コロナ飲み薬、年内にも実用化

コロナ飲み薬、年内にも実用化 軽症者治療の切り札に
メルクやファイザー、治験最終段階
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1744F0X10C21A9000000/

※ いよいよ、コロナ治療薬も「実用化」が、視野に入ったようだ…。

※ ワクチンの接種率も、6割くらいにはなったようだしな…。

※ この両者で、冬場の「寒さ」と「乾燥」による第6派を、乗り切れば、世の中もだいぶ落ち着きを取り戻すだろう…。

※ なんとか、「ピーク」は超えつつあるような感じだな…。

『新型コロナウイルスを治療する飲み薬が年内にも登場する見通しだ。米メルクや米ファイザーが軽症者に使える薬剤の最終段階の臨床試験(治験)を、日本を含む各国で進めている。点滴タイプの既存の治療薬と比べて投与しやすいうえ、量産が簡単なためコストも抑えられる。パンデミック(世界的な大流行)の収束につながると期待されている。

米メルクは米新興リッジバック・バイオセラピューティクスと共同で、抗ウイルス薬「モルヌピラビル」を開発中だ。全世界で治験をしており10月にも治験データを公表するとみられる。2021年中に米国で緊急使用許可を申請する見通しを明らかにした。その1~2カ月後に日本でも特例承認を申請する可能性がある。

もとはインフルエンザの治療用だったが、コロナにも効果が見込まれる。米保健福祉省(HHS)はメルクと170万回分を12億ドル(約1300億円)で購入する契約を結んだ。メルクは21年末までに1000万回分を生産するための量産準備を進めている。

米ファイザーも同様の抗ウイルス薬を手掛ける。02~03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)向けに開発していたものを改良し、静脈注射タイプと経口タイプの2種類を開発中だ。入院していない軽症から中等症の患者を対象とする。21年10月~12月中に初期データを公表する見通しを明らかにしており、早期の実用化が見込まれている。

米国の緊急使用許可はバイオテロなどの非常時に未承認薬などの使用を一時的に許可する制度で、本来は半年から1年かかる審査期間も3週間程度に短縮する。いわば仮免許制度で本承認とは異なるため、安全性や有効性が不十分な場合は許可を取り消すことができる。
日本にも特例承認制度があり、米国や英国など日本と同水準の医薬品審査基準がある海外で使用される医薬品について、非常時の場合は特例として正式に承認し、輸入することができる。通常、半年から1年近くかかる審査期間を2カ月程度に短縮できる。

仮にメルク、ファイザーの治療薬候補への緊急使用許可が年内に米国で出れば、日本でも早ければ21年中、遅くても22年はじめには医療現場で使えるようになる可能性がある。

治療薬では重症化リスクが高い軽症患者に使用できる抗体カクテル療法などもあるが、点滴投与が必要で、問診や経過観察も含めて1回の治療に3~4時間近くかかることもある。コストも高く2種類の抗体を組み合わせる「ロナプリーブ」は米国では1回あたり2100ドル。一定の医療水準と財政的な余裕がある国や地域でしか使いにくい欠点がある。

インフルエンザ治療に使われるタミフルのような飲み薬タイプの抗ウイルス薬が登場すれば、こうした課題を解決できる可能性がある。処方や服用も簡単で在宅療養中の軽症患者の治療に使えるからだ。ウイルスの増殖を防ぐ仕組みのため、変異したウイルスにも効果が期待できる。化学合成で製造できるため既存の医薬品工場を転用でき、増産が簡単なため生産コストは抗体薬の10分の1以下に抑えられる。

錠剤タイプの開発は、塩野義製薬も7月に第1段階の治験を始めた。年内にも大規模な治験を始める予定で、22年中の実用化を目指すもようだ。スイスのロシュが全世界で開発中の抗ウイルス薬は中外製薬が日本での開発と販売権を取得し、22年に全世界で実用化する考えだ。

新型コロナによる感染者は全世界で2億人を超え、死者も470万人以上にのぼる。欧米を中心とした先進国ではワクチン接種が進み、英国では7割、米国や欧州でも6割を超える人が少なくとも1回を接種している。日本でも6割の人が1回を接種済みで、2回接種した人も5割を超える。

ただ、デルタ型など変異ウイルスの登場で、ワクチン接種後も感染する事例が相次ぐ。投与から時間がたつと効果が弱まるとの報告もあり、ワクチンだけでコロナを封じ込めるには限界もある。感染予防と重症化を抑えるワクチン、そして感染した場合、速やかに治療できる経口の抗ウイルス薬。パンデミック(世界的な大流行)に打ち勝つためにはワクチンと経口薬の両輪の戦略が求められている。

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花村遼
アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー

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今後の展望 年内にも米国で緊急使用許可(EUA)が期待される経口薬は、有効性が出ればゲームチェンジャーになるかもしれません。

先行しているメルクが中心に開発しているモルヌピラビルは細胞内でのウイルスの複製を阻害する作用機序で、試験管レベルではアビガンよりも数十倍から数百倍活性が高いと報告されています。

治験の中間解析では、一定の効果が出ているという話もあり、メルク社のCEOは年内のEUAの可能性を示唆しています。

ただし、発症前や軽症患者は何もせずとも重症化する割合は非常に低いため、明確なエビデンス取得は非常に難しい。

同じ機序のレムデシビルも議論を呼んでいるように、この薬剤も際どい結果が出る可能性もありそうです

2021年9月24日 7:51いいね
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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授

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分析・考察 飲み薬タイプの治療薬は、コロナと共生していく上で、画期的なものとなりそうです。

適切に投与すれば、重症化を防ぎ、人命を救えるのみならず、医療への負担を軽減することにも繋がるからです。

ワクチンと治療薬を併用することで、インフルエンザのように、ウイルスとうまく共生していけるかもしれません。

他方、今後、事が円滑に進むかどうかは、治療薬の価格や供給量にもよるでしょう。また、比較的症状が重くない患者さんを診断し、飲み薬を処方する上で、小規模クリニックの役割も増すことになりそうです。

こうした変化にも適切にかつ柔軟に対応することが、治療薬を最大限活用する上では、併せて求められそうです。

2021年9月24日 7:49いいね
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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター

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ひとこと解説 日本企業はやはり欧米企業に出遅れています。国産ワクチンの開発が出遅れたことを受けて「日本のもの作りのプライドが傷ついた」という声を聞きました。「ペスト菌を発見した北里柴三郎以来の伝統もあるのに」と。

感染症では「開発したときには収束している」事態がありえるので、経営者は巨額の研究開発投資が水の泡になるのを恐れます。そこは政府の出番。例えば開発や成果に対価を出すなど、企業がリスクを取れる仕組みを整える必要があります。企業が社会的役割を果たすための後押しでもあります。

2021年9月24日 7:42 (2021年9月24日 8:19更新)
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