うさんくさいCOP26

うさんくさいCOP26
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/27355975.html

 ※ 今日は、こんなところで…。

 ※ まあ、「世の中に流通している情報」なんて、全て「どっかの勢力」の「プロパガンダ」かもしれないな…。

 ※ そう思っておけば、間違いはないんだろう…。

『第26回気候変動枠組条約締約国会議が、2021年10月31日から11月12日の日程でイギリス・グラスゴーで開催されます。この会議のプロモーションが、色々と展開されているのですが、プロバガンダの臭いがする、実に怪しいものが多いです。

特にテーマを映像化した、恐竜が現代人に説教する体をとったビデオが酷い。恐竜の絶滅の原因は、色々と言われていますが、有力な説として隕石の落下による地球環境の破壊というものがあります。この恐竜の絶滅とCO2による温暖化による人類の絶滅をダブらせて、言葉を話すCGの恐竜が人類に向かって、環境危機の放置を説教するという、実にうさんくさい内容なのです。最初、見た時、何かの悪い冗談かと思いました。

プロバガンダの定番は、危機感を煽って、正常な判断力を奪い、感情的に何かの行動に走るように大衆を扇動する事です。そういう意味では、この出来の悪いパペット・ショーみたいなビデオは、見事なプロバガンダ映像と言えるのかも知れません。CO2の排出量増加による地球の環境破壊が、真実で深刻であるとするならば、淡々とデータと証明を積み上げれば良いだけで、脅す必要はありません。

実際、CO2排出量削減で地球環境を救うなどという事が、人間にできると思っている事自体が、傲慢であると警告を鳴らす科学者も出てきています。つまり、CO2削減だの地球環境保全などという事は、いわゆる政治であって、現実に起きている事とは違うと声を上げる科学者も出てきています。

世の中の構造を変えると、そこには変化に応じた新しい権力構造や価値基準が発生して、それに対するインフラの構築や新しい産業の発生で、利益を得る人々が出てきます。予め仕込みができる立場にいれば、今支配的な地位にいる人々に成り代わって、新しい価値基準の長として世の中に君臨する事ができる可能性があります。

グレート・リセットという言葉で代表される、地球環境改善の掛け声は、経済の発展や文明の進歩を、自主的に諦め、強制的に不便な社会に戻す事で、人類絶滅に向かっている地球温暖化への動きを断ち切ろうという考え方です。提唱しているのが、既になんでも持っていそうな富豪ばかりというのが、なかなかうさんくさくて、いい香りを放っています。
例えば、飛行機の利用、穀物を飼料として大量に消費する畜産業の廃止、化石燃料の使用禁止など、経済が止まり、不安定になる事を敢えて受け入れようという考え方ですね。停電になったら、それは自然エネルギーから発電しているのだから、仕方ないと考えよう。24時間、いつでも電気を使えるのが当たり前とは考えない。肉がいつでも食べられなくなったら、数の多い昆虫を食べて動物性タンパク質を補おう。美味しくないかも知れないが、生命を維持する事はできる。国を越えて移動するのだから、数日かかるのは当たり前と考えて、数時間で他国へ移動する手段は諦めようという考え方です。

こうした提案の根拠になっているのは、地球温暖化を放置しておくと、人類が絶滅するという恐怖感なのですが、実はこれが非常に疑わしいという意見が出てきています。地球温暖化の傾向は、氷河の融解や、異常気象などで現象として出てきているのですが、これが全てCO2のせいで、人間がコントロールできるとする考え方が正しいかという問題とは別な話とする意見が出てきています。

地球が定期的に気象条件の変化を繰り返しているのは、科学的に証明されている事実で、過去には数度の氷河期もありました。今は砂漠しかない赤道付近の環境も、以前には緑で覆われていた事も判明しています。氷河期終わって、寒冷地が後退すると、赤道付近は乾燥地帯になり、川や湖は蒸発し、広大な砂漠が広がる地域になりました。つまり、全地球規模で誤差の範疇で起きている気候変動であり、人間ごときが社会活動で排出しているCO2を削減して、地球環境を救うなどという考え方自体が、非常に傲慢であるという見解です。

昔からプロバガンダというのは、独特の腐敗臭を放ちます。論理的に証明すれば良い事を、「時間がない、今すぐ始めないと手遅れ、~しても良いのか」と、危機感を煽って、ヒステリーを扇動し、相手を操ろうとする点です。今では、すっかりCO2削減が正義で、積極的でないと悪者扱いですが、うまくいっていない原因を、特定の集団に押し付けて、迫害するのも特徴です。

まぁ、余りにも定型的で、引き合いに出すのも憚られますが、ヒットラーが優生学を持ち出して、アーリア人の優越性を強調し、ユダヤ人を全ての社会の腐敗の原因として迫害したのも、二元論にしてしまえば、庶民を扇動するのに容易いと理解していたからです。そこに客観性の欠片もなく、骨相学なんていう科学っぽい何かを根拠として持ち出せば、信じたい人は容易く騙されてくれたのです。頭蓋骨の形から、優秀な人種と劣等な人種の区別が付くなんて事、今言っていたら正気を疑われるでしょう? ヒトラー政権下では、立派な学問として通用していたのです。これを根拠に、純粋なアーリア人である証明書も発行されていて、社会における待遇も違ったのです。

余りにもヒステリックな世界中で起きているCO2削減の動きと、その宣伝に使われている、典型的な恐怖を背景にしたプロバガンダは、これと同じ危うさを感じます。実際、風力発電の発電量全体における割合を自慢していたイギリスも、風向きが変化して発電量が下がり始めると、一度廃案にしていた原子力発電所の建設を再検討し始めました。自然という制御できないエネルギーを中心にすると、安定して供給する事は不可能で、できると言っているのは、単なる願望に過ぎません。

そういう意味で、グレート・リセットとは、新しい序列の再構築という意味で、新興宗教の布教と似ています。新しい序列の中では、今まで末端にいた人間が、支配階級に入る事も可能です。良く、ジャンヌ・ダルクに例えられるグレタ・ツーンベリさんですが、そういう意味では、真の意味でジャンヌ・ダルクかも知れません。今では歴史研究が進んでいて、ジャンヌ・ダルクが、神託を受けたと考える精神病者であった事を理解した上で、フランスの王侯貴族が大衆扇動に利用した上、最終的にイギリス軍に引き渡して、処分した事は解明されています。

