みずほ銀行、外為取引387件遅れ 今年8度目システム障害

みずほ銀行、外為取引387件遅れ 今年8度目システム障害
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB307Y20Q1A930C2000000/

『みずほ銀行で30日午後、システムの不具合により387件の外国為替取引に遅れが出た。主に法人顧客の送金が滞ったが大半は同日付で処理ができるめどがついたというが一部は翌日に持ち越す可能性がある。詳細な原因は特定できていない。みずほで顧客に影響が出るシステム障害が明らかになるのは今年に入って8件目。9月22日に金融庁がみずほのシステムを実質管理する業務改善命令を出したばかりだった。

みずほから他行宛ての送金で387件の遅れが生じたが、うち300件超は当日付で処理できる見通し。残り約80件は相手方の銀行との調整を続ける。10月1日には通常通り、取引を受け付けられると説明している。30日は企業の決済が集中する上半期の末日にあたる。送金の遅れは企業間取引の一部に影響を及ぼす可能性がある。

不具合が起きたのはみずほの外為取引システムと、銀行間の送金を担うネットワークをつなぐ部分で、決済が集中し負荷が大きくなったのが一因とみられる。

みずほ銀では今年2月以降、全国のATMの7割強が一時使えなくなるなどシステム障害が相次いでいる。3月12日の障害でも外貨建て送金の約300件が遅延した。ただ、当時は勘定系システムと外為決済システムをつなぐ部分のハード機器が故障したためで、今回とは原因も障害箇所も異なる。

みずほでは2002年、11年にも大規模なシステム障害を起こしてきた。19年に旧行のシステムを刷新し新勘定系システム「MINORI(みのり)」を全面稼働させたが、今年に入りみのりに関連するシステム障害が相次いでいる。

8度の障害はいずれも原因が異なる。みずほ銀の親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長は8月20日の障害後に記者会見し「再発防止に取り組んでいるなかで、極めて重く受け止めている」と述べていた。

その後も続いた障害を重くみた金融庁は9月22日にみずほ銀と親会社のみずほFGに業務改善命令を出した。処分を受けたみずほは同日「システムの安定稼働に全力で取り組む」との決意をあらわにしたが、わずか1週間で新たな障害が起きた。金融庁は障害の再発を防ぐため、みずほのシステム改修や保守点検に関する計画を提出するよう求めていたが、改善計画の提出前に再び障害が起きた。

金融庁幹部は「処分から1週間ほどで再発し、厳しく受け止めている。まず復旧を最優先してほしい」としている。

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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役

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ひとこと解説 金融機関におけるシステムは経営そのものです。オペレーションを明確に定義し例外なく徹底できるか、将来に向けてどのような打ち手を考えているのか(戦略)、組織内が縦割りにならず部門間の協力体制がとれているか、経営陣が技術について正しい意思決定をできる程度の知見を有しているか、などなど。どれか一つが欠けていても、システム刷新は難航します。

みずほほどの巨大システムとなると極めて難易度が高いのは想像に難くありませんが、社会へのインパクトに鑑み早期に収束することを願っています。

2021年10月1日 10:21いいね
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上杉素直
本社コメンテーター・論説委員

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ひとこと解説 ちょっと気になるのは、世間もみずほ自身もなんだかトラブル慣れしてきてしまったように見えることです。

「またか!」という声よりもむしろ、「やっぱり」という感想を漏らす人が目立つような気がします。障害、復旧、検査の繰り返しで、みずほのシステム部門の現場はすっかり疲弊してしまっているとの指摘もあります。現場で生じている悪循環を断つのが、システムを安定運用する最初の一歩でしょう。

2021年10月1日 7:36いいね
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