みずほ銀行のシステム、金融庁が管理へ 異例の行政処分

みずほ銀行のシステム、金融庁が管理へ 異例の行政処分
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB219WX0R20C21A9000000/

『金融庁は週内にも、ATMなどの障害が多発するみずほフィナンシャルグループとみずほ銀行に対し、異例の行政処分となるシステムの「管理命令」を発動する方針だ。年内いっぱいをメドに、同行が進めるシステムの更新作業や保守業務を共同で管理し、必要に応じて運営体制の見直しも命じる。金融当局がシステム運営を直接監督することで障害再発を最小限にとどめ、金融システム不安への波及を防ぐ。

みずほは今年2月以降、7回のシステム障害を起こし、利用者の不安が広がっている。機器の改修などを進めているが、基幹システムそのものに欠陥がある可能性もあり、障害再発のリスクがぬぐえない。そのため金融庁は21日、みずほ銀に行政処分の発動方針を伝えた。業務停止などの命令ができる銀行法26条に基づき、金融庁の管理下でシステムを運営するよう命じる考えだ。

銀行システムを金融当局が管理するような行政処分の発動は初めてだ。金融庁はみずほに対し、まずはシステム運営に負荷のかかる新規事業やサービスの停止を求め、システムの点検を最優先するよう求める。金融庁とみずほが共同で危機対応チームをつくり、当局がシステム運営を直接管理するようにする方針だ。当面は年内いっぱいかけて、システム改修にあたる方針だ。

ATMがキャッシュカードや通帳を吸い込んで利用者を長時間足止めした2月28日の障害は、デジタル口座への移行作業が発端となって起きた。今後はこうした作業を進める際にも金融庁が事前にチェックし、準備作業やバックアップ体制が十分か点検する。

基幹システムに欠陥があれば、抜本的な改修を求める可能性もある。みずほの基幹システム「MINORI」は2019年に4500億円をかけて完成させた。金融当局はみずほの人的ミスだけではなく、基幹システムの「MINORI」そのものに欠陥がある可能性もあるとみており、当局の判断次第ではみずほに追加のコスト負担が発生しかねない。

金融庁は2月の大規模障害の発生後からみずほ銀に立ち入り検査をしている。当初は9月中に業務改善命令を発動する方向で検討していたが、8月以降も立て続けにシステム障害が発生するなど、混乱は収まっていない。金融庁がシステム運営を直接管理することで原因究明を急ぐ。

みずほは新銀行発足時の02年に大規模なシステム障害を起こし、11年の東日本大震災直後にもATMなどが動かなくなる大規模な障害が発生した。いずれも金融庁は業務改善命令などを出し、経営陣の責任問題に発展した。

今回は抜本的なシステム運営体制の点検がまず必要とみている。システム問題の根本原因を解明してから、金融庁は行政処分を左右する経営責任の所在を明確にする考えだ。

【関連記事】金融庁・みずほ、背水の陣 システム障害究明へ異例処分

この記事の英文をNikkei Asiaで読む 』