何かしらの新しい権力を築く時に、聖女といった神聖不可侵の権威を持ち出して、理屈ではなく感情で支配するのは、良く使われる手です。ナポレオンが皇帝として君臨する時にも、救国の英雄としてジャンヌ・ダルクを掘り起こして、色々な逸話で脚色して神秘性を高めて、自身の皇帝という権威を綺羅びやかに飾りました。象徴と権力は、二人三脚の関係です。

今、環境過激派が提案している内容は、原始共産主義に取り憑かれたカンボジアのポルポト政権と同じ臭いがします。眼鏡を掛けているだけで、「インテリっぽい」という理由で処刑されたり、文字が読めるという理由で強制労働所に送られたり、罪を数えて吊し上げる事に汲々としている様は、宗教裁判の臭いすらします。

環境保護活動は、先進国では商売になっても、発展途上国では商売になりません。それゆえ、ブラジルで焼き畑農業で、ジャングルに放火をしまくって、東京ドーム650個分/日の森林を消失させまくっていても、お金にならないので抗議しません。抗議活動が起きるのは、それがニュースとして価値を持つ体制の国ばかりです。

私自身は、CO2削減を巡る動きは、政治であって、科学では無いと思っています。』

与野党、世代交代進む 大物議員が落選・選挙区敗北

与野党、世代交代進む 大物議員が落選・選挙区敗北
石原伸・辻元氏ら
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA011360R01C21A1000000/

※ 石原兄弟については、伸晃氏は、比例復活もならず…、宏高氏は、比例で復活した…。

※ 過去の選挙戦で、威力を発揮した「石原軍団」も、既に解散し、親父の御威光も、さすがに衰えたんだろう…。

※ 親父の現在について、ちょっと調べると、現在89歳で、脳梗塞も発症したらしい…。ご存命では、あるようだ…。

※ 諸行無常、栄枯盛衰だな…。

※ あと、個人的に注目していた桜田義孝元五輪相だが、小選挙区では敗北したが、比例で復活してた…。菅さんが、応援に入ったが、功を奏さなかったようだ…。比例復活は、3回目だそうだ…。

『衆院選は与野党の幹部や閣僚を務めた「大物議員」が小選挙区で相次ぎ敗北した。立憲民主党の小沢一郎氏が小選挙区で初めて敗れ、自民党の石原伸晃元幹事長は比例代表でも復活できず落選した。若年層や無党派層の支持を取り込めず、世代交代が進んだ。

79歳の小沢氏は1969年から当選を重ねてきた。小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降も選挙区で連続8選し、今回初めて比例代表での復活当選となった。

対抗馬の自民前職は38歳で「世代交代」を訴えて選挙を戦った。共同通信の出口調査をみると50歳代以上の世代は小沢氏に投票する割合が50%を超え、40歳代以下は50%未満だった。

自治相や党税調会長を経験した自民党の野田毅氏は17回目の当選がかなわなかった。相手は自民系の一部団体が推した43歳の無所属新人で、やはり「世代交代」を訴えた。

自民は衆院の比例候補を原則73歳未満にする内規がある。80歳の野田氏は重複立候補できず、小選挙区の敗北により議席を失った。

「今回は私の力量不足でこのような結果を招いてしまい、本当に申し訳ございません」。立民の新人に敗れた石原氏は31日夜、支持者らにこう頭を下げた。

90年の初当選以来、連続10期務めた。経済財政・再生相や環境相を歴任し、山崎拓氏の派閥を引き継いで石原派の会長を務めてきた。総裁選にも2008年と12年の2回挑戦した。

共同通信の出口調査をみると、無党派層の65%が当選した立民の新人候補に投票した。残る35%のうち20%は日本維新の会の新人に入れ、石原氏は15%しか取れなかった。

石原氏の得票率は37.2%で、17年の39.2%から大きな変化はなかった。17年は立民、希望の党、共産党など石原氏のほかに5人の候補が票を奪い合って勝利した。今回の相手は立民と維新の2人だけで政権批判票がまとまったうえ、保守票が維新に流れたとみられる。

当選8回の原田義昭元環境相と山本幸三元地方創生相も落選した。いずれも73歳以上のため野田氏と同様に小選挙区のみの立候補だった。

立民では辻元清美副代表や旧民主党政権で官房長官を務めた平野博文氏らが議席を失った。

小選挙区で敗れたものの、比例代表で復活当選した自民の大物も多い。その1人が当選13回の甘利明氏だ。現職の幹事長として初めて小選挙区で敗北し、岸田文雄首相(党総裁)に幹事長を辞任する意向を伝えた。

現役の閣僚では東京5区に立候補した若宮健嗣万博相が競り負けた。平井卓也前デジタル相、塩谷立・元文部科学相、金田勝年元法相、桜田義孝元五輪相ら閣僚経験のあるベテランも小選挙区で当選に届かなかった。

立民の中村喜四郎元建設相も茨城7区で敗北し、比例復活で15回目の当選となった。1994年にゼネコン汚職事件で自民を離党した後も強固な後援会組織に支えられ「無敗の男」と呼ばれてきた。

今回は70歳以上のベテラン議員にとって厳しい選挙になった。70歳以上の比例代表での復活当選も含む勝率をみると、前回の17年衆院選の55.7%から今回は43.3%に低下した。40歳代の勝率は39.7%から45.5%に高まった。

自民で選挙対策部長を務め現在は選挙・政治アドバイザーの久米晃氏は「下馬評よりも若手が善戦し、ベテランが苦戦した」と指摘する。

「新型コロナウイルス禍で有権者は与野党の対決型の政治にうんざりした。古いタイプと目される政治家への抵抗感が投票行動に表れたのではないか」と分析する。

当選者の平均年齢は55.53歳で、17年衆院選の54.74歳からやや上昇した。自民も立民も1歳ずつ上昇した。勝率でみると若年層の方が有利になりつつある一方、前職の多くが当選して全体の年齢を引き上げた。
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

室橋祐貴のアバター
室橋祐貴
日本若者協議会 代表理事
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分析・考察

小選挙区でベテラン議員が敗れたのは象徴的な一方、立憲民主党の小沢一郎氏(79)、中村喜四郎氏(72)が比例で当選した、つまり下の年代の議席を奪ったのには非常に違和感が残ります。自民党に比例の定年制があるように、立憲民主党ら他の政党も定年を設けた方が良いのではないでしょうか。
2021年11月2日 3:06 』

「中国は確実に台湾に侵攻する」前統合幕僚長が警鐘

「中国は確実に台湾に侵攻する」前統合幕僚長が警鐘 沖縄の海が戦場と化す?
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/11010559/?all=1

