〔ボブ・ウッドワード〕

ボブ・ウッドワード
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89

『ボブ・ウッドワード(Bob Woodward, 1943年3月26日 – )は、ワシントンポスト紙編集主幹。カール・バーンスタイン記者とともに、ウォーターゲート事件における卓越した調査報道 (Investigative Reporting) で有名。』

『プロフィール

イェール大学卒業後、海軍に勤務。そのときホワイトハウスとの連絡係を務め、ディープ・スロートことマーク・フェルトと知り合う。その後、海軍を退役。地方紙への勤務を経て、ワシントンポストに勤務。

単なる侵入事件と見られていたウォーターゲート事件をバーンスタインとともに調査。FBI副長官になっていたフェルトの協力もあり、ウォーターゲート事件におけるニクソン政権の組織的な関与を裏付けた。後に同事件は全国的な注目を浴びることになり、政権からのさまざまな圧力に屈しなかったポスト紙と2人の記者はピューリッツァー賞を受賞した。

その後も、クリントン政権のチャイナゲート(英語版)事件[1]などワシントンの政界を主な取材対象として積極的な調査報道を行う。ニクソン政権の終焉を描いた『最後の日々(The Final Days)』からブッシュ政権のイラク政策の迷走を描いた『ブッシュのホワイトハウス(The State of Denial)』まで、その著作は常にジャーナリズムの世界で注目を浴び続けている。2018年9月11日には、ドナルド・トランプ政権の内幕を描いた『恐怖の男 トランプ政権の真実(Fear: Trump in the White House)』(翻訳:伏見威蕃)を出版した。』

米軍トップ、米中戦争を警戒か

米軍トップ、米中戦争を警戒か トランプ氏が引き金
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1508P0V10C21A9000000/

『【ワシントン=中村亮】米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が2020年11月の大統領選前後に当時のトランプ大統領の中国に対する強硬姿勢などをきっかけに米中戦争が起きると警戒していたことが14日、分かった。ミリー氏は中国軍高官に電話し、仮に攻撃を行う場合でも事前通告すると伝えたという。

米主要メディアが14日、著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏らの著作の抜粋を相次いで報じた。著作は来週発売になる予定だという。

米メディアによると、ミリー氏は中国軍高官に2回電話し、米国は安定しており中国を攻撃する考えはないと伝えた。

1回目の電話は20年10月30日。米軍の南シナ海での軍事演習に加え、トランプ氏の対中強硬姿勢を受けて中国は米国が攻撃を仕掛けると確信しているとの情報がミリー氏に寄せられたという。トランプ氏は中国に厳しい姿勢を示して有権者に支持を訴えていた。

ミリー氏は21年1月8日にも中国軍高官と電話した。同6日にトランプ氏の支持者が連邦議会を占拠する事件が発生。トランプ氏が事件を扇動し、民主主義に打撃を与えたと痛烈に批判されていた。ミリー氏は電話で「我々は100%安定している。万事大丈夫だ。民主主義はたまにだらしなくなる」と述べた。

ミリー氏は中国がトランプ氏の精神状態が不安定になったと判断して米国からの攻撃に備え、米中対立が一段と激しくなる事態を避けようとしたとみられる。ミリー氏は中国の不安を増幅させないために米インド太平洋軍に対して複数の軍事演習を延期するよう伝えた。

ミリー氏は2回目の電話に先立って、トランプ氏による核攻撃命令を阻止する手段を民主党のペロシ下院議長と話し合っていた。ペロシ氏はミリー氏に対して「彼(トランプ氏)はクレージーだ。あなたも分かっているだろう」と伝えた。ミリー氏は「あなたにすべて同意する」と応じた。』

バイデン氏、対面会談を提案 習氏は答えず

バイデン氏、対面会談を提案 習氏は答えず FT報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB150UP0V10C21A9000000/

『米国のバイデン大統領が10日の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との電話協議で、対面での首脳会談を提案していたことが15日、わかった。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が米政府関係者の話として報じた。習氏は返答しなかったという。

バイデン政権は中国・新疆ウイグル自治区の人権状況を問題視し、台湾問題への関与も強める。米側の姿勢に対し、習氏が電話協議で「米国の対中政策が、中米関係を深刻に悪化させた」と指摘するなど、両国関係は冷え込む。対面会談の提案は、米中関係の行き詰まりを打開し、偶発的な衝突を避ける意思疎通が狙いとみられる。

FTによると、対面会談の提案は対中政策の複数の選択肢の一つで、バイデン氏も習氏の即答を期待していたわけではなかった。米国は10月にイタリアで開く20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせた対面会談を探るが、習氏がG20に出席するかはまだ不透明だ。

