GPIF、中国国債への投資見送り 取引環境など考慮

GPIF、中国国債への投資見送り 取引環境など考慮
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『公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が中国の人民元建て国債への投資を見送ることがわかった。GPIFが運用の目安とする指数に10月末から中国国債が組み入れられるため、対応に注目が集まっていた。中国の不動産大手、中国恒大集団の債務危機などで市場混乱の懸念が高まるなか、債券の取引環境などを考慮して判断した。

GPIFの運用資産は6月末時点で193兆円に上る。そのうち47兆円あまりを外国債券に回しているが、中国の人民元建て国債には投資していない。中国国債は米国債などと比べて利回りが高いのが魅力だが、流動性が比較的低く市場の混乱時などに売りにくくなるリスクがある。

英指数算出会社のFTSEラッセルは3月、世界的な国債指数「FTSE世界国債インデックス(WGBI)」に中国国債を組み入れると発表した。GPIFはWGBIに連動した運用に約20兆円を振り向けており、GPIFが投資に踏み切るかどうかに市場の関心が高まっていた。

GPIFが指数に合わせて運用資産の構成を変更すれば、中国国債への投資額が単純計算で1兆円規模に上る。GPIFは決済システムなどを含めて中国国債の取引環境を幅広く検証し、中国恒大集団の債務問題が深刻になる前から投資を手控える方向で内部で議論を進めていたとみられる。

国内では大手生命保険会社などが中国国債への投資を始めつつあるが、高い利回りを優先する欧米勢に比べると消極的な姿勢が目立つ。GPIFの動向は国内機関投資家も注視しており、慎重姿勢が一段と強まる可能性もある。

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説

中国当局は気になるでしょう。人民元に対する海外マネーの信任を守るために金利の引き上げを迫られるシナリオが残るからです。

日本の経験が示すとおり、金融引き締めは不動産バブルを潰しかねません。

先週、中国本土と香港で債券を取引するボンドコネクトの「南行き」、つまり本土の投資家による香港市場での売買が始まりました。恒大問題にもかかわらずキャピタルフライトが起きないという自信の表れという見方もありましたが、どうだったのでしょうか。

2021年9月29日 11:40 (2021年9月29日 11:41更新)』