岸田新体制固まる 甘利幹事長、高市政調会長

岸田新体制固まる 甘利幹事長、高市政調会長
麻生氏は副総裁 官房長官・松野氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA301R70Q1A930C2000000/

『自民党の岸田文雄新総裁は30日、党役員人事で幹事長に甘利明税制調査会長の起用を内定した。総務会長に衆院当選3回の福田達夫氏を抜てきする。高市早苗氏は政調会長に、河野太郎氏は広報本部長にそれぞれ登用する。衆院選に向けて総裁選で広く支持を集めた他の候補者も取り込んで体制を刷新する。

10月1日に臨時総務会を開いて新たな党執行部を正式に決める。総務会後に初の役員会に臨み、自民党四役が記者会見する。岸田氏は4日に臨時国会での首相指名選挙を経て新内閣を発足させる。

政府側の顔となる官房長官には細田派の松野博一氏を充てる。同じ細田派から萩生田光一文部科学相を起用する案が浮上していたが同派内で衆院当選5回の萩生田氏はまだ早いとの慎重論が出た。茂木敏充外相と岸信夫防衛相は再任が取り沙汰されている。

党副総裁には安倍政権時から9年近く副総理・財務相を務めてきた麻生太郎氏が就く。選挙対策委員長に遠藤利明氏、国会対策委員長に高木毅氏、組織運動本部長に小渕優子氏をそれぞれ充てる。

幹事長となる甘利氏は総裁選でいち早く岸田氏支持を表明し岸田氏の総裁選出に貢献した。当選12回のベテランを党務の要に置き党内基盤の強化を狙う。次期衆院選や来年夏の参院選に向けた選挙対策も指揮する。幹事長の交代は2016年8月以来5年ぶり。

新体制は衆院選を意識した内容となった。若手の福田氏の抜てきは目玉の一つだ。福田氏は衆院当選3回以下の議員からなる「党風一新の会」の代表世話人として総裁選での論戦活性化に貢献した。岸田氏は当選回数の少ない中堅・若手や女性議員を積極的に登用する方針を示していた。

総裁選で争った候補者も処遇する。高市氏は総裁選でSNS(交流サイト)で多くの支持を集め、1回目の投票でも岸田氏に次ぐ2位の国会議員票を得た。河野氏を広報本部長に充てる人事には根強い人気を生かし衆院選へ広報戦略の先頭に立たせる狙いがある。

岸田派からの党四役の起用は見送った。岸田氏は総裁選で細田派や第2派閥の麻生派、第3派閥の竹下派を中心に幅広い支持を得た。党内運営の安定を重視し他派閥に配慮した。9月29日の記者会見では「老・壮・青のバランスが大事だ」とも語っていた。

岸田氏は10月4日召集の臨時国会で第100代首相に指名される。同日中に組閣に着手し、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て新内閣を立ち上げる。

衆院議員の任期満了を21日に控える。岸田氏は所信表明演説と各党の代表質問を実施した後、10月中旬にも衆院を解散する公算が大きい。衆院選の投開票は11月前半になる見込みだ。衆院選を直後に控えた異例の新政権発足となる。

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室橋祐貴
日本若者協議会 代表理事
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ひとこと解説

この中で最注目なのは、やはり総務会長に福田達夫氏を抜擢したことです。

一般的にはあまりその重要性が知られていないかもしれませんが、総務会長は党の最高決定機関のトップであり、それを3期生が就任するのは異例中の異例です。

今回70名規模の「党風一新の会」をまとめ上げた力量を買ってのことだと思いますが、これによって次世代の代表格になったと言えます(少し前までは小泉進次郎氏の右腕と言われていましたが)。

かつて祖父にあたる福田赳夫氏が反主流派の「党風刷新連盟」を作り、総理辞職後には「清和会」と改名しましたが(福田赳夫氏が初代会長)、まさに同じようなストーリーを想起させます。

2021年10月1日 10:50
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新井紀子
国立情報学研究所 教授
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分析・考察

SNS上やメディアでは「新鮮味が欠ける」「何も変わらない」との意見が多いようだ。

岸田氏の立候補会見を改めて見てみた。

彼の主たる主張は「日本型修正資本主義の構築」とそもそもの自民党の強みであった「包容力のある民主主義」とのことだ。

対立軸となる象徴は何か。実は、小泉純一郎元首相の「郵政民営化」や「自民党をぶっ壊す」ではないか。

今振り返って、郵政民営化のメリットが見えるだろうか。民営化に反対する議員に「刺客候補」を立てる劇場型手法は良かったのか。

小泉劇場の傷は(トランプ劇場同様に)深い。分厚い中間層を回復させるには長い道のりになるだろう。一喜一憂せず行方を見守るリテラシーが国民には問われる。

2021年10月1日 9:19 』