米中首脳、水面下で進む緊張緩和

米中首脳、水面下で進む緊張緩和-台湾巡り対立でも意思疎通は保つ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-29/R1PNR2DWRGG001?srnd=cojp-v2

バイデン米大統領は中国から攻撃されれば台湾を守ると言明し、中国側は「状況を一変させる巨大なリスク」を警告。中国軍機が台湾周辺を毎日のように飛行し、国営メディアは米国による行動が「戦争を誘発」する恐れがあると警鐘を鳴らす。

  こうしたヘッドラインだけを見ると、米中が衝突へとひたすら向かっているように思える。習近平国家主席が台湾統一に向け、今後数年以内の侵攻を準備していると指摘するアナリストも増えている。

バイデン大統領、台湾が中国から攻撃されれば米国は防衛に向かう

  だが、水面下ではトランプ前政権による2018年3月の鉄鋼追加関税で口火が切られた外交面の悪循環から、米中が抜け出し始めている兆しが増えている。

トランプ関税に中国が反撃、相互関税計画発表-貿易戦争「開戦」

  バイデン大統領と習主席は年内にオンライン会談を行う計画で、今月26日には劉鶴副首相とイエレン米財務長官が協議し、中国側は「実務的で率直、建設的」だったと評価した。両国は難題の解決に向けて作業グループも設置した。

中国の劉鶴副首相とイエレン氏が電話会談-経済や協力で意見交換

  こうした相反するシグナルは、自国経済を守るために一定の協力を必要としながらも、弱腰と映るわけにもいかないという米中首脳が直面する政治的な現実を反映している。そこで、台湾が再び両国の代理の最前線として前面に出るようになった。

  オーストラリア国立大学で講師を務める宋文笛氏は、民主的に選ばれた台湾政府を支持することで、バイデン政権は中国が影響力を強める地域で米国の信認を維持することが可能となる一方、中国側が他の問題で歩み寄ろうとする動機も強まる可能性があると分析する。

  「米中間に十分な意思疎通があり、双方が大惨事を招くことなく競争を目指せるとの安心感を抱くことができる限り、表向きに交わされる激しいレトリックに関係なく、両国の協力は今後も可能であり、望ましくもある」と宋氏は話す。

  オバマ政権時代に国家安全保障会議(NSC)中国・台湾・モンゴル担当部長を務めたライアン・ハス氏は、台湾を巡る応酬が今後も米中の緊張を高めたとしても、「意図的な」衝突のリスクは2024年まで低い状況が続くと指摘する。

  ハス氏は「衝突リスクを排除できず、米台は中国の著しい軍事増強に対する抑止力を維持する取り組みを強化する必要はあるが、短期的なリスクは米国の論調が示唆するよりもはるかに低いとみられる」と述べた。

原題:Biden-Xi Thaw Quietly Takes Hold as Taiwan Tensions Flare (1)(抜粋)』