は議席を増やす公算が大きいとの見通しが出た。

実際には自民が261議席まで積み上げ、立民は公示前勢力を下回る96議席と大きな差があった。

投票締め切りまでの出口調査でどんな変化が生じていたのか。出口調査に答えた人の年齢層をみると、午後6時すぎの集計で18.4%だった40歳未満の割合が午後8時すぎの集計で19.8%に高まった。

夜にかけて投票者の若年層の比率が高まり、出口調査の回答者の内訳も変わったとみられる。出口調査からは若年層は比例代表で立民に投票した比率が高齢者層より低いことが分かる。午前は高齢者が多く、時間帯による世代差が影響したとみられる。

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衆院選2021 』

『多様な観点からニュースを考える

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楠木建
一橋大学 教授
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別の視点

勝利条件が本来多元的な政治の世界にあって、選挙は極端に勝利条件が明確です。「当選か落選か」しかない。普段何やっているのか分からない連中が突然元気になるのが面白い。人間はつくづくゲンキンなものであります。

2021年11月2日 7:17
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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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別の視点

日本における若年層の自由民主党の支持の高さは欧州とは対照的と言え、その背景に興味を覚えます。

9月に連邦議会選挙が行われたドイツでは若年層の票は第3党となった環境政党・緑の党、第4党となった親ビジネスのFDPへと流れ、中道右派のCDU/CSUの得票率は歴史的な低水準に沈みました。

英国で単独過半数を握る保守党のジョンソン政権への支持率も高年齢層ほど高い傾向が見られます。

2021年11月2日 9:03 (2021年11月2日 11:34更新)

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山本由里
日本経済新聞社 マネー・エディター
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別の視点

世界でも例のないスピードで高齢化が進むこの国は2036年、3人に1人が65歳以上の高齢者で構成される社会になります。

そして今でも65歳以上人口のおよそ7人に1人が認知症とされますが、2025年以降団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることでその割合は5人に1人に上がると見られます。
世論調査に与えるブレの検討以上に投票の方法そのものにも変革が必要でしょう。今のような形で投票所に足を運び、筆記用具で記入して、紙を箱に空いた穴に入れるーーどれも認知機能が衰えた人には難しい行為です。』