『覇権主義国家と化した中国は「神聖なる使命、崇高なる目標」と掲げる中台統一への野心を剥き出しにしつつある。間近しともいう人民解放軍の軍事侵攻は不可避なのか。一昨年まで自衛隊トップの統合幕僚長を務めた河野克俊氏が、台湾有事のリアルを解説する。
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【写真8枚】台湾の領域内に侵入した中国の戦闘機「J-16」

 国家の経済発展が海軍力の増強と海洋進出を伴うのは、歴史的必然といえる。大航海時代のポルトガルやスペイン、それに続いたイギリス、オランダをはじめ、近現代ではアメリカや日本も同じ道を歩んできた。

 経済発展は海洋権益の拡大を伴い、それとともに通商交通路としてのシーレーンの安全確保が必須になる。従って、世界第2位の経済大国となった中国が海洋進出を企図するのは自然なことで、理解もできる。問題は彼らの海洋に関する一方的かつ独善的な考え方だ。
 国際法では「海洋は自由」というのが基本的な理念だ。特定の国の領土や領空に他国が無断で侵入することは許されないが、領海では条件付きで認められている。中国の船が日本の領海を単に通航するだけなら、それが軍艦であっても「無害通航権」により許される。仮に核ミサイルを搭載した戦略原子力潜水艦であろうとも、浮上して国旗を掲げていれば「作戦行動中でない」と判断され、まったく問題はない。

 9月10日に中国海軍の潜水艦がミサイル駆逐艦1隻を伴って、鹿児島県奄美大島東部の接続水域を潜水したまま通航したが、これも国際法上は許容される。ただ、海軍の常識でいえば、いたずらに他国の危機意識を煽る「挑発的な行動」であり、少なくとも友好国に対してすべき行為ではない。

中国は1953年に南シナ海全域の海洋権益を主張する線を引いた(他の写真を見る)

 その中国は、1953年に南シナ海全域の海洋権益を主張するU字形の「九段線」を設定し、80年代に入ると太平洋・東シナ海に「第1列島線」「第2列島線」、さらに「第3列島線」と呼ばれる線を引いた。以来、彼らは海洋の自由を掲げた国際社会の不文律に反する行動を繰り返している。

〈九段線とは、スプラトリー諸島やパラセル諸島などを囲うラインで、中国が「歴史的に南シナ海の大半は中国の領海で、域内の島々は中国領」と主張する根拠のひとつになっている。2013年にフィリピン政府がオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に国連海洋法条約違反として提訴し、16年の判決で中国の主張は「法的根拠がない」と却下された。が、中国政府は「一切受け入れない」と明言して現在に至る。

 また、第1列島線は九州南部から沖縄本島、先島諸島、台湾、フィリピンを経てボルネオ島に至る南北のラインだ。中国はこの線の自国側を排他的な支配下に置くことを企図している。第2列島線は伊豆諸島から小笠原諸島、グアム、サイパンを経てパプアニューギニアに達するもの。さらに第3列島線は「太平洋における米中の軍事防衛ライン」とも呼ばれ、アリューシャン列島からハワイ、アメリカ領サモアを経由しニュージーランドを結ぶ。いずれも中国の海洋進出における戦略の段階を示しており、対米防衛の指標的ラインと位置づけられている。

 今年7月、習近平国家主席は中国共産党創建100年記念式典で「台湾問題を解決し、祖国の完全な統一を実現することは共産党の歴史的任務だ」「いかなる台湾独立の企みも断固として打ち砕き、民族復興の美しい未来を創造しなければならない」と宣言した。〉』

『世界で最もキナ臭い地域

 冷戦終結から32年を経て、世界の安全保障環境は大きく様変わりした。冷戦下における世界的な安全保障の最前線は、米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)と、ソ連を中心としたワルシャワ条約機構とが対峙するラインだった。

 政治的にはドイツを東西に分断したベルリンの壁であり、軍事的には旧東西ドイツの国境に面していたフルダ峡谷であった。ここは東側が侵攻する際の経路と見なされ、軍事戦略的に最も重要な地域とされていた。

 ところがいまや、「最前線」は第1列島線に取って代わった。中国が統一を目論む台湾と、挑発を繰り返す尖閣諸島の周辺こそが、世界で最もキナ臭い地域と化しているのだ。
 親日国として知られる台湾と、そのすぐ手前に連なる自然豊かな沖縄の島々、それらを取り巻く美しい海が一触即発の状態にある。その事実は、いまだ多くの日本人には「聞耳(ききみみ)遠し」かもしれない。しかし、これが安全保障の現実だ。日本は戦後76年を経て、好むと好まざるとにかかわらず、冷戦時代の西ドイツと同じ位置に「立っちゃった」のである。理由は明らかで、同盟国のアメリカが中国を“脅威のナンバー1”に据えたからにほかならない。

 ちなみに、私が「立っちゃった」と表現するのには理由がある。世界が注視する安全保障の最前線に日本が「立たされた」というのでは、国家としてあまりに自覚に欠けているようで情けない。かといって、いまの日本が自身の立場を自覚し、「立っている」と胸を張れるだろうか。冷徹な国際政治の現実を理解し、来(きた)るべき事態に向き合う覚悟を持っているだろうか。それを思うと、やはり「立っちゃった」との表現が適切に思うのだ。』

『台湾侵攻はいつ起こるか

〈18年10月、トランプ政権のペンス副大統領は「中国は米国を西太平洋から追い出して、米国による同盟国への援助を阻止することを何よりも望んでいる」「中国の船舶は日本が施政権を持つ尖閣諸島の周辺で、日常的に監視活動を行っており、南シナ海では、人工島に建設された軍事基地に最新鋭の対艦・対空ミサイルを配備している」と、危機感をあらわにした。

 さらに2020年7月には、ポンぺオ国務長官も「共産主義の中国と自由世界の未来」と題した講演で「今日の中国は国内ではますます独裁色を強め、国外では至るところで自由への敵意をより攻撃的に表している」「自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変えるだろう」「習氏のイデオロギーは、中国共産主義による世界覇権の構築という長年の野望を特徴付けている」と、強い口調で訴えた。〉

 そして今年、アメリカには民主党のバイデン大統領が誕生した。我が国には少なからず「新政権は中国に妥協的になるのでは」と懸念する声があった。しかし、今年4月の菅義偉総理との日米首脳会談後の記者会見で、バイデン大統領は「日米同盟と我々が共有する安全保障について鉄壁の支持を確認した。自由で開かれたインド太平洋の将来を確かなものにするため、我々は東シナ海や南シナ海などの問題に関して中国の挑戦を受けて立つために、そして北朝鮮の問題にも、ともに取り組むことを約束した」と明言した。つまり、今後もアメリカの中国に対する厳しい姿勢は変わらないと考えられる。

