元米海軍大将「包括的な対中戦略を」CSIS共催シンポ日経・CSIS共催シンポ

元米海軍大将「包括的な対中戦略を」CSIS共催シンポ
日経・CSIS共催シンポ
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『日本経済新聞社は22日、都内で米戦略国際問題研究所(CSIS)と共催の第18回シンポジウム「戦略的競争時代における日米同盟の新たな役割と射程」を開いた。米中競争の行方をテーマにしたパネル討論では、ジェームズ・スタブリディス元米海軍大将が「米国はまだ一貫した対中戦略ができていない」と述べた。外交や軍事、経済の各面でどのように中国と向き合うかについての包括的な戦略作りを急ぐよう訴えた。

スタブリディス氏は、南シナ海や尖閣諸島周辺、台湾海峡で示威的な行動を高める中国が「米国の同盟国や友好国への圧力を高めている」と説明。新疆ウイグル自治区での人権弾圧や、他の権威主義的な国家との連携を強めている点も国際社会に大きな懸念を招いていると指摘した。

ジェームズ・スタインバーグ元米国務副長官は、米中対立が衝突に向かっているように感じられる背景には、双方に「(一方が勝てば、もう一方が負ける)『ゼロサム』のメンタリティーがあるからだ」と説明する。米中関係は緊迫度が高まっているが、最終的な衝突回避に向けての「管理は可能」との見方を示した。「気候変動などのテーマは協力の道を探れる。衝突を避けるための英知が必要だ」と語った。

北岡伸一・東大名誉教授は、米中対立を管理可能なものとするには「逆説的ながら、我々の抑止力を強めることが近道」との考えを示した。「中国は軍事的に慎重であり、簡単に(課題を)処理できると思わなければ軍事行動に出ない」と説明。日本の防衛力を高め、専守防衛に徹してきた日本が一定の反撃力を持つ必要性を訴えた。

青山瑠妙・早大教授は「10年後の世界は米中の2極体制となる」という中国で主流となっている国際情勢の見方を紹介。「こうした認識に基づくと、中国の対米政策・対外政策は非常に強硬にならざるを得ない」と述べた。目先は気候変動分野などで米中の協力余地はあるが、中長期的にみれば「人権問題、海洋(進出)問題、台湾問題で中国が譲歩する可能性は低い」と指摘した。

パネル討論の司会は田中明彦・政策研究大学院大学長が務めた。

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