米仏、関係修復に傾斜 防衛力強化で協力

米仏、関係修復に傾斜 防衛力強化で協力 米長官が訪仏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR050IC0V01C21A0000000/

『【パリ=白石透冴、ワシントン=坂口幸裕】フランスのマクロン大統領とルドリアン外相は5日、それぞれブリンケン米国務長官とパリで会談した。欧州やアジア太平洋での安全保障協力の強化などで一致したもようだ。仏はオーストラリアの潜水艦配備問題で米国を批判してきたが、中国への対応を念頭に関係修復を急ぐ方針だ。

仏大統領府関係者は「両国の信頼関係を取り戻すため、ブリンケン氏を招いた。北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の協力強化などについても、米仏は調整を続ける」などと説明した。

米国務省によると、ブリンケン氏とルドリアン氏はインド太平洋地域やアフリカなどで協力できる分野について協議した。欧州の安保に対する米国の支援を伝え、気候変動問題でも協調していくと申し合わせた。ブリンケン氏とマクロン氏は米仏関係の進展と両国の緊密な協力について協議し、近く開くバイデン大統領との米仏首脳会談に期待感を示した。
仏政府は9月中旬、豪州が仏との次世代潜水艦配備の計画を破棄して米英との計画に乗り換えたことに強く反発。駐米・駐豪大使を召還した。イラク戦争派兵の是非をめぐって米仏の関係が冷え込んだ2003年に匹敵する外交上の危機とも言われた。

しかし、仏政府にとって、米国抜きでは外交上の多くの問題に取り組めないのが実情だ。仏はニューカレドニアなどインド太平洋地域に海外領土を抱える。中国の海洋進出の脅威を受けているが、独力で対応することは難しく、米との関係を修復する必要性に迫られている。

マクロン政権は当初から批判の長期化は避け、関係改善のタイミングを見計らっていたとみられる。9月下旬の米仏首脳による電話協議でマクロン大統領が駐米大使の帰任を決めたことを皮切りに、修復に向けて動き始めていた。

仏は豪州には厳しい立場をとり続けている。まだ駐豪大使が豪州に戻る日を発表していない他、潜水艦計画の破棄に伴う違約金を請求するとみられる。総事業費560億ユーロ(約7兆2千億円)のうち約8億ユーロは支払い済みだが、違約金で豪州側の負担額はさらに高まる可能性がある。』