 では、中国の台湾侵攻はいつ起きるのか。今年3月、アメリカのデビッドソン・インド太平洋軍司令官(当時)は米国上院軍事委員会で「台湾への脅威は6年以内に明らかになると思う」と証言した。私は彼が「6年以内」と明言した意味を、次のように解釈している。

 今年11月、北京で「第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)」が開かれる。すでに習氏は2期10年だった国家主席の任期を撤廃した。では、もう一つの肩書であり、共産党内における権力掌握という点で重要な「共産党総書記」はどうだろうか。

 そもそも総書記の任期には明確な規定がない。かつての指導者・トウ小平は、党の集団指導体制への移行を目指し、遺訓として総書記の任期を2期10年と定めた。が、これは明文化されていない“不文律”であり、習氏はこれを無視して3期目を狙うと見られている。』

『脅威は6年以内

 さりとて、いかに最高権力者の地位にあろうとも、党の慣例を反故にして自らの3期目の続投を実現させるには、それを正当化する理屈が必要だ。そこで浮かんで来るのが「台湾」である。中台統一を果たせば、名実ともに国共内戦を終結させたことになる。習氏が繰り返し口にしてきた「中国の夢」の実現であり、国家指導部の建国当時からの宿願を成就すれば、習氏は中国人民が「建国の父」と敬愛する毛沢東をも超える存在になる。つまり、習氏の野望を実現させるその理屈こそが台湾問題の解決、中台の統一なのだ。

 それが実現すれば「終身総書記」への就任、つまり“皇帝”としての君臨も夢ではなくなる。習氏の共産党総書記の3期目の任期が終了するのは、ちょうど6年後。だからこそ、デビッドソン司令官は「6年以内」と指摘したのだと思う。

〈昨年公表された米国防総省の年次報告書によれば、米海軍が保有する艦艇の数は約290隻。それに対して中国海軍の艦艇保有数はおよそ350隻に達しており、報告書は中国を「世界最大の海軍」と指摘している。〉

 さらにデビッドソン司令官が危惧しているのは、台湾海峡を巡る米中の軍事バランスだ。数的に見れば、海軍力は完全に中国がアメリカを凌駕している。もちろん、作戦を実施する際に中心となる空母の数は米軍の11隻に対して中国は2隻と圧倒的に少ないから質的には米軍が上だ。が、ここで注意すべきは、この30年間で中国の軍事費が42倍と驚異的な伸びを示している点である。

 2021年度は1兆3553億元(約20兆3301億円)に達しており、5兆3422億円の日本の防衛費の約4倍に相当する。右肩上がりに軍事費を増大させている中国を放置すれば、いずれはアメリカの質的優位が覆されかねない。』

『米国も中国抑止の新たな手段を構築中

 仮に米中のミリタリーバランスが逆転すれば、米軍は第3列島線に近づくことさえできなくなる。米中の中距離ミサイルに関する格差も深刻で、中国は少なくとも核弾頭を搭載可能な地上発射型中距離ミサイルを1250発以上保有しているとされる。それらは日本全土を射程内に収めているほか、「空母キラー」と呼ばれる射程1500キロの対艦弾道ミサイル「DF-21D」、同じく射程3千キロから4千キロと伝えられ、「グアムキラー」との異名を持つ「DF-26B」も含まれている。

 中国の中距離ミサイルは、中国内陸部からの発射でも西太平洋に展開する米空母打撃群への攻撃が可能と見られる。第1列島線から第2列島線の間において、米軍部隊の行動を大きく制約する脅威になり得るのだ。

 しかも、アメリカはレーガン大統領時代の88年に批准したINF(中距離核戦力)全廃条約の影響で、現在中距離ミサイルの保有数はゼロという状況にある。

〈中国は米軍を念頭に置いた「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」と呼ばれる戦略を取っている。接近阻止(A2)とは「米軍の東シナ海や南シナ海への機動的な展開を妨害し、第2列島線の内側に米軍の艦艇を侵入させないこと」だ。

 領域拒否(AD)とは、米軍の第2列島線内への侵入を許した場合に「米軍による作戦地域の利用を拒否する」というものである。〉

 無論、アメリカも手を打っており、22億ドル(約2400億円)を投じる「太平洋抑止構想(PDI)」を打ち出して、軍事力の向上と戦術転換を図っている。具体的には、グアム島を西太平洋における最も重要な活動拠点と位置付けるなど、中国を抑止するための新たな手段を構築中だ。

 さらに海上発射型巡航ミサイルを地上発射型に改良した「トマホーク」や、23年の実戦配備が予定される「LRHW」といった中距離ミサイルの配備も進めている。つまり、時が経てばたつほど米軍が勢いを盛り返すことになる。

 こうした米中の動きと思惑に鑑みれば、やはり6年以内に台湾と尖閣諸島を巡る緊張がピークに達する可能性が高いと言わざるを得ない。』

『台湾侵攻が起こってしまう条件

〈台湾初の総統選挙を目前に控えた95年7月から翌年3月にかけて、中国は台湾沖の海域で大規模な演習を実施して、民主化への動きを牽制した。これを受けて、アメリカは二つの空母打撃群を派遣した。いわゆる「第3次台湾海峡危機」である。この時の中国は米軍の圧倒的な軍事力の前に引き下がらざるを得なかったが、いまや両国の戦力差は縮まりつつある。となると、来るべき台湾への侵攻はどんなシナリオが想定されるのか。〉

 あまり固定的に考えるべきではないが、あえて言うなら、(1)台湾海峡を巡る軍事バランスが中国に絶対的に有利 (2)米軍の介入が困難、これら二つの条件が満たされた時に現実化してくるだろう。

 具体的にはJ-16やJ-10、Su-27といった各種戦闘機、H-6などの爆撃機や、その他の作戦機で制空権を確保し、同時に空母「遼寧」を中心とした空母打撃群が周辺海域の制海権を掌握する。その後は約4万人を擁する海兵隊が中心の強襲揚陸作戦によって、台湾本島を制圧するだろう。軍事的にはこれが最も手っ取り早い。