FTは新型コロナウイルス感染への懸念も習氏が即答しなかった背景にあるとする米政権関係者の見方を伝えた。習氏は新型コロナの感染が拡大し始めた2020年1月にミャンマーを訪れて以降、約1年8カ月間、国外を訪れていない。』

米国務長官、アフガン撤収反対か

米国務長官、アフガン撤収反対か バイデン氏は拒否
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN151230V10C21A9000000/

 ※ ちょっと、はや「政権末期」の様相が出てきた…。

 ※ 最側近が、「オレは、反対だった…。」と言い出すのは、末期症状だ…。

 ※ 「反対だった」ら、大将を説得して止める必要がある…。

 ※ それができなかったのは、「自らの無能・能力不足」の証明だ…。「側近」「参謀」の名に値しない…。

 ※ それにも関わらず、そういう内幕話しを外部に漏らすのは、「自分の首」を心配して、「次の仕事」を探しに入った…、と見られてもしょうがない…。

 ※ いずれ、「バイデン・チーム」は、相当ガタガタになって来たと言うことじゃないのか…。

『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官がアフガニスタン駐留米軍の早期撤収に反対していたことが14日、分かった。バイデン大統領は両氏の説得を拒んで撤収を決めた。

米主要メディアが14日、著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏らの著作の抜粋を相次いで報じた。バイデン政権は8月末に米軍撤収を完了して20年におよぶアフガン戦争を終結させたが、イスラム主義組織タリバンの復権を許し、米メディアや野党・共和党から批判を浴びている。

米メディアによると、ブリンケン氏は3月の北大西洋条約機構(NATO)外相理事会を踏まえ、早期撤収に反対する立場に転じた。加盟国から米軍撤収を取引材料に使い、タリバンに当時のアフガン政府との和平交渉を進展させるよう迫るべきだとの声が高まっていた。
同時期にオースティン氏も米軍撤収を3~4段階に分けて和平交渉の進捗に応じて撤収を進める案をバイデン氏に示した。

両氏の案はともに具体的な撤収時期を設けず、撤収に条件をつけてタリバンの出方を探る思惑があったとみられる。

バイデン氏は両氏の案を受け入れず、4月に9月11日までに無条件で完全撤収すると表明した。バイデン氏は米国家安全保障会議(NSC)でタリバンを消滅させるために米軍が駐留しているわけではないと指摘。2001年の米同時テロを起こした国際テロ組織アルカイダを弱体化させて目的を達成したと主張していた。

米国のトランプ前大統領は側近らの意見を聞き入れず、外交政策を独断で決めていたとして非難にさらされた。側近2人の助言を却下してタリバンの復権を許したバイデン氏に対する批判が一段と強まりかねない。8月下旬にはアフガンの過激派組織の自爆テロによって米兵13人が犠牲になった。

アフガン撤収を巡っては、議会でバイデン政権への追及が強まっている。与党・民主党のロバート・メネンデス上院外交委員長は14日、オースティン氏が外交委での証言を拒否しているとして、証言を強制する召喚状を出す構えを見せた。国防総省の高官人事に反対する方針も示し、米軍撤収の経緯を説明するよう要求した。』

[FT]アフガン農村部から農民が大流出

[FT]アフガン農村部から農民が大流出 タリバンに痛手
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB152E40V10C21A9000000/

『アフガニスタンの首都カブールに近いワルダク州。白いあごひげをたくわえたムハンマドさんは、緑に覆われた土地で農業一筋に励んできた。リンゴとアプリコット、小麦の栽培に加え、牛や羊など多くの家畜を飼っていた。

アフガニスタンでは多くの農民が干ばつの影響を受けている=AP

しかし今、その動物たちはいなくなり、果樹園は相次ぐ干ばつで干上がってしまった。ムハンマドさんは、立ち枯れた木を切り倒して薪にしている。「農地だったとは想像もできないだろう。砂漠のようだ」とムハンマドさんは自分の土地について話した。

アフガンの農村部を見舞った干ばつと経済危機は、イスラム主義組織タリバンの新政権にとって最大の難題の一つになるだろう。国際援助機関は人道危機に発展することを危惧している。

ムハンマドさんが農地の灌漑(かんがい)に使っていた太陽光発電でくみ上げる井戸は、水が枯れてしまった。近くに流れていた2つの小川も同様だ。2021年の干ばつはあまりにもひどく、一家は飲み水にも不自由するようになった。「私たちはこの夏、土地を離れることに決めた」

