AUKUS、米英豪の連携が世界中に波紋を呼ぶ理由…仏のみならずASEANもショック

AUKUS、米英豪の連携が世界中に波紋を呼ぶ理由…仏のみならずASEANもショック
https://biz-journal.jp/2021/09/post_252550.html

 ※ 一部を、紹介する…。

※ まだ、「原潜の技術を提供する」という話しなんで、気が早かろう…。

※ 現オーストラリア海軍の潜水艦(従来型の駆動方式)は、相当に「老朽化」していて、まともに稼働するのは何隻あるのか…、という状況のハズだ…(wikiによれば、「WW Iまでの潜水艦」というものも、保有している…)。

『オーストラリア海軍艦艇一覧

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E8%89%A6%E8%89%87%E4%B8%80%E8%A6%A7

潜水艦[編集]

通常動力型潜水艦[編集]

WW Iまでの潜水艦

AE-1、2

  • J級 – 6隻

J-1、2、3、4、5、7WW II以降の潜水艦

  • 旧・英『T』級 – 3隻

タクティシャン(Tactician)、ティレマカス(Telemachus)、サロー(Thorough)

  • 旧・英『A』級 – 2隻

アンカライト(Anchorite)、アンドリュー(Andrew)

オクスリー(S-57 Oxley)、オトウェイ(S-59 Otway)、オンズロウ(S-60 Onslow)、オリオンS-61 Orion)、オタマ(S-62 Otama)、オヴンズ(S-70 Ovens)

コリンズ(S-71 Collins)、ファーンコム(S-72 Farncomb)、ウォラー(S-73 Waller)、デシェイノー(S-74 Dechaineux)、シーアン(S-75 Sheean)、ランキン(S-76 Rankin)』

※ 国内には、「原発」すら無い状況なんで、最初は丸々「リース」なのでは…、という説もある…。それなら、「乗組員」を準備するだけで足りるからな…。

※ しかし、それでも「整備」「保全」をどうするのか、という問題はある…。

※ まあ、最初は、「技術要員」も「派遣」してもらうんだろうな…。

『ASEANの戸惑い

 AUKUSの創設にショックを受けたのは、フランスだけではない。ASEAN(東南アジア諸国連合)にとっても、この話は寝耳に水だった。

 AUKUSが対象としている海域がハワイ以西の太平洋とインド洋であることは明らかであり、そこにはASEAN諸国がすっぽりと入っている。ASEANは米中の海洋対立に巻き込まれている当事者で、ASEAN諸国の多くが米中のはざまでバランス外交をとっていくつもりでいる。自分たちの頭越しにAUKUSが創設されたことは、従来のバランス外交を崩されるきっかけにもなりかねず、各国とも米英豪に傲慢さを感じたはずだ。

 AUKUS創設が発表された直後、インドネシア外務省は地域の軍拡競争や軍事力展開に対して懸念の声明を出し、核拡散防止と国連海洋法条約の順守を求めた。マレーシアのイスマイル・サブリ首相はオーストラリアのスコット・モリソン首相と電話協議して、「南シナ海において、他国によるアグレッシブな行動を挑発するのではないか」と述べて、AUKUSに対する懸念を示した。

 ここでいう「他国」とは、もちろん南シナ海進出を強めている中国のことだ。マレーシアは中国とは一定の距離を保ちながらも、友好的な関係を築くスタンスをとってきており、AUKUSが両国の微妙なバランスを崩すことを懸念している。

 フィリピン国防大臣はオーストラリア国防大臣に対して、フィリピンは中立的なスタンスをとると伝えている。シンガポールがややAUKUS寄りの発言をしているものの、ASEAN全体が米中対立においてアメリカのみに肩入れするつもりはないことは明らかである。

 ASEANにとって厄介なのは、各国とも中国からの挑発が続いており、国内では反中感情が高まっていることだ。特に中国との南沙諸島や西沙諸島における領有権問題を各国が抱えており、親中的なスタンスだけを打ち出すと、国内で影響力を弱める可能性がある。かといって、最大の貿易相手国である中国と面と向かって対立するわけにはいかず、貿易相手国・中国と侵略国・中国のはざまで、なんとか極端に触れないように苦心している状態にある。ASEANとってAUKUSは「ありがた迷惑」といった存在ではないだろうか。