 あるいは、台湾本島から200キロの距離がある一方、中国大陸からわずか10~20キロの金門島や馬祖島など、台湾の施政下にある離島を奪取することもあり得る。台湾の国論を「反撃か従属か」と二分し、その混乱に乗じて台北に臨時革命政府を成立させて、親中政権の要請に基づいて人民解放軍が進駐するという手法だ。

 加えて、14年にロシアがクリミア半島に侵攻した際にウクライナ軍を混乱に陥らせたサイバー攻撃や、SNSやメディアの操作、フェイクニュースの拡散等を活用して民心を操作するハイブリッド戦も考えられる。情報の兵器化によって台湾世論の分断や攪乱がなされれば、米軍の介入にあたり、大きな政治的困難が伴うからだ。』

『自国民を虐殺した過去

 振り返れば、中国は建国から間もない50年にチベットに侵攻し、62年にはいまも続く中印国境紛争を始め、69年にはアムール川支流にある中洲の領有を巡ってソ連と戦った。79年にはトウ小平が「懲らしめてやる」とベトナムに侵攻している。

 極めつきは厳しい国際世論をものともせず、1万人もの自国民を虐殺した89年の天安門事件だ。こともあろうに人民解放軍が一般の民衆に銃を向けたのである。こうした過去からも分かるように、中国の武力行使に至るハードルは極めて低いということを忘れてはならない。

〈15年に制定された平和安全法制によって、自衛隊と米軍の連携は緊密化した。それでも、いざ有事となれば、自衛隊には「重要影響事態」や「存立危機事態」「武力攻撃事態」など、各状況に応じた初めての対応が求められることになる。

 日本が直接的な攻撃を受ければ、自衛隊は必要最低限の武器使用が認められる「防衛出動」を初めて要請されることになるのだ。〉

 もとより台湾問題は外交で平和的に解決すべきで、それが大前提だ。が、その行く末はあくまで中国の意思に依る。だからこそ、我々は最悪の事態を想定しておく必要がある。最も近い与那国島と台湾はわずか110キロの距離しかなく、有事の際は西表、波照間、石垣などの各島をはじめ、尖閣諸島の近海も戦域と化すからだ。

 これら先島諸島には、およそ10万6千人の住民が暮らしている。戦争が始まれば、彼らの避難も必要だ。それだけでも大変なオペレーションだが、その際、これまでのように“あくまで平和的解決を”などという空想的平和主義の議論が繰り返されれば、貴重な時間が浪費されることになる。』

『果たすべき責任

 では、日本はいかにして中国に台湾侵攻のリスクを認識させ、同時に抑止力を向上させるべきか。ここでは主に、抑止力の中心的役割を担う中距離ミサイルに焦点を絞って考えてみたい。

 まずは先島諸島に中距離ミサイルを配備することが重要だ。米軍が準備を進めるトマホークの改良型は、沖縄の米軍や自衛隊の基地や駐屯地から中国本土の主要都市を射程に収めるが、中国のミサイルはアメリカ本土は射程外で、その優位性は決定的だ。それだけに、米国は今後、日本に独自の中距離ミサイルの配備を求めてくるだろう。バイデン大統領が就任早々に打ち出した同盟国重視の方針は「アメリカが同盟国を庇護する」のではなく、「アメリカと一緒にやろう」であることを忘れてはならない。

 さらにバイデン大統領は、アフガニスタンからの撤退に際して「アフガン国軍自身が戦おうともしない戦争で、アメリカ兵士が死んだり戦ったりすることはできないし、するべきでもない」と発言した。いくら同盟国だからといって、当たり前過ぎるこの言葉が日本に突きつけられない保証はどこにもない。日本は「同盟国も相応の責任を果たせ」というアメリカの要求をリアルに自覚する必要がある。

 私はいま、日米同盟の「盾」と「矛」という関係を見直すべき時期に来ていると考えている。日本は基本的に自国の防御だけを担い、攻撃は同盟国のアメリカに依存している。もちろん、日本は今後も戦略的な専守防衛を旨とする国家であるべきだ。しかし、他国の攻撃で日本国民の安全が脅かされる場合に限っては、戦術的な敵地への先制攻撃を認める必要がある。日本人の命が他国の攻撃で危機に瀕しているにもかかわらず、その封じ込めまでアメリカに依存するのは、あまりに国家の品格に欠ける。』

『目前に迫った危機

 また、各国との連携も大切だ。9月2日にイギリスの最新鋭空母「クイーン・エリザベス」麾下の空母打撃群が来日し、高知県沖でアメリカ、オランダ、カナダとの共同訓練「パシフィッククラウン21-3」などが実施された。同様にドイツもインド太平洋地域に艦艇を派遣するなど、欧州各国も中国の動きを念頭に置きながら、一定のプレゼンスを示そうとしている。

 海洋の秩序作りを進める「日米豪印戦略対話(クアッド)」も重要だ。ASEAN諸国も極東地域の重要なパートナーだが、中国の支援に依存する国もあり、対中国という観点からは決して一枚岩ではない上、海軍力を比較してもクアッドに比べて見劣りが否めない。心強いことに、英国が参加の意向を表明したほか、ドイツやオランダ、フランスも加入の方向にある。

 17世紀から18世紀にかけて、近隣諸国との戦争に明け暮れたフランスのルイ14世は「領土の拡大は為政者にとって最も相応しく、最も心地よい仕事である」と語った。

 国際法を無視した中国の横暴は、300年前のフランス王と同様に領土拡張に執念を燃やす、習氏をトップとする共産党の一党独裁国家体制が崩れない限り続くだろう。我々は台湾有事が「いずれ起きるかもしれない危機」ではなく、「目前に迫った危機」であることを自覚し、決意をもって来るべき日に備えなければならない。

河野克俊(かわのかつとし)
前統合幕僚長。1954年、北海道生まれ。防衛大学校を卒業後、77年に海上自衛隊入隊。第3護衛隊群司令、護衛艦隊司令官、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官、海上幕僚長などを経て、2014年に統合幕僚長に就任。(※ 統合幕僚長を 2019年(平成31年)4月1日付で退官)現在、川崎重工顧問。著書に『統合幕僚長』がある。』

※ 『(※ wikiより)
2019年(平成31年)

4月1日:退官[31]
4月25日:防衛省顧問[32]
9月11日:免 防衛省顧問[33] 』

 ということで、川重顧問に就任する時に、防衛相の顧問を辞めたんだろう…。
 現在は、「一民間人」という立場で、わりと自由に発言しているとみえる…。

※ ただ、川重は、名だたる「防衛関連企業」なんで、その点は、割り引いて見る必要があるだろう…。

「24年までに中国が台湾侵攻も」 前米大統領補佐官

「24年までに中国が台湾侵攻も」 前米大統領補佐官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3105V0R31C21A0000000/