家族は今、離れ離れになっている。5人の息子はカブールへ移り、作業員や運転手、警備員をしている。ムハンマドさんは西へ移り小作人としての働き口を探すことを考えている。

高い農業への依存度

アフガンの農村部には4000万人に近い総人口の75%ほどが居住し、そのほとんどが直接的または間接的に農業に依存している。だが、頻発する干ばつが何百万人もの生計と食料の確保を脅かしている。干ばつは、アフガンが大きな影響を受けている気候変動に起因する現象の一つだ。

タリバンは、女性に対する超保守的な制限などが都市部より受け入れられやすい農村部を大きな基盤にしている。だが、国際援助の停止やインフレ、現金の不足に直面するなかで、タリバンは慢性的な干ばつと農村部の大規模な貧困に対処しきれないと専門家はみている。

国連は飢饉(ききん)が発生する恐れがあると警告している。すでに総人口の3分の1が飢餓状態にあり、さらに多くの人々がその危険にさらされている。

英シンクタンク海外開発研究所(ODI)のアシュレイ・ジャクソン氏「干ばつだけではない。この政治的危機による大幅なインフレ、それにもちろん流動性の危機と国境封鎖による貿易の停止がある」と指摘する。

「干ばつに加え、人々の生存や適応に役立ちうるあらゆる要素が奪われてしまっているという最悪の状況だ」という。

各国や国際機関は13日の国連の緊急会合で、アフガンへの人道支援に10億ドル(約1100億円)超の拠出を確約した。

だが、グテレス国連事務総長は「アフガニスタンの経済が崩壊すれば、人道支援は問題の解決にならない」と警鐘を鳴らした。

国連は干ばつの頻発を警告

アフガンは気候の劇的な変化によって大打撃を受けている。干ばつが毎年起こるようになると警告を発した16年の国連報告書によると、冬の大雪と春の豪雨が国内の一部で干ばつの深刻化につながる一方で、他の地域では洪水を引き起こしている。

国際赤十字社・赤新月社連盟は、アフガンの国土の8割以上が干ばつに見舞われているとしている。

人口動態と数十年にわたる戦争が危機を悪化させている。世界銀行によると、アフガンの総人口は旧タリバン政権時代の1990年代からほぼ倍増している。その一方で、過去20年間の戦闘の大部分は農村や農地で繰り広げられ、作物に損害を与えて交易を混乱させるとともに数万人の命を奪った。

カブール郊外のシャマリ平原でブドウ栽培を手がけるハジ・ジャンさんは、01年の米国主導のアフガン侵攻後、道路が新しく舗装され、冷蔵車でブドウをパキスタンに輸出できるようになってからは「とても景気が良かった」と振り返る。

だが戦闘の激化とともに、道路ばかりか畑の灌漑に利用していた用水路まで封鎖された。21年の収穫は、タリバンとアフガン政府軍の戦闘で流通がまひし、ほとんど無駄になってしまった。「あまりにも不安定な状況になり」、最も出来の良かったブドウも「無になった」という。

ケシ栽培がタリバンの資金源に

タリバンは、アフガンの最も重要な作物について方針を決めなければならない。それはケシだ。アヘンの原料となるケシの栽培量は米主導のアフガン侵攻以降、撲滅作戦に数十億ドルが費やされたにもかかわらず3倍に増加した。

英ロンドン大学キングス・カレッジのフィリップ・A・ベリー研究員はケシ栽培は貧しい地域の生命線で、アフガン全体で何十万人もが従事していると説明する。

タリバンは戦費の一部を麻薬で調達していたが、国際社会の承認を得るための努力の一環としてケシ栽培の取り締まりを約束している。だが、戦争が終わったことに感謝している農村部の人々を反タリバンに変えてしまう恐れがあるという。

「過去20年のケシ栽培禁止令はいずれも、経済的な代替策が用意されない限り、禁止が短命に終わる可能性が高いことを示している」とベリー氏は指摘する。「そのようなシナリオでは、新政権は農村部で支持を失うことになり、暴力的な抵抗に遭う恐れもある」

グル・ジャンさんにとって、もはや農業は安定をもたらすものではなくなっている。冒頭のムハンマドさんと同じワルダク州にある自分の土地に今も住んでいるが、もう農業はやめてカブールでバスの車掌として働いている。一緒に農業をしていた兄弟たちはイランへ移住し作業員として働いている。

かつてのリンゴとアプリコットの果樹園は今、冬に暖を取るための薪の供給源だ。家族は家の敷地内に残っている木を枯らさないようにと、その脇で水浴びをして水が土に染み込むようにしている。

