中国海運コスコ、ギリシャ最大港に追加出資 現地反発も

中国海運コスコ、ギリシャ最大港に追加出資 現地反発も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM263UZ0W1A021C2000000/

『【大連=渡辺伸】中国の国有海運最大手、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)はギリシャ最大の港であるピレウス港を運営する会社の株式16%を追加で取得し、出資比率を67%に引き上げたと発表した。中国の広域経済圏構想「一帯一路」に沿った戦略の一環だが、現地では「約束した投資を実行していない」と批判する声もある。

「第2弾の出資を新たな起点とし、さらに投資を拡大する。航路敷設にも力をいれる」。コスコの許立栄董事長(日本の会長に相当)は25日夜の発表文でこうコメントした。

ピレウス港は欧州や中東、北アフリカをつなぐ地中海の要衝にある。コスコは16年、約2億8000万ユーロ(約360億円)を投じて同港の運営会社ピレウス・ポート・オーソリティー(PPA)の株式51%を取得した。今回の追加投資額は明らかにしていない。

コスコ側は同港のコンテナ取扱量が増えたことなどを引き合いに「中国の関与で同港が発展した」などとアピールしている。一方、16年に結んだ契約では、株式の追加取得はコスコが21年までに計3億ユーロにのぼる投資を実行することが条件だった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「投資案件には大型客船の入港を増やすための港湾能力増強や造船インフラの拡充などが含まれていたが、ほとんどが未完成だ」と報じた。

中国は「この遅れはギリシャの官僚主義や地元の抵抗のせいだ」としている。FTによると「ピレウスの住民はコスコが環境保護基準を守らず海洋環境を破壊したとして次々に訴訟を起こした」という。

コスコは21年6月末時点で世界36カ所の港に投資している。中国による海外港湾への

買収・出資攻勢に対して、米政府などは「軍事転用されかねない」と懸念している。現地の反発もあり、新たな火種となる可能性がある。』