北朝鮮と交渉再開に意欲 キム米特使「人道支援の用意」

北朝鮮と交渉再開に意欲 キム米特使「人道支援の用意」
ミサイルは「周辺地域に脅威」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB153300V10C21A9000000/

『米国のソン・キム北朝鮮担当特使は15日午前、都内で記者会見し、米朝間交渉の再開に向け「米国は一貫して前向きな姿勢を示している」と改めて意欲を示し「新型コロナウイルス対応を含めた人道的援助活動を支援する用意がある」と述べた。一方、北朝鮮の巡航ミサイル発射実験については「日本や周辺地域に脅威を与えうる」と非難した。

朝鮮半島の非核化という最終目標に向けた進展を図るため、バイデン米政権は「北朝鮮に何度も接触し、交渉再開を提案してきた」(キム特使)が、現時点で北朝鮮側は交渉のテーブルに着く意思を示していない。

キム特使は会見で「北朝鮮が懸念する問題にも取り組む。包括的、創造的かつ現実的で柔軟な対応が必要だ」と述べたうえで、新型コロナ流行など衛生面で「北朝鮮の状況がかなり深刻であることは承知している」と説明。どういう形の支援をするのか明言は避けつつも、新型コロナ対策での支援が選択肢の一つになりうるとの考えを示した。

北朝鮮側は挑発行動を続け、米国などの出方を瀬踏みしている。11、12日に新型の長距離巡航ミサイルの発射実験を断行した。会見終了後の15日午後には、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルの可能性がある飛翔体2発を発射したことも明らかになった。キム特使は「北朝鮮の意図が何であれ、ミサイル技術の獲得を続けようとしていることが問題だ」と話し、日韓両国と緊密に連携して状況を注視していると強調した。

示威的な行動を続ける北朝鮮に対し、韓国も抑止力向上に努めている。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験を9月初旬に実施して成功。近く実戦配備する方針だ。キム特使は「北朝鮮の動きは国連安保理決議に違反している一方、韓国は正当な防衛抑止力の観点から開発を進めている」と述べるにとどめた。南北双方の軍備拡張が米朝交渉に与える影響についてはコメントしなかった。』