だが、ジャンさんは無駄な努力だと受け止めている。「もう枯れつつある。枯れるのはわかっているのだから、もうできることは何もない」

By Benjamin Parkin and Fazelminallah Qazizai

(2021年9月14日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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中国生産、8月5.3%増に減速

中国生産、8月5.3%増に減速 コロナ再拡大が重荷
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1483X0U1A910C2000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局が15日発表した2021年8月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月比5.3%増だった。伸び率は7月の6.4%から縮まった。セメントなど建材や粗鋼が落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染再拡大が物流や建設に支障を与えたためだ。

工業生産はコロナ禍前の19年8月と比べると、年平均5.4%伸びた。

主要産品の生産量をみると、自動車は前年同月を19.1%下回った。半導体不足の影響が長引いており、4カ月連続の減少となった。粗鋼は13.2%、セメントは5.2%それぞれ減った。発電量は0.2%の伸びにとどまり、7月の9.6%から大きく鈍った。

百貨店やスーパー、電子商取引(EC)などの売上高を合計した8月の社会消費品小売総額(小売売上高)は2.5%増えた。飲食店の収入は4.5%減り、7月の14.3%から落ち込んだ。7月下旬から新型コロナが再び広がり、接触型消費を避ける動きが広がった。自動車販売も7.4%減と全体を押し下げた。

1~8月の固定資産投資は前年同期比8.9%増だった。21年に入り初めて伸びが1桁にとどまった。このうち製造業の投資は15.7%上回ったが、インフラ投資の伸びは2.9%にとどまった。マンション建設などの不動産開発投資は10.9%のプラスだった。政府の不動産規制が広がり、1~7月から鈍化した。

多様な観点からニュースを考える
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深尾三四郎のアバター
深尾三四郎
伊藤忠総研 上席主任研究員

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別の視点 供給制約が和らいでも需要減退により自動車生産への下方圧力は収まらないかもしれない。

半導体不足とパンデミックによる部品調達難により自動車生産が弱い状況が続くが、供給制約の長期化が需要減退につながり始めている可能性がある。

挽回生産による下期収益の回復を期待しづらくなってきた。新車生産に携わる(特に東海地方の)自動車や部品メーカーの従業員は、中国需要が弱くなるとサイフの紐が固くなる傾向を感じる。

足元で多くの工場が停まって残業代が稼げずにいるのでその固さはなおさらでは。原燃料費高騰の価格転嫁が難しい中、新車への値下げ圧力は強まり需要減退のリスクも高まる。
車産業の収益悪化は国内消費にも逆風となる。

2021年9月15日 12:49いいね
17 』

[FT]ドイツはメルケル流に決別を

[FT]ドイツはメルケル流に決別を
欧州は「ポスト冷戦後」入り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB136LE0T10C21A9000000/

『そして勝者は、アンゲラ・メルケル氏――。在任16年を経て、ドイツ首相の座からメルケル氏が退く。有権者はこのまま「メルケル主義」が続いてほしい意向を示している。

SPDのショルツ氏㊧はメルケル路線を踏襲する安全第一の候補として自分を売り込んでいる=ロイター

世界は混沌とし、アフガニスタンからの米軍撤収後、大西洋同盟は混乱状態に陥っている。ドイツは騒ぎに巻き込まれたくない。ドイツ国民は長い間、平穏をむさぼるように過ごしてきた。次の首相には、以前と変わらぬ生活を送れることを保証する公約を求めている。

9月26日に実施されるドイツ連邦議会(下院)選挙の最終結果を予想する場合、たばこの警告表示のような以下の注意事項が前提となる。

ドイツの政治は分断し、想定できる連立与党の組み合わせが何倍にも増えた。それに選挙戦はまだ、あと2週間近くある。そんななかで、継続性を求める国民感情だけは定まっている。

SPDが一転大きくリード

世論調査で、これまでの通説はひっくり返った。選挙戦が始まった段階のドイツ政界は、中道左派のドイツ社会民主党(SPD)が確実に負けるという見方で一致していた。

2度の大連立で、メルケル氏のキリスト教民主同盟(CDU)が格下の連立相手のSPDの息の根を止めたように思えた。SPDを支持していた中道派は緑の党に流れ、左派は旧東ドイツの共産主義政党の流れをくむ左派党へくら替えした。

現状維持に挑戦状を突き付けたのは、テレビ映えする、緑の党を率いるベーアボック共同党首だった。

それが今はどうか。世論調査が正しければ、SPDは他党を大きくリードしている。CDUの支持率は過去最低水準に落ち込んだ。メルケル氏が後継者に指名したアルミン・ラシェット氏は、事あるごとにつまずいた。

