中国の超音速ミサイル実験を米統幕議長が追認

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月29日(金曜日)参

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月29日(金曜日)参
通巻第7099号  
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 中国の超音速ミサイル実験を米統幕議長が追認
  地球の何処へでも攻撃できるスーパー兵器は核兵器搭載が可能
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 10月27日に米国のミリー統幕議長の談話が公開された。これはブルームバーグのインタビューに答えたもので、中国が八月に実験した超音速ミサイルの事実を認め「甚だしい懸念」とした。
 ミリー統幕議長は、1957年にソ連が米国に先駈けたスプートニク打ち上げ成功の衝撃に近いとも述べた。

 また国防総省のカービー報道官は「地域のデタントに協力しない中国の戦略向上は憂慮にたえないが、それらをもって中国の国益に従えと周辺国を威圧したりする外交と防衛政策を中国は組み合わせている」と指摘した。

 これまでの経緯を振り返ると、音速の5倍以上の速度でミサイルが飛翔するため、迎撃が難しいとされる「極超音速ミサイル」の発射実験を中国軍が2021年8月に行ったとイギリスのフィナンシャル・タイムズが報道した(10月17日)。

 中国は核弾頭搭載可能な極超音速ミサイルを、まず打ち上げロケットに搭載、地球を旋回したあと、地上の標的に滑空した。ただし中国当局は翌日、この報道を否定して、「通常の宇宙船実験だった」とした。

 真偽のほどはともかくとして音速の5倍以上のスピードで飛ぶ極超音速ミサイルは、軍事革命とも言える衝撃である。にもかかわらず日本のメディアは意味が分からないらしく、マジな報道はなかった。

 極超音速兵器はマッハ5を超える速度で飛翔する。このミサイル開発に米国、中国、ロシアが開発を競っている。
とくに中国はDF-17ミサイルの発射実験に成功したと伝えられ、軍事評論家の多くが「もし、そうならソ連が先にスプートニク打ち上げに成功したほどの衝撃だ」とした。

中国科学院(CAS)が2008年に「極超音速飛行条件を再現する衝撃トンネル」プログラムを開始し、2012年に稼働を始めたことは判明している。

サウスチャイナ・モーニング・ポストは「星空2弾」は核弾頭を搭載し、音速の6倍とした(同紙、2018年8月6日)。超音速実験は秘密のトンネルで行われ、燃焼保持安定性および回復温度などの熱特性を分析する。JF-12トンネルは、四川省の三川に位置し、人民解放軍が管理していると米国情報筋は睨んでいる。
 
 これらの技術は中国スパイが米国から取得した。米国ASAのグレン研究センターなどが開発した革新的な計算流体力学(CFD)、アルゴリズムは公表されており、中国はこのような機関から必要な知識を得た可能性が高い。

強度な風圧、気圧に堪える風洞実験、極超音速車両の設計にはCFDコンピュータシミュレーションが必要であり、米国は技術を公開していたため、結果的に中国の極超音速研究開発の取り組みに寄与したことになる。

 しかも、極超音速車は弾道ミサイルに関する既存の軍備管理条約の対象ではない。
 米国は2021年2月にロシアとの二国間新戦略兵器削減条約(START)を延長し、今後も中国に将来の戦略的軍備管理交渉に参加するよう説得を続けているが、中国が参加を拒んでいるのだ。

 中国は性能がダメなら数で勝負だという考え方に立脚しているので、西太平洋では優位に立てる短・中距離弾道ミサイルを大量に備蓄している。だから軍備管理条約に入らないのだ。

 あまつさえ中国は多国間輸出管理体制であるミサイル技術統制体制(MTCR)の署名国ではない。それゆえに中国政府はミサイル不拡散義務に拘束されず、パキスタン、イラン、サウジアラビア、シリアにミサイル技術を売り飛ばし、物騒な繁殖に力を貸しているのである。

トランプ前政権は、この不利なバランスを回復させるため2019年8月に「中距離核戦力条約(INF条約)」から撤退した。

 ニュースが飛びこんできた。

蔡英文・台湾総統は米CNNテレビのインタビューで、中国の脅威が増大している。このため「訓練目的」で米軍部隊の派遣を受けている事実を初めて認めた。

米軍の特殊作戦部隊と海兵隊が台湾に派遣されている。事実上の米大使館に多数駐在していることは、既知の事実だった。軍事訓練は秘密にされてきた。

このタイミングで蔡総統が米軍の存在を認めたのは前日のブリンケン米国財務省官が「台湾の国際機関への参加を促進する」とした発言に勇気づけられたからとする華字紙の解説もあった。

インドも呼応した。

10月27日、5000キロ射程の長距離ミサイル「アグニ5」を、正確にベンガル湾の目標まで飛翔させたと発表した。

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