 ASEANのクアッドに対する不満は、日本が中心であることもあってか、さほど表面化していないが、AUKUSがアメリカ主導であることは疑う余地がなく、ASEANの安全保障が自分たちとは関係ないところで決められてしまうのではないかという不安がある。それだけにAUKUSの唐突な発表は、「心配の種」を増やすものでしかなかったのである。

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『オーストラリアの大転換

 AUKUSは軍事的強力のほかAIやサイバーセキュリティなど、広い意味で安全保障において三国が協力する枠組みであるが、そこに「米英が原子力潜水艦建造で協力する」と入ったことは、オーストラリアにとって大転換になることを意味する。

 というのは、オーストラリアはこれまで、日本と同様に核兵器保有を否定してきたからである。原子力潜水艦を保有することで、オーストラリアが核兵器保有に入る準備ではないかという疑念が中国を強く刺激している。実際、中国外交部の趙立堅報道官がAUKUSについて「地域の平和と安定を大きく損ない、軍拡競争を激化させて、核不拡散の取り組みを阻害している」と述べて、オーストラリアの動きを牽制している。

 だが、中国がこれまで核兵器を使ってASEANやオセアニアに対する影響力を強めてきたのはまぎれもない事実であり、趙報道官は単に中国の優位性が損なわれることに抗議しているにすぎない。AUKUSは中国の海洋進出の野心に対するカウンターパンチであることは中国側も十分、理解しているはずだ。

 また、アメリカにとっても、中国との紛争地域に近いオーストラリアが原子力潜水艦を保有する意義は大きい。中国が海洋進出をしている南シナ海と東シナ海は核保有国がなく、アメリカさえいなければ、中国にとっては反撃のリスクが少ない「安全地帯」でもあったわけである。

 オーストラリアが今後、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を保有することにでもなれば、中国にとって南シナ海が「安心して侵略できる地域」でなくなり、地政学的な大転換を果たす可能性すらある。豪米がフランスとの関係を悪化させても原子力潜水艦の製造を進める裏には、オーストラリア周辺海域の安全保障力を高めるためだけではなく、中国に対して「これ以上の狼藉を繰り返すのであれば、豪米英は核配備も含めてアグレッシブに立ち向かう」というメッセージを送る目的もあると考えられる。

日本のとるべき態度

 AUKUSは「ファイブアイズ」(米英加豪NZ)のうちの3カ国が参加している。ファイブアイズはもともとUKUSA協定のもと、各国の諜報機関が機密情報を共有するための枠組みであり、AUKUSはその枠組みを生かしているので、大した労力をかけず高度な機密情報共有が可能だ。

 日本はアメリカとは同盟国、オーストラリアとイギリスとは準同盟国と言ってよい関係にあり、イギリスのボリス・ジョンソン首相も述べたように、ファイブアイズに日本も参加すべきだという議論が最近、出始めている。AUKUSは進化した「中国包囲網」である以上、日本も参加に前向きであるという姿勢はとるべきだろう。ただ、そのためにはファイブアイズに参加できる高度な情報共有をとれる体制をつくる必要がある。

 また、AUKUSの安全保障体制に核が含まれている以上、日本もこれまでのように核にまつわるものを禁忌しておけばいいというわけにはいかない。日本が核兵器を配備することはないにしても、米英豪の原子力潜水艦などを支援する体制づくりができる法整備を行う必要はあると考える。
(文=白川司/ジャーナリスト、翻訳家)

白川司(しらかわ・つかさ) 国際政治評論家・翻訳家。世界情勢からアイドル論まで幅広いフィールドで活躍。著書に『議論の掟』(ワック刊)、翻訳書に『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)ほか。「月刊WiLL」(ワック)、「経済界」(経済界)などで連載中。メルマガ「マスコミに騙されないための国際政治入門」も好評。

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