〔ノルド・ストリーム〕

ノルド・ストリーム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0

『背景

2005年の時点で3300億立方メートルの天然ガスを輸入していたヨーロッパは、2015年までにさらに2000億立方メートルの上積みが必要となると予想されていた[5]。

豊富な天然ガスを産出するロシアは、ヨーロッパへの天然ガス供給の経由国でありながらたびたび問題を起こしていたウクライナ(「ロシア・ウクライナガス紛争」を参照)とベラルーシを迂回するルートを求めていた[6]。それは安定した天然ガスの供給を求めるヨーロッパにとっても同じだった。一方でポーランドのラダスラフ・シコルスキー外相のように、公然と環境問題やエネルギーの対露依存を危惧する声もあった[7]。

しかし脱原発をはかっていたドイツにとってロシアの天然ガスは重要なものであった。2005年の協定では、独大手のBASFと露ガスプロムとの提携強化や、ユジノルスコエの天然ガス田開発への参加が盛り込まれるなど、エネルギー問題において密接な独露関係が目指されている。

エネルギーの対露依存度を下げたいEUが主導しているラインである「ナブッコ・パイプライン」のガスの供給元探しが難航しているのに対して、ロシアの国営企業であるガスプロムが推進した「ノルド・ストリーム」は2011年11月8日に稼働を開始し、EUへの天然ガスの供給が始まった。

進捗状況

Nord Stream ceremony.jpeg
沿岸5カ国のうち最後まで着工許可を出していなかったフィンランドが2010年2月12日に計画へ合意、2010年4月実際にスタートし、2011年11月8日に天然ガスの供給を開始し稼働した[8]。

着工記念式典に臨むメドヴェージェフ大統領

このパイプラインの2系列目に使用する鋼管は日本の住友金属が受注した[9]。

2021年9月10日、ガスプロムは工事が終わり、パイプラインが完成したと発表[10]。

批判

米国は同パイプラインがドイツを含む北大西洋条約機構加盟国に対するロシア政府の影響力を強めかねないと懸念しているため[11]、2018年7月11日、ドナルド・トランプ大統領は、北大西洋条約機構事務総長との朝食会の場でノルド・ストリーム2計画について触れ、アメリカがドイツを守るために数十億ドルも払っているというのに、ドイツはロシアに(ガス代として)数十億ドルをロシアに支払っていると批判。その場に居なかったドイツのアンゲラ・メルケル首相は、別途、ドイツは独立して決断を下しているとしてトランプ大統領の批判に反論した[12]。

2019年以降、アメリカ国会および国防省はノルド・ストリーム2パイプラインに関与する事業体が米国の制裁の対象になると警告し、直ちにパイプライン作業をやめるべきだと表明した[11]。しかし、2021年5月19日、アメリカ国務省は関連会社への制裁がアメリカの国益に反するため、解除すると宣言した。ドイツとロシア両政府は声明に歓迎する一方、ウクライナと一部のアメリカ国会議員はロシアに利するだけと批判した[13]。

また、このプロジェクトはヨーロッパのロシアへのエネルギー依存を招きかねないため、2021年4月28日に欧州議会はこのプロジェクトの工事の停止を求める内容を含む決議案を可決した[14]。』

(ロシア関連のパイプライン)