内閣人事局長に栗生氏

内閣人事局長に栗生氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021100500015&g=pol

『政府は4日、内閣人事局長に事務担当の栗生俊一官房副長官を充てると発表した。また、同日付で内閣官房参与の人事を決定。飯島勲、今井尚哉、岡部信彦、熊谷亮丸、宮家邦彦、村井純、岡村健司、山崎重孝の8氏をそれぞれ再任した。 』

〔「首相秘書官」、「首相補佐官」とは〕

「首相秘書官」「首相補佐官」どう違う? “影の総理”評の大物も
(2018/5/11(金) 14:20配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5cb82682457d2dbdd8b0bce97c39c7fc898e988b?page=1

『日本の行政トップは内閣総理大臣(首相)ですが、時に“影の総理”や“総理の懐刀”と呼ばれる人たちがいます。中曽根康弘内閣時代の後藤田正晴官房長官や小泉純一郎内閣での飯島勲首相秘書官らがその人です。

【写真】ニュースでよく聞く「政府」ってそもそも何?

 いま国会を揺るがしている森友学園や加計学園をめぐる問題でも「首相秘書官」「首相補佐官」が注目されています。国会質疑の中で、今井尚哉(たかや)首相秘書官や和泉洋人首相補佐官、最近では元首相秘書官の柳瀬唯夫氏がニュースで取り沙汰されています。

 首相を支える官邸スタッフにはさまざまな役割の人たちがいます。それぞれどんな権限があって、どんな仕事をしているのでしょうか。

          ◇

 東京都千代田区永田町2丁目。国会議事堂の南西側、東京メトロ溜池山王駅のすぐそばにあり、外堀通りからよく見えるガラス張りの大きな建物が総理大臣官邸(首相官邸)です。

 普段から厳重な警備がされている首相官邸は、首相が仕事をする上での拠点になっており、「内閣官房」という首相を支えるチームも仕事をしています(内閣官房自体は内閣府庁舎と官邸に置かれています)。つまり官邸は、日本の行政府が入っている建物で、行政府の象徴と言ってもいいでしょう。

●内閣官房と内閣府

 よく似た名称の組織なので、混同されることが多いのが「内閣官房」と「内閣府」です。ともに首相主導の政治、内閣機能の強化の実現のために誕生し、組織改編されました。

 内閣府は、2001年に総理府・沖縄開発庁、経済企画庁が統合して生まれました。内閣の重要な政策ごとに内閣官房を支えます。首相を補佐するというよりは、大臣で構成される内閣全体を支えるといった色合いが強いと言えるかもしれません。

 これに対して内閣官房は、総合的な戦略を立案して、首相自身の政治的な決断やリーダーシップを助ける役割を担う組織です。トップはもちろん内閣官房長官です。

 内閣官房は首相のブレーン的な役割、内閣府はその内閣官房の補佐と調整をする部署と考えるとイメージがしやすいかもしれません。今回は、主にこの内閣官房とその中の役職について見ていきます。』

『●首相秘書官

[図]首相を支える主な役職

 首相秘書官は内閣官房の一員で、正式には「内閣総理大臣秘書官」といいます。その名の通り、首相に影のように寄り添って、各種の事務を取り扱い、首相の指示で政府の各部署や与党、各省庁などとの調整に当たる大事な役職です。

 首相秘書官の存在は内閣法第20条で決められ、定数を7人とする国家公務員です(将来的には定数は5人になる見込み)。その内訳は、政務担当秘書官1名、事務担当秘書官6名の計7名で構成されています(あくまで慣例)。

 政務担当秘書官は、一般的に「首席秘書官」と呼ばれることもあります。首相に永年連れ添ってきた国会議員秘書が就くことが多く(近年は官僚からの登用もみられる)、首相秘書官の取りまとめ役としての色合いが強くなっています。大臣である副総理や官房長官を除けば、ある意味、首相に最も近いポジションとも言えます。

 森友学園などをめぐる一連の問題で、キーパーソンとして取り沙汰される今井尚哉氏は、現在、安倍晋三首相の首席秘書官であり、まさにこの役職に就いているということになります。今井氏は経済産業省出身で、第一次安倍内閣では事務担当秘書官を務め、その際に安倍首相と確固たる信頼関係を築いたといわれています。

 加計学園の問題で名前が挙がっている柳瀬唯夫氏(現経済産業審議官)は、第二次安倍内閣で2012年12月に事務担当の首相秘書官に任命されました(2015年8月に退任)。

 首相秘書官は、具体的にどのような業務を担当しているのでしょうか。柳瀬氏は10日の国会での参考人招致の中で、こう答えています。「首相が所掌する政策分野は広い。私(の担当)はイノベーション、成長戦略、TPP、地球環境問題、エネルギー、規制改革など多岐にわたる。それぞれごとに現状や課題について担当の部署などから話を聞き、必要なことは首相に相談し報告する」

 2013年11月に女性初の首相秘書官に就任した山田真貴子氏(2015年7月に退任)も首相官邸のホームページで「情報通信政策、女性登用政策、地域活性化策などを担当するとともに、広報担当として総理官邸の情報発信、記者対応等を担っています」と説明しています。

 ちなみに政務担当である首席秘書官には、今井氏のように首相からの信頼が厚い人物が任命されることが多く、その意味で、首相に強い影響力を持つと評されることがあります。歴代の秘書官の中では、小泉内閣における飯島勲氏(メディア戦略に長け、政務担当秘書官として官邸を束ねる)の当時の政権内での影響力の大きさはよく語られるところです。

 これに対して事務担当秘書官は、基本的に財務省、外務省、警察庁、防衛省、経済産業省から1人ずつ内閣官房に出向する形で役割を担います。出向してくる秘書官は、出身省庁の課長級や局次長級、あるいは審議官級というエリートで、将来の事務次官候補と目されるケースが多いのが特徴です。』

『●首相補佐官

 首相秘書官とよく似た名前の役職として「内閣総理大臣補佐官(首相補佐官)」があります。秘書官と同じく、内閣官房の一員です。基本的には、与党の国会議員がその職に就きます。内閣法第19条に規定されていて、特定の政策の企画や立案に当たる仕事です。定数は5人です。首相補佐官は、首相直属のスタッフとしての色合いが強く、時の政権が取り組む重要な政策や外交防衛問題など高度に専門性の高い政策の立案にも携わります。

 首相秘書官と首相補佐官。どちらの権限が大きいかは、なかなか難しいところです。補佐官が特定の政策立案のスタッフだとすれば、秘書官は省庁間の調整を含めたかなり広範な実務を担っている、まさに首相の秘書としての役割ということができるでしょう。したがって実質的な首相への影響力は首相秘書官の方が大きいと見る人もいます。しかしこれも、首相と秘書官、補佐官の関係性や、国会議員であるか官僚出身か、政治家としてのそれまでのキャリアや人柄などによって変わってくるものでもあります。

●官房長官

 内閣官房長官は、内閣官房の長です。国会議員から選ばれ、閣僚の一員でもあります。「首相の女房役」と呼ばれることもあり、内閣官房の事務全般を取り仕切る役職です。組閣の際、最初に任命される点からも、その重要性が分かります。過去には、中曽根内閣での後藤田正晴氏、橋本龍太郎内閣の梶山静六氏、小渕恵三内閣の野中広務氏らのように“影の総理”と称される大物もいました。

