米中首脳、衝突回避へ駆け引き 国連総会舞台に

米中首脳、衝突回避へ駆け引き 国連総会舞台に
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『【ニューヨーク=中村亮、北京=羽田野主】バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が21日(米東部時間)、対立を深める両国の関係のあり方を巡って国連総会の演説で駆け引きを繰り広げた。習氏は気候変動対策をめぐる米欧との協調の可能性をちらつかせた。バイデン氏も中国との「新冷戦を志向しない」と発言。衝突回避に向けた対話のシグナルを送った。

習氏は国連総会の一般討論でビデオ演説し、海外で石炭火力発電所を新設しない考えを表明した。これは米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)が8~9月に訪中し、中国共産党の序列7位の韓正(ハン・ジョン)副首相らとオンラインで協議した際に中国側に求めた内容とされる。

国連総会の一般討論で習氏が演説するのは2年連続だ。今年はもともと副首相クラスが出る予定だったが、急きょ習氏の登板が決まり、演説の日程も繰り上がった。米欧の関心の高い気候変動問題でトップ自らが協調姿勢を示すことで、さらなる米国との関係悪化を回避する思惑が透ける。

バイデン氏は演説で中国を念頭に「大国は競争が衝突に発展しないように、関係を慎重に管理する責任がある」と呼びかけた。バイデン氏は9月に習氏と電話協議し、緊張緩和に向けて努力することで一致した。台湾海峡や南シナ海では米軍の艦船が往来し、中国も軍事演習をくり返しており、偶発的衝突のリスクが高まっている。それだけに米中双方とも対立のエスカレートへの危機感は強い。

ただ、政策面では米中の立場の隔たりは大きい。バイデン氏は気候変動対策では「今後10年間が世界共同体としての我々の将来を決定づける」と語り、中国に協力を訴えた。

習氏は二酸化炭素(CO2)の削減目標について「2030年までに排出量がピークを迎え、60年までに実質ゼロを達成するには厳しい努力が必要だが、全力を尽くす」と述べるにとどめた。昨年表明した削減目標をなぞった形で、目標の深掘りを求めてきた米国に譲らない姿勢をみせた。

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民主主義など基本的な価値観を巡る対立も改めて浮き彫りになった。バイデン氏は「権威主義者は民主主義の時代の終わりを主張しようとするが間違っている」と断言した。バイデン氏は民主主義陣営と、中ロを軸とする強権主義陣営が競争状態にあるとみており、同盟国に結束を改めて促した。

一方で習氏は米軍のアフガニスタン撤収後の混乱を念頭に「外部からの軍事干渉と民主改造が際限のない害を及ぼすことを改めて証明している」と批判した。米国によるアフガン民主化の失敗例を挙げて、民主主義が最善の政治体制ではないと訴える狙いがあったとみられる。

米主導の対中包囲網づくりを揺さぶる構えもみせた。米国と英国、オーストラリアの新たな安全保障の枠組みを念頭に「小さなサークル作りを切り捨てなければならない」と発言した。豪州が潜水艦配備を巡る協力国をフランスから米英に乗り換えたことについて、仏や欧州連合(EU)が強く反発している。

バイデン氏は欧州との関係の立て直しに追われた。21日にモリソン豪首相やジョンソン英首相とそれぞれ会談し、対中政策で協力を深化させることで一致した。ブリンケン米国務長官は22日、ニューヨークでEUのボレル外交安全保障上級代表と会談し、米英による豪州の原潜配備への支援に理解を求める見通しだ。

マクロン仏大統領は国連総会での演説を取りやめた。米国との関係悪化が理由との見方が出ている。米仏首脳の電話協議は22日に開かれる見通しだが、関係修復には時間がかかる可能性がある。

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