レバノンで新内閣が発足へ

レバノンで新内閣が発足へ 1年1カ月ぶり政治空白解消
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10CQ70Q1A910C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】中東のレバノンで有力な富豪・政治家のナジブ・ミカティ氏を首相とする新内閣が発足する。10日、首相指名を受けていたミカティ氏とアウン大統領が閣僚名簿に合意した。2020年8月以来、1年1カ月にわたって続いた政治空白が解消する。新内閣は崩壊の危機にある経済の再建に臨む。

レバノンのメディアによると、財務相には中央銀行幹部のユセフ・ハリル氏が就く。昨年8月に退陣を表明したディアブ政権に続き、超党派の専門家集団による内閣となる。レバノンでは宗派・党派対立が激しく、人事が難航してきた。

ミカティ氏は7月に首相指名を受けた際、経済再建に向けて国際通貨基金(IMF)と協議する考えを示していた。10日のテレビ演説では国際社会に支援を求めるとした上で、IMFへの支援要請は明言しなかった。伝統的な支援国のアラブ諸国との関係を改善する考えも示した。

22年春に予定されている総選挙は予定通り実施するとした。

レバノンは20年3月に債務不履行(デフォルト)を宣言した。通貨の実勢レートはドルに対して公定レートの10分の1に暴落し、国民はインフレに苦しむ。最近では燃料不足で停電が常態化し、自動車の給油もままならない。国際社会はレバノン再建支援にあたり、まん延する腐敗や非効率な行政運営の改革を求めており、内閣の発足は最低条件とみられていた。

ミカティ氏はレバノン屈指の富豪で、過去に2度首相を務めた。各宗派に権力を分散する慣例通り、イスラム教スンニ派から選ばれた。』