 主な役割としては、内閣のさまざまな案件について、行政の各部署、国会各会派(特に与党)との調整役のほか、内閣の取り扱う重要な事柄や、政府としての公式見解などを発表する「政府報道官」(スポークスマン)としての役割があります。第二次安倍内閣以降は、菅義偉(すが・よしひで)衆院議員がその職に就いています。官房長官経験者が後に首相になるケースも多くあります(鈴木善幸内閣の宮沢喜一氏、竹下登内閣での小渕恵三氏、小泉内閣での福田康夫氏ら)。

 官房長官を補佐する役割としては、内閣官房副長官がいます。特別職国家公務員で、定数は3人です。慣例によって、政策担当として衆院議員と参院議員で2人、事務担当として事務次官経験者などのキャリア官僚から1人が任命されます。』

『●省庁の官房

 実は内閣だけではなく、各省庁にも「官房」と呼ばれる役職があります。省や府、庁、行政委員会と会計検査院に置かれる部局の一つで、各組織の内部管理と行政事務の総合調整を行います。各省庁内の各所と調整を行う役割と考えると分かりやすいでしょう。基本的にキャリア官僚がその職に就きます。
機能強化と首相官邸

 今回、解説している各役職は「首相官邸機能の強化」あるいは「内閣機能の強化」の流れで設置され、その役割が見直されてきた経緯があります。

 官邸機能の強化は、アメリカ大統領府の大統領補佐官制度や、イギリス型の議院内閣制などを手本にされているといわれています。

 そもそも首相官邸では、従来は財務省や総務省、外務省といった中央官庁の役人の力が強かったため、その状況を改めるべく、国民が選挙で選んだ国会議員から選出される首相を筆頭とした官邸機能を強化することを目指しました。また、首相が任命する大臣の集まり、つまり内閣の力を強めて、政治家主導でさまざまな政策を決定し、実行していく狙いがあります。

 こうした方向性が生まれたきっかけは、1995年の阪神大震災で政府の初動対応が遅れたという苦い経験にあります。当時、首相官邸のスタッフは、内閣官房長官、官房副長官を除くと全てが官僚でした。日本の官僚機構は優秀ですが、さまざまな局面で必ずしも即座に判断を下せる組織ではありません。急な事態、不測の事態に機敏に対応するのは、組織の構造や法的な位置づけからして難しいのです。

 特に大災害やテロ、他国からの侵略行為などの非常事態には政治家による政治判断を次々に出していく必要があります。そうした政治家の判断、首相の判断を下しやすいようにする、そうした環境を整備したのが官邸機能の強化です。

         ※      ※

 首相の公式な事務所である首相官邸、そして内閣官房を中心に、さまざまな役割の人たちがチームを組んで、首相を支えています。政治家や政治家の秘書、中央官庁の官僚らがブレーン役、調整役として役割を担っています。こうした視点をもとに国会や政治をとりまくニュースを見ると、より分かりやすくなるでしょう。


■戸桝茂哉(とます・しげや) ライター、時事アナリスト。神奈川大学卒業。衆院議員秘書として活動後、IT企業に就職。地方創生とメディア運営の知見を生かした講演活動や独自視点を交えた政治経済予測を行う 』

首相秘書官に嶋田氏ら8人 安保補佐官は木原副長官兼務

首相秘書官に嶋田氏ら8人 安保補佐官は木原副長官兼務
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021100401075&g=pol

『政府は4日、岸田文雄首相の秘書官計8人の人事を決めた。筆頭は嶋田隆・元経済産業事務次官が務める。岸田事務所の山本高義氏を起用し、防衛省出身の中嶋浩一郎氏を留任させる。財務省からは2人を登用し、厚生労働省からは見送った。

与党、岸田内閣の陣容評価 「自信の表れ」「フレッシュ」

 木原誠二官房副長官は国家安全保障担当の首相補佐官を兼務する。その他の首相秘書官は以下の通り。(敬称略)
 宇波弘貴(財務)、荒井勝喜(経産)、中込正志(外務)、中山光輝(財務)、逢阪貴士(警察)。 』

いかりでパイプ損傷か

いかりでパイプ損傷か 大型船停泊ミスの可能性―米原油流出
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021100500692&g=int

『【ロサンゼルス時事】米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のハンティントンビーチ市沖合で起きた原油流出事故をめぐり、大型商業船のいかりが接触しパイプラインが損傷した可能性が浮上している。沿岸警備隊は、商業船が誤った場所に停泊していたとみて、調査を進めている。
 4日の地元紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、パイプラインはいかりで50メートル近く引きずられた。事故では48万リットルの原油が流れ出し、約34平方キロメートルの油膜が形成されたという。』

欧米軍は「アフリカ駐留継続を」コートジボワール首相

欧米軍は「アフリカ駐留継続を」コートジボワール首相
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR020A40S1A001C2000000/

『【アブダビ=白石透冴】アフリカ西部コートジボワールのアシ首相は1日、米国やフランスが相次いで自国軍の国外駐留を見直していることに「(アフリカの)各国がテロの危機と戦う能力を持つまでは、駐留を続けてほしい」と述べた。テロ組織が勢力を伸ばせば、欧州にも危機が及ぶと訴えた。

フランスのシンクタンク仏国際関係研究所が主催する「世界政策会議」で、日本経済新聞の単独取材に応じた。アシ氏は「国防能力を高めるには軍備、兵力養成など膨大な予算が必要だが、我々には十分な資金がない」として、テロ掃討作戦を実施する態勢が整っていないと説明した。

米軍はアフガニスタンに続き、イラクでも年内に戦闘任務を終える計画だ。フランスもマリなどサハラ砂漠南部一帯のサヘル地域で2014年に始めた軍事作戦の縮小を予定している。

アフリカでの新型コロナウイルスのワクチン接種が他地域より大きく遅れていることには「我々がワクチンを買っても、その国の輸出規制で受け取れない場合がある」と不満

を漏らした。世界では40%以上の人が少なくとも1回ワクチンを受けたが、アフリカでは7%、コートジボワールでは4%にとどまっている。』

[FT]仏防衛産業、豪による潜水艦契約破棄で信用に傷

[FT]仏防衛産業、豪による潜水艦契約破棄で信用に傷
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0452J0U1A001C2000000/

『9月15日、フランスの政府系造船会社ナバル・グループのスタッフは、待ちわびていたオーストラリア政府当局者からの書簡が届き大喜びしていた。巨額の潜水艦建造契約について、ナバルは重要な段階を完了したと伝えるものだった。だがその時、同社のピエール・エリック・ポムレ最高経営責任者(CEO)は契約の破棄を知らせる電話を受けていた。
潜水艦を建造する予定だったシェルブール港。受注を失ったことはフランスの防衛装備輸出にとっては悪い知らせにほかならない=AP

米英豪が調印したインド太平洋地域での新たな安全保障の枠組みの下で米国が豪州に原子力潜水艦の技術を供与することになり、仏製潜水艦は余剰となってしまうとポムレ氏には伝えられた。

仏、2カ月前はスイスの次期戦闘機選定で敗北

豪州との潜水艦建造契約は「重要な取引であるのみならず、会社に変革をもたらす取引で、ナバル・グループを新たな世界へ飛躍させる機会でもあった」とポムレ氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙に語った。「フランスを変える取引でもあった。それだけに、いま起きていることのすべてがつらい。契約にかかわったチームにとってもつらいことだ」

