〔RAA(円滑化協定)とは…。〕

日英 共同訓練時の対応定める“円滑化協定”締結へ 交渉を開始
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013280161000.html#:~:text=%E5%86%86%E6%BB%91%E5%8C%96%E5%8D%94%E5%AE%9A%E3%81%AF%E3%80%81%E8%87%AA,%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

『茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で、日本とイギリスの安全保障協力を強化するため、自衛隊とイギリス軍が共同訓練を行う際などの対応を定める、日英円滑化協定の締結に向けた交渉を開始すると発表し、早期の妥結を目指す考えを示しました。

この中で茂木外務大臣は「日英両国は、自由や民主主義などの基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーだ。今月にはイギリスの空母『クイーン・エリザベス』が日本に寄港するなど、両国は防衛協力を強化してきている」と述べました。

そのうえで茂木大臣は、イギリスとの安全保障協力のさらなる強化に向けて、来月7日、日英円滑化協定の締結に向けた交渉を開始すると発表しました。

円滑化協定は、自衛隊とイギリス軍の相互訪問を円滑にすることを目的として、共同訓練などを行う際の出入国手続きや、事件・事故を起こした際の裁判権などをあらかじめ取り決めておくものです。

日本がこの協定の締結に向けて交渉入りするのは、オーストラリアに次いでイギリスが2か国目で、茂木大臣は自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、早期の妥結を目指す考えを示しました。』

「新たな次元」に向かう日豪の安全保障協力
政策研究部防衛政策研究室 佐竹 知彦
第 175 号 2021 年 6 月 22 日
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary175.pdf#:~:text=RAA%E3%81%9D%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AF,%E3%81%AA%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82

『防衛・安全保障協力の進展と自衛隊の「標準化」

同声明はまた、近年の日豪 2 国間の防衛・安全保障協力の進展を踏まえ、戦略的アプローチの連携や能力の向上により、「現実世界に即した防衛協力を深化させる」ことを強調している。

この観点から、2020 年 11月に日豪間で「大枠合意」された、自衛隊と豪州軍が相手国を訪問した際の法的地位などを定めた「日豪円滑化協定」(RAA)の早期署名に向けた取り組みを加速することが確認された。

RAA そのものは、自衛隊と豪州軍が相手国を往来する際にその都度結ばれていた取り決めを纏めたものという側面が強く、必ずしも両国の関係性を劇的に変えるものではない。

豪州はまた、この種の協定を複数国と締結している。国際的なスタンダードから言えば、安全保障協力を行う他国とこうした協定を結ぶのは、必ずしも特別なことではない。

他方日本にとっては、この種の協定を諸外国と締結するのは日米および国連軍地位協定を除けばこれが初めてのことであり、その意味で画期的である。

日本は英国とも同種の協定締結に向けた交渉が進められているとも報じられており、仮に日豪の RAA が実現すれば、それは自衛隊が国際的なスタンダードの下、将来的に諸
外国とのより実質的な協力を強化させるための、重要な布石となるかもしれない。

さらに共同声明では、2020 年 10 月に両国防衛大臣によって指示された、自衛隊法第 95 条の 2 に係る自衛官による豪州国防軍の武器等の警護任務に向けた体制の構築が完了したことも明らかにされた。

今後は、共同訓練等の機会を通して自衛隊が米軍のみならず、豪州軍の武器等を防護する機会が増えることになる。

RAA 同様、共同行動をとる友好国の軍のアセットを守ることは、国際的に見れば標準的な行動である。自衛隊による武器等防護は平時か非戦闘地域に限定され、またその対象も「我が国の防衛に資する活動に現に従事している」米軍等の部隊に限定されるなど、依然として制約も多い。

とは言え、これが日豪防衛協力の運用面における強化に繋がれば、「準同盟」としての両国の協力はより実体を伴うものになる。

RAA 同様、豪州軍への武器等防護もまた、自衛隊の活動の「普通化」(normalization)ないし国際的な「標準化」(standardization)に向けた動きの一つと位置付けることができる。そしてそれは、冷戦後豪州が一貫して日本に望んできたことでもある。

以上見てきたように、今次の 2+2 共同声明は、特に 2020 年以降の新型コロナ・ウィルス発生後に急速に悪化した戦略環境を踏まえたものであり、そうした戦略環境の悪化に対応するべく安全保障・防衛面を含む日豪の協力を「新たな次元」(岸防衛大臣)にまで高めることを狙ったものだと言えよう。

その実現の可否は、今後両国が 2+2 で決められたコミットメントを着実に実行に移すことができるか否かにかかっている。 』