『【ワシントン=中村亮】米国のロバート・オブライエン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が「北京五輪と米次期大統領選の間こそが台湾への悪事を働くチャンスだと確信している可能性がある」と語り、米大統領選がある2024年までの台湾侵攻リスクに警鐘を鳴らした。

オブライエン氏がオンライン形式で日本経済新聞のインタビューに応じた。オブライエン氏はトランプ前政権で人質問題を担当する国務省の大統領特使を務め、19年9月に大統領補佐官に就いた。

台湾海峡の緊張をめぐり、中国が22年2月の北京冬季五輪が終わるまで台湾を侵攻するリスクはないとした。一方、中国は24年の米大統領選についてトランプ前大統領の復活に加え、ポンペオ前国務長官などの対中強硬派の勝利を懸念すると分析した。習氏は台湾を「核心的利益」と位置づけて中台統一を目指している。

バイデン大統領は夏以降、公の場で米国の台湾防衛を2回にわたり明言した。米国で1979年に定めた台湾関係法は米国の台湾防衛義務を明記しておらず、バイデン氏の発言は歴代政権の方針から逸脱している。

ホワイトハウスがいずれも発言を訂正したが、オブライエン氏は「大統領は何らかの計画を持ち、中国の指導者に疑念を植え付けようとしているようだ」と、わざと間違えた可能性に触れた。「バイデン政権が機密情報を踏まえて中国の計画をとても懸念し、大統領の発言につながったかもしれない」との見方も示した。台湾有事の現実味が増し、中国抑止を迫られている可能性を排除できないという。

中国の台湾侵攻を防ぐため、日米やインド、英国、欧州連合(EU)の協力を主張した。各国が連携して「台湾侵攻の報いは軍事だけでなく経済面でも中国国民にとって極めて厳しいものになると中国へ明確に伝えることがとても重要だ」とした。

中国が台湾を支配した場合に「日本は他のアジア諸国から分断される」と懸念を表明した。中国軍は台湾を拠点にすると、沖縄から台湾を通ってフィリピンを結ぶ第1列島線を越えて太平洋に進出しやすくなる。日本の貿易ルートが遮断されるリスクが増す。

企業も台湾有事に備えるべきだと提言した。国際社会が中国に強力な経済制裁を科すリスクがあるからだ。「中国とビジネスをする大企業や中小企業はサプライチェーンや顧客基盤の多様化に向けた計画をつくるべきだ」と訴えた。

バイデン米政権の対中政策についてはおおむね評価しつつ、気候変動対策での対中協力は慎重に進めるべきだとした。「中国は気候変動について空っぽの約束をして貿易や台湾など別の分野で便益を得るかもしれない。それを強く懸念している」と力説した。

中国が参加を申請した環太平洋経済連携協定(TPP)は、当事国が反対すべきだとの立場をとった。「中国の参加は法の統治や公平性に基づく自由で開かれた貿易システムを築くというTPPの存在意義を破壊するかもしれない」と断じた。

トランプ政権は発足初日にTPP離脱を表明した。オブライエン氏はTPPについて中国への対抗軸をつくるうえで「原則としてはとても良い考えだと思う」と認めた。一方で米国の参加について「他国だけでなく米国の労働者や家計への恩恵も担保しなければならない」として距離を置いた。
多様な観点からニュースを考える

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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察

バイデン大統領の二回にわたる台湾防衛発言が、失言なのか、意図的なものか、という点は、専門家の間で関心を持たれています。オブライエン氏が意図的な発言の可能性を示唆しているのが興味深いところです。

彼の政治的な立場からいえば、バイデン大統領の発言を度重なる失言として、職務遂行能力の欠如として批判することもできるからです。

またTPPから離脱したトランプ大統領の立場を慮って、TPPへの米国の参加条件に留保はつけておりますが、原則としてはとても良い考えと話しているのも、政治的な立場よりも対中戦略の実効性を優先して話していると考えられ興味深いです。』

直前まで大敗予想の自民党、なぜ絶対安定多数を確保できたか

直前まで大敗予想の自民党、なぜ絶対安定多数を確保できたか
野党共闘でも自民党を崩しきれなかった理由
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67555?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

 ※ 「自民党」の「凄み」を余すところなく語っている記事だな…。

 ※ 「政権」を失いそうになるや、「団結」する…。

 ※ しかし、「一旦、政権を握った」となるや、その中で「権力闘争」に走る…。

 ※ 有力者間での「思惑」や「利害関係」「立ち位置」の違いを内包しているんで、次の「政局」「足の引っ張り合い」の芽は、見えているようだ…。

 ※ 菅さんが、活躍したという話しは、初耳だった…。それもまた、次の争いのタネとなる…。

 ※ 参院選に勝利すれば、ますます「岸田カラー」が出てくるんだろう…。

 ※ そういうことに、各有力者がどこまで協力するものなのか…。

 ※ そういう「勢力争い」の力学で、日本国の「国政」は動いていくものなんだろう…。

『自民党は10月31日投開票の衆院選で絶対安定多数の261議席を獲得した。この結果を予測していたメディアや有識者、永田町関係者は少なかった。なぜなら報道各社の情勢調査や当日の出口調査で、自民党の苦戦を伝える数字が出ていたからだ。

 自民党幹部でさえ情勢をかなり悲観していた。例えば、投票日の31日昼時点で、自民党有力筋でさえも「過半数割れの可能性がある」との見方を示していた。もっと言えば同日午後8時過ぎの段階でも、フジテレビは単独過半数割れとの見通しを報じていたほか、NHKも単独過半数は「ぎりぎり」と繰り返していた。

驚愕の「自民惨敗」を示す出口調査

 10月31日午後、主要報道機関の出口調査が永田町に一斉に出まわった。数字は中間報告、途中経過に過ぎなかったが、自民党が過半数の233に達しないという予測が次々に出てきた。報道機関が出口調査の詳細を公表していない以上、あくまで推測でしかないが、自民党が絶対安定多数を取る兆候は数字からは読み取れなかったようだ。自民党有力筋も当然、それらの情報をつかんでおり、自民党惨敗を感じさせる材料だらけだった。

