中国、仮想通貨締め付け強化 資金流出の穴塞ぐ

中国、仮想通貨締め付け強化 資金流出の穴塞ぐ
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『中国が暗号資産(仮想通貨)への締め付けを一段と強めている。マネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺への対応などに加え、中国の中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元の準備を進めていることも一因にある。

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中国人民銀行(中央銀行)は24日、海外の取引所からインターネットを経由したサービスも含め、仮想通貨の決済や関連サービスを全面的に禁止すると発表した。刑事責任を追及するなど踏み込んだ内容だ。

かつてはビットコインの取引もマイニング(採掘)も8割以上が中国で行われているとされていた。仮想通貨の投資家の間では「中国コイン」と呼ばれることもあった。

変わり始めたのは2017年。国内の取引所の閉鎖などが始まり、18年には中国人民元建てのビットコイン売買は全体の1%にも満たなくなった。マイニング量は21年4月時点でまだ5割近くを中国が占めていたが、締め付けにより6月にはほぼなくなったとみられている。

中国の仮想通貨市場への影響力は小さくなっている。それでも規制を強化するのは資金流出への対応がある。新型コロナウイルスの感染拡大前、中国では資金流出が続き、金融当局が海外とやり取りする資本の規制を強めていた。仮想通貨は規制をかいくぐる抜け穴となっており、当局が監視を厳しくしてきた。

もうひとつの背景が中国で22年にも発行が正式に始まる予定のデジタル人民元。仮想通貨は当局の監視が届きにくい。仮想通貨との取引を通じて貨幣供給が不安定になるのを防ぐ。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「中国内は中央銀行が発行するデジタル通貨以外の仮想通貨は禁じる措置を進めており、その延長線上の動き」とみる。

CBDCの発行は各国が準備を進めており、米国では取引所への監視強化が強まる。国際的な規制強化の網がどの程度広がるかが焦点になる。

(金融工学エディター小河愛実)』