豪政府内の一部には情報が伝わっていなかったらしく、それで契約の完了を知らせる書簡がタイミング悪く届いたのだろうとポムレ氏は話した。

この契約破棄はナバルにとって業績面で手痛い打撃となる。同社の株式35%を保有する仏電子機器大手タレスも電子システムを納入する契約を結んでいたため、ナバルよりははるかに小さいにせよ痛手を被る。フランス第3位の防衛企業で研究開発を委託されていたエンジン大手サフランは、契約破棄による事業への「影響を精査中」だ。

受注を失ったことはフランスの防衛装備輸出にとっては悪い知らせにほかならない。豪潜水艦契約を別にしても、フランスの防衛装備輸出は航空機メーカーのダッソー・アビアシオンとナバルが先導する形で近年は増加してきた。しかし、仏国防省の統計によると、2020年の受注は8年ぶりの低水準に落ち込んだ。

今回の契約破棄は、スイス政府が次期戦闘機選定でダッソーの「ラファール」、欧州の「ユーロファイター」ではなく、米ロッキード・マーチンのF35に決めてから2カ月後のことでもあった。

フランスの防衛装備輸出はコロナ禍前は増えてきた

ここ数年、オーストラリアに対するフランスの防衛装備輸出は増えてきた

建造する予定だった港、士気が低下

英調査会社エージェンシー・パートナーズの航空宇宙・防衛アナリスト、サッシュ・トゥーサ氏は契約破棄の原因について見方は2つに割れていると話す。「英米の裏切り」によるものだとする見方と、ナバルの事業面での不具合がもたらしたものだとする見方だ。「恐らくはその間のどこかだろう」とトゥーサ氏は言う。

潜水艦が建造されるはずだった仏北西部ノルマンディーのシェルブール港では士気に響く問題となり、同港で働いてる人たちの誇りは傷ついている。「ナバル・グループの評判にかかわる問題だと承知している」と労働組合員のホセ・バプティスタさんは話した。「だから私たちは、これは私たちの仕事の質とは無関係だということを示すために努力し、豪州から失った受注を新しい契約で補えるようにするためにあらゆる手を尽くしている」

ナバルはすでに完了した分の仕事について8億4000万ユーロ(約1080億円)の支払いを受けていたが、豪州との契約で「向こう何年にもわたり」年間5億ユーロほどの収入が得られるはずだったとポムレ氏は話した。同社の年間売上高の1割に相当する額だ。「非常に大きな危機だ」と同氏は語った。「しかし、世界はとても広く、我々がやっていることに関心を向ける人たちはたくさんいる」

マクロン仏大統領は、まさにそれを示すために動き出した。同氏は9月28日、新型フリゲート艦「ベルアラ」級3隻の建造契約をギリシャと交わしたと発表した。3隻はナバルがフランスで建造する。この契約は「フランスがもたらす高品質を示すと同時に、フランスに対する信用の証」でもあると同氏は述べた。

フランスは29日、チェコに自走砲「カエサル」52両を2億5700万ユーロで売却することも発表した。

タレスにとっても自社の信用にかかわる問題だ。米英豪が安保協力「AUKUS(オーカス)」の創設で合意した翌日、同社は投資家に対し、重大な影響が生じることはなく21年の業績予想に変更はないと伝えた。

世界の防衛関連企業トップテン

タレスはコロナ禍以前、ナバルへの出資で年間6500万ユーロのEBIT(利払い・税引き前利益)を得ていた。タレスは、出資を通じて潜水艦契約から得られる利益は最大で年間3000万ユーロだったと明らかにしている。同社の19年のEBIT20億ユーロと比べると微々たる額だ。

タレスにはロッキードに電子部品を売るという可能性も残っている。ロッキードはフランスとの契約で潜水艦の戦闘システムをつくることになっていたが、AUKUSにより原潜建造でも納入企業となる可能性があると一部のアナリストはみている。

だが、豪州とナバルとの潜水艦契約がなかなか進まなかったことや、仏防衛産業に対する信用が下がる可能性を踏まえると、タレスが近年重要な市場としてきた豪州での成長は限られるかもしれないとする声もある。

「これは当然ながらナバル・グループにとって汚点となる」とトゥーサ氏は言う。そしてタレスには「豪州市場での勢いを失い、足が止まる」ことを意味するという。

タレスはこの見方を「誤解」だと退ける。

同社の広報担当者は「12カ所の主要拠点に3800人の従業員を持つタレス・オーストラリアはオーストラリア企業で、オーストラリア内の防衛産業をリードする存在であり、30年以上にわたりオーストラリア国防軍の信頼あるパートナーとなっていることを忘れてはならない」と述べた。

欧州防衛産業、統合できない事情

仏パリ、豪キャンベラの両首都で弁護士が補償の詳細について協議する一方、フランスの防衛企業は、欧州内の協力強化を求めることになるだろう。より一貫性のある欧州連合(EU)の戦略を打ち出しているマクロン氏の姿勢を反映することになる。防衛問題の専門家は以前から、細切れ状態の欧州防衛産業の統合を進めるよう求めている。各国での予算拡大につなげることが狙いの一つだが、国家主権の問題が乗り越え難い壁となっている。

「欧州はもっと団結する必要がある」と、ある仏企業幹部は話す。

仏国防省のグランジャン報道官は、フランスがEUの防衛イニシアチブに今後6年間で80億ユーロを投じると発表した際、契約破棄について「我々が欧州諸国との連携を強めることにつながる」はずだと述べた。

だが、一部のEU諸国は懐疑的だ。シンクタンクであるドイツ外交問題評議会のクリスティアン・メリング調査部長は、防衛産業の統合構想に関する議論は「30年前から続いているが、合併した企業はない」と指摘する。

フランスは「防衛産業を自国の至宝ととらえているだけに、統合に応じる」ことはないだろうと、メリング氏は付け加えた。

By Anna Gross & Sylvia Pfeifer

(2021年10月3日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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NYダウ反落、323ドル安

NYダウ反落、323ドル安 主力ハイテク株が総崩れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN00001_V01C21A0000000/

『【NQNニューヨーク=横内理恵】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比323ドル54セント(0.9%)安の3万4002ドル92セントで終えた。朝方に米長期金利が上昇する場面があり、PER(株価収益率)が高く、金利上昇時に売られやすい主力ハイテク株が下げを主導した。中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題もくすぶり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。

中国恒大については4日に香港取引所が株式の売買を停止すると発表した。中国経済の先行き不透明感や世界の金融市場への悪影響などが意識されて日欧の株式相場が下げ、米株市場でもリスク資産を手じまう動きにつながった。

米長期金利が朝方に一時1.5%台に上昇し、金利上昇への警戒感が改めて意識された。ハイテク株の持ち高を一段と縮小する動きにつながり、スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが下げた。ダウ平均の構成銘柄以外では交流サイトのフェイスブックの下げ(5%安)も目立った。同社が偽情報対策などで会社に不都合な調査結果を隠していたと元社員が実名で告発、当局の規制が強まるとの思惑が広がった。ネット通販のアマゾン・ドット・コムも3%安で終え、主力ハイテク株は総崩れだった。

ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。米原油先物相場が約7年ぶりの高値を付け、インフレ警戒につながった。サプライチェーン(供給網)の混乱や人件費増に加え、エネルギー価格の上昇が企業収益を圧迫する可能性がある。インフレが加速すると米連邦準備理事会(FRB)が利上げを前倒しせざるをえないとの見方から、長期金利上昇の観測も招きやすい。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が昨年10月の下落局面で下値支持線となっていた100日移動平均を下回った。相場の基調に追随するファンドなどの機械的な売りが出た面もあった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅反落し、前週末比311.212ポイント(2.1%)安の1万4255.485と、6月下旬以来の安値で終えた。』

※ ダウとナスダックが、これじゃあな…。

日経平均一時900円超安

日経平均一時900円超安 原油高起点、世界株安が波及
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB051TX0V01C21A0000000/

※ また、ガタガタと下がったな…。

※ 75日線も割ったか…。

※ むしろ、3万円超えたのは、何だったんだ…、という話しだな…。

『原油価格の上昇が株式市場を揺るがしている。4日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が下落し、明けた5日も日経平均株価の前日比下げ幅が一時1000円に迫った。原油を中心に供給制約による物価高が止まらず、米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小を急がざるを得ないと投資家は警戒し始めた。コスト高による企業業績の下振れ懸念も強まっており、投資環境は急速に悪化している。

午後1時時点の日経平均株価は520円(1.8%)安の2万7924円と下げ幅を縮めているが、5日まで7営業日連続で下落している。9月中旬には3万円を超えて31年ぶりの高値を更新したが、その後は投資家による持ち高縮小の売りが膨らんでいる。

さらに、岸田文雄首相が金融所得課税の制度変更を検討する方針を打ち出したことも投資家の失望を招いている。4日のダウ平均が前日比1%安にとどまったのに対し、5日の日経平均の午前終値が3%安と日米の格差が広がった。

野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは「FRBは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で将来の利上げ姿勢を明確に示した。足元のインフレ懸念を受け、市場では利上げへの警戒感がさらに高まっている」と分析する。

企業業績への影響も株売りが加速する一因だ。みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「原油高や人手不足で10~12月期の国内企業業績は市場予想より下振れそう。1~3月期には前年同期比マイナスの可能性も出てきた」と指摘する。9月時点では企業が通期の業績見通しを上方修正すると期待していたが、足元では逆に下方修正の不安が浮上しているという。

他にも中国恒大集団の経営危機や米国の債務上限問題など不透明要因がいくつも重なり、投資家のリスク許容度は大幅に低下している。低金利と新型コロナウイルス感染一服による業績回復という、これまでの株高を支えてきたシナリオは急速に崩れ始めている。

(北松円香)』

「 China feared US was trying to provoke a reaction ‘that could lead to war’ in last days of Donald Trump’s presidency」

Minnie Chan 記者による2021-10-3記事「 China feared US was trying to provoke a reaction ‘that could lead to war’in last days of Donald Trump’s presidency」
https://st2019.site/?p=17586

※ この記事が本当だとすれば、相当に「危ない状況」だったようだ…。

※ 「世界最強の軍事力」を保有する国家を、「私利私欲」のために「私物化」しようとするのは、いくらなんでも「マズイ」だろう…。

『トランプ政権の末期、中共側から見て、米国は台湾に関して中共軍を挑発して暴発させる戦略に出ているのではないかと考えられたという。それでトランプを除く閣僚たちが相談し、ミレー統合参謀本部長が中共軍の参謀総長に、こっちから奇襲はしないと電話して安心させたのだという。

 ミレーは2020-10-30に最初の電話をかけた。それは情報部が、支那軍のアラートレベルが上げられたと報告したのを承けた行為であった。2度目の電話は2021-1-8で、そのとき、米軍は中国を奇襲攻撃しないと請合った。
 この一度目の電話と二度目の電話のあいだに何があったか。海軍少将マイケル・スタドマンの、ひそかな台湾訪問である。これは日本のメディアがすっぱ抜いた。

 続いて台湾メディアは、米政府の国連大使であったケリー・クラフトと、ポンペオ国務長官が、もうじき台湾を訪問するだろうとも報じた。

 これを聞いて北京はこう疑ったという。《トランプは台湾に関して中共を挑発して戦争に持ち込みたいのではないか》と。

 その懸念を中共軍は、北京大使館の駐在武官に伝えた。さらに中共軍参謀総長は、その部下をして、軍とは別のチャンネルによって、その懸念を米国に伝えさせようとしたという。それには香港総領事への伝令使の派遣接触が含まれていた。

 そのようにして複数のチャンネルでメッセージを受けたことが、ミレーによる、二度目の電話にむすびつくのだという。

 結果としてクラフトの飛行機が台北に着陸することはなかった。米国務省も、ポンペオが台湾を訪れることはない、と声明した。

 一ソースは2020-6にこう伝えていた。中共の『815』型情報収集艦が、宮古海峡に近い公海を通航していたところ、米軍のF/A-18 スーパーホーネット×複数機が、複数回、この軽武装艦の上空を航過するさいに、急降下攻撃を模擬実演したと。

 これを承けて中共の国防部長が、カウンターパートであるマーク・エスパーに、8月8日、電話をかけて、両国は紛争を避けるべきであると語る。

 直後に、南シナ海方面の中共軍部隊は、北京上層からこう命じられた。睨み合いになっても、米軍に対して最初の1発をこっちから放ってはならぬ、と。

 ミレーの当時のメモが、ミレーの自己弁護資料としてこのたび公開された。
 それによると、2020の大統領選挙に勝ちたいと欲していたトランプは、10月に米軍が中共軍を攻撃する「オクトーバー・サプライズ」が生じることを望んでいるのではないかという観測が当時、濃厚化しつつあったのだという。

 ※米国内でしか通用しない「○○サプライズ」が、機械翻訳されれば、それは「奇襲攻撃」とも誤解されかねない。字義の曖昧なマスコミ用語は避けるべし。

 2020-10-21に、シナの五大軍区は、高次のアラート態勢を発令した。それを知って、エスパーおよび他の米政府高官らは決定した。ミレーをして、シナ軍参謀総長に電話させることを。これが、このたび議会の要求で公開されたミレーのメモが教える事実。

 北京の軍事専門家氏いわく。トランプ政権の最後の2ヶ月間、米支両軍のあいだでやりとりされた連絡は、信頼醸成を助けた、と。

 ※見ようによってはこれは中共側の政治作戦の勝利ではないか。なぜなら米軍艦艇や航空機に対して最初に挑発行動を仕掛けてきたのは中共軍の方である。先行する米政権はそれに対抗しなかった。そのままではいけないというので米海軍がトランプ政権下でやり返すようになっただけである。それをアラート強化で脅し返されたら、こっちが引っ込むのか? 阿呆ではないか。この件は米政府の敗北であり、その責任はトランプにはない。

 中共側からみて、エスパーは安心できる国防長官であった。しかしトランプは2020-11-9にエスパーを馘にし、また、ペンタゴン内でも数名の将校を解職した。

 中共軍は、トランプ政権4年間のあいだに、5名の米国国防長官を次々に相手にしなければならず、それはそれで骨が折れた。

 また、北京における「奇襲攻撃」に対する懸念は、トランプ支持暴徒が2020-1-6に議事堂を乗っ取ったときにも高まったという。

 その2日後、ミレーが中共軍参謀総長に電話。ミレーはこう話したと議会で火曜日に証言している。「私は確言する。トランプ大統領は中国を攻撃しようとしたことはない。そのことをお伝えするのが、私の direct responsibility である」。