 31日夕、千葉県のある自民候補者の陣営幹部は複数の報道関係者に問い合わせを行い、「このままでは危ない」と語り、有力支援者らに投票に行ったかどうかを確認する電話を慌てて入れ始めた。投開票日当日の選挙運動、特定候補への応援は禁じられているが、投票を呼びかけること自体は推奨行動だ。支持者を固めきり、投票に行ってもらわなければ接戦では勝てない。だから最後の5分まで、投票に行ってもらうよう呼びかける。油断して投票しない人も中にはいる――。長年政権を維持してきた自民党は、投開票日当日も手を抜かない。

 一般的に低投票率の方が与党に有利とされ、今回もそのセオリー通りの結果となったが、選挙現場ではやや様相は異なる。「自民党に入れるべき支持者が漏れなく投票に行くように積極的に働きかけている」のが実態だ。敗北への危機感と焦りが、ぎりぎりまで票を積み上げる努力に結びつく。結果的に、この陣営幹部が推す候補者は接戦を制した。筆者には「本当に危なかった」と明かした。』

『集中的で無駄のない遊説作戦

「150選挙区好調」「80選挙区で苦戦」「50選挙区で接戦」・・・。

 10月25日夜、自民党の選対会議での情勢分析結果だ。複数の関係者によると、会議の場は重苦しい雰囲気に包まれていたという。接戦の50選挙区のうち半分を制しても175議席。この時点では比例代表で自民党は60~65議席といわれていたため、過半数割れの可能性は否定できなかった。自民党は明らかに不利な状況にあり、惨敗の“恐怖”が党内に広がった。

 選挙に妙案はないが、自民党は終盤に向けて緻密な遊説日程を組み始めた。接戦区に岸田文雄首相や菅義偉前首相、安倍晋三元首相を優先的に投入する作戦を展開したのだ。これは菅氏の街頭での反応が非常に良いことも踏まえた判断だったという。例えば、茨城6区には終盤だけでも、岸田、菅、安倍の3氏が日替わりで現地入りしている。

 30日の選挙戦最終日の党幹部遊説は、自民党の粘りを象徴していた。埼玉、東京、神奈川の接戦区に岸田氏、菅氏、麻生太郎副総裁、河野太郎広報本部長らを集中投入し、選挙区での勝利につなげている。神奈川7区には岸田氏と麻生氏、東京23区や埼玉15区には岸田氏と菅氏、といった具合だ。いずれの選挙区も事前の情勢調査や出口調査で劣勢といわれていたところばかりで、極めて計画的だ。
選挙戦最終日の10月30日、神奈川14区の応援に入り、候補者の赤間二郎氏と手を取り合って聴衆に向かってガッツポーズを決める岸田文雄総裁(写真:つのだよしお/アフロ)

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 首相並びに首相経験者の応援は、圧倒的知名度はもちろん、陣営の士気を高める意味で絶大な効果がある。岸田氏自身、覇気や闘争心を前面に出すタイプではなく、安倍元首相のような盛り上がりを演出することはできないが、現職総理の応援に勝るテコ入れはない。終盤の自民党の遊説日程には無駄がなかった。接戦区、勝てそうなところのみを選んでいる。残念ながら、立憲民主党の幹部遊説日程を見る限り、そこまでの計算と計画は感じられなかった。』

『投開票日翌日に共同通信が報じたところによれば、公示日から選挙戦最終日までに岸田氏が応援に入った小選挙区は68で、うち36選挙区で勝利したという。「勝率」は5割を超える。それに対して立憲の枝野幸男代表の方は、51選挙区に応援に入り、勝利したのは15選挙区。勝率は3割を下回る。

 両党首とも応援に入った26の選挙区で比較すると、選挙区で勝ったのは自民党が15人で、立憲民主党が9人。比例復活したのは自民9人、立憲8人というからいずれも接戦だった。

 自民党が接戦区を数多く制することが出来た大きな要因は、やはり経験豊富な選対の緻密な戦略によるところが大きいと言えるだろう。

岸田首相は「3A」から脱却、菅前首相は復権へ

 さて261議席獲得で、自民党内はひとまず安泰のようにみえるが、小選挙区で落選した甘利明幹事長が辞任の意向を示しており、党内に動揺が広がっている。岸田首相は安倍氏、麻生氏、甘利氏のいわゆる「3A」に配慮した党運営を意識してきたが、甘利氏の求心力の低下に伴い、自らのカラーを出しやすくなるだろう。

 一方、9月の総裁選で「3A」に対抗した小泉進次郎前環境相、石破茂元幹事長、河野氏のいわゆる「小石河」は圧倒的な得票で当選した。来年の参院選に向け、さらには「ポスト岸田」を念頭に置いた動きを強めていくはずだ。』

『「小石河」サイドには、菅前首相が不気味に控えている。菅前首相は午後8時の投票終了直後に当選確実を出し(ゼロ当)、2カ月前の国民的不人気が嘘に思えるような強さを見せた。街頭では「1日100万回接種の体制をつくる、あえて高めの数字を公言した。そこから大変でしたが」と笑いを取る余裕もあった。首相時代には考えられないハッスルぶりは、復権への意欲満々と受け取っていいだろう。

維新の将来性と立民の絶望

 日本維新の会の大躍進がニュースになっているが、2012年に57議席を獲得しており、ようやく初期ブーム時の水準に近づいたという見方が正しい。とはいえ、第3極の躍進は自民党、立憲民主党の両二大政党からみると脅威である。

 小選挙区比例代表並立制は1996年の総選挙から数えて9回目となった。理論的には二大政党に収れんしていくとされているが、日本政治においてはそうはなっていない。二大政党制を提唱してきた野党の実力者、小沢一郎氏が小選挙区で落選したことがすべてを物語っている。日本の有権者は、25年を経ても多党制志向が強い。

 立憲民主党にとっては厳しい結果となった。候補者個人の力で勝利しているケースが多く、党としての勢いは皆無に近いといってもいいだろう。岸田政権が中道寄りで一定の支持を得ている以上、立民は立ち位置を整理しなければ来年の参院選も苦しくなる。立民は絶望的ではないか。

 それに対して、第三党となった日本維新の会は、保守・中道層が求める自民党に代わる票の受け皿になる可能性が高まってきた。

 まず中道に寄せてきた自民と明確な中道路線を取る維新は政策的には十分組める。維新の連立政権入りは政策的にはすぐにでも可能だ。ただ、維新は自民党との連立を頑なに否定してきた歴史を持つため、なかなか難しい。とはいえ、国会での存在感が増し、当面維新がキャスティングボートを握ることになった。そして何より注目すべきは新鮮さを維持している点かも知れない。維新は松井一郎大阪市長が代表選への不出馬を表明し、維新人気を支えてきた吉村洋文大阪府知事も代表選への出馬を否定した。維新は新陳代謝を継続している点で将来性がある。』

