〔議院内閣制〕

※ 議院内閣制の上位概念は、「三権分立制」だ。

※ この図は、中学三年の「公民」で習う内容だ…。何となく、見たような感じを抱く人が多いだろう…。

※ 議院内閣制は、下記の説明にもある通り、立法府と行政府の分立を厳格に追及せず、一応分離しつつ、両者が「連絡し合う」ことを公認して、「抑制・均衡」よりも、「法律の制定・実行の効率化」の価値を優先したものだ…。

議院内閣制
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%B0%E9%99%A2%E5%86%85%E9%96%A3%E5%88%B6

『議院内閣制(ぎいんないかくせい、英: parliamentary government/cabinet system)とは、行政権の主体たる内閣を議会(特に下院)の信任によって存立させる政治制度[1][2][3][4][5]。』

『概説

議院内閣制は議会と政府との関係の点から見た政治制度の分類の一つで[6]、議会と政府(内閣)とが分立した上で、内閣は議会(特に下院)の信任によって存立する政治制度である[1][2]。議会制民主主義の発祥国でもあるイギリスで誕生した政治制度であり[1][7][8]、そこでは首相が内閣を、内閣は多数党を、多数党は議会を、それぞれ統率・指導・統制し、議会の多数党は国民の投票によって決定される[9]。

議院内閣制を他の政治制度と比較すると以下のような特徴によって表される。

・議院内閣制(parliamentary government / parliamentary cabinet system、イギリス型)

行政府の主体たる内閣は議会(二院制の場合には主に下院)の信任を得て存立する政治制度[6][10]。

権力分立の観点からみると、議会統治制とは異なり議会と政府は一応分立しているものの、大統領制のような厳格な分離はとられず、政府(内閣)は議会の信任によって存立する[1]。

また、民主主義の観点からみると、内閣の首班(首相)は議会から選出されること、内閣は議会(特に下院)の信任を基礎として議会は内閣不信任を決議しうること、首班には法案提出権が認められること、内閣の構成員たる大臣はその多くが議員であること、大臣には議会出席について権利義務を有することなどを特徴とする[11]。

また、内閣には議会解散権が認められているものの、議会解散権については議院内閣制一般に認められる本質的要素とみるか否かで、後述のように責任本質説と均衡本質説が対立する[11]。

・超然内閣制(※ 戦前の内閣は、これか…。)

政府(内閣)は君主に対してのみ責任を負うものとされ、議会に対しては責任を負わない政治制度[6]。

・大統領制(presidential system、アメリカ型)

今日では議院内閣制と並ぶ代表的な政治形態であり、立法権と行政権を厳格に独立させ、行政権の主体たる大統領と立法権の主体たる議会をそれぞれ個別に選出する政治制度[6][12][13]。

その特徴としては、大統領は議会選挙からは独立した選挙により国民から直接選出されること(アメリカ大統領選挙は制度上においては間接選挙であるが、実質的には直接選挙として機能しているとされる[10])、原則として大統領は任期を全うすること(弾劾制度が設けられているが、弾劾の事由は狭く限定されたものとなっている[10])、大統領には法案提出権や議会解散権が与えられていないこと、議員職と政府の役職とは兼務できないこと、政府職員は原則として議会に出席して発言できないことなどを特徴とする[14][10]。
・半大統領制(semi-presidential system、フランス型)

議院内閣制と大統領制の中間に位置する制度。議院内閣制の枠組みを採りながら、より権限の大きな大統領を有する政治制度。

・議会統治制/議会支配制(assembly government、スイス型)

政府は独立性を有さず、議会の指揮下におかれている政治制度(内閣不信任や議会解散権はない)[6][13]。

政治モデルとしては、アメリカ型大統領制が立法権と行政権を厳格に分離し権力の分散という点を強調し権力分立を指向するのに対し、イギリス型議院内閣制は立法権と行政権が政権党によって一元化され強力な内閣のもとに権力の集中を容認する制度であるとされる[15][16]。

議院内閣制の場合、一般的には議会で多数をしめる政党が政権を担当し与党となる[17]。
大統領制の場合には、議会の少数党であっても大統領が所属する政党が与党である。

議院内閣制の場合、立法権を持つ政党が行政権も担当していることから、厳格な権力分立を指向する大統領制に比して、強い政治権力を有している[18]。

したがって、議院内閣制には集権性・集約性がみられるとされ、特にイギリスでは首相統治制・二大政党制を背景に首相権力の強い議院内閣制となっている[9]。

国民による公選によって選出される大統領とは異なり、議院内閣制における内閣は国民から直接選ばれるわけではないため、自らの民主的正統性の根拠について議会からの信任に依拠することになる[19]。

議院内閣制の下では原理的には議会は内閣に優位することになり、アメリカ型の大統領制に比して権力分立という自由主義的側面は後退することになるが、国民(有権者)→議会(議院)→内閣(首相・大臣)→行政各部(官僚)という権限の委任と監督の連鎖と、内閣→議会(議院)→国民(有権者)という責任の連鎖を構築することによって行政権の民主的コントロールを確保するとともに、議会の多数党派が行政部の中枢機関を担うこととして政治上の責任の所在を明確にして民主主義的要請に応えようとする制度であるとされる[20][21][16]。

大統領制の下では大統領と議会とは別々に選出されるため民意は二元的に表れる二元代表制であるのに対し、議院内閣制では議会のみが選挙により選出されて内閣はそれを基盤として成立するため民意は一元的に表れる一元代表制である[22]。

そして、議院内閣制の下で議会と内閣の協働関係が破綻した際には、内閣不信任決議、内閣総辞職、議会解散権の行使のいずれかによって解決が図られる[23]。

議院内閣制では議会多数派が政権を握ることになるため、基本的に与党の分裂や連立与党の関係破綻などの問題を生じない限り首班が提出した議案は成立する[24]。

議院内閣制の下では立法及び行政の統治責任は、議会を支配し現に内閣を組織している政権党に一元化される。議会選挙では内閣与党の治績の良否、政策競争の優劣などの点から国民の審判を仰ぐことになる[24]。

以上の点は立法府と行政府の厳格な分離をとり、大統領の任期が定められる一方、議会解散権がなく、大統領の所属政党と議会多数派とが異なる場合も出現しやすいアメリカ型の大統領制と異なる点である。

議院内閣制の利点を実際に活かすことができるか否かは政治上の諸条件にかかっているとされ、議会や政党に頽落を生じる場合にはアメリカ型の大統領制よりも大きな構造的な問題を抱えることになるとされる[25]。

議院内閣制の問題点としては、政権与党が議会の圧倒的多数を占めると独裁化に近い状態になり、他方で政権与党が小政党の連立である場合には政権基盤は著しく不安定な状態になる点が挙げられる[26]。』