快著のご紹介。

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 ※ 「解」とは、常に、「現実解」のことだ…。

 ※ 「言説」で、「現実をくるむこと」は、できない…。

『2021-11-10発行と奥付にあるワニブックスの『EV推進の罠』という新刊をある方から頂戴し、さっそく第1章に目を通したが、すばらしい内容だ。

 ポイントを摘記すれば以下の如し。

 日本のGDPをいちばんたくさん稼ぎ出しているのは製造業である(20%)。
 全部の製造業のなかでも、自動車が18.8%と最大である。

 ディーゼルエンジンは、二酸化炭素の排出量が、普通のガソリン車の四分の三。

 脱炭素のオプションとして、合成燃料「e-fuel」あり。二酸化炭素と水素を結合させて作る。既存の燃料に任意の比率で混ぜても使える。ひょっとすると、これが最も有望。

 にもかかわらず単純頭の政治家は「EV」しか言わない。

 トヨタの豊田章男会長は、「ヤリス」の製造工場を意図的に宮城県大和[たいわ]町に建設させた。

 大和町の人工は28万人。熱海市の人口は37万人。にもかかわらず、大和町の総生産は2815億円で、熱海市の1427億円の2倍。2017年の統計。

 つまりそれほどに、製造業が失業をなくしてくれる。

 トヨタは、為替その他のコスト的に1000億円の損になるのは承知のうえで、敢えて、日本国内で年間300万台を製造させ続ける方針。なぜかというと、そのレベルを維持していかないと日本国内では生産の技術が継承されなくなってしまうから。

 ちなみに日本国内ではすべてのメーカーを合計しても自動車は年に140万台しか売れない。

 また2017年の統計。
 那覇市は人口32万人だが、総生産は1兆4092億円。これに対して太田市は人口22万人なのに、スバル工場があるおかげで、総生産は1兆4849億円。

 すなわち、製造業がうみだす雇用は、観光業・飲食業などとは同日の談ではないのである。

 豊田会長は2021年の年始の挨拶で、自動車産業で働く550万人の人々を鼓舞した。550万人は、日本の雇用者数の10%である。

 豊田会長の2020-12-17オンライン記者会見での発言趣意。

 電動化率は日本はすでに世界第二位だ。
 一位はノルウェーだが、車両数の桁が違う。ノルウェーは10万台、日本は150万台である。
 したがって総量では日本が一位である。

 日本国内の乗用車400万台をもしすべてEV化すると、夏の電力使用のピーク時に停電が発生してしまう。そうさせないようにしたければ、国内の発電能力を10%から15%増やす必要がある。

 これは原発ならば10基、火発ならば20基の新設に相当する。それを太陽電池や風力で満たすことは非現実的で、夢物語にすぎない。

 総EV化したら、戸建住宅が充電端末を設置するのに、費用が10~20万円必要。

 集合住宅だと、50~100万円必要。

 急速充電器の場合、1台は600万円もする。

 したがって、「充電インフラ」を整えるだけでも、14兆円から37兆円のあらたな負担を国民は強いられてしまう。

 電池を国内で製造する場合、完成検査のために充放電をしてみないわけにはいかぬ。ところが、1台のEVの蓄電量は、家1軒の7日分の消費電力に相当するのだ。それを年50万台生産する自動車工場でやりだしたらどうなるか。1日あたり5000軒分の電気を1工場で毎日、充放電し続けることになる。

 この電力を供給するために発電所で余計に二酸化炭素がつくられるのは不可避である。

 したがって、カーボンニュートラル達成をもし政治家が安易に対外公約にしてしまうと、日本国内では電動自動車すら製造できないということになるしかないのだ。日本の雇用は壊滅するはずだ。

  ――――第1章だけでもこの面白さ。まさに《EV災害》がやって来ようとしているわけか……。続きを読むのが楽しみです。』