自民引き締め、意外な堅調 終盤で若者取り込み

自民引き締め、意外な堅調 終盤で若者取り込み
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA012VH0R01C21A1000000/

 ※ 『日本における若年層の自由民主党の支持の高さは欧州とは対照的と言え、その背景に興味を覚えます。

9月に連邦議会選挙が行われたドイツでは若年層の票は第3党となった環境政党・緑の党、第4党となった親ビジネスのFDPへと流れ、中道右派のCDU/CSUの得票率は歴史的な低水準に沈みました。

英国で単独過半数を握る保守党のジョンソン政権への支持率も高年齢層ほど高い傾向が見られます。』

 ※ 日本では、「就職氷河期」を経験したからじゃないか…。

 ※ 誰でも、「自分の生活が、一番大事。」…。ましてや、日本社会みたいに「新卒一括採用-年功序列-定期昇給」という雇用体系が、まだまだ残存している雇用環境では、就職する時に「経済情勢が、好調か不調か」ということは、「一生を左右する」「人生の一大イベント」だ…。

 ※ それなのに、「空理空論」ばかり言っている政党に、「自分の一生」を託する気にはなれんだろう…。

 ※ あと、「ネットメディアが普及したこと」も大きいだろう…。新聞、テレビのオールド・メディアの言っていることは、「信頼するに足りるのか」、みんなが考えるようになって来たんだろう…。

『自民党は衆院選で事前の情勢調査や出口調査の予測より多い議席を確保した。党内で意外に堅調だったとの受け止めが広がる。序盤での「苦戦」情報を受け、執行部が党内を引き締めた効果とみられる。固定電話による調査の対象になりにくい若者層などの支持を得た候補が終盤にかけて浮揚した。

日本経済新聞社が10月19、20両日に実施した序盤情勢調査で与野党どちらの候補が勝ってもおかしくない「接戦区」が全289小選挙区の4割ほどあった。自民はその過半で競り勝った。

自民は序盤情勢を受けた10月21日、甘利明幹事長らの連名で「急告 情勢緊迫 一票一票の獲得に全力を!!」とする通知を全候補に送った。「全国各地で多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にある」と呼びかけた。

岸田文雄首相も終盤にかけて激戦区に集中的に応援に入った。現地入りした68小選挙区の勝敗をみると36人が競り勝ち、小選挙区での勝率は5割を超えた。51選挙区で応援した立憲民主党の枝野幸男代表は15勝で勝率は3割を切った。

引き締め効果が情勢調査で捕捉しづらい「隠れ与党支持層」を掘り起こしたとの見方はできる。

日経新聞は序盤情勢で「与党、過半数を視野」と報じた。自民は単独過半数を割り込む可能性があり、立民は公示前勢力から30議席ほど増えると予測した。

調査は固定電話と携帯電話に調査員や自動音声で実施した。調査員が固定電話向けに実施した質問への回答者は高齢者の比率が2017年衆院選より高かった。

高齢者は若年層に比べ立民などリベラルな政党を支持する比率が高い傾向がある。予測議席数を算出する際に補正をかけるものの、今回は想定以上の影響を受けたおそれはある。
一方で固定電話の調査で対象となりにくい若年層やインターネットをよく使う層は保守的な志向が強いとされる。

実際、首相が選挙戦の最終日に入った街頭演説の会場では若者や子連れの夫婦などが目立った。情勢調査で把握しきれなかったこうした層が終盤にかけて接戦区での自民の票数を押し上げた可能性はある。

接戦区の多さは開票結果が情勢調査や出口調査と食い違った一因に挙げられる。よく似ているのが2003年衆院選だ。

当時も投票日の出口調査で報道各社の獲得議席予測にばらつきがあった。自民は220~240台、民主党は170~200台までの予測があった。開票結果は自民が237議席、民主は177議席だった。

03年以来といえる接戦の多い衆院選となった今回も、全体として与党の議席予想が実際より低く出る傾向となった。

10月31日の投開票日に共同通信社が実施した出口調査の午後3時ごろまでの集計をもとにした日経新聞の分析で、自民の予想獲得議席は単独で過半数の233をわずかに超える程度が軸だった。立民は議席を増やす公算が大きいとの見通しが出た。

実際には自民が261議席まで積み上げ、立民は公示前勢力を下回る96議席と大きな差があった。

投票締め切りまでの出口調査でどんな変化が生じていたのか。出口調査に答えた人の年齢層をみると、午後6時すぎの集計で18.4%だった40歳未満の割合が午後8時すぎの集計で19.8%に高まった。

夜にかけて投票者の若年層の比率が高まり、出口調査の回答者の内訳も変わったとみられる。出口調査からは若年層は比例代表で立民に投票した比率が高齢者層より低いことが分かる。午前は高齢者が多く、時間帯による世代差が影響したとみられる。

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衆院選2021 』

『多様な観点からニュースを考える

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楠木建
一橋大学 教授
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別の視点

勝利条件が本来多元的な政治の世界にあって、選挙は極端に勝利条件が明確です。「当選か落選か」しかない。普段何やっているのか分からない連中が突然元気になるのが面白い。人間はつくづくゲンキンなものであります。

2021年11月2日 7:17
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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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別の視点

日本における若年層の自由民主党の支持の高さは欧州とは対照的と言え、その背景に興味を覚えます。

9月に連邦議会選挙が行われたドイツでは若年層の票は第3党となった環境政党・緑の党、第4党となった親ビジネスのFDPへと流れ、中道右派のCDU/CSUの得票率は歴史的な低水準に沈みました。

英国で単独過半数を握る保守党のジョンソン政権への支持率も高年齢層ほど高い傾向が見られます。

2021年11月2日 9:03 (2021年11月2日 11:34更新)

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山本由里
日本経済新聞社 マネー・エディター
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世界でも例のないスピードで高齢化が進むこの国は2036年、3人に1人が65歳以上の高齢者で構成される社会になります。

そして今でも65歳以上人口のおよそ7人に1人が認知症とされますが、2025年以降団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることでその割合は5人に1人に上がると見られます。
世論調査に与えるブレの検討以上に投票の方法そのものにも変革が必要でしょう。今のような形で投票所に足を運び、筆記用具で記入して、紙を箱に空いた穴に入れるーーどれも認知機能が衰えた人には難しい行為です。』