首相候補を交代させ、バイエルン州を地盤とするCDUの姉妹政党、キリスト教社会同盟(CSU)党首として実績があるマルクス・ゼーダー氏を擁立するにはもう遅い。精力的なベーアボック氏の新鮮さは経験不足を露呈した。

ドイツの有権者は次第にSPDのオラフ・ショルツ氏を好感するようになった。有能で手堅く、適度に退屈なショルツ氏は、メルケル氏の後継者を名乗る上で最も説得力のある首相候補として急浮上した。

現在の連立政権の財務相を務めていることもあり、臆面もなく、メルケル路線を継承する安全第一の候補として自分を売り込んでいる。

遅きに失した感がある退任

ショルツ氏はメルケル氏と同様、カリスマ性に乏しい。選挙陣営は、ショルツ氏が首相となった場合、メルケル氏のように務めを果たすと声高に主張している。

メルケル氏は聴衆に安心感を醸し出すため、両手の親指と人さし指をくっつけてひし形を作ることが多いが、ショルツ氏は恥ずかしげもなくこれをまね、自身とメルケル氏を重ね合わせるような演出をしている。

政策面をみると、ショルツ氏はドイツの公的支出に上限を設ける「債務ブレーキ制度」を守ることに固執している。ドイツの繁栄の基盤となっている、自由で開かれた国際秩序に対する脅威が増えるなか、ドイツとして脅威に対抗する措置を取ることを約束する発言はこれまでしていない。

メルケル氏個人の支持率は今も高い。直近3人の英国首相を除いたとしても、欧州は近年、優れた指導者に恵まれてきたとは言いがたい。激高しやすいサルコジ元仏大統領や、政権交代が相次いできたイタリアの政治を振り返っただけでも、長期政権を維持し続けてきたドイツの安定が一層きわだつ。

手堅い政権運営をしてきたメルケル氏だが、一度だけ大胆な判断をしたときには大きな政治的代償を払った。2015年に100万人の難民に欧州の国境を開放したことは、各国で反移民を掲げるポピュリズム(大衆迎合主義)台頭を招いた。

メルケル氏の退任は、遅きに失した感がある。ここ数年は、生来の慎重さが凝り固まって不信感の塊と化していた。

同氏は何年も、欧州の協調を促すために必要な、信頼できるパートナーがフランスにいないと不満をこぼしてきた。エマニュエル・マクロン氏が仏大統領に就任したことで、やっと信頼できる相手が誕生したかにみえた。しかし、メルケル氏は即座に、フランスの提案を断る別の理由をみつけるようになった。

それでも欧州は協調に向けて前進した。コロナ禍からの経済回復を支える総額7500億ユーロ(約97兆円)の復興基金を立ち上げた決断が好例だ。だが、ドイツ政府が基金創設に同意したのは、賛同せざるを得ない状況になってからだった。

中国が法の支配に基づく世界秩序を脅かすようになっても、ドイツが中国向け輸出を踏みとどまることはなかった。ロシアが西側諸国の同盟関係の不安定化を狙った工作をしても、独ロ関係は揺るがなかった。

メルケル氏は昨年、欧州連合(EU)と中国の新たな投資協定締結を推進した。今年は、ロシアから天然ガスをドイツに直接運ぶ新設パイプライン「ノルドストリーム2」の計画を存続させることに成功した。

覇権争いの時代突入、認めたくないドイツ国民

現在の世界が急速に大国間の覇権争いの時代へと戻りつつあるなか、欧州の共通の価値観を守るためにドイツもその役割を担わなければならないことを認める演説は時折あった。
だが、メルケル氏は一貫して、有権者が聞きたいことをメッセージとして伝え続けてきた。いわく、西側諸国が共産主義に対して勝利を収めてから、世界の情勢は大して変わっていない。ドイツは、広い世界で起きている出来事に過度にいら立つ必要はない、などだ。
マクロン氏が欧州の「戦略的自立」の必要性を訴えても、説得力に欠ける。フランスは米国主導に反発することで、欧州の主導権を取ろうとしてきた歴史があるからだ。だが、世界が民主主義と権威主義の2つの陣営に分かれていく今、欧州が選択を迫られているという点はマクロン氏が正しい。

欧州諸国はEUの経済的な影響力を駆使し、自分たちを大きな発言力を持った地政学的勢力に変えるのか。あるいは、米中が世界を新たな無秩序へと放り込むかもしれないなか、「ポスト冷戦後」をなすすべもなくただ傍観するのか。後者を選んだ場合、寝ぼけているドイツが最大の敗者のうちの一つになるだろう。

