世界の石炭の半分を「暴食」する「エネルギー恐竜」中国

世界の石炭の半分を「暴食」する「エネルギー恐竜」中国…大規模停電招く
https://japan.hani.co.kr/arti/international/41294.html

※ 良記事だ…。

※ 今般の「中国の大規模停電」に関する記事で、オレが読んだ中では、ベストだろう…。

※ おそらく、来年早々に開催される「北京(石家荘)冬季五輪」に向けての、「大気汚染の抑制」策も絡んでのことだろう…。

※ そこに言及する記事が、少ないのは、残念だ…。

『[チェ・ヒョンジュンのDB-deep] 

全電力の60%を石炭発電に依存 
習近平、石炭中毒構造からの脱却に努力 
「2060年までにカーボンニュートラル」…まだ掛け声のみ

先月29日、中国遼寧省瀋陽の石炭発電所に職員が向かっている様子=瀋陽/ロイター・聯合ニュース

 先月に始まった中国の電力供給の中断が、中国最大の祝日である国慶節の連休(1~7日)にも続いている。冷房需要が一段落した秋の入り口で発生した異例の停電の原因をめぐっては、様々な分析が出ている。

 中国は以前にも大規模な停電を経験しているが、今回のように予告なしに広範な地域で電力供給が断たれたケースはほとんどなかった。中国メディアによると、先月末に中国の31の省のうち広東省、浙江省、遼寧省、吉林省を含む20省で電気供給が制限された。かなりの数の工場が稼動を全面的に中止したり、操業時間を大幅に縮小したりした。これはエネルギー消費の大きい製鉄所とアルミニウム精錬工場から始まり、繊維、食品、電子など、ほぼ全ての業種へと拡大した。遼寧省瀋陽では停電で信号が消え、電気供給が断たれたためエレベーターに閉じ込められたという訴えが相次いだ。広東省の広州と深センは、国慶節の連休を祝う照明ショーを行わないことを決めた。経済の中心である上海は、先月27日から今月3日にかけて「特定時期、特定地域」で停電すると公示した。

生産できなかったのか、しなかったのか…食い違う二つの原因

 今回の大規模な停電をめぐり、二つの原因が取り沙汰されている。一つ目は、中国全体の電気生産の60.8%を占める石炭火力の燃料となる石炭の不足が今回の危機を招いたという分析だ。今年に入ってコロナ禍が落ち着きを見せたことで世界的に石炭需要が急増し、それに伴って需給の不均衡が発生した。中国やインド(70.6%)のように石炭発電の比率が高い国々は、石炭不足によって電力生産に困難を来しているというのだ。

 二つ目に、中国の習近平国家主席が強力に推し進める「(二酸化)炭素削減」政策を守れなかった地域が、やむをえず電力生産を「一時」中止したという分析もある。中国は習主席就任後の2015年10月(の共産党第18期中央委員会第5回全体会議で)、エネルギー消費総量と消費強度を段階的に減らしていく「エネルギー消費二重統制」政策を導入した。各地方政府にも毎年目標値が課されるが、これを守れなかった地域に対して8月に警告が出され、最終的には各地方政府が電力生産をしばらく中止したというのだ。

 上記の二つの説明のうちの一つは、電力生産を「できなかった」、もう一つは「しなかった」というもので相反する。中国政府は明確な原因を明らかにしていない。結局、メディアも明快な回答は出せず、あいまいに二つの原因を混ぜた説明を提示している。ただし中国の体制の特殊性を強調する側は、習主席の炭素削減政策にもとづく「政治的事件」ということに重点を置いており、一方で経済的普遍性に重点を置く側は、石炭不足による「構造的事件」ということをより強調している。

 現在の停電が政治的事件だとすれば、遠からず解消される可能性はある。構造的な事件なら事態は長期化し、他国にまで影響を及ぼしかねない。事態の序盤では、オーストラリアからの石炭輸入の中断が原因だとの見方が優勢だったが、最近は中国政府のエネルギー政策がより大きな影響を及ぼしたという指摘が力を得ている。それに伴い、中国政府が対応できる範囲内で事態が進行するだろうとの見通しが出ている。

中国の首都北京の中心的な商業地区周辺に送電塔が立ち並んでいる=北京/ロイター・聯合ニュース

石炭発電の比率60%…世界最大の石炭中毒国家

 中国のメディアやエネルギー専門家は、「石炭中毒」と呼ばれるほど石炭発電の比率が高い中国では電力難がよく発生すると指摘する。統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、昨年中国では全世界の電力の約30%(8736テラワット時)が生産された。その60.8%に当たる4631テラワット時が石炭で作られた。石油の比率は2.1%(160テラワット時)、天然ガスの比率は3.3%(253テラワット時)に過ぎず、再生可能エネルギーである水力発電の割合は17.8%(1355テラワット時)と比較的高い。

 中国の石炭発電の比率が高いのは、生産量が多いためだ。中国は2019年に世界の石炭生産量(81億トン)の47%に当たる38億トンを生産し、2億3000万トンを輸入した。世界の石炭の半分を中国が独占する構造だ。エネルギーを石炭に依存しているため、石炭の供給に伴って電力生産は大きく揺らぐ。新型コロナウイルスのパンデミックから回復する過程で石炭の需要が増え、今年1月には80ドルほどだった石炭1トンの価格は、最近では228ドルへと3倍近くに値上がりしている。急激な値上がりで採算が取れなくなったことで、発電所は生産を減らさざるを得なかった。昨年9月以降のオーストラリアとの対立により、同国の石炭の輸入が中止されたことも影響を及ぼしたとみられる。中国は2019年にオーストラリア産の石炭を4500万トン輸入している。

中国の習近平国家主席=北京/新華・聯合ニュース

政権継続を狙う習近平の勝負手、炭素削減

 習主席は昨年9月の第75回国連総会での演説で、中国の二酸化炭素排出は2030年までに頂点に達し、2060年までには炭素中立(カーボンニュートラル)を実現すると明らかにした。カーボンニュートラルは二酸化炭素を排出する分だけの吸収対策を立てることによって、二酸化炭素の排出量を事実上ゼロにするもの。別の言い方をすれば、40年以内に石炭中毒から脱却するという意味でもある。一部からは習主席の計画には具体案がないと指摘されているものの、世界の石炭の半分を消費する国の指導者がカーボンニュートラルを実現するとの国際公約を示したということだけでも進展だと評価されている。習主席は、先月21日の国連総会の演説ではさらに一歩進んで、海外に対する石炭発電所建設支援は行わないとの意思も明らかにしている。

 炭素削減政策は、共同富裕論とともに習主席の最重要政策の一つとして浮上している。「分配に力を入れよう」という共同富裕論が中国内部をターゲットにしたものなら、「炭素の発生を減らそう」というカーボンニュートラルは国内外を包括するものだ。2018年3月に国家主席の任期制限を廃止した習主席は最近、「カーボンニュートラル」を自らの政権の継続が必要な理由の1つに挙げている。習主席の「独裁的リーダーシップ」が強い脱炭素政策を牽引するかたちとなっている。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1013913.html
韓国語原文入力:2021-10-05 14:51』