 ※この「ダイレクト」は「指揮」なのか「直接」なのか。安全保障にかかわるメッセージで外国人相手に両義性の単語を使っちゃダメだろう。ミレーはドイツ語スクールだと思われるが、仏語の「クラリテ」をもっと学ぶべし。

 1月30日、米軍は、シナ軍のアラート・レベルが下がったことを確認した。

 国防省でかつて、対中国・対モンゴルの関係調整の仕事をしていたドルー・トンプソンいわく。ミレーが議会に提出したメモにより、ミレーは国防省の部内規定にしたがって、上司からやれといわれたことを正しい方法で実行しただけだったということが、ハッキリした。

 ※もしマーク・ミレー大将が、政権の意図に反して電話をしていたなら、馘にされるところだが、ミレーの行為は、直上上司のエスパーや、政権閣僚たちの総意であった。つまりこういうことだ。選挙で選ばれている米国大統領には、他国を挑発したり脅迫して他国を追い詰める権能もある。しかし、トランプが選んだシビリアンの政府高官たちは、トランプの意図を制服トップが体することを阻止し、大統領の行政をサボタージュした。トランプはじぶんが選んだ制服トップに反乱されたのではなく、じぶんが選んだ閣僚たちに反乱されたのである。トランプには、さいしょから最後まで「腹心」「片腕」「ブレーン」がいなかった。まともな「仲間」がいなかったのである。それは彼の人徳の無さがしからしめたのだろう。ついに「口だけ」の大統領におわってしまった。』

〔「逆説の地政学」〕

 ※ 残念ながら、紙の本しか無いようだが、目次だけでも参考になるようなんで、紹介しておく…。

逆説の地政学 単行本(ソフトカバー) – 2018/3/30
上久保 誠人 (著)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4771030243/diamondonline-22

『21の逆説で混迷の国際情勢を読み解く

日本人の常識を覆す視点から、国際社会における日本の戦略を再考。独自の「4D地政学」で21世紀の問題郡への新たな視点を提供する。

これまでの地政学による地理上の国家間関係・安全保障だけではなく、石油・天然ガス・原子力など資源エネルギーを独占する多国籍企業ネットワークや金融など、今日の複雑化する国際情勢を独自の「4D地政学」を提唱することで読み解く。

日本人の常識を覆す「英国が中心の世界地図」の視点を用い、国際社会における日本の戦略を再考する。

21の逆説で混迷の国際情勢を読み解き、「4D地政学」を用いて21世紀の問題郡への新たな視点を提供する。』

『目 次

序 章

第1章 地政学とは
1.1. 海洋国家の視点に立つ「英米系地政学」とは
1.2. 英米系地政学は「平和のための勢力均衡」
1.3. 地政学で見る、国家間紛争の歴史

第I部 アメリカ・ファーストと新しい国際秩序

第2章 米国が築いてきた第二次世界大戦後の国際社会体制

第3章 石油を巡る国際関係の歴史

3.1. 石油の時代の始まり
3.2. 第二次世界大戦まで――石油の戦略物質化とセブン・シスターズによる支配の完成
3.3. 第二次大戦後、産油国の「資源ナショナリズム」と覇権国・米国の戦略
3.4. 冷戦終結後の新石油秩序の形成

第4章 天然ガスの地政学

4.1. 天然ガス――知られざる実力者
4.2. 天然ガス・パイプラインを巡る国際政治

第5章 原子力の歴史

5.1. 第二次世界大戦後の原子力の平和利用の始まり
5.2. 原発事故と核兵器削減の動き

第6章 原子力の地政学

6.1. 「原子力産業の衰退」から「環境にやさしい原子力」へ
6.2. 原発輸出と地政学

第7章 シェール革命とアメリカ・ファースト

7.1. シェール石油・シェールガスとは
7.2. 「シェール革命」と米国
7.3. 「シェール革命」の国際社会への影響
7.4「.アメリカ・ファースト」と「生存圏」を争う国際社会へ――「アメリカ・ファースト」による、世界の新しい潮流

第8章 「EU離脱後」の英国を考える

8.1. 英国の「EU離脱」
8.2. 英国が持つ巨大なリソース
8.3. まとめ――EU離脱は英国に不利にならない可能性がある

第9章 ドイツの「生存圏」確保のために存在するEU

9.1. そもそもEUが創設された理由は「ドイツ問題」だった
9.2. 「ドイツを封じ込めるため」から「ドイツ独り勝ち」へ
9.3. EUは、ランドパワー化したドイツの「生存圏」確保のためにある
9.4. 「ドイツ独り勝ち」に対する不満が爆発する
9.5. ドイツ経済が抱えるリスク
9.6. EUは「エネルギー自給」に問題があり、「生存圏」を築けない

第10章 ロシア――停滞と復活の間で

10.1. 英米系地政学で考えるランドパワー・ロシアの戦略的敗北
10.2. プーチン大統領が掲げる「大国ロシア」は虚構に過ぎない
10.3. 「生存圏」確保のためにロシアとドイツは接近する

第11章 急拡大する中国とどう対峙するか

11.1. 中国の軍事的拡大、経済発展と民主化を考える
11.2. 将来の民主化につながる学生という名の「政治アクター」
11.3. 第I部のまとめ――アメリカ・ファーストの時代を生き抜くために

第II部 地理で考える政策科学

第12章 国際通貨政策の地政学

12.1. 経済学における「円の国際化」「人民元の国際化」の先行研究
12.2. 日本の「円の国際化」の取り組み
12.3. 中国の「人民元の国際化」の取り組み
12.4. 2008年の世界的金融危機以降、中国の影響力が拡大している
12.5. 分析――日中国際金融政策過程の比較

第13章 成長戦略と地政学

13.1. 日本の成長戦略は、日本企業の成長とイコールではないはず
13.2. 革新機構による産業再編は「国家による斜陽産業の延命」の再現だ
13.3. 日本は外資導入が経済成長につながる好条件を備えている
13.4. 外国製造業の「アジア地域向け研究開発拠点」や「高品質部品の製造拠点」を日本に誘致せよ
13.5. 経営学を専門的に学んだアジアの若い経営者が日本企業を経営することの利点
13.6. 例えば、トランプ政権とシリコンバレーの摩擦解消に一役買う

第14章 エネルギーから福祉の循環型ネットワーク形成と紛争回避

――ロシア・サハリン州を事例として――

14.1. 「紛争」に焦点を当てた、従来の石油天然ガスを巡る国際政治学
14.2. 「エネルギーから福祉の循環型地域ネットワーク」の構想
14.3. 「エネルギーから福祉への循環型地域ネットワーク」建設の事例――ノルウェー
14.4. ロシア・サハリン州
14.5. サハリン州「発展戦略2025」
14.6. サハリン州の福祉政策・教育政策
14.7. サハリン州の様々な建設プロジェクト
14.8. サハリン州を巡るロシア、中国、韓国の動き
14.9. 日本はどう動くべきか
14.10. まとめ

第15章 民主主義を考える

15.1. 日本のテロ対策は英国流・フランス流のどちらにすべきか
15.2. メディアは国益に反する報道を控えるべきか――?英BBC・ガーディアン紙の矜恃に学ぶ
15.3. ロシアとの共同研究で改めて知る、日本の「学問の自由・独立」の価値

第16章 未来の地政学

16.1. 「空間」における国家間の「動的」な距離感を説明する「4D地政学」
16.2. 人工知能と地政学

終 章

あとがき
人名索引
事項索引』

「新・闇将軍」安倍晋三の誕生

「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか
上久保誠人:立命館大学政策科学部教授
https://diamond.jp/articles/-/283819