By Philip Stephens

(2021年9月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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北朝鮮が弾道ミサイル2発発射

北朝鮮が弾道ミサイル2発発射 日本のEEZ外落下と推定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM153S20V10C21A9000000/

『【ソウル=恩地洋介】韓国軍合同参謀本部は15日、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを2発発射したと発表した。北朝鮮中部の内陸部から発射したという。海上保安庁は日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定している。

菅義偉首相は15日午後、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと断定した。「日本と地域の平和と安全を脅かすもので言語道断だ」と述べた。国連安全保障理事会の決議に違反すると指摘し「厳重に抗議し強く非難する」と訴えた。

【関連記事】北朝鮮弾道ミサイル 首相「安保理決議違反、強く非難」
首相官邸で記者団の質問に答えた。米国や韓国などの関係国と緊密に連携すると強調した。①情報収集と分析に全力を挙げること②航空機と船舶の安全確保③不測の事態に備えて万全の態勢を取ること――を関係府省庁に指示したと明らかにした。

政府は15日中に国家安全保障会議(NSC)を開き、対応を協議する。

北朝鮮は13日、新型の長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと明らかにした。1500キロメートル飛行し目標に命中したと主張した。朝鮮中央通信によると実験は11、12両日に実施した。弾道ミサイルの発射は今年3月25日以来となる。

【関連記事】

・排他的経済水域とは 資源開発や漁業の権利を沿岸国に認める水域
・北朝鮮、新型巡航ミサイルの発射「成功」 朝鮮中央通信
・北朝鮮の新型巡航ミサイル、日本列島射程か
・日米韓高官、北朝鮮の新型ミサイルへ対応協議 』

〔順次戦略と累積戦略〕

戦争には2種類の戦略がある。物事の推移が眼に見える段階を順を追って、それぞ
れ進んでゆく『順次戦略SEQUENTIAL STRATEGY 』と『効果が現れるある限界点まで
は目立つことのない小さな成果を一つずつ積み上げていく『累積戦略』』である。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月15日(水曜日)
通巻第7052号  
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(読者の声1)貴誌14日通巻7050号 の書評 「アメリカ軍の作戦はふたつの時間軸がある『将来作戦』と『当面作戦』が連続性と相関関係を保持しつつ全体計画を立案(小山修一『自衛隊はアフリカのジブチで何をしているのか』(育鵬社)」を「慨嘆」を以って拝読いたしました。と言いますのは、自民党総裁選挙のさなか、このような国家に最重要な戦略論がその片鱗さえも「議題」に上がっていないからです。このようなことでは日本は大きく変わりそうにはありません。

ところで・・
 何年か前に、「塩野七生ファンが商社マン人生で学んだこと」と題して、考えをまとめたのですが、そのうちの26項目の内の一つが 同書の「骨格」と同根ではないかと思いました。長文になり恐縮でございますが、投稿させていただきました。

 24.  総合商社間の業績格差は『累積戦略マインドの醸成度格差』なのだ。
  【フリードリッヒは、彼が占めていた立場からも彼自身の気質からも、数多くの事
柄、一見何の繋がりもない感じでも数多くの事柄を、並行しながら進めていくタイプ
の男であった。

故に彼の生涯を、厳密な編年方式によって叙述すること自体が不可能なのである】

以上は「皇帝フィリードリッヒ2世の生涯」塩野七生著に書かれていま
す。

そもそも戦略とは何かといった疑問に昔から多くの戦略思想家がそれぞれの見解
を述べているようですが、彼らの思考回路の”共通項“は「人間がこれから互いにど
う各々の環境の中で棲み分けるべきかとの、眼には見えない思想と方策を言語で表現
したモノが戦略であり、歴史とは人間の行ってきた眼に見える行為・実相を言語にて
表現してきたのが歴史である」ということではないでしょうか。

つまり歴史が過去の物語であるに対して戦略とは、その時その時における『将来・未来への物語り』というのが私の解釈です。

私は戦略に関する何冊かの解説書から、総合商社の経営力を左右するにきわめて意義のある戦略思想というものがあることを知りました。それが累積戦略です。

■累積戦略CUMULATIVE STRATEGY とは?

海軍少将で戦略思想家のジョセフ・C・ワイリーは「 Military Strategy :A General Theory ofPower Control」の中で累積戦略を概略次のように説明しています。

「戦争には2種類の戦略がある。物事の推移が眼に見える段階を順を追って、それぞ
れ進んでゆく『順次戦略SEQUENTIAL STRATEGY 』と『効果が現れるある限界点まで
は目立つことのない小さな成果を一つずつ積み上げていく『累積戦略』』である。

実際の戦争の結果から見れば、この二つは相互依存しあっていることのほうが多い。累
積戦略と順次戦略の違いを意識した分析は著名な戦略書にもないし、ましてや累積戦
略だけで成功した有名な例も見当たらない。

しかし累積戦略が、順次戦略と同時に使
われたばあい、累積戦略の強さが順次戦略の結果を大きく左右するものであることが
わかる。

歴史には順次戦略が比較的弱くても、目立つ事の無い累積戦略の強さのおか
げで勝利することができたという例はいくらでもある。

第一次世界大戦も一つの例で
あるし、第二次世界大戦もそうなのだが、累積戦略の強さによって順次戦略が決定的
な効果を生み出すことになったことはよく理解されているとは言えない。

1941年
~45年までの日米戦争では米国は2つの別々の戦を日本に対して行った。

一つは太
平洋から日本、アジア沿岸にいたる作戦行動であるところの順次戦略を行っていた
が、これとは別に日本経済を疲弊させるための潜水艦による日本船舶を攻撃する累積
戦略であった。

この2種類の戦略は同時に並行して行われていたが、日常的には各々
が完全に独立して行われた。順次戦略は結果が予測できたが、累積戦略は予測不可能
であった。

日米開戦直後1000万トンの商船を日本は保有していた。それが194
4年末までには900万トンを沈没させ、この時点で日本の回復不可能な数にまでに
なった。累積戦略を単独に使用しただけでは戦争を決定的に左右するものにはならな
いことはすでに過去の経験から暗示されている通りなので、ここで重要になってくる
のは、いつどのように順次戦略が累積戦略を支え、しかも順次戦略が累積戦略を土台
にして力を発揮できるようになるのかを研究することである。」(「戦略論の原点─
芙蓉出版社」からの要約)

 ■上述の通り、順次戦略とは状況の変化に応じてそれなりの段階ごとに、しかるべき
対応策を講じてゆく。つまり物事の推移が眼に見える段階を順を追って、それぞれ進
めてゆく方法ですが、今までほとんどの日本企業が行ってきた事業経営の内容はこの
方法でした。

しかし、“順次戦略と同時に、しかも別系列として効果が現れるある限
界点まで、目立つことのない小さな成果を一つずつ積み上げていく「累積戦略」”と
いう軍事分野で見つけ出された戦略を経営者が意識して企業に導入した事は聞いたこ
ともありません。

 日本の企業はその経営戦略や事業企画を考察するさい、ほとんどが短期経営計画と長
期経営計画に分けているとおもいます。

しかし長期計画とは短期計画などを、今まで
の企業が実践してきた事を大旨直線的に延長するというやりかたであるのに対し、累
積戦略は短期計画のスタート時期から同時にスタートさせる短期計画とは種類の違っ
た事業活動を短期計画と並行して、かつ繰り返し淡々と実施するものです。

只それは
無目的に漫然と繰り返すのではなく、ある目標を常に意識し、それに平仄を合わせつ
つ実施しなくてはなりません。

この違いは大きな意味を持っているのではないでしょ
うか。なぜなら長期計画は短期計画の次にくるもので、その計画のスタート時期と終
了時期が予め決められていますが、累積戦略と短期計画のスタート時期は同時であっ
ても、累積戦略の方は成果がどの時点で眼に見える形で確認できるようになるかは解
らないモノだからです。

それはある限界的な時点で急にその効果が認識できる姿と
なって現れてくるもので時間の長短とは関係無いのです。

■企業にとっての累積戦略はいかなるものか─

 ピーター・ドラッカーは「企業の目的は利益の創造ではなく、顧客の創造である。企
業が最も重きを置くべき事、基本的機能、はイノベーションとマーケティングのみで
ある。」と喝破したが、これを敷衍すれば、「企業が最も重きを置くべき事はイノ
ベーションとマーケティングのみであるが、このイノベーションを育てるための”ゆ
りかご《揺籃》”に相当するものが累積戦略である」と言うのが私の考えです。

効果
が現れるある限界点まで、目立つことのない小さな成果を一つずつ積み上げていくこ
とでイノベーションが徐々に“自立”できるよう育てられてゆくのです。端的に言っ
てしまえば、どんな企業にとってもそうですが、特に新しいビジネスモデルを創造す
ることが商社の本業であるとすれば、この”ゆりかご”の存在がいかに重要であるか
は論を待ちません。