 ※ 重要な「視点」を、提供していると思う…。

 ※ それは、「総裁選」と「総選挙戦」は、「投票する層」が、違う…、ということだ…。

 ※ 『自民党にとって、党総裁選では「保守派」の支持が重要となるが、総選挙では、「保守派」の支持の重要性が薄れる。自民党総裁選では、各候補者が日本遺族会や日本会議など、保守系の団体に配慮をしてきた。選挙の勝敗に一定の影響を持つからだ。
「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されています。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)』…。

 ※『しかし、総選挙になると、自民党は保守派に配慮しなくなる。むしろ、子育て世代、現役世代のいわゆる「中道層」の票の獲得を狙う。声が大きいが、実は多数派ではない右派や左派ではなく、日常的に政治に声を上げることは少ないが「サイレントマジョリティー」である中道層の支持を得ることが、野党を破って、政権を維持することにつながるからだ。』…。

 ※ 『それが、安倍政権が保守層にリップサービスをしつつ、実際に社会民主主義的な政策を実行し続けた理由だ。一方、野党の弱体化は、左傾化して中道層に失望されてしまったことで、安倍政権は長期政権を実現した(第169回・p3)。

 なぜ、総選挙では保守派が重要でなくなるのか。

 保守派は、自民党に不満があっても、総選挙で野党に投票することは、絶対にないからだ。だから、岸田政権も、保守へのリップサービスを続けつつ、実際には中道層に支持される社会民主主義的な政策を拡大していくことになる。それが、野党をつぶす常套策であり、自民党の権力維持のためのリアリティーなのである。』 …。

 ※ 「総裁選」という「疑似”首相の予備選”まがいのもの」(実態は、一政党の党首選)で「世間の耳目を集中」させ、「票の掘り起こし」を実行し、「選挙民の心理を、ホットな状態にしておいて」、投票行動に誘導し、ガッポリと票を頂く…。

 ※ そういう「構図」が、透けて見えるな…。

 ※ 今回の「総裁選」でも、結局は、「女性候補」が2人となり、華やかな「論争」が繰り広げられ、その周辺の動きも、連日、面白おかしく報道された…。

 ※ そして、その「ホットな状態」が冷めないうちに、「総選挙」へと突入して行く…。
 ※ その間、野党は、ボソボソと「選挙区での、”野党統一候補”のこと」を語る他は無い…。

 ※ さっぱり、「国政の舵取り」をどうするのか、「政策」をどう打つのか、という話しは聞こえてこない…。

 ※ これじゃ、結果は、もう見えている…、と言わざるを得ない…。

 ※ この人の言うように、安倍さんが「新・闇将軍」となっているのかどうかはさておき、そういう「構図」だけは、押さえておくべきだろう…。

『かつて、田中角栄元首相が、首相退任後も政界で隠然たる影響力を保ち「闇将軍」と呼ばれた。「闇将軍」とは、公式には自民党所属ですらなかった政治家が、役職に何も就かず、何の権限も持たないのに、政治のすべてを一人で決めるほどの隠然たる権力を持つという、得体の知れないものだった。しかし、今回の総裁選・党役員人事・組閣を通じて、自民党・政府の資金、人事権、公認権、利益誘導の公的な権限・権力を実質的につかんだ「新・闇将軍」が誕生した。安倍晋三元首相である。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)』

『「勝者」にさせてもらった岸田新総裁

 自民党総裁選は、岸田文雄新首相が「圧勝」したといわれるが、私は彼が「勝ったのではない」と思う。総裁選で、さまざまな政治家の激しい政争の結果、岸田新首相が「勝者」になっただけだ。

 岸田氏の選挙戦は、到底「勝者」のものではなかった。政局勘、戦略眼のなさは相変わらずだった(本連載第285回)。

 高市早苗新政調会長が安倍氏の支援を得て出馬すると、保守派の支持を集めてネットが盛り上がった。高市氏の勢いはすさまじく、投開票日前には、第1回投票では岸田氏と高市氏のどちらが2位となるかわからなくなった。

 それでも、第1回投票の開票では、岸田氏が河野氏を1票上回り1位となった。それは、安倍氏が選挙戦の最終盤で「手を緩めた」からだ。

 総裁選半ば、安倍氏は、福田達夫氏ら若手が結成した「党風一新の会」の参加者などに「アベノフォン」と呼ばれるほど電話をかけまくった。「河野氏の『脱原発』に支持団体は怒っている。次の選挙で支援を得られないぞ」という内容を話し、河野氏支持を切り崩していったという。だが、アベノフォンは、投開票前にパタッと止まった。

 その頃、岸田陣営と高市陣営が、決選投票での協力で合意したという報道が流れた。福田氏も決選投票では岸田氏に投票すると表明し、岸田氏勝利の流れが出来上がっていった。だが、これは岸田派側の戦略的な動きでなかったのは明らかだろう。岸田派幹部が、高市陣営との合意で勝利を確信しながらも、岸田政権は「安倍かいらい政権になる」という「自虐的」な発言もあったという。これは、岸田氏勝利の流れは、安倍氏の仕掛けだったことを示唆している。

 岸田氏は、安倍氏に「勝たせてもらった」だけなのだ。』

『安倍氏による「新・闇将軍」体制の確立

 自民党総裁選が、血で血を洗う権力闘争であることはいうまでもない。勝者はおいしい権力の蜜をすべて取る。一方、敗者は徹底的に干し上げられるが常だ。安倍政権時の石破茂元幹事長の冷遇は誰もが知るところだ(第190回)。今回の総裁選後も、敗者となった河野氏は「党広報委員長」へ「格下げ」となった。

 ところが、岸田新総裁は、敗者を干しただけではなかった。党四役に総裁派閥・岸田派から1人も起用しないという露骨な「岸田派外し」を行ったのだ。

 党四役は、「3A(安倍・麻生・甘利)」の一角・甘利明幹事長、安倍氏の「側近」・高市早苗政調会長、アベノフォンに籠絡された福田達夫総務会長、そして谷垣グループ(有隣会)の遠藤利明選対委員長となった。

 内閣人事も発表され、内閣官房長官は細田派の松野博一氏が起用された。萩生田光一氏の起用も取りざたされたが、松野氏が起用された理由は、当選回数が上だからだという見方がある。

 だが、それ以上に重要なのは、萩生田氏が安倍政権時のコロナ対策「全校一斉休校」に文科相として公然と異を唱えたり、菅義偉政権の組閣でも官房長官起用が取りざたされたほどの「実力者」になったことだ(第253回・p4)。安倍氏は、「実力者」の官房長官起用を嫌がった。一方、松野氏ならば、安倍氏が支配する岸田政権の方針に従い、忠実に粛々と「実務」をこなすと考えたのではないだろうか。

 また、財務相には「3A」の一角・麻生太郎氏の側近にして親戚の鈴木俊一氏が起用された。鈴木氏は大ベテランだが、財政通と呼ばれる経歴はない。麻生氏は党副総裁に移るが、その後も実権を握り続けるつもりなのだ。