 総合商社間にも業績格差があり、この格差の源泉はどこにあるかです。おそらく商社
マンであれば薄々感じてきたことですが、商売はモノになるか否か解らないと思われ
る仕組みの準備を上位商社は他社より早く開始していて、時間の推移にともないその
仕組みが拡大して行き、ある限界点に達するとめざましい収益源をもつ商売に変貌す
るのです。

他方、下位の商社ほど目の前で直ちに売り買いが発生する商売を追いかけ
てゆく傾向があり、その割合が大きいのです。

これは私だけが懐いた印象ではなく、
銀行マンで総合商社への融資担当もしていた人も「各社の社員と意見交換しても上位
商社の人間は、社会の変化の徴候に視線を向け、その徴候に沿って今からいかなる手
を打ってゆけば良いのかといったアプローチをする人が多いのに対し、下位商社の人
間ほど、今どんな商売をやっているところが儲かっているか、それを自分達もまねを
して見たいといったような事ばかりに関心を懐いているようだった」と言っていま
す。

つまりこのようなイノベーションの”培養“に対するマインドの強弱の差が商社
間の業績格差を生み出しているとみる事が出来るのです。

きっと戦争と同じく、企業
間競争でも累積的マインドの醸成された組織であるほど、長期的にも強力な組織に
育ってゆくモノだと思わざるを得ません。

この累積戦略の姿を深くイメージすれば、
この戦略を組み立てるためには、どうしても実体経済の中に身を浸し、社会全体はも
とより、個別の分野にも精通して毎日を過ごさねばならぬ事が解ります。

■皇帝フリードリッヒ二世と累積戦略

 日本の武将を順次戦略型か累積戦略型かを見てみると織田信長は前者、徳川家康は後
者のように思うのですが、フリードリッヒ2世はその両方を兼ね備えていたように思
います。

「皇帝フリードリッヒ2世の生涯」を読むと、幼・青年時代の力量不足の頃
のフリードリッヒ2世は、南イタリアやドイツにおいて、一気に事を進めるのでは無
く、賢明にも地道に”効果が現れるある限界点までは目立つことのない小さな成果を
一つずつ積み上げていく諸策“をこうじていたようです。

パレルモ大司教ベラルド・
チュートン騎士団ヘルマンの登用、ボロニア大學法学者ロフレドによる法治国家への
準備、封建領主エンリコ・ディ・モッラの司法長官任命による官僚体制構築をつうじ
ての統治体制の変革・サレルノ医学校の強化策・海港都市や軍事態勢の整備などな
ど・・。

そして「フリードリッヒは、彼が占めていた立場からも彼自身の気質から
も、数多くの事柄、一見何の繋がりもない感じでも数多くの事柄を、並行しながら進
めていくタイプの男であった。故に彼の生涯を、厳密な編年方式によって叙述するこ
と自体が不可能なのである」と書かれていますが、これらはまさに彼の帝国を築くた
めの累積戦略そのモノのことではないでしょうか?

累積戦略という考え方は戦争という経済以上に人間にとって死活的な事象を前にして生まれたモノと考えられ、より戦略の本質をついているし、普遍性も汎用性もあるような気がしてなりません。
(SSA生)

〔将来作戦と当面作戦〕

アメリカ軍の作戦は「ふたつの時間軸」がある
 「将来作戦」と「当面作戦」が連続性と相関関係を保持しつつ全体計画を立案

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月14日(火曜日)
通巻第7050号  
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小山修一『自衛隊はアフリカのジブチで何をしているのか』(育鵬社)より

『アメリカ兵との交流で分かったことは、兵站と情報重視という、日本の自衛隊がもっとも不得手な分野で歴然とした差違であったという。

大東亜戦争でも、日本の暗号は解読されて、作戦は筒抜けだった。日米軍人の思考の違いに関しては、「日本人は一般的に戦略や危機管理の分野に弱いと云われるが、このような違いは日本とアメリカの思考の違いからきているのかも知れない。アメリカのものの考えたか、とくに作戦を考える際には「多層的な空間の概念」と「連続性のある時間の概念」に顕れているという。

わけても「時間の概念」について、アメリカ軍の作戦は「ふたつの時間軸が存在している」と著者は指摘する。

 「将来作戦」と「当面作戦」が時間的要素の作戦概念であい、連続性と相関関係を保持しつつ全体計画を立案し、実行する。

それゆえ著者個人は「自衛隊は10年から20年遅れでアメリカ軍の行ってきたことを細々と追随しているように感じる」という(188p)

ジブチ現場の自衛隊の活動内容、その仔細な内容が理解できた。』