 これが、安倍氏による「新・闇将軍」体制の確立なのである。』

『小選挙区制の時代では、「闇将軍」は現れないはずだった

 正直、これまでちまたでよくいわれる安倍氏の「影響力」について懐疑的だった。派閥の親分のような大物政治家が、裏でカネを配って権力を振るったのは遠い昔の話だからだ。

 90年代、「政治・行政改革」によって資金と人事と公認の権限を握るのは、首相(党総裁)と党幹事長、そして官房長官となった。一方、派閥は力を失った。だから、資金、人事、公認の権限を与えない限り、史上最長の長期政権を築いた元首相といえども、権力を振るうことはできない。首相を退任して無役となった政治家が政界に隠然たる影響力を保つというのは、難しいと考えていた。

 ところが、安倍氏は総裁選で、したたかに動いて岸田氏を勝たせた。そして「人の話をよく聞くこと」が長所だという岸田氏によく話をしたのだろう。資金配分権、人事権、公認権を握る幹事長、官房長官は、安倍氏の手中に収まった。さらにいえば、選挙に直接影響する支持者への利益誘導を決める財務相と政調会長まで、安倍氏の影響下に入ったのだ。

 これが、派閥の親分たちが支配した「中選挙区制の時代」とはまったく違う、「小選挙区時代」の新しい「闇将軍」の誕生だと思う。

 本来、選挙制度が改革されたのは、何の公的な権限も権力も持たないはずの派閥の親分たちが、首相や党幹事長などよりも影響力を発してしまう「権力の二重構造」を壊すためだった(第16回)。

 言い換えれば、小選挙区制の時代では、「闇将軍」は現れないはずだった。実際、首相や党幹事長などのポジションを実際に得た政治家が、その任期の間に権力・権限を行使する。その結果が、政権交代が起きやすい小選挙区制の選挙によって、国民から民主的に審判を受ける制度に変わった。長期的には、権力・権限は特定の政治家には集中しないはずだった(第115回)。

 ところが、安倍氏は、岸田首相に「総裁派閥外し」をさせて、権力・権限を持つポジションをすべて掌握することで、「小選挙区時代」の「新・闇将軍」になった。』

『岸田政権が長引けば、「新・闇将軍」の力が強大に

 安倍氏が、岸田政権期にこの支配体制をしっかり構築し、岸田政権が総選挙、参院選を乗り切り長期政権化すれば、どうなるか。人事権、資金配分権、公認権を「新・闇将軍」が掌握し続け、新人候補は「新・闇将軍」の推薦する人ばかりになることはありえる。現在でさえ、自民党議員の約4割は、安倍政権期に初当選した若手だが、それ以上に安倍氏の影響下にある政治家が増えて、党内の多数派となっていく。総裁選で勝てるのは、「新・闇将軍」に従う人ばかりになる。

 そうなれば、誰が首相になろうと、人事権、資金配分権、公認権を行使するポジションに就くのは「新・闇将軍」の影響下にある政治家だけになる。だから、安倍氏をただの「首相の後見役」とみなすのは甘いと思う。「新・闇将軍」と呼ばせていただくのが妥当だ。

 永田町に「新・闇将軍」が誕生しようと、国民にとって重要なことは、政治が国民の生命と安全、生活を守ってくれるかどうかだ。「新・闇将軍」の影響が強まると、岸田政権が「保守化」「右傾化」すると思われるだろうが、事は単純ではない。

 安倍政権時代の国内政策は、実は「女性の社会進出」「全世代社会保障」「教育無償化」「外国人単純労働者の受け入れ」など、社会民主主義的な傾向が強かった(第218回)。これらは、保守派の不満が強かったが、それを押し切って実行された。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」も含めて、世論・社会情勢の変化に対して「現実的対応」をするのが安倍政権の特徴だったのだ(第163回)。この傾向は、岸田政権でも継続されるのではないだろうか。

 総裁選でも論争になった「同性婚」「選択的夫婦別姓」など多様性・人権に関わる政策は、高市政調会長の下で自民党内の議論が停滞すると思われるかもしれない。だが、私はむしろ着実に前進すると考える。

 高市政調会長は、本質的には保守というより徹底したリアリストだ。それは、女性政治家として政界を生き抜く術だった(第285回・p3)。例えば、選択的夫婦別姓の問題については、「通称使用の拡大」に取り組んできたと総裁選で説明してきた。選択的夫婦別姓は、女性差別の問題であると捉えられがちだが、それと同時に、女性の社会進出の促進という「競争政策」の側面がある。高市政調会長は、女性の社会進出を否定するのではなく、現実的な取り組みをしてきた。多くの女性議員など「推進派」の議員との間で、党内の議論は活発化する。議論の活発化は、岸田首相の総裁選時の発言と一致している。

 来る衆院選、来年の参院選に向けて、自民党は権力を死守するためのリアリティーを見せつけるだろう。「同性婚」「選択的夫婦別姓」など社会民主主義的な政策の党内議論を進めていくことは、野党の存在意義を消すことになるからだ。』

『総選挙では、保守派の支持はスルーする自民党

 自民党にとって、党総裁選では「保守派」の支持が重要となるが、総選挙では、「保守派」の支持の重要性が薄れる。自民党総裁選では、各候補者が日本遺族会や日本会議など、保守系の団体に配慮をしてきた。選挙の勝敗に一定の影響を持つからだ。
「新・闇将軍」安倍晋三の誕生、岸田政権長期化で日本の右傾化が加速するか本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されています。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)

 しかし、総選挙になると、自民党は保守派に配慮しなくなる。むしろ、子育て世代、現役世代のいわゆる「中道層」の票の獲得を狙う。声が大きいが、実は多数派ではない右派や左派ではなく、日常的に政治に声を上げることは少ないが「サイレントマジョリティー」である中道層の支持を得ることが、野党を破って、政権を維持することにつながるからだ。

 それが、安倍政権が保守層にリップサービスをしつつ、実際に社会民主主義的な政策を実行し続けた理由だ。一方、野党の弱体化は、左傾化して中道層に失望されてしまったことで、安倍政権は長期政権を実現した(第169回・p3)。

 なぜ、総選挙では保守派が重要でなくなるのか。

 保守派は、自民党に不満があっても、総選挙で野党に投票することは、絶対にないからだ。だから、岸田政権も、保守へのリップサービスを続けつつ、実際には中道層に支持される社会民主主義的な政策を拡大していくことになる。それが、野党をつぶす常套策であり、自民党の権力維持のためのリアリティーなのである。』

衆院選、異例の短期決戦

衆院選、異例の短期決戦 高い内閣支持率保ち投開票狙う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA043EU0U1A001C2000000/

『岸田文雄首相は4日、衆院を14日に解散し次期衆院選を19日公示―31日投開票の日程で実施すると表明した。首相就任から1カ月弱の異例の短期決戦になる。政権発足時に期待する高支持率を維持したまま投票日を迎える狙いだ。与野党は事実上の選挙戦に入る。

首相は就任後初めての記者会見で「可及的速やかに衆院選を実施し、国民から信任をいただいて国政を担っていく」と強調した。「思い切って新型コロナウイルス対策、経済対策をできないか。そういった思いから日程を決めた」と説明した。

衆院選の日程は異例ずくめだ。4日の首相指名から14日の解散はわずか10日後にあたり、戦後最短となる。公示日と投開票日は共にこれまで多くの政権が避けてきた「六曜」の仏滅になった。

いずれも仏滅なのは2000年の森喜朗内閣以来だ。このときは天皇陛下の訪欧と衆院議員の任期切れの間隔が短く、日程の選択肢が少なかった。首相は「六曜」よりも早期の投開票を優先した。

与党内にはもともと11月7日か14日投開票を想定する見方が多かった。1~2週間の投開票前倒しはどう影響するのか。

日本経済新聞社による過去の内閣の発足直後の支持率を見ると理由が浮かび上がる。

20年9月に発足した菅義偉内閣は74%の高支持率で始まり、1カ月後に63%、2カ月後に58%、3カ月後に42%と低下した。新型コロナウイルスの感染状況が年末にかけて悪化し、批判が高まったのが響いた。

06年発足の第1次安倍内閣以降の5つの自民党政権のうち4内閣の支持率が発足から1カ月後に下落した。

下落幅は就任1カ月後が3~11ポイント、2カ月後は4~22ポイントと拡大した。発足時に53%だった麻生政権は2カ月後に危険水域の31%に落ち込んだ。

新型コロナ禍ではさらに下落するリスクがある。首相は記者会見で、31日投開票について「国民に貴重な判断をいただくわけだから新型コロナの状況も当然、念頭においた」と説明した。

足元で減少基調にある新規感染者が再び増加すれば、世論の関心は新型コロナに集中する。冬場には「第6波」が懸念されており、それまでに医療提供体制を拡充しておかなければならない。投票までの期間が長引くほど、政権にとっては不安要素が増える。

衆院選を見据えた野党側の準備も考慮した。総裁選で自民党の支持率があがり、野党共闘の動きが加速していた。

立憲民主党の枝野幸男代表は9月30日に共産党の志位和夫委員長と会い、政権交代が実現した場合には「共産党が限定的な閣外からの協力をする」と一致した。

両党が候補者調整を進めれば、現時点で70ほどある競合区は一段と減る。時間的余裕を与えてしまうと野党候補の一本化が進み、与党との接戦区が広がる構図だ。

国会対策上の効果もある。野党は首相が出席を前提とした予算委員会の開催を要求してきた。一問一答形式で政権を追及できる予算委は野党にとっての見せ場だからだ。これまでは総裁選などで自民党への関心が高まったが、予算委中は立場が逆転する。

自ら政治日程を組み立て主導権を示した。総裁選中からあった11月7日や14日投開票との観測を打ち消し、首相の専権事項の解散権を自ら行使する姿勢を明確にした。

党内では一連の人事を巡り「首相が人事で他派閥に配慮しすぎだ」との声が出ていた。党四役には自ら率いる岸田派から一人も入らず、内閣の要となる官房長官や財務相、外相も他派閥に譲った。

一方、早期の投開票はデメリットもある。首相が意欲を示す数十兆円規模の経済対策や補正予算案の決定は選挙後に先送りとなる。

子育て世帯への給付金や企業への持続化給付金の復活といった政策の実績をほとんどあげないうちに、政権を選ぶための十分な判断材料を国民に示すのは難しい。

学習院大の野中尚人教授は「本来は経済対策などこれからやることを具体的に国民に提示してから衆院選に臨むべきだ」と話す。「衆院選後に政策を肉付けすると、その政策が国民の信任を受けたといいきれない。政策の推進力を欠く」と指摘する。

【関連記事】
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・「コロナ対策一刻も早く」 岸田内閣、戦後最短で解散へ 』

19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析

19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析
コロナ12月発生説を疑問視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA233970T20C21A9000000/

『米国、英国、オーストラリアの民間研究者は、新型コロナウイルスの発生源となった中国の湖北省で2019年5月以降にPCR検査機器の発注が急増していたとの報告書をまとめた。同年秋までに新型コロナが広がっていた可能性が高いと指摘。同年12月に最初の感染例が見つかったとする中国の説明を疑問視した。

米英豪の元情報機関の職員らで構成する調査チームが、中国の公共調達の入札情報を集約したウェブサイトからデータを収集して分析した。

報告書は19年の湖北省でのPCR検査機器の調達額が約6740万元(約11.6億円)と18年と比べて2倍近くに増えたと言及した。発注機関別にみると大学が2倍、疾病予防管理センターが5倍で、動物の疾病対策機関の発注も10倍に増えた。病院は1割超減った。

PCR検査は遺伝子の配列を調べるもので、必ずしもコロナだけに使われるものではないが、湖北省の武漢周辺で新たな感染症の発生が認識されていた可能性が高いという。

湖北省の月別のデータでは、5月にいったん発注が顕著に増えた。疾病予防管理センターと人民解放軍の発注が目立ち、早ければ5月には初感染があった可能性があると分析している。

7~10月にかけても大幅に増加した。この間、発注が急増したのは武漢科技大学だ。総額は19年の1年間で892万元と前年の約8倍に増えた。調査チームは同大学が周辺の病院や衛生当局と連携しており、ウイルスの流行の初期に対応する機関とみている。

報告書はこうした発注や調達の傾向は「新型コロナの感染拡大と関連づけられる」と指摘。感染拡大の時期は「中国が世界保健機関(WHO)に新型コロナについて通知するよりもはるかに早いと、高い確度で結論付けられる」と強調した。

新型コロナの発生源や時期を巡っては米中で対立している。中国はWHOに19年12月8日に武漢で初めて症状のある患者が記録されたと報告しているが、米国内ではウイルス研究所から流出し、12月以前に感染が広がっていたとの指摘がある。

米ハーバード大などは衛星画像をもとに、武漢の病院の駐車場の利用率が19年8月に大幅に上昇したとの研究結果を公表している。

ただ、米国家情報長官室は8月に発生源を巡り①動物から人間に感染②中国のウイルス研究所からの流出――のどちらかを結論づける決定的な証拠を得られず、特定できなかったと発表した。

チームからデータ提供を受けて独自に分析した井形彬・多摩大大学院客員教授は「これだけでは断定できないが、コロナの拡大を武漢周辺で把握し始めたのが19年12月の半年~数カ月前だったと論じる上で有力なデータだ」と話す。「今回の報告書は、各国が改めて中国に情報開示を強く迫る契機になる可能性がある」と語る。

調査チームのデービッド・ロビンソン氏は「中国から意義のあるデータが提供されていないことで多くの仮説や誤情報がはびこる状況になった。技術を使って信頼性の高いデータを提供している」と調査の意義を説明する。
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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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分析・考察

炎上的な状況は、「受け手における情報の重要性」と、「情報・状況の曖昧さ」の乗数が、大きい時に生じるとされます。

今回の指摘の真偽は全くわかりませんが、コロナは世界の人々にとってあまりに重要な惨事であり、その発生状況について中国の情報開示が極めて不十分だったことは紛れない事実でしょう。状況が曖昧な間はこうした指摘と厳しい反応は続くでしょうし、それは何より中国にとって致命的です。

十分な情報開示に踏み切る以外には、解決策はないように思えます。

2021年10月5日 8:01

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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ひとこと解説

状況証拠でしかないが、中国がいつ感染に気が付いたのかを示唆するデータではある。

しかし、8月に感染が始まっていたとすると、年末までに感染を一定規模に抑えていたということになり、本当にそれが可能だったのか、疑問は残る。

中国が意図的に隠していたかどうかは国際政治上、重要な問題ではあるが、中国への攻撃材料として、何とか中国が隠ぺいしていた事実をひねり出そうとするようなことだけは避けなければならない。

大事なことは事実をきちんと確認することであり、パンデミックを繰り返さないようにすることであり、中国を攻撃することではない。

2021年10月5日 7:28 (2021年10月5日 7:29更新)』